「……時間がたつのって早いよね……」

 シータはアルサレアの研究所の外にある原っぱでクッキーを食べながら寝そべっていた。
 その彼女の脇にはやたらと肉厚な装甲と拳の先にはちょうど英語の「r」みたいな形状の爪が付いている凶悪な手甲が置いてある。
 彼女にとってはいくつもの死線を乗り越えて戦ってきた相棒の一つである。

「…これとも付き合い長いよね〜…あ、そういえば」

 シータは手甲を手に取ると、装甲の裏にある隠しポケットをごそごそ探って、中から本を出した。
 サイズは手帳サイズだが表紙は防水を考えてかビニールか何かでコーティングされており、かなり思い入れのある本なのかシータは埃を払うように撫でてパラパラ捲る。

「よかった。ちゃんとあった」

 この武器は最初亡命した時に没収されていた物だったが、先日の模擬戦闘(LIPS番外編参照)の後、正式にアルサレア参謀本部長の直轄部隊に所属することになり、返却されたものらしい。オマイクロンの武器である銃器一式も同様に没収されていたので今頃武器のチェックに余念がないことだろう。

「…新しい技考えたから、ちょっと書き込んでおこっと♪」

 シータは白紙のページを開くと技の詳細や経緯、練習方法などを書き込み始めた。
 しかし、ふと手を止めて本の表紙の方をめくる。

 …技は基本の応用技、奥義は基本の昇華技…
 …技や奥義は個人のものであり、継ぐべきものではない。自らを鑑み、律する事こそ奥義と知れ…
 …我流こそが最弱にして最強の流派……

 …いくつかの項目に分けれているものを抜粋した文の中に少々偏見も入った解釈もあるが、シータのものとは思えない達筆な字体で書かれているページをジッと見るシータ。

「……御師様、今頃何してるのかな?」






 

機甲兵団J−PHOENIX 外伝の外伝(番外総集編)

語れられない刻の記録『無形という名の拳 前編』






 

 〜回想シーン開始〜


 赤かった。
 地面を見ても空を見てもひたすら赤かった。

「………」

 自分の手を見ると、手も赤かった。

「………?」

 手で顔を触ってみる。

 ヌル……

 ヌメッとした感触に違和感を感じたので、触った手を見る。

「……ああ、これ、血なんだ」

 よくよく周りを見てみれば、そこかしこに人の形をしたものが転がってる。

 ジャブ…ジャブ……

 何歩か歩いたけど足が重かった。力も全然入らない。

 …ジャブ…ジャブ…ズルッ!

「あ…」

 ……バシャンッ!

 足が滑って倒れてしまった。口の中に鉄の味がする。
 気持ち悪かったけど、もう力が入らなくて起き上がれない。

「………」

 寝転んで空を見る。やっぱ空が赤い……

「……ボクがやったのかな?」

 そう思った瞬間、フッと気が抜けたように意識が途切れた。





 

「………んん………」

 目を覚ます。……ここはいつも使っていた研究室だ。
 ……今のは夢…だったのかな?

「……気が付いたか」
「…気分悪い……」
「だろうな」

 頭や腰、胸についていた測定器の端子を外すと、測定台から降りてハンガーにかけてあった服を上着だけ着る。
 ……ここは冷房が効いているので下着だけだと寒いのだ。

「……この後のボクの予定は何ですか?」
「…ん〜…このあとの問診が終わったら今日は特に無い。自由にしてて構わんぞ」
「…わかりました」

 なら、ここにいる理由も無いので、ボクは上着を一旦脱ぐと上の下着を手にとって、服を着替えなおした。

「……腕や頭の調子が良くなかったらすぐに言えよ、再調整しなきゃならんからな。あと、体に馴染むまで試しに使おうなんて思うな」
「了解」

 ……インターフェイスの強化…と言われてもあんまり違和感ないなぁ…ほんとに強化されてるの?

