○ 機甲兵団J-フェニックス オリジナル・ストーリー

[Project Man-Machine Zero]


第4話 「戦心――光と闇は交錯して」











 

 ラ・ムール補給基地にせまってきた謎のJ-ファー部隊は、一糸も乱れない機械じみた動きで、警戒エリアへと突入した。

 命令によって展開していたラ・ムール基地所属の防衛部隊――第40機甲中隊は、その異様な姿に訝しさを感じながらも、戦闘態勢へと移行する。


『――所属不明の部隊に告ぐ!!当方には迎撃の用意あり!!これ以上の無断進行は侵略行為と判断する!!不要な戦闘を避けたいのならば、貴官らの所属及び姓名をあきらかにし、こちらからの指示を待て!!』


 中隊を率いる隊長が、最後の通告を行っている。
 それをJ-ファーのコクピットで聞きながら、中隊所属のランブル・クリスティーン軍曹は小さく鼻を鳴らした。

 ナンセンスだ――ここまでなんの応答もしなかった連中が、今更呼びかけたところで返事をしてくるとは思えない。
 いくら被害が出ていないとはいえ、所属不明の部隊など敵以外のなにものでもないではないか。
 形式とはいえ、あまりにも馬鹿げた上の行動に、彼は不愉快さを隠せなかった。

 J-ファー部隊は、まったく互いの距離を崩さないまま、こちらへ向かってくる。本当に人間の意志を感じさせない気がする。

 ランブルは手にしたサーマルプラズマライフルを構えると、無言でWCSを起動させた。


「――なにをしているんだ、ランブル!まだ攻撃命令は出ていないぞ!?」


 同僚の一人が、彼の独断をたしなめる。


「――関係ない。俺にはわかる……あいつらは敵だ。先に撃たねば、こっちがやられることになる」

「――バカな真似はよせ!命令違反は軍法会議ものだぞ!?」

「――フン。先に撃たれて死にたいか?だったら俺はなにも言わんがな……」


 冷たい声で答えた彼は、J-ファー部隊に銃口を向ける。

 ターゲット・ロック――ジェネレーターから供給されたエネルギーが銃身内部でプラズマ放電を始めた瞬間、サイト内の敵機の瞳が赤く輝いた。


「――なにっっ!?」





 一斉砲火。

 それまで歩行以外の行動を行わなかったJ-ファー部隊が、いきなり各々の武器を構えて、防衛部隊に砲撃を開始した。

 無数のミサイルが、灼熱のエネルギービームが、嵐のような銃弾が、第40機甲中隊に襲いかかる。

 不意を突かれた数機のPFが、その攻撃を受けてあえなく沈黙した。


『――くっ!各機、迎撃せよ!!』


 隊長の焦りの声が響く中、ランブルは迷わずにトリガーを引いている。
 放たれたプラズマ弾が、敵J-ファーの左肩を吹き飛ばす。
 だが、相手にひるんだ様子は見られない。淡々と接近しながら、MLRSを発射してきた。

 蛇のようにうねりながら襲い来るミサイルを、回避運動とライフルでの破壊によってかわし切ったランブルだったが、次の瞬間、別方向から飛んできたビームが左背面に炸裂した。

「――く!おのれっ!」

 とっさに岩場に転がり込むランブル。損傷率20%――戦闘不能というほどのレベルではない。若干電装系に異常が出ているくらいだった。

 レーダーで戦況を簡単に確認すると、味方の部隊は完全に押されている。
 不意を突かれたというのもあるが、敵が同じJ-ファーということもあって、攻撃にわずかな躊躇いが生じてしまったようだ。
 甘い、と言われればそれまでだろう。

 しかしよほど戦いに慣れた人間ならともかく、命のやり取りに慣れていないパイロットたちでは、実戦で同型の機体とぶつかることなど想定はしない。シミュレーションならばともかくだ。

 第40機甲中隊は、そんな練度の低い兵士が多数を占めていた。


 そして敵のJ-ファー部隊は、そんなわずかな隙を見逃すほど甘くはなかった。
 適確に、確実に、味方を追いつめ葬っていく。それは淡々としながらも、どこか野生の獣を連想させた。

 ランブルは岩陰からWCSロックオンをかける。味方はどいつも頼りにならない――生き残るには自分の力だけを信じるしかなかった。

 味方を攻撃するために動きの止まった敵機を優先して狙う。
 プラズマライフルを連射、間髪入れずMLRSで攻撃――。

 わずかな時間差を伴ったその攻撃は、相手の回避を許さない。プラズマ弾を反らした敵機に、すかさずミサイルが炸裂した。


「――フン。所詮は囮でしか役に立たない連中だ……せいぜい生き延びてチャンスを作ってもらわなくてはな」


 冷酷につぶやくランブル。彼は味方を攻撃している敵機だけにターゲットを絞った。
 それは至極当然の戦法であり――同時に、無情な戦法でもあった。

 確実な射撃が、敵機を屠る――澱みのない動きを見せる相手も、乱戦の中ではまったく隙がないわけではない。機械のような敵を葬るために、ランブルもまた機械のように冷酷になった。

