チュンチュン…チチチッ……
夜のとばりが開ける事で小さい鳥が囀る中、ここ…グリフィス孤児院でも次第に忙しくなっていた。
孤児院の朝は配達のバイトをしている子供達の声と、それを出迎える大人達の声…そして炊事場から聞こえる仕込みの音から一日が始まる。
…ミナはその時……
「…ぐれんり〜だ〜さま〜……」
…まるでどこぞの4人のような台詞を言いつつ、Jフェニックスのぬいぐるみを抱き枕にして寝ていた(汗)
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ!
一応目覚ましはセットしていたらしく、やや正しい時間より遅れてアラーム音が鳴るが…
「……にゃぁ〜…」
手だけ動いてベルを止めるとまたそのまま寝てしまう。
「…って寝てる場合じゃないですぅ〜っ!」
『朝遅刻すると明日は仕事二割増、二日連続だと三割、四割…と続いて、六日連続になると二倍、三倍に仕事が増えるぞ?』
ミナは寝る間際に言われた言葉を思い出しながら着替える。
ちなみに遅刻した場合のペナルティで増えた仕事は一番速く来た人の仕事を軽くする事で補っているらしい(『早起きは三文の徳』という言葉を実践させるためとのこと)
「…にゃ!? まだ間に合う〜!!」
寝癖を手で直しつつドアを開けて階段へ向かう……
ここでバランスを崩して階段を転がり落ちる……
「…っとっとっとっとぉ…着地成功ですぅ!」
……というオチは無く(そこまでお約束的な事はしません)、文字通り猫の如く階段を降りて外に出る。
外ではすでに点呼らしきものが始まっていた。
「ミナ=タチバナさん? いらっしゃいますか〜?」
「あぁっ! はいはい〜ここにいまぁ〜す!」
慌てて点呼を取っている従業員らしき人物の所に駆け寄っていくミナ。
…きょうから孤児院での生活が始まる………
その日の昼前……整備工場の中……
副院長とシャオロンが端末に向かって何かをしていた。
カタカタ…カタカタカタ…
「……こうかな?」
「そうだな。これでも良いが……」
カタカタタタタタ……!
「どうだ?」
「…ごめんなさい」
「謝るような事じゃない。それに筋は良いぞ…経験不足は否めないが…俺の愛弟子だった2人と比較しても…そう劣るものじゃない」
「……その人たちは今どこにいるの?」
……少し考える副院長(ここでは工場長)……
「…さてな…ハッキング技術を教授した方はヴァリムに居るはずだが…整備技術を教授した方は…行方知れずになっている。…死んだという噂もあったな?」
ちょっと怖い…悔しそうな顔で言う工場長に、シャオロンは少し怯えたように身を引く。
それを察して、工場長は表情を元に戻す。
「すまないな。昔、思い出したくもない……どうしても納得のいかない事があってな……」
「……ごめんなさい」
「だから、シャオが謝る事じゃない。…私が悪いんだ……私が……」
今にも泣きそうな顔ですり寄ってくるシャオロンの頭を撫でる工場長。
「「……あの〜…?」」
工場長とシャオロンが2人の世界を作っていた(単に入り込めないだけ)ので、フィエナとミナはとりあえず戻ってきてもらおうと思い、声をかける。
まだすり寄ってくるシャオロンを離して、立ち上がる工場長。
「…ん゛んっ! …もう朝食の片付けは終わったのか? …それにフィエナまでどうした?」
「終わってなかったら、ここに来てませんよぉ〜」
「…ちょうど暇だったし、ミナちゃんに興味があって♪」
「……あぅ、私〜そういう趣味はぁ……(汗)」
「違う違う、あたしもパイロット目指してるからって意味!」
「そ、そうですか(汗)」
「そうそう♪」
…どうやらすっかり打ち解けているようだった。
「そうか……シャオ、悪いが端末の操作指導については日を改めて行うことにしよう。…すこし、手伝ってもらえるか?」
「……はい」
涙ぐんでいる目を拭くと、いつも通りの笑顔に戻るシャオロン。
工場長は3人と一緒に、整備場の奥へ進む。
「…具体的にはどんなことするんですかぁ?」
「別に特別なことはしない。単にパイロットとしての能力を測りたいだけだ」
ミナの質問に答えながら、工場長は整備場の片隅にあった装置を覆っていたビニールシートを取り払い、装置を起動させる。
PFのコクピットブロックをそのまま持ち込んで、見た目を綺麗に覆ったかのような形状であるが…?