「……うぅ〜まだフラフラする…」
「…麻酔の量が多かったか? また主任に怒鳴られるなぁ……」

 ……ちょっとはこっちの心配もしてと言いたかったけど、どうせボクが何言っても聞いてくんないだろうから、そのまま無視して部屋を出た。



 

 ----20分後----



 

「……自由……何してよ?」

 問診も終わったんだけど、時間はまだ15時……みんなはまだ訓練の真っ最中だろうな?
 そんな事を考えながらトコトコ歩いてると、自然に足が訓練場に向かっていた。




 

 ヴァンッ…バンッ…!

 射撃場の見学室に入ると、アイオタとラムダが銃撃ってた。

『貴様等! 一体何年やってる!?』
『10ヶ月です』
『ここに来て8ヶ月くらいでしょうかね?』

 …教えていた教官の顔が一瞬引きつった。
 にゃはは、きっと二人を叱ろうとしたんだろうけど、ボク等が特殊な存在だって事忘れてたんだろうな〜♪

『…い、いいか、何度も言うが人間を狙う時は体の軸線を狙えと言ってるだろう!』
『『…はい』』
『…それが何だあれは!?』

 ……?
 …標的を見るとアイオタは肩とか側頭部とか狙ってる感じで、ラムダは足とか手を狙ってるような当て方だった。

『殺さずに無力化できる場所を狙ってました』
『真ん中狙うの飽きたから、指を狙ってただけですよ』
『……き、貴様らなぁ…!』

 あ、肩震わせて怒ってる。
 ラムダってホント教官からかうの好きだなぁ…アイオタもアイオタで頑固だし……テキトーに相手してればいいのに。

 この後のことは想像できたので、ボクはコソコソと外に出た。
 …ボクも実は、気に入らない教官からかうのが好きなので見つかったら一緒にお説教されちゃうかもしんないからだ。




 

 今度はミュウのとこに行ってみよ。
 この時間なら………?

「……と、この法則を逆に応用したのが……って聞いてるか〜?」
「…あ、はい聞いてます…ふぁ……」

 …やってるやってる♪

「……今日はここでやめておくか?」
「いいえ、頑張ります!」
「……研究室で色々やっているらしいが…根を詰めるのも程々にしとけ……ん、8…っとシータだったか…どうした?」
「…シータ?」

 …あ、気付かれちゃった(汗)
 教室のドアから顔だけ出して見てたんだけど、バレちゃったから中に入る。

「えへへ〜暇だったから見に来ちゃった♪」
「…あぁ、今日は確か例の手術の日だったな。各分野に合わせたインターフェイスの強化とか何とか……?」
「うん」

 この人は鷹獅子って名前の人。この名前はあだ名みたいで本名と空中からの一撃離脱戦法を得意とする所から洒落てついた名前なんだって。
 本名が言いにくいとかで、本人もあだ名をあえて使ってるみたい。
 …操縦技術は割と普通みたいなんだけど、AIとか機体の設計が得意みたいでそのAIも同じ様に空中戦が得意みたいだから、多分そっちの方で有名な名前なんだろうなぁ?

「…大丈夫なの?」
「…そうだな。安静にして無くて良いのか、シータ?」

 最初、冗談が通じなくて苦手だなぁ…と思ってたけど、ボクらの事を名前で呼んでくれる変わった人でもある。

「大丈夫だよ〜ほらほら!」

 ちょっとフラフラするけど、ミュウが心配そうに見てるので元気な振りをする。

「……無理しないでね」
「…は〜い…」

 …頑張って演技したつもりなんだけど、本当は調子が悪いこと見透かされてるみたい。
 ミュウって勘は良くないはずなんだけど、どうしてわかるんだろ? それともボクの演技が下手なだけなのかな?

「……さて、講義の続きだが……シータも聞いていくか? 分かりやすく説明するぞ?」

 …う……

「…にゃはは…えんりょしま〜すっ!」

 難しい話はやだから、ボクは足早に部屋を出た。


 ……どうせだから、ガンマにも会いにいこ……ガンマは今日のスケジュール終わってるみたいだけど、多分あそこにいるでしょ……

 …武道場をのぞいてみる………

「あれぇ…だれもいないなぁ?」

 中に入ったけど…やっぱりいない?