 だから敵を破壊しても、狙われた味方を救うことはしなかった。
 消えていく敵機と同じかそれ以上に、味方もあちこちで倒されていった。


「――ちっ!不甲斐ないヤツらめ!……状況は、良くないか……」


 ランブルは、冷静に戦況を判断した。
 敵は大隊に近い規模だったが、こっちは一個中隊のみである。実力のみならず、物量にも差があり過ぎた。

 このままここに留まっても勝ち目は薄い。
 しかし、撤退するわけにもいかないのだ。自分たちの任務は基地の防衛なのだから――。


「――こんなつまらん任務で、命を落とすのは御免だがな……」


 行き場のない憤りを覚えながらも、ランブルは戦いを止めるつもりはなかった。
 たとえいかな状況であれ、敵に背を向けて逃げるのは己のプライドが許さなかった。

 敵機が、輪になって囲むように自分のほうにせまってくる。
 もはや逃げ場のないことを知った彼は、岩陰から出てライフルを構えた。





 その時だった。
 真紅の色を纏ったPFが、大地に降り立ったのは――。


「――待てっ!……それ以上は、やらせない!!」


 二振りの光の剣を携えた鋼鉄の戦士。

 天より降臨した赤き巨人。

 鋭角的なフォルムを持ったそれは、J-ファーよりも戦闘的な外観をしていた。

 第0特務小隊の保有する最新型のPF――J-ファー・カスタム。

 だが、脚部だけは既存のパーツと異なっている。それはどこかマッシヴな印象を見る者に与えた。


 シュタイン・グレイスの駆るPF――[アサルトストーム]だった。


「――うおおおおぉぉっっ!!」


 強襲の嵐は炎を噴いて、敵機の群れに飛び込んでいく。
 輝く鋼鉄の瞳に、蒼い光の剣が映った。


「――飛び込むだと!?バカな……死に急ぐ気か!?」


 さしものランブルも驚きを隠せなかった。
 新型とはいえ射撃装備も持たずに、たった一機で敵の中に飛び込むなど、正気とは思えなかった。

 だが――彼はそのあと、信じられないものを見ることになる。



「――カーマイン中尉!フォローを頼む!!」

『――まっかせといて!敵機12時方向303に1、2時方向356に3、10時方向361に1――さらに9時方向から2機、673!!』

「――了解!先に北のヤツから片付ける!!」


 ブースト全開、ジグザグ走行――三方向から飛来するミサイルや銃弾を、シュタインは巧みな操作ですり抜ける。
 一気に敵の懐に飛び込んだアサルトストームは、レーザーソードを一閃――敵機を上下真っ二つにして駆け抜ける。

 炎をあげるJ-ファー。その向こうからは、無数の銃弾が追ってくる。
 敵は味方を犠牲にすることすら、ためらってはいないようだ。

 シュタインはそのまま機体のグリップを全開、天空に跳躍し後方回転しつつブーストファイア。追ってきた攻撃を回避し、右側の敵機に向かって方向転換する。

 敵はMLRSで迎撃を仕掛けてくる。
 蛇行接近するミサイルを、シュタインは細かな空中制御で回避――距離をせばめたところで、ミサイルをレーザーソードで斬り落とすという離れ業を実行した。

 次々と巻き起こる爆発が、さながら煙幕のようにアサルトを隠す。爆風によるダメージは多少あるものの、行動を阻むほどのものではない。

 光と煙とで目標を見失った敵の眼前に着地したアサルトは、J-キャノンレッグの旋回性能を生かして高速旋回――ブースト加速と同時に、二本の剣を同時に振るった。


「――螺旋双光剣舞(スパイラル・ブレイズ・ロンド)!!」


 それは、シュタインがアサルトストームの性能を生かすべく考案した攻撃方法。

 高速旋回から、舞いを舞うかのようにレーザーソードを叩き込む。
 無数の剣閃が宙に踊り、三機のJ-ファーの頭部と腕部が空を舞う――それは見る者を魅了する、あまりにも美しい攻撃だった。


(――こんなヤツが、いるというのか……?)