「…軍で正式に使用しているPF操縦シミュレーション用のシステムだ。…中古品で型は古いが…さすがに軍仕様だけあって、市販のシミュレーション装置とは比較にならない精度を持っている」
「へぇぇ…?」
感心した様にミナは声をあげると、興味深そうにそれを触った。
ハッチを開けて中を見ると、確かにPFのコクピットそのものだった。
「…とりあえず、この測定用ヘルメットだけつけて中に入ってくれ。…あとは、こっちでシステム調整する間にシートや使用機体の調整をしておいてくれると手間が省ける。サンプル機体から、自分に合っていると思ったものを選んで調整してくれ」
「はいです〜」
「「がんばってね〜☆」」
「シャオロンはこっちを手伝ってもらえないか?」
「はい♪」
「…あたしはあたしは?」
「……応援でもしていてくれ」
「……………はい……」
グッと何かをこらえるように返事するフィエナだった。
ミナは言われた通りヘルメットをかぶると、いつものようにPFのOSを起動させ、コクピットシステムの調整を行う。
『…こっちの準備は終わったが、そちらはどうだ?』
「こちらもおわりました〜」
『…よし、では早速始めよう…まず、単純な訓練だ。目標を1分間にどれだけ撃破できるかというものだが…』
「あ、それならやった事ありますぅ♪」
『…では、説明は要らないな。機体は…二刀流接近戦型…これで良いのか?』
「これが一番私に合っているような気がしたんですよぉ〜…可愛いし♪」
ミナは機体スペックを見る。
「………すっごーい!何なんですかぁ、この機体〜〜!?」
『…ああ、とある依頼で設計した機体だな。…少しばかり訳ありの機体で、どこの依頼かは言えないけど』
副院長はお茶を濁すかのように曖昧に説明しながらフィールド情報を入力し、ミナの目の前には草原が地平線まで広がっているような疑似風景が映し出される。
「…では、シミュレーション開始!」
「了解です〜」
…………終了………(手抜きですいません)
「……嘘!?」
「凄い」
「……すまん、もう一回やっても良いかな?」
「え? いいですよぉ〜♪」
…シミュレーション再開………終了………
「…………う〜む……(汗)」
「「…………(滝汗)」」
何も言わなくなった工場長達が気になったか、ミナはシミュレーション装置から出て画面を見る。
撃墜数 32機 記録更新!
1st 32機 M.T
2st 30機 A.V
3st 26機 M.T、S.K
4st 25機 G.T
5st 22機 M.O
…などと画面には表示されていた。
「わぁ♪ これって私の事ですよね〜?」
「…お、おめでとう、ミナお姉ちゃん」
「……凄い…結構やってる私だって10機くらいしかいかないのに…!」
3人でわいわい騒ぐのを見ながら、副院長は内心戦慄とも言えるほど動揺していた。
(…いくら半年前のデータとは言え…これだけで考えると、ミナはすでに強化人間クラス以上のPF操縦能力を持っている事になるのだが……!?)
などと驚愕していると、ミナが工場長の服を引っ張る。
「…工場長さん?」
「ん、ああ…すまん。ちょっと驚いていただけだ…正直、最初は機械の故障か何かだと思ったよ」
「そうよね〜、枕叩きでも凄かったし、こりゃ負けてらんないぞ!」
ヨハンスが軍に入隊した事もあり、久しくライバルとなり得る強敵が居なかったので息巻くフィエナだったが、工場長は別な事を考えていた。
(…レイジ君クラスの人間が『間違いなく大成する』と評価するくらいだから、これは当然の結果なのかもしれん……)
とりあえずそう自分に言い聞かせて、胸の動悸を抑えるように咳払いすると、再び端末を操作する。
「…では、次はもう少し難易度の高い訓練でもするか……シャオ、手伝ってくれ」
「…はい」
「…わかりましたぁ…って、一体どんな事をするんでしょ〜?」
「ミッション形式の訓練だな。標準的なJファーカスタム一機で基地を襲撃する…という、現実には考えられない荒唐無稽なものだが」
…確かに出来る出来ないはともかく、そんな事を現実に実行するのは、アルサレア・ヴァリム双方で考えても指折り数えるくらいしかいないだろう…
「…そうですかぁ…あぅ、私にできるかなぁ〜?」
「……ま、失敗して死ぬわけじゃないし、クリアできなくても恥ずかしい事じゃないから気楽にやってくれ」
「はいです〜」
そして、ミッションがスタートした。
ミナの視界には中規模の基地が見えていた。
「……武装は…サブマシンガンとフォースソード…後はモーターキャノンですかぁ…」
システムや武装・性能をチェックしていると、工場長の顔がモニターに映る。
『…ランダムで設定した相手が決まった。……キシン10機とゼクルヴ3機だ』
「……キシンとゼクルヴですかぁ〜………ええぇ〜〜ッッ!!!?」
…あっさりととんでもない事を言う工場長に驚くミナ。
キシンもゼクルヴも言わずと知れた、当時のヴァリム最新鋭主力兵器である。
…ほんとにランダムでしょ〜かぁ〜それぇ?
『……おそらく最悪の組み合わせだが、これはあくまでシミュレーションなのだから、無理はしないようにな』
「うにゅ〜…でもでも、カスタム一機でこの戦力じゃ頑張らないと勝てないじゃないですか〜」
ミナは一旦操縦をやめると、気合を入れなおすかのように顔を叩く。
「……ミナ=タチバナ、突貫しまぁす!!」
叫びながら基地の警戒システム(固定機銃など)を破壊しつつ基地に攻め入るのだった。
「…う゛にゃ〜〜やっぱり強いです怖いです凄いです〜!!」
ミナは倉庫や障害物の影に隠れてキシンのマシンガンとキャノン攻撃をやりすごすと、ジャンプして一気に接近しようとする。
もちろんキシンもキャノンで迎撃しようと構えるが………
「……にゃっ!」
ミナはその動きを読んでいたのか、咄嗟に横に移動して紙一重でキャノンをかわすと、そのままフォースソードで一刀両断する。
「…やっと6機目です〜…あぅぅまだ4機もいる〜…!」
『がんばれ〜ミナちゃーん!』
『……右から敵機接近してるよ』
「にゃあ〜やっぱり機体が重いです〜思ったように動きませんよぉ〜!」
…そういう割には殆どノーダメージである。(まて)
しかもまだ5分も経っていない(汗)
応援するシャオロンとフィエナをみながら、工場長はミナの動きを分析していた。
(……明らかに機体性能がミナの反応速度に追い付いていない…か……)
工場長はサッと端末を操作してミナの機体スペックを再確認する。
(…スペック的にはもちろん、各部駆動系の設定も最高に設定してあるのにもかかわらず『機体が重い』か…Jファーカスタム程度では力不足という事か?)