「ん〜どこいったんだろ?」

 とりあえず寝転んで畳の感触と香りを楽しむ。

「……何のようだ?」

 ……え……

「…うわっ、ガンマいつからそこに!?」
「……おまえが来た時からいたぞ?」

 ……全っ然気付かなかった……
 ガンマはボクが入った入り口とは反対側の縁側で座禅を組んでいた。

「…そっか、今のがホントの気殺……」
「……俺としては単に精神修練していただけだが、強いて言えばそうなるか」

 気殺はボクも練習してるけどガンマのそれには遠く及ばない。ちゃんと頑張らないといつまでたってもガンマには追いつけそうもないよ〜。

「むぅ〜〜訓練の戦績も13戦5勝しかしてないし〜…これじゃ差がつく一方だ〜!」
「……剣対拳の戦いで5勝されているこっちの身にもなれ」
「……それに勝ちって言っても限りなく引き分けに近い辛勝だし〜…いつか完勝するまであきらめないんだから!」
「………好きにしろ」

 …好きにするもん…って、あぁ〜ガンマ呆れた顔でため息ついてる〜! 

「さて」
「……お?」

 ガンマは座禅をやめると、筆で一筆書き始めた?

 真秀ろばの 境地如何や 問われれば 陽炎なりと 徒然思う

「……うむ…出来はしたが…駄作だな……」

 …頭を軽くかいているガンマだけど…何それ?

「…短歌だ。5・7・5・7・7の形式で文章を考えるものだが…どう思う?」

 ボクの表情で何を言いたいのか察したのかな?

「全然、わかんない」
「…そうか…」

 どこと無く寂しそうな顔をするガンマ。…共通の趣味もってる人少ないからかなぁ?

「…仕方あるまい。華でも活けるか」
「……そっちはもっとわかんな〜い! あれだけ作っておいてまだ作り足りないの?」

 ボクは武道場の床の間や縁側の隅に置かれている棚を指して言った。
 床の間には枯れ木と自然の草花を使った飾りが…っていつの間にか増えてる!?
 ……それによく見ると『わしきぶよう』とかいう変な踊りで使ってる扇子が置かれてるし〜?

「……何がしたくてあんなのしてるのさ?」
「…精神修行の一環だな。舞にしても武芸に通ずるものがある」
「……そなの?」

 ……なんで踊りと戦いが関係するんだろ?

「…どう説明すべきかな…口で説明するのは難しい……」

 …考えてるガンマだけど……

「……相手の呼吸や表情、視線で次の動きを読んで、行動するところ…かな…?」
「…ふーん…ボクもやってみよっかな……」
「ならば、教えよう」

 ……なんかガンマが妙に嬉しがってるように見えるのは気のせ〜かな〜?




 

 ……数日後………




 

 ようやく力を使う事を解禁されたので、ボクはさっそく野外にある訓練場に向かう。
 …訓練場といっても、基地に隣接する森林や湿地帯をそのまま使っているので、野生動物もいるんだけど大型の肉食動物なんか滅多に居ないから、あんまり気にしてない。

 …もっと怖いのがいるんだけど……



 

「…おっかしいなぁ…ここで待ってるって聞いたんだけど……」

 訓練場を走り回ってもう一時間…………どこいったんだろ?

「…御師様〜いますかぁぁ〜!!」

 ……しーん………

 …隠れてるのかな? 御師様の気殺もガンマ並だからなぁ…?


「……40過ぎにもなって『独身貴族』とか強がってる甲斐性無し駄目男〜〜?」


 …反応無い…はっ殺気!?

ドカドカドカッ!!

「……にゃは…間一髪……」

 とっさに横飛んだけど、さっきまでいた場所から目の前までヤミフブキで使ってるくらいの大きな手裏剣が刺さってた……

 …ガシッ!