 ランブルは、どこか呆然とした表情でつぶやいた。
 これまで自分以外の人間の腕は、まったくといっていいほど信用しなかった彼だが、目の前で繰り広げられた戦いは、そんな考えを根底から打ち砕くほどの衝撃に満ちていた。

 戦神というものがいるのなら、こういう者のことを言うのだろうか。
 自分の実力が、ひどく卑小なものに感じられた。


『――シュタインさん!他の敵が距離を詰めてきたよ!距離600以内に機影7!だいじょうぶ!?』

「だいじょうぶだ……問題ない!!」


 カーマインの声に答えるは、魂の咆哮。
 赤い輝きを宿した戦神は、西の方からやってくる敵機に向かってその巨体を走らせていった――。

















 

「――ううおおぉぉおおおおおぉぉああぁぁぁっっ!!!」


 響き渡る狂声の中で、シリアの心は苦痛に震えていた。


(――どうして……私はこんなことをやっているの?)


 自分で望んだわけでもない破壊を、自分の身体が行っている。牢の鉄扉を破り、やってきた兵士たちを次々とその手で屠っていく。

 それは、彼女の意志ではどうにも出来なくなっていることだった。


 マン・マシーン計画の代償――肉体強化のための薬物による禁断症状である。

 それは全身の細胞を活性化させ、常人にありえない力を生み出すことが出来るが、定期的に抑制剤を打たないと代謝機能が暴走してしまうのだ。

 そしてその際に生まれる苦痛は、その者の精神に破綻をきたす。

 自分自身で身体のコントロールが出来なくなり、ただ本能のまま、潜在的な無意識の導くままに破壊を続ける獣と化すのだ。

 ドクター・キサラギが開発したその強化薬は、地球の古代神話に出てくる狂戦士の名を冠して[バーサーカー・ドラッグ]と呼ばれていた。

 マシーンとして働けなくなった者の辿る運命は、血を求める野獣への道――科学者の狂気の発明は、人間というものの存在を完全に消し去ることを目的としていたのかも知れない。


(――こんなつもりじゃ……なかったのに……私は……あの子を救いたかっただけなのに!)


 シリアにとってこの戦いの意義は、その一言に集約されていた。
 たった一人の肉親を救うため――そのためならば、なんでもやると確かに誓った。

 だが、本当にこれで良かったのか?自分自身の理性を捨てて、むやみやたらに破壊を撒き散らす獣に、未来を掴むことなど出来るのだろうか?

 否、出来はしない。
 未来を掴もうとする意志は――思いは、機械にも獣にも宿らない。
 ただ、人間だけが持ち得るものだ。

 その事実を忘れて安易な力に頼った結果が、この有り様だ。すべては自分のもたらした過ちだった。


(――このまま、私は死んでしまうの……?一体、私はなにをしてきたんだろう……?)


 答えの見えない、教えてくれる者もいない闇の中で、シリアの心は涙を流すことしか出来なかった。

 絶望に打ちひしがれた孤独の空間に漂う彼女の心は、今まさに消えゆく運命だった。



『――お前は!なぜ、ここに……!?』


 そんな時、獣の身体の知覚した声が聞こえた。


(――あの男は……)


 シリアは、その声の主を知っていた。






 

『――それが、どうしたというの?私の役目は、お前たちを殺すこと……それが果たされるのならば私は、自分の命でも兵器にしてみせる……!』

『……そんなことは、やらせん!!!』






 

 PFでの最後の戦いの時に、自分と魂を交差させた男――。
 自分の命すら兵器にすると豪語した彼女に、強い覚悟をぶつけてきた男だった――。


 獣と化した自分が、男に向かっていくのがわかる。
 一度目は逆に投げ飛ばされてしまったが、二度目にはその拳が男を捉えた。


『――少佐ぁっ!』


 傍らの女が叫んでいるのが聞こえる。
 初めは彼女を守ろうとしているのかとも思ったが、男の瞳は彼女を見ていない。
 見ているのは――自分だ。


(――どうして、そんな目で私を見ているの……?私は、お前を殺そうとした人間なのに……?)


 深い湖のような穏やかさが、男の瞳にはあった。

 哀れみ――ではない。そんな安っぽい感情を遥かに超えた悲しみをたたえた目。
 それはシリアの持っている苦しみを、包み込もうとしているかのように見えた。

 そして、次に男の放った言葉は――。


『――さぁ、来い。娘よ……お前の苦痛と憎しみを、この私にぶつけてみろ!』


 彼女が予想した通りのものだった。


(――この人は……私以上に、苦しんでいる……それなのにどうして?どうして……私に優しく出来るの?)

「――ぐううううああぁぁああぁぁあああぁぁぁ……!!!」


 シリアの心を無視して、獣が吠える――そして、その拳が無情にも男へと襲いかかった。


(……そんな。やめて……私は、知りたい……この人が、なぜ私を助けてくれようとしているのか)

「――ふううおおおぉああぁぁぁぁぁ……!!」


 だが、獣の行動は収まらない。
 今のシリアを動かしているのは、狂気と破壊衝動に支配された獣。
 そして、それは自分の中に存在していた暗い闇の生み出したもの――。


(――やめて!もう私は、こんなことはしたくない!!)