……そんなこんなで15分と経たない内にキシン全滅……しかもダメージは2割程度の損傷…モーターキャノン未使用………(滝汗)
……ちょっと待て!!?
そう思わずにはいられない工場長他2名だった。
「…はぅぅ…やっと第一ラウンド終わりました〜…」
『……シミュレーション中で済まないが…ちょっといいか?』
「はい? なんでしょう〜?」
『…君はキシンと戦った経験あるのかな?』
「…いいえ〜、今日が初めてです〜」
『……それにしては攻撃のタイミングを的確に読んでいたようだが……?』
「え? だってキャノンを撃つときしゃがむじゃないですか。それに……」
…ちょっと考えるミナ……
「何となく分かりませんか?『撃つぞ〜』ってタイミング?」
…人間相手ならともかく、シミュレーション装置でそんな事が分かるのは、多分貴方だけです(苦笑)
『……少なくても、私では無理だな』
『『……同じく〜』』
「…そうですかぁ…おっかしいですねぇ〜……?」
『…いや、それも一種の才能なのだろう。…とりあえずミッションの続きをするぞ?』
「了解でーす♪」
そして、再び訓練は再開された………
その夜……
「……天才というものはいるものだな……ふぅ……」
工場長は今日行った訓練の結果をまとめていた。
「…ゼクルヴ戦にしても…まるで瞬間転移を読んでいるかのようにミサイルを迎撃、攻撃に転じる…か…どうして今までこれほどの戦闘能力を持った人間が注目されなかったんだ……?」
特別な改造を全く施していない標準的なJファーカスタム一機で、最新鋭の機体で構成された中隊規模の戦力を壊滅できる存在…もはや軍のエースクラスと同レベルの実力であると考えて良いのではないのだろうか?
「……まあ…あれこれ考えていても仕方ないな…」
工場長は端末から機体データを出す。
「……基本スペックにいまいち不満があるが…レイジ君から貰った技術で作った武器を装備するハンガー…それに腕部と背部に……装置と武器を内蔵……」
……次第に基本のロキから離れたシルエットになりつつある……(滝汗)
「……重量も増装パックの技術を応用して調整……最終チェック問題なし……とりあえずこれで機体を組んでみるか……」
機体設計案を印刷しながら、工場長は期待感と不満足感が入り交じったような顔で苦笑するのだった。
……数日後…………
試作機が完成したという事で、ミナは朝食の仕込みを終わらせるとさっそく機体に乗り込む事になった。
『…いいか、いくつか内蔵兵器もあるが、まだ基本部分を組み上げただけだから、こちらからの指示以外で使用はするなよ?』
「了解で〜す!」
そして、機体を動かしながらレバーの感触を確かめるミナ。
「…速い速い〜♪ 気持ちいい〜♪」
機体がまるで踊っているかのように軽やかな動きで操縦するミナ。
「あ、でもこの機体…前に見た見積もりとは、構成が全然違うよ〜な気も〜…外見もロキくんと微妙に変わっているような〜……?」
『……ああ、気にするな。ちょっとばかり気が変わっただけだ』
「そうですか〜…ってはうぅ、費用はどうなっているんですか〜?」
『それも本来なら変更されるところだが……今回はおまけして据え置きにしておこう。…これは私が勝手にやった事であるし、『見た目がロキと同じ』という前提を破ったカスタマイズであるしな……』
「ありがとうございます〜! 格好良いのでこのままで良いですよ〜♪」
『…そう言って貰えると、こちらも助かるよ(安堵)』
(…値段聞いたら、たぶん気絶するだろうな?)
ちなみに、変更前と変更後では値段の桁が一桁違います(汗)
そんな事とは露知らず、試験はとりあえず順調であったのだが………
ガキンッ!!
