機甲兵団J−PHOENIX オリジナルストーリー

「語られざる歴史と報告書」
(The history and at The report which can't be told)


第一話改訂版









 

命令を受けたラグナが私室に戻り、出発のための準備をしていると・・・

「隊長、いますか?」

 準備をしていたラグナの部屋にこざっぱりとした青年が入ってきた。

「誰だ!?」

 とっさに身構えるラグナ

「あはは、もう僕の顔をお忘れですか、最後に会ったのは一週間前ですよ?」

「なんだヒュウガか脅かすなよ!」

ヒュウガと呼ばれたこの青年、士官学校を出てすぐラグナの部隊に配属され4年以上の付き合いである。
フルネームはヒュウガ・カミカワ。

「で、こんな時間になんの用だ?」

「隊長、聞きましたよ?」

含みのある顔をしながらラグナへと近づく。

「・・・・・・何をだ?」

 嫌な予感はしつつもついつい尋ねてしまうラグナ。

「隊長、僕はもうどうしていいのか・・・」

ヒュウガがワザとらしく顔を伏せる。

「・・・・・・」

「ついに・・・ついに隊長が犯罪者になってしまった・・・・・・ううう・・・」

「・・・・・・」

そんなヒュウガを白々しい目で見ているラグナ。

「ううう・・・」

「・・・・・・いつまでやってるんだ?」

泣いているヒュウガを前にしても態度を崩そうとしない。

「やっぱり・・・バレてますか」

「当たり前だ、どんだけの付き合いだと思ってる?」

ヒュウガは嘘泣きをしていた。
もっとも当然とばかりにラグナにはバレていた、という訳だ。
彼らなりのスキンシップの一つなのだろう。

「そうそう、参謀長から伝言を預かって来てますよ」

「あん?それでなんだって?」

ヒュウガはとつとつと参謀長、ツェレンコフ・ゴルビーからの伝言を語り始めた。

「えーと・・・ラグナ君、考えたがその顔ではマズいだろう?
 フェンナ様暗殺の犯人として一度は捕らわれ見られた顔だ
 顔の整形をしてくるといい、料金は既にこちらで払ってある・・・だそうです」

変な顔をしながらヒュウガが伝言を伝え終わる。

「なんでわざわざモノマネをしながら伝言を伝えるんだ?」

ラグナは眉間に皺を寄せつつヒュウガに尋ねる。

「だって、普通に伝言してもつまらないじゃないですか」

あっさりと言い切ったヒュウガ。
ラグナは思いっきり溜め息をつく。
そして思い出した事があった。
こいつはこういうヤツだったな・・・と。

「はあ、で・・・整形にはいつ行けば良いんだ?」

既に諦めムードが漂っているラグナ。

「なるべく早い方が良いんじゃないですか?
 周りは隊長の噂で持ちきりですから、顔が割れない内にした方が良いと思いますよ?」

「わかったよ・・・じゃ、また後でな」

暗い雰囲気を背負いつつその場を後にするラグナ。

「隊長!」

そんな彼の背中越しにヒュウガが声をかける。

「あん?」

「お土産頼みましたよ〜」

そこには満面の笑みで冗談を飛ばすヒュウガが手を振っている。
ラグナは乾いた笑いを引きずりつつ部屋を出た。

 

〜二日後〜

 

「こ・・これが俺の顔か?」

整形の後、2日ほど包帯を巻かれていたラグナ。
包帯を解かれいざ自分の顔を見た彼は一瞬意識が飛んだ。

「隊長、随分・・・若くなりましたね」

そんな彼の近くではやっと整形後のラグナを見れるという事で
やって来ていたヒュウガも自分の予想を大幅に覆されていた。

「参謀長のヤツやりすぎだ、コレ誰だよ?」

「誰なんでしょうね?」

落ち着きを取り戻しとぼけるヒュウガ。

「あーあ、これじゃ他の奴と、どうやって接すればいいんだか」

「まあ、それも仕方ないですよ。別人にしないと
 捕まっちゃうかもしれないじゃないですか?」

ヒュウガの言うことも一理あるなと頷くラグナ。

「それにお金だって隊長が払う訳じゃないんだし、気にしない方が良いですよ」

「・・・まあそうだな」

ヒュウガはもういつものペースを取り戻し言葉巧みにラグナを落ち着かせた。

「他の人の話はご愁傷様、と言うしかないんですけどね・・・それよりも隊長」

「あん?」

「そろそろ出発ですよ、バルメッタ島でしたよね?たしか・・・」

移動先の島の名前を出して確認を取るヒュウガ。

「ああ、そこで他の仲間が俺達を待っている・・・らしいが」

自分の顔を鏡に写しながら不安がるラグナ。

「隊長準備は出来てますよね?」

「・・・言っても始まることじゃねえな、俺はいいがお前のは?」

「隊長が整形手術してる間に済ませておきましたよ」

「じゃ、出発するか」

 こうして二人はバルメッタ島へ向かった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

一方その少し前の事、ゴルビーはバルメッタ島へ連絡を入れていた。

「オホン・・・元気だったかな?クラン君」

「これは・・・ツェレンコフ参謀本部長、何かご用でしょうか?」

クランと呼ばれた女性が通信機の前で佇まいを直す。

「ああ、例の二人がそちらへ向かったよ」

「あ・・・了解しました、わざわざ連絡ありがとうございます」

「いや、気にしないでくれ・・・それじゃ、頼んだぞ」

ゴルビーが通信を切る。

それと同時にその女性は振り向き、そこにいた一人の男性はこう言った。

「ついに、例の大将来るみたいだねぇ」

「ええ、それではお願いしますね、オスコットさん」

「あいよ、おじさんに任せときなさいって!」

 