「――ぐあああああぁぁああああああぁぁ……!!」


 暴れようとする身体と、食い止めようとする心とがせめぎ合う。
 自分自身との戦いに、少女はすべてを注ぎ込む。

 絶望という名の暗闇に、ただひたすらに抵抗を続ける――それは泳げない人間が、広大な海の真ん中で、必死にもがく様に似ていた。

 それでも今のシリアには、閉ざされてしまったものとは違う希望へと続く道が、ほんのわずかだが見えた気がした。

 自分自身の力ではどうにもならなかった運命を変える力が、目の前の男にはあると思った。


 それが、たとえ錯覚だったとしても――、


 最後の意志をかける価値が、あると思った。



(――私は、もう、こんなことはしない……意味のない破壊と死を撒き散らすような真似はしない!だから……だから……[私]よ!これ以上は……やめなさいっっ!!!)

「――ぐううううあああぁぁ……ああぁぁ……ぁぁぁぁ……」



 人の意志と、獣の衝動がぶつかり合い、弾け合った。

 すべてが混沌の渦に飲み込まれていく中で、無数の光の欠片が舞った。

 それは、穏やかな輝きとなって広がっていき――、



 やがて、少女の心を満たしていった――。
















 

 基地の外での戦いが開始された頃、ヴァイスと別れたライムは、PFドックへとやってきていた。

 ほとんどの機体が出撃してしまった今となっては、ドック内の人影はまばらだ。

 整備兵たちの仕事は主に戦闘の前後に存在するのであって、戦闘中にやるべきことはほとんどないからだ。もっとも、どんな状況の変化にも対応出来るように、常に待機はしている。

 外の喧騒とは少し異質な静寂を持った空間に、一機のPFがたたずんでいる。それはシュタインの機体と同様に、先の戦闘でダメージを負ったライムのJ-ファー・カスタム3号機だった。

 シリアによって肩を破壊されたその機体は、今は試作型のJ-グラップラーアームへと換装されている。両手にはそれぞれレーザーマシンガンを装備していた。


「――班長!この機体は、もう出られるわね!?」

 ライムは、機体の下でファイルを睨んでいた整備班長に声をかけた。

「――こいつは大尉、どうしたんです?今頃になって……もう他の連中は、みんな出張っちまいましたぜ?」

「――説明している余裕はないわ!とにかく、これを出せるか聞いているのよ!」

 どこか切羽詰ったような彼女の問いに、班長はわずかに顔をしかめる。

「……あまり、うちらを見くびってもらっちゃ困りますな……シュタイン大尉の機体も問題なく仕上げたんですぜ?こっちだってぬかりなしに決まってまさぁ」

 階級が上とはいえ、ライムは二十歳そこそこの女である。自分の娘ほどの年齢の人間に頭ごなしに言われたのでは、ムッとくるのは当然だった。

「……そうね。少し言葉が過ぎたみたい……決して、あなたたちの腕を疑ったわけじゃないの……ごめんなさい」


 それに気づいたライムは、ひとつ大きく息をつくと班長に謝罪する。

 今の彼女の精神状態は、普段とはまったく違っていた――戦いの行方もヴァイスのことも、すべてが気がかりでならなかった。

 班長は、そんな彼女を見据えて目を細める。PFの生まれる前から兵士を戦場に送り出してきた彼の目には、今のライムは非常に危うい存在に映っていた。


「……ま、わかればいいんですがね……しかし大尉。今のあんたは非常に危険だ……兵士ってのは、少しクールなくらいがちょうどいい。このまま出てけばあんた、死ぬかも知れないぜ……うちらも、戦いで若いもんが死んじまうのは見たくねぇ。それがあんたみたいな美人なら、なおさらだ」

「……気遣い、ありがとう……だいじょうぶ。私も、そう簡単に死ぬ気はないわ……」

 ライムは、微かな笑みを漏らす。ここに来て間もない人間のことを、少なからず気にかけてくれる人間がいたことが、嬉しかった。


「――その答えは、無事に帰ってくることで出すこった」

「……ええ、そうするわ」


 厳しい言葉ながらも微笑みを返した班長の激励を受けながら、ライムは乗降用ワイヤーを起動させると、自分の機体へと乗りこんでいく。

 ジェネレーターを起動し、電子機器のスイッチをON。基本動作や兵器系のチェックを行う。

 モニターに表示が出る。

 ジェネレーター内圧正常。駆動系、電送系オールグリーン――さすがに豪語しただけのことはあって、修理と改装は完璧に終了している。

 そして、そこに映るコードネームは[光の破壊者(レイブレイカー)]と記されていた。


「――なかなかのネーミングセンス、かな……OK、行きましょうか!」


 モニターの映像が、メインカメラの視界に切り替わる――電子の目を通して、ドックのゲートが開いていく様が見えた。

 向こうの空で、無数の光が閃いている。どうやら戦いは、激化し始めているようだ。


(――少佐……私は、少佐を信じます……だから今は、互いに自分の成すべきことを!)