 …やば、後ろから…ニギャッ!?(頭を思い切り捕まれた)

「離してよ〜御師様〜」
「やぁかましいっ! どうせ俺ぁ甲斐性もこらえ性もついでに言えば常識もねぇ独り身だが、手前ぇにだきゃ言われたくねぇぞ、この馬鹿弟子!!」
「そこまで言ってない〜!!」
「言って無くても考えてただろうが! 師である俺が言ってるんだから間違いない!」
「勝手に決めないでよ〜!」

 …ホントに思ってたけど、言わない方がいいと思ったから言わなかったりして……イタタタッ!?

「手前ぇの考えてる事なんざ、お見通しだってのっ!」

 …何を…ってナギャヲアッ!?(頭捕まれたまま投げられた)

「…っの!」

 ボクは体勢を入れ替えて木の幹に着地すると、その反動を活かして御師様に蹴りを加えようとする……

 …ガチンッ!

「…チッ…ちょっとは学習するようになったか?」

 …あっさりと受け止められた!? あ、足捕まれ…!?

 ……ドシンッ!!(軽々と振り回されたあと、地面に叩き付けられた)

「…ガ…ガフッ、ゴホッ…!!?」
「ふん、受け身の仕方も覚えてきたか……ちったぁはまともになってきたな?」

 …うぅ…つくづく思うけど、御師様って本当に人間なのかな?
 実際ボクって何度死にかけたかわかんない。…その割に骨折とかはあんまりしてないんだけど……これってやっぱり御師様が手加減してるって事?

「…ま〜た何か妙なこと考えてるだろ?」
「…コフッ…い〜え、考えてません」

 本当の事言うとそれこそまた何かされそうだから、それだけ言って大人しく立ち上がる。

「あ、御師様『縮地』のしかた、覚えました〜」

 誉めてくれるかな〜…とちょっとは期待してたけど、御師様は何だか呆れているような目だった。

「…で、連続何回出来る?」

 …え…連続で?

「……4〜5回…かな…?」
「…ちょっと歯ぁくいしばれ」

 ゴッガシッ!(頭をアッパーで殴られて程良い高さになったところでお腹蹴られた)

 …一瞬何が起こったかわからないまま茂みに吹き飛ばされたけど、激痛に耐えながらしばらく茂みで考えたら何が起こったのかわかったので顔とお腹を押さえながら立ち上がる。

 ガサガサ……

「…いたいよぉ、御師様〜なんで〜…?」
「ったりめぇだぁっ! そんなくだらん事いちいち報告せんで良い! 縮地なんてのは、移動術においてごく基礎的な技だろうがっ! それがたった4回だと!? そういうのは『覚えた』じゃなく『掴んだ』程度だっての! まして『出来る』とほざくには百年早ぇっ!! …連続で50回以上出来りゃ、ま最低レベルの及第点か?」

 ……ご、ごじゅっかい!?

「……そ、そんな〜…どうすればそんなに〜」
「この阿呆が…手前ぇは肉体能力に頼り過ぎなんだよ!! …今日は基礎の仕上げやるつもりだったが…過大評価をしていたようだな…!」

 …御師様は腕をボキボキ鳴らしてニヤリと笑う……うう、絶対何か企んでる……

「……とりあえず、いつもどおり俺様用の昼と夕食用に何か食えるもん捕まえてこい…っと、魚以外でな。…分かってると思うが罠や武器のたぐいは無しでだぞ?」

 …ガシッと拳見せながら言う御師様。
 ……うにゃ〜…今度は猪でも捕まえないとダメかな〜…網使って魚捕まえてきたら手足縛られて川流しされたし……

「……はぁ〜い……」
「…その後で自由組み手だ。俺に一発当てるか動けなくなるまで帰さんからな!」
「う…わかりました……」

 …結局、その日訓練から解放されたのは、ボクが失神した後だった。









 

 〜回想シーン終了〜



 

(なんか思い出してたらムカついてきた…っとと、集中集中……)