〜バルメッタ島到着〜

 

数時間かけバルメッタ島に到着したラグナとヒュウガ・
彼らを待っていたのは熱烈な歓迎の嵐・・・ではなく、一人の少女だった。

「ようこそバルメッタ島へ!!私はオペレーター見習いのシュキ・オールティーです! 連絡は受けてますよ、隊長よろしくお願いしま〜す!」

元気よく目の前の二人組みに挨拶をする少女。

「・・・おい、お穣ちゃんが出迎えるのはあっちのヤツらじゃないのか?」

「・・・へ?」

シュキと呼ばれた少女はしきりに自分の前にいる二人と、
あっちで手を振っている二人を見比べる。

「あ・・あははは・・・す・すいませんでしたーーー!!」

間違えていた二人組の前から韋駄天さながらの速さで
手を振っていた二人組の前に来たシュキ。
それを見たラグナ達がこの先不安な気持ちで一杯になるのは仕方がない事だろう。

「それじゃ、我々の基地にご案内いたしますね〜」

シュキはつい先程の事を忘れたぐらい陽気に二人を案内した。
ラグナとヒュウガは先程のもの凄く不安な気持ちを確実なものとして感じ取っていた。


〜基地到着〜


「クラン、新しい隊長さんと・・・なんて言えばいいのかな?」

「隊長補佐でいいですよ、シュキさん」

ヒュウガがすかさずフォローする。

「あ、それそれ!!・・・をお連れしました〜」

「ご苦労様、だけど言葉遣いにもう少し気をつけなさい?」

「あ・・・あはは、ごめんなさい・・・」

笑顔なのだが凄い威圧感を感じる表情に怯むシュキ。

「そしてようこそ、新隊長、ラグナ・グレイス少佐とヒュウガ・カミカワ大尉、
 私はこの部隊のオペレーターを担当しますクラン・ネルモアです、以後よろしくお願いします」

「ああ、こっちこそ頼む、それで早速だがこの基地の他の仲間は?」

辺りを見回しながらそう尋ねるラグナ。

「そういえば紹介がまだでしたね、シュキ、みんなを呼んできて」

「は〜い」

それから程なくして小隊メンバーがブリーフィングルームに集められた。

「それではあなたの小隊に配属されるメンバーを紹介します」

クランがそういうと3人のパイロットが整列した。

「じゃあ、おじさんから自己紹介させて貰おうか」

そういって前に出てきたのは眼鏡をかけた中年くらいのパイロットだ。
中年といってもその眼光は現役のパイロットと何ら遜色はない。
寧ろ年月を経た分、磨かれた老練さが加わっている。

「名前はオスコット・リースボン、まだまだ若い者には負けないからな?
 ということで大将、これからよろしく〜・・・じゃ、次はジータだな」

そう促されたのはまだ軍に入ったばかりのような、随分若そうなパイロットが前に出た。

「はい!俺はジータ・ランバート、ついこの前配属されたばかりの新米です、
 隊長、よろしくお願いします!!・・・リンナさんどうぞ」

「言われなくてもわかってますわ!」

どことなく気品を漂わせた黒髪の女性パイロットが前に出た。

「私はリンナ・イズミと申します、私はここに強い殿方を探すために来たのです、
 隊長さん、私に情けない姿を見せないで下さいね」

「リンナ・・・でいいか?どういう事だそれは?」

「言葉通りの意味です、我が家の家訓なのですわ」

リンナはきっぱりと言い切った。
それに対しラグナが出来る事と言えば心の中で苦笑いする事しかなかった。

「では、これでメンバーの紹介が終わりましたね」

 クランが次の説明に入ろうとしたとき、それを制止する者がいた。
 ヒュウガである。

「ちょっとクランさん、僕たちは自己紹介してませんよ?」

「確かに資料しか見せてもらってないからねぇ、
 ここで自己紹介して貰ったらどうかな?」

「良いですね、俺も聞きたいですよ」

「時間もあるから構わないのではないですか?」

「そうですね。それでは自己紹介して貰いましょうか、
 では隊長、ヒュウガさん、お願いできますか?」

クランも納得したようだ、それから二人は改めて自己紹介をした。

「じゃ、隊長、僕からいきますね・・・おほん、僕はヒュウガ・カミカワ
 隊長とは士官学校を卒業してからすぐ出会い、かれこれ4年位の付き合いです、
 皆さんよろしくお願いしますね〜」

「次は俺か・・・俺はラグナ・グレイス、
 ツェレンコフ・ゴルビー参謀本部長直々の命によりここの隊長に任命された、
 名前でもいいが普段はコバルトリーダー、隊長と呼んでくれると助かる、
 みんな、よろしく頼む」

こうして全員が自己紹介を終えた。

「各々の紹介も終わりましたので次の話に移したいのですがよろしいでしょうか?」

「ああ、すまなかった」

「いえ・・・では続いて我が軍のバルメッタ島周辺基地の戦力を確認して下さい」

「わかった」

クランが手に持っていた書類を読みあげる。

「現在このバルメッタ島のアルサレア軍の戦力は、J−ファー15機、J−キャノン5機、J−グラップラー5機です」

「じゃあ後は、僕たちが持ってきた試作機が2機ですね」

ラグナとヒュウガはバルメッタ島に来る前に新型の試作機を受け取っていた。
皇帝の名を冠したPFを作ろうとアルサレア軍は考えたが、
技術的な問題から戦闘能力に於いてJ−アームドを超える機体は出来ないと判断を下した。
それならばいかなる環境下でも活動可能なPFを作る事になり、この試作機が完成した。
また情報収集機としての側面を持たせる為にテデヘなどの高性能なセンサーを装備をした。