腕部の最大稼働耐性テスト中……ロキの右腕の間接から異常音がしたと思えば、右肘関節部からオイルが溢れ、駆動系も壊れたのか右手がだらりと下がってエクスカリヴァが地面に落ちる。
『な!?』
工場長が驚いた声を出す。
「……あぁ…またやっちゃいました〜……」
『…また? しょっちゅうそうなるのか?』
「はいです〜…腕も不良品だったんでしょうか〜…?」
『……とりあえず機体を戻してくれ。…こちらで調べてみる』
「了解でーす」
ミナは左手でエクスを持ち直すと、そのまま整備工場のハンガーに機体を戻す。
「……すいませ〜ん……」
「気にするな。…とりあえず今日はシミュレーションでもしていてくれ。この機体データはすでに登録済みだから、動かす時にかかるG以外は再現できているはずだ……っと、シミュレーション装置の所に、この機体に搭載する新しい武器に関する書類があるから…一応目に通して置くように」
「にゃ♪ 了解です〜」
新しい武器と聞いて今まで落ち込んでいたのが嘘のように気分が良くなるミナであったが……
「うにゃああぁぁ…試験で使った参考書より分厚いよぉ〜〜!」
「………さてと……?」
シミュレーション装置の前で驚くミナを横目で見ながら、工場長は機体の整備に取りかかった。
そして………
「…ぬ、これは……」
…工場長が腕部を解体すると、間接部分や駆動部が真っ黒になっていた。
特に折れ曲がった間接部はあまりの摩擦熱に一部の金属に融解跡が見られた。
「……不良品…という訳ではない…ミナの反応速度に駆動部が過負荷状態になっていたということか?」
…その割にはパワーユニットには外見的異状は見られなかった。
「……となると…人間で言うならば疲労骨折…フレームそのものが耐えられなかった…と言うことになるが……これは難しいな……」
通常、カスタムPFのフレームはパワーユニットやレッグフレーム、BURMなどで調整をする以外は、基本的に既存のパーツをそのまま流用している。
でなければ、一から機体製作をやり直して全くの新機体…オリジナルPFを造っているのだが…ここにはオリジナルPFを提供できるほどの物資はなかった。
(…仮に造ることは出来ても…壊れたらそれで終わりだ)
個人使用のオリジナルPFと言葉に出せば簡単であるが、実際に0から完全な物を造り上げるのは長い研究期間と試作・実験可動の繰り返しがどうしても必要になってくる。
いくら(裏家業で)儲かっているとは言え、そこまでの資金と時間をかけられないし、仮にそれをミナが同意したとしても、個人的にはそんな実験材料のような扱いはしたくなかった。
「……となれば……アレか…」
工場長は工場の片隅にシートをかけて隠している複数のPFを一瞬見ると、事務所に戻ってどこかに電話をかけた。
「………もしもし…恐れ入りますこちらはグリフィス整備工場の……お願いします。………この前は夜遅いところで申し訳ない。……うん……わかった、伝えておくよ。……ところで話は変わるが君が造ったというス…もとい、オリジナルの試作パーツだが…アームフレーム部分だけいくつか貰えないだろうか? …あぁ、この前と違って腕だけでいい…料金は……」
……何処に電話しているかは言わずとも解るだろう…(苦笑)
電話を切った工場長は整備端末を開く。
そこには独特の頭部と肩…そしてやたら細いレッグフレームで構成された機体が移っていた。
「…レイジ君が設計した機体をベースに改修した機体…『エクスランス』…それに使用しているスサノオそっくりのアームならば、ミナの能力に耐えられるかも知れない…?」
…プルルルル…プルルルル…
そんな事を呟いていると、突然電話が鳴った。
「…こちらはグリフィス整備工場………なんだおまえか? どうだそっちは………ああ、みんな元気だぞ………ってわざわざそれを聞くために電話したのではないだろ、何の用だ? ………ラセツのメイン? …ちょっとまってろ……(端末を片手で操作して)……あぁ、一応在庫はあるが………なに!? 出世払いで……しかも送ってくれだと!? ……理由を聞いても良いか?」
しばし無言で電話の内容を聞く工場長……
「……なるほど………わかった…何処に送れば良いんだ………了解……おまえ宛に送れば良いのか? …………変わった小隊名だな………2つ言っておくが、請求書を見て驚くなよ?」
相手の反応を聞いてニヤニヤ苦笑する工場長だが………
「……あとは…間違っても死ぬな! ……それだけだ」
真剣な顔でそう言うと、電話を切る工場長……しばらくすると、再び電話を始める。
「……たびたびすまない。……じつはお願いがあるのだが…配送は例の所にお願いできるかな? ……いや、ちょっとこちらからも別口で送りたい荷物が出来てね。…ああ、助かるよ。…先方には改めてメールを送っておく……すまない、ありがとう…」
……ガチャン……(電話を切る音)
「……ふぅ…まったく…無茶する奴だな…相も変わらず……」
工場長は疲れたように…それでいて楽しそうに嘆息しながら、さっきチラリと見たPFの所に向かう。
「…後でちゃんと直してやるから、ちょっと我慢していてくれ」
そして、そのPFの解体を始める工場長であった。
……夕方…日が落ちて薄暗くなった頃……
…ズル…ズル…
「……はふぅ……もう時間ですかぁ〜。目が〜回ります〜よぉ〜……」
ミナは資料を片手に、シミュレーション装置から這い出るように出てきた。
ちなみにシミュレーション装置のモニター画面には『マスタークラス 999機撃墜』などと表示されていた事だけ、言っておこう(滝汗)
「……そろそろ工場閉めるぞ〜!?」
「あぅ! わかりましたですぅ〜!」
ミナはロキくんとは別のPFを解体している工場長にお辞儀をしながら、やや呆然としていたシャオロンと一緒に外に出た。
ちなみにフィエナは今日、拳闘技道場の日らしく、夕方前に出かけてしまっていた。
……工場から孤児院までの帰り道……
「…ミナお姉ちゃんってどうしてレーダーなしで敵の位置が解るの?」
一緒に訓練に付き合っていたシャオロンは帰り道、そんな事をミナに聞いてみた。
訓練中、シャオロンはわざと『レーダーシステム不良』という条件下の戦場でシミュレーションをしたのだが…ミナはその悪条件下でも正確に敵の位置を割り出し、移動していた。
「……なんと言えばいいのでしょうねぇ〜……そう、閃き…かなぁ? 何かが『いる』とそっちの方向からザワザワ〜ッ…って感じがして…こうピキーンと〜…?」
それは色々な意味で、世界の違うお話です!(滝汗)
「…シャオ、よくわからない……ごめんなさい」