 ライムは心の中でつぶやいた。

 ヴァイスのこと――気がかりがないと言えば嘘になる。だが、心配するということは、結局のところ信頼ではないのだ。

 心配というマイナスな感情は、最終的に相手の行動を束縛する結果となる。
 真に相手を信頼するということは、相手のすべてを認めるという寛大な心だ。そしてそれは、無償の愛という感情にも似ていた。

 ライムは、迷いを捨てた目でモニターを見据えると、己が心を鼓舞するかのように叫ぶ。


「――ライム・アレスティル……J-ファー・カスタム[レイブレイカー]……行きます!!」


 噴き出したブースト炎に激しい思いを宿しながら、黄緑色のPFは戦場へと駆け出していった。
















 

「――む……う……私はいった、い……どうしたと、いうのだ……?」

 冷たい床の上で、ヴァイスはゆっくりとその目を開いた。
 つぶやくと、口の中に鉄の味が広がっていくのがわかった。
 固い感触を持った異物を吐き出す――それは、自分の歯だ。同時に赤い血が、口から漏れた。


「――そうか。私は……あの娘を止めに入ったのだったな……」


 身体を動かそうとすると、全身が軋むのがわかった。あばらが数本イカれているほか、あちらこちらに打撲傷のような痕が残っている。幸い内臓などにダメージはないようだ。

 思わず不思議なことだ、と思う。
 あの娘――シリア・ブルーナイトの拳は、殺人級などというレベルではないほどの威力を持っていたはずだ。

 元々、身体の頑強さには自信のあるヴァイスだったが、それでもダメージが少な過ぎると思う。あれだけの拳撃を叩き込まれたら、普通は間違いなく死んでいるか、よくて致命傷だ。
 ならば、なぜ自分はこの程度のダメージ――と言っても常人なら充分、危険なレベルではあったが――で、済んでいるのか?

 答えは、簡単だ。


「――手加減したと、言うのか……?」


 身を起こして、辺りを見渡す。
 全身を襲う苦痛に視界が歪むが、認識力は失われていない。
 鉄が剥き出しになったような基地の壁。冷たい温度を感じさせる固い床。
 そして、自分から数メートルほど離れたところに横たわる、華奢な影――。


「……!?どうしたというのだ?おい……娘!しっかりするんだ!!」


 それは、間違いなく先ほど自分を襲ってきたシリアだった――。
 獣のような獰猛な表情はすでになく、全身に浮き上がっていた血管も今は収縮している。
 金髪の眠れる少女――しかし、その手は打ち倒してきた兵士たちの血で濡れている。
 それはあまりにも凄絶な美姫の寝姿だった。


 近寄ったヴァイスは痛む身体を押して彼女を抱き起こすが、ふとした違和感に目を細める。


「……?これは……髪の毛が……?」


 シリアの髪の毛が、彼の手の中で抜け落ちたのだ。
 一本や二本なら別に驚く話ではないのだが、まるで枯葉を散らすかのように無数の髪が床へと落ちていった。

 放射能障害による抜け落ちかた、と説明すればわかりやすいだろうか。いずれにしろ普通の人間では、決してありえないことだ。


(――先ほどまでの狂ったような姿と、なにか関係があるのだろうか……?)


 ヴァイスが疑問の只中にたたずんでいると、腕に抱いた少女がわずかに身じろぎをした。


「……気がついたか?」


 低く放たれた声にうっすらと目を開けたシリアは、弱々しげな瞳でヴァイスを見つめる。


「――わた……の…………スー…………あん……いを……それ……いと……しきを……できな……」

「――どうした?もっとハッキリ言え」


 ヴァイスはシリアの瞳を見つめ返しながら、彼女の口元に耳を寄せた。


「……わた、しの……戦闘スーツに入っていた……安定剤、を……それがないと……もう、わたし、は……自分を、維持できな、く……なる……」

「――スーツに入っていた安定剤?そういえば……」


 ヴァイスは、シリアの身体検査に立ち合った際に、彼女のパイロットスーツに奇妙な薬が入っていたことを思い出した。

 基地の軍医によればそれは毒でも麻薬でもなく、なにかの抑制剤のようなものだったと言う。もっとも詳しい用途までは不明で、精神安定剤の一種ではないかというのが、とりあえずの結論だった。


「――どういうことだ?それが、お前自身にどういった影響を与えるというのだ?」

 問い詰めるヴァイスだが、シリアはもはやそれどころではないらしい。苦痛に顔を歪めて、懇願するような表情を向ける。

「――は、早く…………グッ!ガハッッ!!」

 咳と共にその口から、血が溢れ出る。少女の全身の血管が激しく脈打っているのが、ヴァイスの腕にも感じられた。

「……わかった。しばらくこらえろ。今、連れてってやる!」

 どうやら、疑問の解決は後回しのようだ。
 一刻を争う事態だということを感覚で理解した彼は、シリアを抱き上げると、怪我人とは思えないほどのスピードで通路を走り出した。