「ジータ達の機体はどうなってんだ?」

「俺達には専用のカスタム機がありますよ」

「そうか・・・じゃ、今度腕前を拝見させて貰おうか」

ラグナはニヤリ・・・と笑った。

「それでは今日のところはお二人ともお疲れだと思いますので解散にしたいと思いますが、
 他に質問とかはありますか?」

書類から目を離しラグナとヒュウガに問うクラン。

「いいのか?」

他に何か確認する事は、とクランに目で訴えるラグナ。

「ええ、他は明日からでも結構ですので」

「じゃあ隊長、お言葉に甘えましょうか?」

ヒュウガの言葉に頷くラグナ。

「リンナさんはラグナ隊長を、ジータはヒュウガさんをお部屋に案内してあげてください」

「わかりましたわ」

「了解です」

リンナとジータにそう言ったクランは、まだ仕事が残っているらしく
オペレータールームに消えていった。

「では、隊長さんこっちですわ」

「ああ、たのむわ」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ラグナが部屋へ案内される途中でリンナがこんな事を聞いてきた。

「隊長は何故、パイロットになろうと思ったのですか?」

「突然そんな事聞いて、どうしたんだ?」

「良いから質問に答えて下さいまし!!」

 リンナが普通ではない勢いで聞いてくるのでラグナは渋々話すことにした。

「俺も最初はグレン将軍とか、英雄ってモノに憧れて軍に入隊したんだ、
 それがどうだ、軍に入って一番最初に覚えた事は恐怖だった、
 俺はPFの操縦が人より上手かったからすぐさまPF戦闘に狩り出された、
 そこで俺は初めて人を殺した・・・
 脱出しただろうと思ったPFの残骸の中にパイロットの死体を見た、
 【俺が殺した】俺はすぐその場から離れた、これが戦争なんだって痛感した」

ラグナは一息に説明をした、少し息が切れてしまったようだ。

「そこまで聞いてません、それで結局は今何を思いながら
 PFに乗ってらっしゃるんですか?」

「おいおい・・・リンナから話せって言っておいてそれはないだろ?
 しょうがねぇなぁ、今はな、力バカじゃ戦争はやっていけないって考えて・・・」

「隊長、それは聞き捨てなりませんわ!!」

話を遮ってリンナがグッとラグナに詰め寄る。

「はぁ、今度はなんだ?」

「強い力を持つ事の何がいけないのですか!そんな甘い考え方で戦場は生き残れませんわ!!」

「・・・・・・」

「隊長の部屋に着きましたわ、では私はこれで失礼いたします!!」

 ラグナの部屋の前に来たリンナはそのままの勢いで180度向きを変えて、サッサと歩き去ってしまった。

「お、おいちょっと待てよ!・・・ちっ、行っちまったか・・・リンナこそあんな考えでホントに生き残れると思ってんのか?」

ラグナは既に姿の見えなくなったリンナの事を考えながら部屋に入っていった。

 

〜翌日〜

 

ラグナが自分の部屋を出るとそこにジータがいた。

「あ、隊長おはようございます!!」

「ああ、おはようさん」

「・・・隊長、顔色が優れないようですが」

「気にしなくていいって、んなもん」

確かにラグナの顔色は悪かった。
その理由は昨日リンナとの会話、あの後から嫌な予感が頭から離れなくなっていた。

「そんなこと言われても気になりますよ!」

「いいから、早くブリーフィングルームに行くぞ」

ラグナは一足先にブリーフィングルームに向かった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「大将!よく眠れたかい?」