「にゃ〜自分でも良くわかんないですぅ〜」
などと会話しながら帰る二人だが、ミナはふと思い出したかのように振り返る。
「……どうしたの?」
「ん〜〜………いいえ〜何かそこのお地蔵さんの影に誰か居たような気がしたんですけど…気のせいみたいでしたね〜……」
「……怖いよ、ミナお姉ちゃん」
「………あぅぅ、そうですね〜早く帰りましょう〜♪ 今日は徹夜です…」
「……あの資料で必要なところだけ切り抜いた簡易版マニュアル作ったけど…いる?」
「………是非とも!!」
「…わかった。後で印刷して持っていくね♪」
「ありがとうございますです〜おかげでゆっくり眠る事が出来そうにゃあ〜!」
………などと二人が話している頃……
「……これでいいか……な?」
工場長は満足げな顔で外装が無い…内部が剥き出しのアームフレームを見る。
「……ロキの外装にスサノオの間接部とフレーム構造を流用…それにより頑丈に…それでいて軽く……っと、無駄話をしている時間ではないな」
整備端末に腰掛けて今作ったアームフレームと今までのアームフレームとを比較する……
「……よし、十分許容範囲をクリアしている…腕速はリミッターをかけてロキと同等に…そうすればより過負荷になってもリミッター解除で対応できる……」
さらに計算する工場長………
「……よし、問題なさそうだ。……さすがにスサノオそっくりなだけはある。斬馬刀のような重量級の剣をあのスピードで振りぬく間接強度がありながら、重量は軽い……」
などと言いながら再びその改修されたフレームの前に移動する。
「…さてあとは武器と外装を組み込んで重量をロキのそれと同じに……あとはパワーユニット…を?」
念の為点検中だったパワーユニットのモニター表示を見ると『動作不良』の表示が……
「……こっちも壊れていたのか? …しかたがない…予備のスヴェントヴィトを………」
端末で在庫を検索する工場長だが………
「……し、しまった!」
…端末表示には『在庫切れ』の表示が……(汗)
「……最近スヴェントヴィトかヴェントヴィαしか使ってなかったからだな…」
工場長はとりあえず頭をかきながら整備端末に向かい直して構成を変更する。
「……比較的特性の近いトリグラフを代用……属性が変化するからレーダーで調整…そしてWCSとジェルで重量調整……で………と……あれ?」
…再度システムモニターで機体構成とBURMを再確認する工場長……
「………ちょっとまてよ、おい!!?」
その結果に思わず大声で驚く工場長。
「……ジェルの効果で機動性がさらに向上し、武器攻撃力補正が低減するはずなのに、攻撃力が逆に上昇………何とも都合の良い出来すぎた話だな……これは…?」
…今のスペックと前のスペック比較評価しながら、しばし呆然としていた工場長であるが……
「………これならば、十分いけるな……ふふふふ……」
……モニターとロキを見比べながら不敵な笑みを浮かべるのだった。
……翌日……
何故か珍しく朝早く目が覚めたミナ(失礼)は、朝靄の中を散歩していた。
「……んん〜こういうのもいいですねぇ…なんかすっごく幻想的〜〜♪」
すでに通い慣れた道を歩き、工場の近くまで来る……
ズシン…ズシン…ズシン…ズシン……ガシャン!
「……この足音は……ロキくんです?」
……足音だけで分かるんですか……?(苦笑)
ミナが工場まで走ると、入り口で四つん這いになった状態で倒れているロキ…だと思われる機体があった。
完成したロキくんはやはり原型を留めていなかった(汗)
「………誰か乗ってるのかなぁ?」
よく見ると、コクピットハッチが開いていた。…覗いてみたが誰もいなかったので工場の中に入る……と、工場長が疲れた顔でトイレから出てきた。
顔色も悪く、足元もおぼつかないようでフラフラしていた。
「……ウップ……慣れない事するものじゃない……ってどうした?(汗)」
「…にゃ〜それは私のせりふですよぉ〜一体どうしたんですかぁ〜〜……?」
肩を貸そうとするミナだったが、それを丁重に断わった工場長は倒れるようにソファーへと体重を預けた。
「あうあうぅ…あ、これどうぞ〜!」
ちょうど目の前の棚に栄養ドリンクがあったので渡す。
「……すまない………せめて最終チェックくらいは自分でやろうと思って乗ってみたが……情けない事にこのざまだ……ふふ…」
「あぁ、無理しないでくださいね〜」
機体を戻すために起き上がろうとする工場長を止めると、ミナは倒れていた機体に向かう。
「……にゃ♪ これが新兵器ですねぇ〜」
ロキの肩は外装こそロキの物を使用しているが、一見トンファーとも短剣とも思えるパーツが増設されており、腕の部分も一回り大きくなっているような気がする。
(ロキの肩パーツにシンザンの突起部分、スサノオの腕パーツが融合している感じですね)
「………あぁ〜あの剣鞘付きだったんですねぇ〜☆」
右手には当然エクスを持っていたが…それ以外にもう一振り、腰に鞘ごと固定されている状態で刀が増設していた。
「こういう武器欲しかったんです〜♪」
ミナは目を輝かせながらコクピットに乗り込んだ。
「……シート調整…システムチェック……」
機体を立ち上がらせながら調整する……
「にゃ〜…ロキくんがここまで強くなるなんて…感動ですぅ〜〜☆」
基本スペック(後述参照)を見て感動しながらミナは機体をハンガーに戻すのだった。
……1時間後……
「…詳細はあのマニュアルに書いてあるが…新しい武器は以上の4つだな……」
ようやく回復した工場長はミナに機体の説明をしていた。
「……ヘルハンド、ミドガルズポイズン、フェンリルクローとファング…アングルボダですかぁ……」
ミナは改めて武器の名前を口にした。(すいません詳細はまだ秘密です)
「……あとは背部に内蔵した緊急移動用加速装置『レヴァンテイン』だが……」
「…うーんどうしようかなぁ……?」
「……どうした?」
「……いいえ〜せっかくですから、エクスの方にも何か銘でも付けたいな〜と?」
「…神話とか伝説上の剣の名前で良ければ、一通り資料は揃っているが…」
工場長はいくつか本を持ってきた。
「…色々あります〜……あれぇギリシア神話の本が無いです?」
「あぁ、それは私の愛弟子の一人にやってしまってな…新しい本を探しているのだが…中々良い内容の本が見つからなくてそのままになってる」
「…そうなんですかぁ〜…(聞いたらまずかったのかな?)」
工場長の表情が微妙に変化したのを察して、それ以上聞けなかったミナは本を手に取った。
……しばし時間経過……
「……にゃっ! これに決めました〜ク〜ちゃん!」
ガタタンッ!!