 シータは座禅をしていた。
 手にはさっき食べていたクッキーの欠片が残っていた。

 …待つことしばし……

 ……チチチッ…

 シータの手に小鳥が止まってクッキーの欠片を啄み始めた。

(捕まえた♪)

 ……手に止まっただけなのだが、シータはそう思う。
 その気配を察したのか、小鳥は飛び立とうと羽ばたく……

 …パタタタタッ……

 …羽ばたいたのだが、何故か飛ばなかった小鳥。…小鳥自身も不思議に思っているのか辺りをキョロキョロしている。

「…ゴメンね〜驚かせちゃって」

 今度はちゃんと飛び立つ小鳥を見ながら、そんな事を言うシータ。
 さっきのは、シータが飛び立たせないよう何か細工したらしい?

「…ボクの気殺もここまで上手くなったけど…ガンマにはまだ遠く及ばないなぁ……ガンマの気殺って、もう『隠形』ってくらいのレベルだったもんなぁ……」

 しみじみと頷きながら呟くシータ。彼女にとって、ガンマはやや苦手ながらも、もっとも尊敬する人間として認識しているらしい。

「……最後にもう一回……」

 シータは軽く飛び跳ねるように準備運動するといったん立ち止まって今度はゆっくり歩き始める。

「……八葉……」

 瞬間、シータの体が揺れると、まるで踊っているかのように予測の付かない不規則な動きで…そして遠くで見てても追いきれない位のスピードで移動する。
 
「……相手が居ないといまいち実感無いけど、多分これで良いんだと思う……」

 動くのをやめていまいち自信なさげに独り言を言うシータだが、表情はそれほど暗くなっていない。

「…今度オマイクロンか誰かで試してみよ♪」

 そして再び本を隠しポケットにしまうと爪を手甲の中に収容して肩に背負う。

「よーし、これからもっと修行して強くなるぞ〜! 打倒シリアおねーさん、ギーグおじさん〜!! そして御師様をボコってやる〜!!!」

 ……正直、恐ろしく高い目標だと思うが、目の前に壁があるというのは、本当は幸せなことなのかも知れない。







 

 ……後編に続く……




 



キャラ紹介
 ラムダ=スナイプ
 ベリウムの特殊強化兵の一人で、シリアルナンバーは11「ラムダ」
 金髪碧眼だが、目立つので普段は黒く髪を染めてカラーコンタクトを付けて黒髪黒眼にしている。髪型はやや背中くらいまである長髪で、年齢は19歳。しかし童顔で見ようによっては女性にも見える優男風の美少年。
 全体的に強化されている第一ロットの中で、特に諜報技能を重視した強化を受けており、インターフェイスは諜報重視を持っている。
 第一ロットだけあってPF操縦や肉体能力も高いが、諜報技能を重視している事もあり潜入技術や話術、変装術を得意としているが、かといって戦闘技術が低いと言うことはなく、格闘・射撃の技術もシータやアイオタにはやや劣るが、ミュウよりは高い。
 特に射撃はアイオタを砲撃手とするならラムダは狙撃手と言える腕前で、長距離射撃ではアイオタより上だったとされている。
 元々ヴァリム側の依頼をこなしていた腕利きの傭兵だった事がその戦闘技術の高さの理由だが、何故この計画に参加することになったのかは本人から何の説明もされていないので不明である。(強要されたからでは無いらしいが…?)
 性格は基本的には真面目で冷徹だがそれは作戦中に限っての話で、普段は不真面目この上ない態度でいるので訓練なども積極的に行わず教官などからよく怒られていたらしい。(それを見てからかっていた事もある)
 趣味は散歩と日向ぼっこ、森林浴とお金をかけないのんびりとした事が好きだった。
 好物はパンの類とコーヒーで朝はそれで済ませていることが多い。
 コーヒーはブラックだったが、強化されてからはインターフェイスの影響か砂糖を少し入れるようになったらしい
 名前の由来は得意分野だった「狙撃」からそのまま引用しており、パーソナルカラーは「エゴに染まらない」という戒めを込めて白を使っていた。(今は逆の意味でパイが使用している)
 キャライメージは「廃棄王女」の「フューレ=タクト」
 先程の説明の通り元々は傭兵だが何か思うところがありこの計画に参加したのだが、強化の段階で嫌気がさしていた所に加えて特殊強化兵量産化計画の概要を知ったラムダは単身で逃亡しようと試みるが…覚醒前の(現在の性格でなかった)パイに殺されてしまう。