 部屋に入った途端オスコットが挨拶をしてきた。

「この顔見ればわかんだろ?オスコットさんよ」

自分の顔を指し示すラグナ。

「うわ、どうしたの〜?その顔」

「体調には問題ないから気にしないでくれ」

そうは言っても誰一人としてラグナの顔色を気にしない者はいなかった。

「隊長、そろそろ説明に入りたいのですがよろしいでしょうか?」

「俺はいつでもよかったんだが、まあいいや説明始めてくれ」

そう言うラグナに頷き説明を始めるクラン。

「皆さん、おはようございます、では早速今日から取り掛かる事になる作戦に
 ついての説明をさせていただきます」

前置きをおいて一呼吸つくクラン。

「ヴァリム軍はまだ我々アルサレアがこの島にいることは知らないはずです、
 ですから今回は敵基地を奇襲する作戦に出たいと思います」

「で、奇襲にあたるメンバーは?」

「奇襲メンバーは隊長とヒュウガ大尉、ランバート少尉、
 この基地に残ってもらうのはオスコット伍長とイズミ少尉です」

少しの沈黙。
いつもは率先して戦闘に出たがるリンナ、だが昨日の事があってか今日はおとなしくしている。

「じゃ、この隊に来ての初仕事と行くか!」

「ええ、了解です♪」

「行きましょう、隊長!ヒュウガさん!」

気合十分のラグナ達。
それに比べてリンナは少々気落ち気味だ。

「どうしたんだい、お嬢?」

「な、なんでもありません・・・」

なんでもない、と言うには少々無理のある顔色である。

「・・・まあ、無理はすんなよ、お嬢」

「わかっています!大丈夫ですわ」

「ま、その元気があれば大丈夫だろうさ〜、
 今回は大将達の手並みを拝見させてもらいましょうや、な?」

「・・・ええ」

そんなオスコット達をよそにラグナ達は意気揚々と格納庫へと向かっていた。
 
「隊長〜、作戦に行く前にコレを読んでね?あ、オスコットさん達もだよ〜」

ブリーフィングルームから出ようとしているメンバーへシュキが
作戦概要を書いた書類を渡している。

「普通こういうのって説明始まる前に渡すものでは?」

ヒュウガが疑問に思った事をつっ込んだ。

「・・・出来れば察して下さい」

クランが溜息と共にそう言う。ラグナ達5人は少しの沈黙の後黙ってブリーフィングルームを後にした。

 

〜出撃・敵基地前〜

 

作戦を開始したラグナ達は少し機体を進めたところで敵基地の側まで迫っていた。
ちなみにそれぞれの機体を説明すると、ラグナはJ−カイザーラグナカスタム。
装備はフォースソード、カイザーシールド、
カイザーシールドを装備した手の方にさらにサブマシンガンを、右肩にAFFミサイルを装備。
ヒュウガはノーマルのJ−カイザー、ジータは自分専用のカスタムPFだ。

「オペレータールーム、誰かいるか?」

「はいは〜い、シュキちゃんがいますよー、何かご用ですか?隊長」

「敵戦力のデータを頼めねぇか?」

「わっかりましたぁ!!・・・えーっと・・・・・・」

しばらく待つが反応が返って来ない。

「どうしたんだ?」

「クラ〜ン、助けてぇ〜〜」

「「「・・・・・・」」」

奇襲組3人は冷や汗を流していた。

「オペレーター代わりました、敵戦力ですね?」

「頼むぜ、全く・・・」

「すいません、まだ見習いですから・・・後で相応の処罰は与えておきますので」

冷ややかな声で淡々と喋るクラン。

「それだけは勘弁して〜・・・」

小さくシュキが反論してるのがスピーカーから聞こえた。

「敵戦力はヌエが10機、それほど苦労もしないと思いますが、
 増援が来てはやっかいですので素早い行動を心がけてください」

「了解、二人とも聞いてたな?」

「「了解!」」

「まずは俺が先行する、ヒュウガはわかってるがジータは知らないよな、
 これが俺のスタイルなんだがまあ見ておきな、じゃあ行くぜ!」

ラグナは一気にブーストをふかし突撃した。

「了解です・・・って突っ込みすぎでは・・・」

「いいんですよ、アレが普通ですなんですよ隊長の」

「はあ・・・」

首をかしげながらヒュウガと共にラグナの後を追うジータだった。

 

 〜敵基地〜


「敵襲!敵襲!PFパイロットは出られる者から即座に出撃しろ!!」

「出られる戦力はヌエ10機のみです!」

「それでも出さないよりはマシだ!!早くしろぉ!」

ラグナの突撃に目を白黒させる敵基地司令達であった。

 

〜敵基地直前〜

 

「やっと気がついたか、だがもう遅ぇよ!」

基地から出てきたばかりのヌエをにフォースソードで一刀の元に切り伏せた。

「まずは1機!残りは何機だ?」

「隊長、相変わらず早いですねぇ・・・よっと!」

一機目が倒された格納庫から顔をのぞかせたヌエに銃弾を浴びせかけるヒュウガ。

「そこだ!」 

攻撃を受けたヌエがよろけた所をジータが斬馬刀で切り裂いた。

「おっと・・・二人とも追いついたな、速攻で行くぞ!
 ジータは左、ヒュウガは右の敵を頼むぜ」

「了解!」

「わかりましたよ、隊長」

返事が終わると3機はそれぞれの目標へ向かって弾けるように別れた。
・・・数分

「クラン、作戦終了したぜ」

「お疲れさまでした、隊長」

「でもあまりにも簡単に占領できたような・・・」

 ジータは余りのあっけなさに疑問を抱いていた。

「では、私達もそちらに向かいま・・・ブッ!!

突然通信が切れたようだ、一体何があったのだろうか?

 

〜アルサレア本拠地〜

 

「どうしたんですの?!」

リンナとオスコットが待機していた格納庫からダッシュでオペレータールームに駆け込む。

「やられたよ・・・どうやら奇襲みたいだよ」

「ええ・・・どうやらばれていたようですね、私たちがこの島にいる事が」

クランが沈痛な面持ちで告げる。

「・・・悩んでも仕方がないさ、とっとと迎撃しよう〜」

「そうですわ、早く対応した方が被害が出ずにすみます!!」

「・・・そうね、シュキ手伝ってちょうだい」

幾分か表情を引き締めたクランがシュキに言う。

「はいはーい、何すればいいの?」

「先行した隊長達に連絡を取って、こっちは敵奇襲部隊を迎撃します」

「わかった!」

シュキは早速オペレータールームのコンソールに向かった。

「では、オスコット伍長、イズミ少尉出撃してください」

「了解ですわ!」

「あいよ!」

オスコットとリンナは颯爽とPF格納庫に戻っていった。

 

〜占領後の敵基地〜

 