ミナの声に思わず重機の操作を誤る工場長(滝汗)
「…く、ク〜ちゃん? …そんな名前の剣あったか?」
ミナは工場長にその剣が書かれている本を渡す。
「……これか…?」
「クラウ・ソラス」
ケルト神話に登場する4神器のひとつ。
別名『不敗の剣』と呼ばれる。さらに、クラウ・ソラスは光の剣という意味でもある。
所用者の名前は「銀の腕のヌアザ」
「……見てたらぴ〜んと来ました〜♪」
「…確かに一撃に総てを賭けるヴァリムの『剣狼』…ジーク=フェルナンデスの神業的移動術(神速)を駆使した一撃(推定攻撃力35000)でもない限り、『無敗の剣』ではあるが…(攻撃力30513)」
……しかしク〜ちゃん……どこかで聞いた覚えが?(爆)
「……それならば、エクスの色を変えておくか……」
「にゃ? あのあの、すいません〜もう一つお願いが〜……」
「…ん?」
「……この刀…『アングルボダ』なんですけど〜名前変えちゃってもいいですか?」
「……それは…構わないが…?」
さっき説明していた武器の一つ『アングルボダ』は腰につけてある刀の事であるらしいが……?
「これなんですけど〜……?」
「ベズワルの剣」
デンマークの伝説的な王、ロルフ・クラキに従う12人の騎士の中の最強剣士、ベズワルが持つ剣。これは岩に突き刺ささり、誰も引き抜くことができなかった。が、ベズワルが見事引き抜いた。サヤから抜くとすさまじい音がする。血を見るまでサヤに戻らない。生涯3回以上使ってはならない。ベスワルは剣の使用3回目の時、敵軍に力を貸していたオーディン神に斬りかかる。だが。剣は折れ、彼は倒れる。
「……あまり縁起の良い名前ではないが……これで良いのか?」
……実は『アングルボダ』も決して縁起が良い訳ではないのだが……(汗)
「……ん〜だから…でしょうか〜? だってこの剣、威力だけならク〜ちゃんより上みたいだし〜……使い方を間違うと………」
「………それは…確かに……」
想像して苦笑…というより寒気を感じる工場長……
「……PFはと〜っても好きですけど〜だからこそ、ロキくんに人殺しの武器は持たせたくないので…ちょっと迷ったんですけど〜……」
ミナは少し誇らしげにロキくんを見上げる。
「……それって、よく考えたら自分勝手な想いなんですよね〜…にゃあ〜自分でもどう説明したら良いのか分からなくてすいません〜とにかくどんな剣だって使い方次第ですし使い手の資質も問われると思うし剣の名前が縁起悪いからと言って同じ結末になると限らないしあぅぅ言ってる事は支離滅裂かもしれませんけどとにかく気の持ちようです根性です気合です〜!」
……凄まじい早口言葉で喋るミナの言葉を工場長は……
(……自分自身への戒めとして、あえてその名を付ける…ということか?)
……と解釈し、肩で息をしているミナの肩をポンと叩く。
「……今している作業が終わったら、エクスの色直しとアングル…っと、ベズワルの銘を鞘に掘るから、少し待っていてくれ」
そう言うと今やっている作業を再開するために重機に戻る。
「……ありがとうございますです〜! …よかったねワルちゃん♪」
……ズルッ!
またしても重機のレバーを握りそこなった工場長だった。
(……重機を起動する前で本当に良かった……(超滝汗))
「……ところで、さっきの作業はなんだったんですか?」
エクスの色を変更中……ミナは唐突にさっきの作業の事を聞いてきた。
「…あれか? あれはPFパーツの梱包作業だよ…ちょっとこれから配送をお願いする予定……」
………ズシンッ!!