 作者コメント
 …この辺りの(ラムダとパイの)話はいずれ書こうかと思ってますが…正直、気が重いですねぇ…(苦笑)
 

 アルフォンス=ヴォルフバインド
 ヴァリム所属の軍人で年齢は45歳だが、見た目は30台前半…見ようによっては20代後半にも見える。現在の階級は中佐で、名前とその猛々しい戦い方から『狼の咆哮』という通り名を持つ。
 作中に出ているシータの師匠であり、特殊強化兵体術指導を担当していた教官。
 年齢が示すとおりヴァリムでもかなり古参に入る人間でPFが無い時代からの軍人であるためか、はたまた修行の賜物なのか、生身で特殊強化兵を圧倒できる戦闘能力を持つ。
 縮地を『基本技』と言ってのけるほどの体術能力があり、自分の身長よりも大きい大型手裏剣(?)と斬馬刀みたいなクナイ(?)を武器とする。ちなみにその武器を持っていても縮地は欠伸しながらでも使えるようで、冗談抜きで忍者のような人間である。
 しかし、それでも自分の強さに納得していないのか日々の修行を欠かさず、偶に何処かに出かけては腕試しをしている。
 性格はとにかく破天荒で常識が無く、口も悪い男。しかしその割りに面倒見がよく世話好きという訳の分からない性格をしている。<ずっと独身なのも分かるような気も(汗)
 趣味はこれまた意外で料理と掃除。しかし、その生活ゆえか野性味溢れる料理しか作らず、散かすのも好きなのであまり受けは良くない(苦笑)
 また、その料理好きが幸いしてかスパイスや漢方薬を作るのも好きである。
 特技は当然格闘技全般、各種武器取り扱いだが、銃器はあまり使った事が無いらしい?
 なお、前線で戦っていた(救っていた)時に医療技術を『見よう見まねで覚えた』という事で、後にろくな勉強をせずに試験に合格し一応医師免許を取得している。
 本人曰く『実戦に勝る修行無し』という事だが、担当は外科ではなく主に内科&薬剤師だとか(苦笑)
 キャラクターイメージは『SAMRAI DEEPER KYO』の『壬生 京四郎』
 なお、知り合いに紛らわしい名前がいるので略称で呼ぶときは『アル』ではなく『ヴォルフ』と呼ばせるようにしている。

 ベリウムとはまったく縁が無く、元々はザーンシティの警備を担当していた部隊に所属していたがアルサレアとの戦いが始まった前後に『旅に出る』と書き置きを残してアルサレアとの戦線付近で戦車相手に『武者修行』をしながら前線で疲弊した兵を敵味方問わず救って回ったと言う当時としてはかなりの変わり者(汗)
 その後双方にPFが登場する頃になると今度は『飽きた』と言い残して上官に退役届を郵便で送ったのを最後に姿を消す(もちろん受理はされていない)
 しかし、(鷹獅子の紹介で)教官としてベリウムに引き抜かれるまでどこでどうしていたかは不明である。(一時期ミラムーンの知り合いの家に世話になっていた、修行で時々研究施設があった島に来ていたという事だが…?)