「おい!!どうしたんだクラン!!」

「隊長、いつまで叫び続けるんですか?」

「もうちょっと冷静になりましょうよ」

しばらくの間こんなやりとりが続いていたようだ、ラグナの声が荒れている。

「・・・しかしなぁ・・・」

「隊長!応答してくださいこちらオペレータールーム、シュキです!」

やっと通信状態が復活したようだ、シュキは慌ててラグナに通信を送った。

「どうしたってんだ?シュキ!今まで繋がらなかったから焦ったじゃねぇか!」

「私のせいじゃないよぉ!それより大変なんだから!!」

「どうしたんですか?そんなに慌てて」

ヒュウガがラグナの横から顔を出す。

「あ、ジータもヒュウガさんもいるんだね!!ちょっと聞いてよ!!
 こっちは凄いことになってるんだからぁ〜!」

「わかったから早く教えろって!」

先を急がせるラグナ。

「そんな大声で怒鳴らなくても・・・今こっちの基地が敵に奇襲されて大変なんだよぉ!!!」

「敵の規模は?」

この時の敵戦力はヌエ10機、タルカス2機、ヴェタール3機、そして未確認PFが1機。
リンナとオスコットの二人で防ぎきれるのだろうか?

 

〜待機組・出撃迎撃〜

 

「リンナ、出撃しますわ!」

「それじゃあ、お手柔らかに頼むよ敵さん!!」

リンナとオスコットは格納庫から出て真っ直ぐ敵の真っ只中に突撃していった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

一方知らせを受けたラグナ達はというと・・・

「仕方ねぇ、ジータとヒュウガはここで待て、俺は一旦戻る!」

二人の了解も取らずラグナはかけだした。

 

 〜アルサレア本拠地〜

 

「あなた、弱すぎます!」

「はいは〜い、危ないよお嬢!!」

リンナがそう叫び5機目のヌエを一刀両断したところに、
オスコット専用機がバスターランチャーを炸裂させる。
光の帯はヌエ3機とヴェタール1機を巻き込み消滅させた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ふう、手応えがありませんわね」

「油断してたら足元すくわれるぞ、・・・っと!!」

再びバスターランチャーが火を噴いた。

「ふー、後どれぐらいかねえ・・・」

辺りを見回すオスコット。
敵が残り3分の1になった頃未確認PFが姿を現した。
一機だけカラーリングが違う。

「あれは、明らかに指揮官機・・・ですわね」

「そうだと思うけど・・・どうするつもりだい?」

「そんなの決まってますわ!」

リンナが弾けるように指揮官機・・・と思われる機体に突っ込んで行く。

「先手必勝!!」

リンナが大上段に構えたシラギクを振り下ろす。
シラギクが敵機にヒット・・・したと思われたが・・・

「きゃああああぁぁぁ!!」

リンナの機体が後ろに吹っ飛ばされた。
敵機の左手には大きい電柱みたいな物がセットされている。

「あれは、ちょっと厄介だねぇ・・・」

オスコットは驚きの表情を戻すと間髪入れずバスターランチャーを放つ。

「お嬢、大丈夫かい?」

放たれたバスターランチャーをかわす金色の敵機。

「ううぅ、大丈夫ですわ・・・けどあれは何なんですの?
 オスコットさんは知っていらっしゃるのですか?」

強烈な衝撃を受けたリンナがオスコットに訪ねる。

「あれは、パイルバンカー・・・だな」

「ぱいるばんかぁ・・・ですか?」

「ああ、巨大な杭打ち機だと思ってくれればいいさ、
 まさかアレを使ってるパイロットがいるなんてねぇ」

オスコットの額に汗が浮かぶ。

「どういうことですか?」

「あれねぇ・・・非常に使い勝手が悪いんだよ、でもお嬢に見事に決めてただろ?」

金色の機体とリンナの機体を見比べるオスコット。

「見事に、は余計ですわ!!確かに当てられましたけど・・・」

「威力は強いし、モーションも格好いいから使いたがるパイロットは多いけど、
 ほとんどのヤツが使いこなせないで挫折してくシロモノなんだよ、
 それをいとも簡単に当てたって事はなかなかの強者さぁ、あのパイロット!!」

三度バスターランチャーを撃つ、しかし掠る程度に終わってしまう。
その時金色の敵機から通信が入った。

「ハッハッハッハ〜、マダマダデスネ〜!! ソレジャ、コノワタシノPFニ傷ヲ付ケルコトスラ出来マセンネ〜!!」

敵の指揮官と思しき物が二人を挑発する。

あれは明らかに挑発だな・・・
そう思ったオスコットはリンナに制止をかけようとした、が・・・

「お嬢!!挑発に乗るんじゃな・・・遅かったみたいだな、仕方ない出来るだけ援護しますか・・っと!」

オスコットは覚悟を決めてリンナの援護に回った。

 

 〜ラグナ現在地〜

 