『…すいませ〜ん、ご注文の品をお届けに伺いました〜!』
ちょうどその時、工場の外から声が聞こえた。
「……言ってるそばから来たか……」
工場長は作業を中断すると、作業を他の従業員に任せて外に出る。
そこには特徴的なPFでトレーラーから荷物を運び出している光景が……
「にゃ、PFで宅配サービスしてるんですね〜?」
少し遅れて出て来たミナはその光景は見逃してしまったが、工場長とそのPFのパイロットらしき人物が話しているので歩み寄ってみる……。
「……ご苦労様」
「いいえ、これが仕事ですから…いつもご依頼ありがとうございます。あ、荷物はいつもどおりあそこに置きましたが…?」
「ああ、構わないよ。…で、こちらから送りたい荷物なんだが……」
工場長は目と指でその荷物を示す。
「……なるほど〜…こちらをですか〜……?」
メモをしながら大きさを調べて、料金を計算する。
「あのあの、あの人は?」
「ん? …あぁ、PFで運送代行業『赤坂』を営んでいるナオヤ=アカサカ君だよ。『国境を越えた迅速な運送』を売りにしている、その筋では有名な人間でね」
「へぇ〜〜……」
ナオヤは計算が終わったのか、見積書らしきものを手にして来る。
「…今の配送料と込みで…このような感じになりますが?」
「………了解…これで足りると思うが……」
工場長は懐からやたらと厚い封筒を出してナオヤに渡し、ナオヤも慌てる事無く封筒の中身を確認する。
「…はい、確かに足りてますね」
「そうか。…ああ、あとこれを」
工場長はもう一枚封筒を渡す。
「……今回の配送先は軍の基地だから、正式な紹介状と移送仲介依頼証明書を作っておいた。これを出せばすんなり基地に入れてくれると思う」
「いやぁ、さすがに手馴れてますね〜助かりますよ」
礼を述べると書類を預かるナオヤ。
「……ところで、追加の依頼は大丈夫かな?」
「え? …ああ、依頼を終えたら……?」
手帳らしきものを出してスケジュールを確認するナオヤ………?
「……申し訳ないですが…ちょっと無理っぽいですね〜?」
「うーん…そうか。わかった…無理言ってすまない」
「いえいえ、これからもどうかご贔屓に〜♪」
営業スマイルでコンテナとPFをトレーラーに収容すると、サッと風のように去っていく、ナオヤを見送ったミナ達。
「……さて、そうなると…あれをどうやって運ぶかだが……やはり普通の宅配便で……」
「その荷物というのは一体〜?」
「………たいしたものじゃない。孤児院同士の付き合いで、ここの環境や教育プログラムを取り入れたいとの話があって、ちょっとしたプロモーション映像を作ってみたのだが……」
……一体どんな映像を…?
「ん〜…そのくらいでしたらぁ私が運びましょう〜♪ ちょうど完成したロキくんの慣らし運転もしたいですし〜♪」
「……いや、しかし……」
「やらせてください〜それとも私じゃダメなんですか〜〜!?」
…涙目で訴えるミナに思わずたじろぐ工場長
「何かお礼がしたいんですぅ〜させてください〜〜!」
(……まぁ…いいか………危険は多分、無いだろうし)
……多分って何だ多分って?(汗)
『ではいってきます〜♪』
ミナが問題のディスクを手に、ロキくんで出発したのを見送った後、工場長はいつものように機械のチェックをしていた。
「こんにちは〜」
しばらくすると誰か訪ねてきたので作業を中断する工場長……
入口近くにいた従業員と話していたのは、一見女性と思える容姿をした人間であるが……?
「…誰かな……ん……君は確かエドワード…と、フルネームは何という名前だったかな?」
「忘れないでくださいよ〜…じゃあ、もう一回言いますね? 名前はエドワード=アイゼン=ヴァルガス=ゾンゲルゲ=ヤマダ=ダムダム=ダイミョウジン=Σです」
「そうか、エドワード…<中略>…ダイミョウジン=Σ君か」
「親しみを込めて『エド』でいいですよ〜」
「…あいにく、略称で呼ぶのは好きではないので、エドワード君と…これは前に言わなかったかな?」
「…ん〜…あはは、そうでしたね」
名付け親か本人しか覚えていないと思われる長い名前であるが、本人はその名前を言った時の反応を楽しんでいるような感じである。
ちなみに、服装はアルサレアの軍服(J1本編攻略本参照)である(苦笑)
「君にしては控え目な格好だが……何か心境の変化でも?」
「いやぁ、以前ウェディングドレス着たんで、今度は角隠しの十二単にしようと思って用意していたんですけど、着てから失敗だったと気がつきましたよ。あれって凄く重いんですよね〜」
「……そ、そうか(汗) …たしかにあの服は自分の娘を着飾るための他にも、家に閉じこめておくためのものでもあり、男が悪戯(誘拐・痴漢)行為しようと試みても簡単に出来ないようにする為のものだったらしいしな……(根拠はありません。本気にしないで下さい)」
「チャイナドレスやインディアンスタイルでも良かったんですけど、時間がなかったのでとりあえずこの格好で来ました。ご飯奢ってくださいね♪」
……食事目当てだったのか?
「……まあ、この前みたいにバレリーナの格好で来られるよりは遙かにましだが……」
「……孤児院の食事って美味しいんですよね〜」
……心なしか会話がかみ合ってないのは気のせいであろうか?