 作者コメント
 …我ながらとんでもないキャラを作ってしまいました(滝汗)
 鷹獅子についてはクリスマス番外編にちょこっと書いてますが、彼は4足戦車が主力だった頃にすでに前線に出て戦ってました。その時に助けられた&共闘して知り合いになったものと思われます(苦笑)



 

設定
 シータの格闘術『無形流』
 作中でも少し述べているが、彼女の流派は限りなく我流に近い格闘術である(苦笑)
 そもそも彼女が師事する事になった流派は、忍術の流れを受け継ぐ流派なのと『技は個人の所有物であり、必ずしも継承していく物でない。継承するのは志のみ』という考えなので技や奥義を継承するという習慣はなく、基本的に先代から弟子に伝えるのは打撃系基本技術(拳、手刀、掌底、肘、肩、足、膝、額の使い方)と崩し技術(投げ技の基礎)、接骨技術(間接技の基礎)、各種武器取り扱い基礎(必要に応じて)だけであり、技や奥義などはそこから自分で模索し自分にあったものを考えていかなければならないというしきたりがある。
 先代から技を盗むのも自由だし、他流派の技を応用しても構わないが、最低何か一つ先代を越える技を修得しないと皆伝とは認められないらしい。なお皆伝と認められれば、技を書き写すためのノートが渡される。
 このノートは当然の事ながら白紙(書いてあったとしても流派の志のみ)で、自分で技を考えて埋めていかなければならないという、極めて放任的…そしてある意味とても厳しい流派(とさえ呼んで良いかどうか怪しい所はあるが)である
 流派名は正式には決まっていない(そもそも開祖たる人物が流派として広めるつもりがなかったらしいので最初から無かった)が、いつからか「決まった語りや型・構のない流派」という意味から「無形流」という名で伝えられているらしい。(皆伝であるシータは「無形流シータ派」としている)
 なお、上記の通り秘伝書とか奥義書は存在しない(個人で持つ手記のみ)ので『免許皆伝』という段位が存在しない(『皆伝』が最上位の)流派でもある。

 <参考>
 段位は下から『口伝』『切紙』『目録』『初伝』『中伝』『奥伝』『皆伝』の7段位あるらしい。
 ちなみにファイは『中伝』パイは『初伝』であるようだ。
 ※段位については古武術から引用してますがかなり端折ってます(苦笑)<本当はもっと細かい(汗)


 隠形
 シータがガンマや彼女の師匠が使う気殺を例えた表現。
 完全な気殺の場合、例え視覚内にいても認識できない(しにくい)事からまるで姿を消したようだと思うところからこのような表現をしたらしい。
 語源は術などを使用して姿を隠す事を指す。


 八葉
 シータが使う技の一つで、縮地応用技の一つ。平たく言えば『分身の術』である(苦笑)
 元々は『陽炎』という『気殺→縮地(不規則な動きで使う方)→発気(後述参照)』を繰り返しながら常に相手の死角を移動することで相手に使い手の居場所を誤認識させる技であるが、これに『八艘(瞬間的に加速する方の縮地を使った移動術)』を複合するによって気配が複数あるように感じさせる技らしい。
 決して姿が複数見える(近距離で残像が見えるくらいで、擬似気配は現時点では最高8つ)という訳ではないが、なまじ気配があるので気配で相手の動きを追える達人ほど惑わされやすい技でもある。


 発気
 シータが使う技の一つ。
 自分の存在などをあえて相手に教えるために殺気や気配をぶつけるもの。
 ただ使い方と相手次第では動きを封じたりある種の牽制にもなる。
 某アニメで『プレッシャー』とも言われていますが(苦笑)



 

あとがき
 …何故か勝手に筆が進んでしまいました(爆)
 とりあえずシータ達の修行時代の話をほとんど書いてなかったし、まだ未紹介キャラも居たので、これを機会に載せてみました<どうせ故人だけど(汗)
 後編はヴァリムサイドのキャラにスポットを当ててみようかと思いますが…はてさて、何を書こうかな(おい!?)
 では、感想お待ちしております(苦笑)



 


 管理人より

 ヨニカさんより前編をご投稿頂きました!

 いやはや、非常に厳しい修行時代な事で(汗)

 次回は……第2ロットのメンバーでしょうか?
 


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