アルサレア本拠5キロメートル前地点にいるラグナ。
もうすぐ肉眼で確認できるという所まで基地に迫ってきていた。

「・・・あいつら無事か?特にリンナ・・・突出してなきゃいいが」

その時ラグナの目に煙が見えてきた、何があったのだろうか?
同時にオスコット機が単体で戦っているのが目に入った。

「オスコット、リンナはどうした!?」

通信が繋がる範囲まで迫ることが出来た、後は肉眼で確認するだけである。

「大将かい!?お嬢の機体はもうすぐ大破しそうなんだよ!!
 援護してあげてくれないか!!」

「わかったぜ、んでリンナはどこだ!」

視線を巡らしたラグナが見つけた物はかろうじて動けるといった程度のリンナ機だった。

「リンナ、下がれ!」

「嫌です、私はまだ戦えますわ!!」

ここまでボロボロにされながらも天晴れな強情を見せるリンナ。

「この馬鹿が!!!!!」

「!!」

一瞬ビクッとなるリンナ。

「お前にあの相手を倒せるのならそれでもいいさ」

「・・・」

敵の攻撃からリンナをかばいながら話すラグナ。

「おまえだってわかるんだろ?」

「・・・しかし、私はまだ!!」

なおも食い下がるリンナ。

「頼む下がってくれ、パイロットの腕の差ぐらいわかるだろ!?」

「男の大将が頭下げてるんだ、お嬢もわかってるさ、な?」

「・・・わかり・・・ましたわ」

リンナの声が震えている。
悔しさからか情けなさからか、もしくはその両方からだろう。

「オスコット、援護頼むぜ?」

「言われなくてももうやってるよ!!」

「リンナ、急いで基地に戻れ!」

ラグナがサブマシンガンでさらに援護をする。

「お前がリンナの機体をこんな風にしたヤツか!?」

「ソウデ〜ス、私ノ名前ハグッドマンデ〜ス、一応コノ島ノ指揮官シテマース
 ユーハナカナカ腕ガ立ツミタイデスネ〜!!」 

グッドマンと名乗った指揮官はラグナの機体に狙いを絞ったようだ。

「隊長、気を付けて〜、そいつパイルバンカーの扱いかなり手慣れてるからさぁ〜!」

ラグナにそう告げながら、オスコットはバスターランチャーを発射する。

「こちらオペレータールーム!コバルトリーダー、聞こえますか?」

突然クランから通信が入った。

「こちらコバルトリーダー、なんだ!?今取り込み中なんだけどよ!!」

「リンナ機、回収完了しました!」

ラグナ達にとっては嬉しい知らせだ。

「オスコット、聞こえたか?!」

「はいよ、これで戦闘に集中できるってもんだ!」

「俺が行く!頼んだぜ、オスコット!!」

言われたオスコットはバスターランチャーを連射、
微調整をしながらラグナと指揮官機を上手く近づけてゆく。

「HAHAHAHAHA!ソンナ攻撃、アタリマセ〜ンヨ!!」

グッドマンは気付いていなかった。
オスコットのバスターランチャーばかりを気にしすぎていて、
ラグナの機体との距離が縮まっているのを。

「遅いっ、背中ががら空きだぜ!!」

グッドマンは気付かなかったのではない、気づけなかったのだ。
それほどオスコットのバスターランチャーによる誘導は巧みだった。

「クッ・・・コレハコレハ油断シマシタ〜!一旦基地二撤退スル必要ガアリマスネ〜」

今までほぼ無傷だった敵機に一撃で重症を負わせたラグナも相当なものだろう。

「どこの基地に逃げるのさぁ〜!!」

「OH〜ソレハ離レ小島ニアル基地デ〜ス」

ラグナは心の中で叫んだ、アイツはバカか? と。

「隊長、これで次に行く場所は決まったようなもんでしょ」

「ああ、それよりリンナのところに急ごうぜ」

「了解〜」

 

〜アルサレア本拠地〜

 

グッドマンを撃退し急いで戻ってきたラグナ達。

「・・・リンナ?」

「あ・・・・・・隊長さん」

「大丈夫だったか?」

「はい、隊長のおかげで助かりましたわ」

ラグナはリンナの無事な姿を見て安堵した。

「さっきは悪かった、俺も言いすぎたかもな・・・」

「いえ、私がワガママだっただけですわ」

リンナも少しは反省したのだろう、少しおとなしくなって答える。

「お嬢〜、大丈夫だったかい?」

そこへオスコットも駆けつける。

「リンナさん、大丈夫〜?」

「イズミ少尉、無事でしたか」

シュキとクランも駆けつける。
ちなみにジータとヒュウガは攻め込んだ基地で待機中だ。
しばらくリンナの休んでいる救護室で談笑を交わした後、
ラグナ以外の者はその部屋を出ていった。
するとリンナがラグナに話しかけてきた。

「私は・・・間違っていたのでしょうか?」

「何がだ?」

「この前隊長に、力が無くては戦場を生き残れない・・・
 なんて事を話したことがありました・・・」

「ああ、あれなぁ・・・」

「ですから、私は間違っているのでしょうか?と・・・」

ラグナは少し考え込んだ後こう答えた。

「そんなもん分からねぇよ」

「え?」

思わず聞き返してしまうリンナ。

「リンナが間違ってるなんて誰が言える?
 どんなこと考えても俺達のやってるのは結局戦争、つまり人殺しだからよ」

「確かにそうですわ、けど・・・」

リンナはラグナの真意を読みとれずにいた。

「ですが、少なくとも良い事か悪い事かぐらいは判るのではないですか?」

「そうだな、判るかもしれねえ、でもリンナと同じような考えを持ってる、
 リンナより何倍も強いヤツがいたとするじゃねぇか?」

「・・・はい」

「そいつがリンナと同じ事を言ってても誰にも止められなければ、
 そいつを悪いと言えるヤツは一人もいないんだぜ?」

リンナはショックを受けていた。
今までただ夢中で強くなることだけを考えていたリンナは、自分の考えを改めようと考えていた。

「隊長さん、少し疲れたので一人にしていただけますか?」

「あ?わりぃ、また説教臭くなっちまったな」

照れ隠しに頭をかくラグナ。

「いえ、隊長は悪くありませんわ、ちょっと考えたい事があるものですから・・・」

「そうか?ゆっくり休めよ、じゃあな」

ラグナが部屋から立ち去ろうとする、その瞬間。
リンナが聞き取れないぐらい小さな声で「ありがとう」と呟いていた。

 