 基地内は、いまだに非常警戒体制のままだ。
 ほとんどの人員が各部署についているため、行き過ぎる人間は多くなかったが、彼らも忙しいのか一瞬、奇異の視線を向けてくるだけであった。


 ふと、戦いに赴いたシュタインやライムのことを思い出す。

 侵攻してきた敵が何者なのか今のヴァイスは知らなかったが、ただのPF部隊ではないことは予想出来た。
 戦場に出れないのは正直、歯痒い――しかし二人の力を信用しているヴァイスに、不安はなかった。

 彼らは、自分がいなくてもどうにか出来る力を持った者たちだ。

 今はこの腕に抱いた少女の命を救うことを考えよう――かつて犯した過ちを、二度と繰り返さないために。

 救えるはずだった娘の姿を思い起こしながら、彼は痛みすらも忘れて走り続けた――。
















 

 当初こそ圧倒的なセンスと実力でJ-ファー部隊を屠っていたシュタインだったが、敵総数の半分ほどを片付けたところで、厳しい戦いを強いられることとなった。

 理由は、敵が距離をおいての射撃戦術に切り替えたからである。

 アサルトストームは近接戦闘特化型ではあったが、機動性能という面で見ればJ-ファー・カスタムと大きな差はない。そして弾丸を回避しながらの接近行動では、撃ちながら逃げる敵機に追いつくことは難しかった。


「――くっ!敵もそう簡単に、やらせてはくれないか……!」

 シュタインはコクピットで歯噛みする。

 敵は整然とした無駄のない動きをする。そのため、人間にありがちな躊躇もミスもない。
 一機に接近すると、その動きを阻むかのように別方向からの攻撃が飛来し、その隙に標的が距離を離してしまうのだ。射撃兵器を完全に排したカスタマイズが仇になっていた。


『――3時方向不確定軌道でミサイル6――前方へフルブースト。7時方向地上並行でプラズマライフル弾――前傾35度で回避。11時方向上方、入射角40度でマシンガン弾――グリップ全開、即時サイドステップ……ダメ!ダメージが来る!!』

「――対応し切れないか!」


 カーマインのフォローがあるとはいえ、十数機のPFの集中攻撃をかわし切るのは、シュタインでも至難の業だ。
 致命傷こそなかったものの、アサルトストームは確実にわずかな傷を増やしていく。

「――くそっ!せめて、あと一人でも誰かがいれば……!!」

 打開策が見つからない――そんな中、西側の敵が突如、爆発した。


『――この俺を忘れるな!!』


 通信機越しに聞こえてきたのは、ランブルの声だ。彼はプラズマライフルを撃ちながら、敵機の只中へと踊り込んでいく。


「――味方!?まだ生き残りがいたのか!?無茶だ!いくらなんでも……!」


 すでに壊滅状態となった第40機甲中隊に動けるPFがあったとは、シュタインも――そしてカーマインすらも、気づいていなかった。
 ランブル機の識別信号発信装置が、先の被弾によって破壊されていたためだ。そのため、識別不明の敵部隊との見分けがつかなかったのである。


(――あの男に出来て、この俺に出来ないわけがない!!)


 シュタインの叫びが通信機越しに届いたが、ランブルはそれを無視する。
 プライドの高い彼ゆえに、先ほどシュタインが見せた華麗な戦いぶりが許せなかったのだ。

 だがカスタムと違い、ただのJ-ファーでは性能に限界がある。
 まして敵は同様の性能で、高い連携能力を持っている――残念ながら今のランブルの実力では、J-ファー部隊と渡り合うことは不可能だった。


 MLRSのミサイルが、ランブル機の頭部を吹き飛ばす。

 無数の実体弾が、その装甲を抉っていく。

 近づいてきた敵機の光剣が、その腕を斬り落とした。


「――グウゥ……おのれ!貴様ら、ごときにぃぃっ!!」


 地響きをあげて倒れたJ-ファーのコクピットの中で、ランブルは吠えた。
 すでに飛び散った計器の破片で、彼の身体は血だらけだ。
 クレバスのように割れた胸部装甲から、蒼い空が見え――それが一瞬後には、鋼鉄の影に遮られた。


(――ここで、くたばるというのか……?まだ俺の戦いは……!!)