「……奢るなどと言った覚えはないが……」
「まあそれはひとまずおいといて、お久しぶりです」
おいとくな、頼むから
「……そういえば君が来るのは久しいな。…何かあったのか?」
「ははは〜ちょっといまとある部隊に所属してまして〜忙しかったんですよ」
「ほう?(そこの隊長は大変そうだな……)」
「今隊長は入院中なので、本来の仕事に一時的に戻ってるんですね♪」
「……そんな事私に言って良いのか?(やはり……)」
…実際は関係ないのだが、そう思った工場長は苦笑しながらテーブルに向かう。
「いやぁ、僕とあなたの仲じゃないですか〜☆」
(……そんな気安い関係になった覚えもないが……言っても無駄だろうな…)
エドの性格を多少ながらも理解していた工場長は嘆息すると、鍵のかかった引き出しから1枚のデータディスクを取り出した。
「…頼まれていた品だ」
工場長はそれを投げ渡す。それを受け取ったエドは興味深そうにディスクをのぞき込む。
「……中身、何ですかね?」
「…君に言うのは釈迦に説法だろうが、こういう仕事をしているのならばよけいな疑問を持ったり、詮索をしないことだ。…泥濘に落ちて抜け出せなくなっても良ければ、話は別だが」
「……なるほど…貴重なご意見ありがとうございます」
納得したように頷くエド。
「では、孤児院に行きましょう〜♪」
「待ちなさい」
呼び止める工場長はロッカーから服を出す。
「……軍服ではなく、この作業服で頼む」
「あ、なるほど〜孤児院に軍服は少々不謹慎でしたね〜」
意気揚々と更衣室へ急ぐエドを工場長は困ったような目で見た。
「…それもあるが……そのスカートもどうかと思う」
……エドが着ていたのは女性用であったらしい……(苦笑)
……第3話へ続く……
機体紹介
ロキくんカスタム(規格外BURM搭載完成型)
ヌエ、Jメガ、ロキ、ヌエ、右手エクスカリヴァ、ゴウニュ、ヴァハG、シラー、テレスト、ウルクβ、トリグラフ、ストリーΣ、ブーストジェル
基本スペック
総合HP 26920(18:82) 基本防御 1708(50:50)
腕攻撃力 1977 GN出力 10301(回復31)
移動能力 20.1(B速52.1) 旋回性能 地上 30(空中 21)
索敵範囲 1653
備 考 最大攻撃力 30513(内部)、両肩・腰部に物資保持用ハンガーを装備
機体カラーリングは前回同様、ロキのデフォルトです。
武器はエクス(右手武器)を「(22、22、28)、(28、28、28)、(5、5、5)」に変更しています。
なお、作中の通りいくつかオリジナル武器を搭載してますが…詳細はまだ秘密です(苦笑)
あと…完成に至るまでのお話は、順番が違うだけで殆ど実話です(積載一致+一刀侍魂だとエクス+トリグラフが最適だと気が付いて、ロキくんで実践したところ、内部パーツの変更だけで出来た上、性能も上がったという、何とも都合の良い結果に(苦笑))
エクスランス
スサノオ、Jメガバスター、スサノオ、超軽量レッグ、右手エクス、ディアン、ヴァハG、ラモントL、テレスト、ニブル改、スヴェントヴィト、ベルーン2、ブーストジェル
基本スペック
総合HP 25450(13:87) 基本防御 3677(50:50)
腕攻撃力 814 JN出力 7725(回復23)
移動能力 18.6(B速52.1) 旋回性能 地上 27(空中 28)
索敵範囲 異常発生
備 考 最大攻撃力 26010(内部)、武器破壊後パンチ特殊補正発動
カラーリングはJファーのデフォルトです
設定
レイジと工場長(Y.G.)が接触した時にレイジが試作していたミルクメインの規格外BURM(バグ)を利用した一刀侍魂機体の設計図を見せて、「貴方ならこれをどう改良しますか?」と試したところ…「…人が使うには少々不向きになった」という不満のあるコメントとともに提出した2枚の設計図を基にレイジが組んだ機体。
その後工場長は正当な報酬(パーツ料金)を支払い同型機体を作成、AIで動作試験をしながら量産型(人向け)機体作成を目指して試行錯誤をしている。
なお、パーツを送る際にレイジは試した事への詫びとエクスランス+???を提供してくれた事の礼として自分が持っている知識から、いくつかの兵器とその製造方法を提供している。
ちなみに、レイジとしては独自の技術でレーダーとWCSを補う手段があるので、ニブル改による悪影響は気にしていないらしい(汗)
ロキくんカスタム オリジナル設定
レヴァンテイン
緊急移動用加速装置の呼称
ヴァハGのリミッターを解除すると同時にフレームに内蔵された専用ブースターを併用して一気に加速する推進力を得る。速度は最低でも通常の倍(100)以上とのことである。(あえてどのくらいのスピードが出せるかは限定しません<ぉぃ)
ただし、1回あたりの作動臨界は20秒であり、20秒連続使用後はヴァハGについては正常通り使えるが内蔵ブースターは冷却に数分を要するので連続使用は出来ない。燃料については内蔵ブースター専用に備えているが、燃料容量の関係上一回出撃あたり5回(通算時間105秒)が限度である。
無論だが、コクピットにはかなりのGが掛かるため、耐G用にシャトルなどで使われているショックアブソーバー(衝撃緩衝装置)等々、各種耐G用防護装置などの安全措置が取られている。
ACのオーバーブーストのようなものとお考え下さい。
レヴァンテイン発動中のエクスの一撃は、文字どおりの『一撃必殺』であると思われます(汗)<何もしなくても3万を超える攻撃力あるし(滝汗)
もっとも、パイロットに技術がないと、命中した時の衝撃に機体が耐えられないでしょうけど、ミナの腕なら大丈夫でしょう!(核爆)<ご都合主義と人は言う(汗)
なお、武器についての詳細は後ほど<ちゃんと考えてますよ〜(苦笑)
あとがき
いまいち面白みが無かったので、思わずエドを出してしまいました(汗)<本来出る予定なし(ぉぃ)
なお、作中では書かれていませんが、この話はバーニィさんのモルモットにも影響する…かもしれない伏線が書かれています(苦笑)
さて次回からが戦闘編(仮称)ですが、のっけから大変な事になっておりますが(滝汗)…戦闘の前にアルサレア・ヴァリム双方の状況を書いておかないといけないですねぇ…(苦笑)
では、感想お待ちしております。
管理人より
ヨニカさんより第2話をご投稿頂きました!
ようやくロキ君完成!
しかし、次回は何やら波乱の予感が……(苦笑)
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