〜翌日〜

 

「隊長、おはようございます!」

「おうシュキじゃねえか、先に来てたんだな」

「ちょっとクランの手伝いしてたんですよ〜、
 今それも終わりました皆はまだ来ないんでしょうかね〜」

少し眠そうなシュキ、恐らく朝早くに駆り出されたのだろう。

「もうすぐ来るんじゃねぇ?・・・そうだシュキ、
 ジータとヒュウガに連絡入れといてくれたか?」

「あ、もうすぐ来ると思いますよ、その二人なら」

昨日、敵の本拠地がわかったので作戦会議のため、
ジータとヒュウガも戻すことにしたのだ。

「隊長おはようございます、今日は早いですね」

「まあ、敵本拠地に攻め込む話なんだ、遅れたら困るだろ?」

それから程なくして全員がブリーフィングルームに集まった。

「では本日の作戦の説明を始めたいと思います、よろしいですか?」

全員が揃って頷く。

「今回の作戦でこの島の戦闘は終わりになるかもしれません、
 皆さんいつも以上に慎重な行動をお願いします、
 今回敵本拠を攻めにいっていただくのは、コバルトリーダー、ヒュウガ大尉、
 それと後一人は隊長が決めて下さい」

「俺が決めていいのか?」

「はい、敵のレベルを一番把握してるのは隊長でしょうから」

「そういう事か」

ラグナは悩んだ。
オスコットを連れて行けば確実に敵を倒しやすくはなるだろうが、
こちらに奇襲が来た際の対応はどうしたらよいものか・・・と。
リンナはあんな事があった後だし・・・
となると残るは一人しかいなかった。

「じゃ、ジータを連れてくわ・・・頼むぜ、ジータ」

「了解しました!」

結局前回奇襲に出撃したメンバーと同じとなった。


 

〜離れ小島・敵本拠地前〜

 

敵指揮官、グッドマンが自らバラした場所にやってきたラグナ一行。

「着きましたね」

「ああ、気を付けろよ、ここにはやべぇのがいるからな」

「どんな機体だったんですか?」

ラグナは二人に指揮官機の説明をした。
黄金色をしている事、そして・・・

「まさか!パイルバンカー使ってる指揮官機なんていたんですか?」

ヒュウガが驚きの声を上げる。

「見ればわかるさ、それよりそろそろ近づいたぞ、用意はいいな?二人とも」

「はい!!」

「いつでもOKですよ」

ラグナ達はこの島での作戦を終わらせんと再び前に進み始めた。

 

〜敵本拠地〜

 

「ツイニヤッテキーマシタカ〜!!カエリウチニシテアゲマース!!
 ワタシノ機体ヲ用意シテクダサ〜イ!!」

 

〜コバルト小隊戦闘中〜

 

ラグナ率いるコバルト小隊は戦闘に突入していた。
ラグナが6機、ヒュウガが4機、ジータが3機倒したところだった。

「オ前達デハ相手ハ勤マリマセ〜ン!!下ガリナサ〜イ!!
 余計ナ被害ハ出シタクアリマセンカラネ〜!!HAHAHAHAHA!!!」

金色のPFが姿を現した。
今戦っているヴァリムのPFに撤退命令を出す。
余程自分の腕に自信があるのだろう。

「アイツだ!!パイルバンカーを使う指揮官機!!」

「ホントに使ってますねぇ・・・」

とヒュウガ。

「つ、強そうだ」

少し腰が引けてるジータ。

「ジツハデスネ、アナタ達ガコノ島ニ来テタコトハ、
 全部筒抜ケダッタンデスヨ!!HAHAHAHAHA!!!」

「なっ!!」

「アナタタチモマヌケデスネ!!バレテルコトヲ知ラズニ、
 コノ島マデノコノコヤッテクルンデスカラ!!!」

グッドマンの言ってる事は全て事実だ、ラグナは確信していた。
その理由は奇襲の事があったからだ。

「コソコソト隠レテ、ソレデモアナタ方ハ選バレタ特務小隊デスカ?」

グッドマンは明らかにこちらを挑発している、
そう考えたラグナは二人に通信を入れる。

「二人とも、解ってるとは思うがアレは挑発だ!惑わされんな?」

「わかってますよ、隊長」

「うおおおお、なめるなぁ!!!」

ヒュウガは解っていたがジータはそうはいかなかったようだ。

「ジータ!!・・・チッ・・・まんまと敵の策に引っかったか!」

「隊長、援護します!!」

ヒュウガが敵陣に突っ込んでいくラグナをガトリングで援護する。

「ジータ!!冷静になれ!!・・・聞こえてねぇか・・・ならば!!」

追いついたラグナがジータの機体にタックルする。

「うああ!!・・・って隊長!!何するんですか?!」

ジータは訳が分からないといった風に画面越しにラグナを睨んだ。

「まんまと敵の策に引っかかりやがって、
 一人で突撃してどうするつもりだったんだジータ!!」

「・・・・・・!」

ジータは、周りを見渡し初めて自分が冷静ではなかったと理解した。
このまま自分一人で突っ込んでれば・・・という想像をし青くなった。

「わかったな、お前一人じゃ何かする前にタコ殴りだぞ」

「隊長、そこまでにしましょう・・・敵指揮官がこちらを睨んでますよ?」

「ああそうだな・・・ジータ、お前は援護してくれればいい、後は俺に任せろ!!」

その場にジータを残しグッドマンへ向かって突撃するラグナ。

「すいませんでした、隊長っ!!」

「わかればいいって、それよりもう少し自分のことも考えてやれよ?」

ジータが頷くのを確認するとラグナは敵指揮官機に襲いかかった。
だが、それを阻もうとするように色違いの指揮官機の同型機2機が、眼前に並ぶ。
しかし指揮官機のそれと比べると動きが段違いに悪かった。