 敵のJ-ファーが、プラズマライフルを向けるのが見えた。
 正義の象徴として造られた機体の精悍な顔も、今は邪悪なる死神そのものであった。

 そして、その銃口が輝きを放った瞬間――。



 紅の閃光が、ランブルの目を焼いた。
 凄まじい衝撃が機体を揺らし、轟音がコクピットに響き渡る。


「――なぶり殺しってのは、スマートじゃないわね!」


 PFの外部スピーカーから流れてきたのは、若い女の声だ。
 味方のものらしきその声を最後に、ランブルの意識は闇に沈んだ――。


「――ライム大尉!」

『――ライムさん!おっそ〜〜〜い!!』


 シュタインとカーマインが同時に叫ぶ。
 ライムはいたずらっぽく舌を出すと、モニター向こうの二人に詫びた。


「――ごめんなさい、ちょっとゴタゴタがあって……だいじょうぶ!遅れた分はしっかり働くから!」


 ライムの不自然におちゃらけた態度を見て、シュタインたちは訝しげな表情をしたが、今は余計なことを考えている場合ではなかった。

 フォーメーションを組み直した敵機が、新手となったライムの機体に襲いかかる。
 アサルトストームとは違い、レイブレイカーが近接兵器を装備していないことを確認した上での接近行動だった。


「――そんな安直な戦法で!!」

 ライムは咆哮すると、近づいてくる敵機に向けてダッシュする。
 レーザーソードが振り下ろされる瞬間、機体を旋回させるようにして敵の側面を抜ける。そして体勢の乱れた敵機に向けて、ほぼ零距離でのレーザーマシンガンを叩き込んだ。
 J-ファーのヘッドが粉砕され、もんどりうって転倒する。

 さらにライムはジャンプしつつ空中旋回――そのまま地上の敵群に向けて光弾をばら撒いた。
 光の雨となった赤い弾丸が、敵機を打ち据えていく。高い攻撃力を誇るレーザーマシンガンは、それだけで数機のJ-ファーを戦闘不能に陥れていた。

 通常なら狙いをつけることすら困難のはずだが、それを苦もなくやってしまうところに、ライムの射撃能力の高さが窺える。


「――ま、こんなものかしら?」

 不敵に笑った彼女に向けて、残存の敵が攻撃を集中し始めた。

 恐らくは脅威として、レイブレイカーを捉えたに違いない。試作兵器とはいえ、レーザーマシンガンの性能は既存の射撃兵器を遥かに上回るものであることが証明されたからだ。

 だが、その隙を見逃すほどシュタインも甘くはない。
 動きを止めた敵部隊に向かって、アサルトストームが駆ける。スパイラル・ブレイズ・ロンド――光刃の嵐が、J-ファー部隊へと襲いかかった。

 蒼の閃光と紅の爆発が、戦場を照らす。


『――ライムさん、3時方向の敵部隊はシュタインさんが片付けます。ライムさんは残敵の掃討をお願いしますね』

「――了解。でもまぁ、たいしたことはないわね……あの娘一人のほうが、よっぽど強かったんじゃないかしら?」

『――それは、同感です。シュタインさんとライムさんが揃えば、この程度の敵は脅威にすらなりませんからね』

「――それじゃ、ぱっぱと片付けることにしましょうか」


 その最中、カーマインとの余裕ある会話を交わしたライムは、シュタインから離れた敵機に向けて、一気に駆け出した――。
















 

 白い天井が眩しい医務室は、外の喧騒とは無縁の異世界だった。

 無事にそこへ辿り着くことが出来たヴァイスは、医師に掛け合うと、例の薬をシリアに投与するよう頼み込む。

 元々用途が不明な上、現場では役に立たなかった薬だけに医師も強く反対することはなく、処置そのものは簡単に終わった。もっとも、詳しく調査すれば新たな発見があったかも知れないものだけに、好意的ということもなかったが。

 ベッドに寝かしつけられたシリアは、穏やかな呼吸を取り戻している。どうやら薬の効果はあったようだ。

 ヴァイスは自分の手当てもそこそこに、傍らの椅子へと座り込む。彼女を見つめる瞳には、どこか温かな微笑みがあった。


 だが、これで一安心というわけにもいかないようだ――いつのまにか憎悪に満ちた視線が向けられているのに、ヴァイスは気がついていた。

 負傷した兵士たちが運び込まれるその医務室は、割合に広い面積を持っている。
 いくつか並んだベッドには、シリアの他にも重傷の患者が横たわっていたのだ。

 外の状況が切迫していることは誰もが知っていたが、今の彼らは戦場に赴けない身体である。
 己の無力さを噛み締めながら屈辱に耐える彼らの中には、行き場のなくなったどす黒い炎のような感情が、密かに渦を巻いていた。