「形だけ真似ても中身が伴ってなければ意味ねぇだろうが!!
 そこをどけ、ザコがあああぁぁぁあ!!!」

一機を斬り捨て後ろを振り返ることなくラグナは突進する。
そして後ろからラグナを襲おうとする敵機をジータとヒュウガが落とす。

「勝負デス!アルサレアノエース!!死ニナサ〜イ!!!」

グッドマンはパイルバンカーを構えた。

「随分パイルバンカーに自信があるようだな!!
 ならこちらにも手ってものがあるんだよぉっ!!さあ、打ってきやがれぇーーー!!」

ガキイイイイイイイイイン!!!!!


一際甲高い金属同志がぶつかるような音がした。
そのあとに残っていたのは・・・

「・・・グッ・・・OH・・・マサカ・・・・・・ソンナ手ガ・・・アッタノデスネ・・・私ガ・・・負ケル・・・ナンテ・・・・
 ガフッ・・・デスガ・・・私ヲ・・・・・
 倒シタグラ・・イデ・・・・・得意ニ・・・ナラナイ・・・方ガ・・・イイデ〜ス!!」

ラグナは打たれたパイルバンカーにカイザーシールドぶつけて犠牲にすることによって
回避、そのままグッドマンの機体を一刀両断した・・・と言うわけだ。

「どういうことだ?」

「スグニ・・・ワカリマス・・・データ・・・・・転送完了・・ソレデハココデ・・・
 オ別レデス・・・good・・・・・・BYE・・・アルサレアノ・・・エース!!!」

敵指揮官機が爆発し、壮絶な最後を遂げた。

「最後の一言が気になりませんか?隊長」

「俺も気になりました」

ヒュウガもジータも気になっているようだ。

「それは分かってるよ、だけど今考えても答えの出ない話なんかどうすれってんだ?
 それより早く帰還しようぜ、疲れちまったよ・・・・ふぅ・・・」

 

〜アルサレア本拠地〜

 

ラグナ達は見事敵本拠を占拠するとPF格納庫に戻ってきた。

「隊長さん!!お怪我はありませんか?」

「大将〜、やったみたいだねぇ」

リンナとオスコットが出迎えてくれる。

「ちょっとやばかったかな・・・まさか、
 パイルバンカー相手にするとは思わなかったぜ」

「たしかに・・・」

「恐かったですよ、ほんと」

ラグナ、ヒュウガ、ジータが口々に感想を漏らす。

「隊長、お疲れさまでした」

「リーダー!!格好良かったよぉ!!」

クランとシュキも格納庫に姿を現す。

「今日は皆さんお疲れさまでした、これでこの島での作戦は終了となります、
 明日には次の戦地に向かいますのでなるべく早く寝て明日に備えてくださいね」

「ああ・・・そうするわ、今日は疲れて・・・ふぁぁああああ」

ラグナが大きいあくびをした。
そしてよく見れば皆眠そうな顔をしている。
それもそのはずだ、作戦が終了するまで緊張し続け、張りつめた空気と戦闘の恐怖、
待っているだけのもどかしさをそれぞれが受けていたのだ。

「今日ぐらい、ゆっくり休もうぜ・・・んじゃ、おやすみ」

そう言ったラグナは早々に自分の部屋に入っていく。
皆もそれに習うように自室へと戻る。
クランだけはまだ仕事があるようで、ブリーフィングルームへと戻っていった。

 

〜翌日〜

 

バルメッタ島での作戦が終了した次の日である。

「皆さん、おはようございます」

「「「おはようございます」」」

今日は朝から珍しく全員が揃っている。
それもそのはずだ、今日からは違うところで作戦が展開されるのだから。

「次の作戦は、ラクメレルト諸島で行われます」

「ラクメレルト諸島か・・・」

「ま、行ってみれば分かるだろうさ」

こうしてコバルト小隊は次の戦地へ旅立っていった。









 

〜ヴァリム・???〜


ここはヴァリムの中にあるとある部屋。
そこには先程戦死したグッドマンからのデータを持ってる女性がいる。
女性はそのデータを傍らにいる男性に渡した。

「・・・流石だな、アルサレア軍特務小隊・・・いや、コバルト小隊だったか?
 まあ、そんな事はどうでも良い、あれ位の敵は倒して貰わないとこっちが困る」












 

第一話改訂版・END

第二話改訂版へ続く

 



一話改訂後の作者メッセージ

桃音「こんにちは、先の話を書くための準備が揃わないので改訂版と称した
    第一話をお送りします、一度読んだ方も改訂前と何処が変わってるか、とか
    少しでも上達しているところを見つけてくだされば幸いです」

ナイトメア「逃避と言う名の1話改訂版です。次回は(と言っても最後だけど)
       今回以上に修正するのでお楽しみに」


 


 管理人より

 桃色の悪夢さんより、第1話改訂版をご投稿頂きました!!

 なるほど、細部が付け足されたりしてますね。

 次回は今回以上となると……場面の追加もあるのでしょうか?
 


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