 そこにやってきたヴァイスは、その炎に油を注ぐ存在だと言えたのだ。
 いや、正確にはヴァイスの抱えていたシリアが、というべきだろう。

 なぜならここにいる負傷兵のほとんどが、彼女によって深手を負わされた者たちだったからである。



「――少佐。なぜ、その女をかばうような真似をするのですか!?」

「――そいつは、ヴァリムの女だ!今、ここで殺しておかないと、あとで大変なことになる!!」

「――どういうつもりか、答えてもらいたいものですな!少佐殿!!」



 吐き出される非難の声が、ヴァイスの背中に突き刺さる。

 彼らとしては、当然の言い分だ。人の持つ憎しみは簡単に消えるものではなく、その憎悪の対象がどんな状況であろうとも、すぐに色褪せるものではない。

 ヴァイスのように、シリアに対して特別な思いでもない限りは――。


「――君たちの気持ちもわからんではないが、今は抑えてもらえんかね?この娘は我々にとっても、重要な情報源なのだ……簡単に死なせるわけにはいかんのだよ」


「しかし!そいつは敵です!!それもかなり危険な敵……少佐も見たはずだ!!」

「そうだ!!そんな敵は殺さねばならん!!」

「少佐がやらんというのなら、今ここで我々が殺します……!!」


「……く……!」

 ヴァイスが、さすがに厳しい声を発しようとしたその時、奥のベッドのほうから飄々とした声が聞こえてきた。



「――やだねぇ。殺伐としちゃって……大人しく休んでもいられないじゃないの……」



 弱々しく身を起こしたのは、ヴァイスたちによって助けられた壮年の男――オスコット・リースボン伍長だった。
 だが、その瞳には怪我人とは思えない輝きが見える。


「――伍長!あんたもそこの女にやられたクチだろうが!なぜ、庇うようなことを言う!!」


 一人の兵士が語気を荒げるが、オスコットはいつもの調子を崩すことはない。


「――少佐殿が、手を出すなって言ってるでしょうが……それにここは医務室だよ?仮にも命を救う場で『殺せ!』はないでしょうが……お互い怪我人同士、つまんないこと考えないで、ゆっくり寝てようじゃないの」


「――伍長!あんたは、それでも軍人か!!」


「……軍人だよ。でもその前に人間でしょ?俺もあんたらも……まだ将来もある若い子を、危険だとかいう理由で殺すのが、人間のやることですかね?」


 どこか強い意志を宿したようなオスコットの言葉を、ヴァイスが引き継いだ。


「……伍長の言う通りだ。君たちはなんのために戦っている?戦争を終わらせるためじゃないのか?ただ、敵だという理由で人を殺せるから戦争をしているわけではあるまい……?」


「……そ、それは、しかし……」


「……責任は私が取る。この娘のことは私に任せてくれたまえ……ここにいては邪魔になると言うのなら、私たちは立ち去ろう……」


 まだなにかを言おうとする兵士たちを遮ると、ヴァイスはシリアを起こして再び抱きかかえた。
 自分の痛みを表情に表すこともなく、彼はドアのほうへと足を向ける。
 兵士たちの憎悪が消えることはなかったが、それが和らいでいくのは感じられた。


 ヴァイスは最後に、自分のフォローをしてくれたオスコットに、背中越しに声をかけた。


「――すまんな。伍長……余計な気を遣わせた……」


「――気にする必要はありませんよ、少佐殿……その子に死んで欲しくないのは、俺も同じだったものでね……」


「――そうか……」


 オスコットの答えは、いつになく真面目なものだった。
 どうやら彼は、シリアのことを憎むどころか、気遣っているようだ。
 それがどんな理由によるものなのかはわからなかったが、ヴァイスはその思いに感謝すると同時に、兵士たちの間に蔓延し始めている憎悪の連鎖に憂いを覚え始めていた。




(――命を落とさなかった者でさえ、あれほどの憎しみをぶつけてくる、か……これも戦争のもたらした因果というのなら、我々は一体どこへ向かうというのだろう?待っているのは平和か、それとも滅亡か……ミレイよ、エレニスよ……私は、なにを信じて戦えばいい?)




 彼は、迷宮に迷い込んだような思いのまま、シリアの顔に視線を落とす。

 そこにはこれまでの悪鬼とはあきらかに違う、安らかな天使の姿があった――。












―― 第5話に続く ――

 



〇 あとがき


 お待たせしました!PMMZの第4話をお送りします!
 最近はマジで忙しく、まっとうに話を書いている暇がない。
 プロットから、ち〜とも進まないペースも従来通りだし(爆)。
 こんなことでいいのか!?と思いつつも、どうしょ〜もない日々が続いておりますが、皆様、まだしばらくのお付き合いをm(_ _)m
 次回からは、やっと話も佳境に突入する予定(ホントか?)。
 それでは第5話でお会いしましょう!!



双首蒼竜

 


 管理人より

 双首蒼竜さんから第4話をご投稿頂きました!

 今後はJファー部隊も謎の一つになるようですねぇ・・・・(笑)

 しかし、シリアも・・・・とにかくよかった、かな?<まだ不明
 


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