〜ヴァリム・????〜
ヴァリムのとある一角で、フォルセアとその部下がなにやら話している。
「神佐、例の試作機、【ヤヌス】がほぼ完成したそうです」
どうやらフォルセアが計画していたものの一部の話のようだ。
「・・・フフフ、そう・・・やっと出来たのね・・・いいわ」
フォルセアが一旦間を置く。
「・・・あと少し、ね・・・例の情報をアルサレアに流しなさい、
これで全ての準備が終わったわ・・・フフフフフ・・・」
双眼に狂気を宿らせフォルセアが嗤う。
この世のものとは思えないオーラを発する『魔女』がそこにいた。
〜移動中・輸送機の中〜
森の住人、モーリと別れたラグナ一行は次の戦地へ飛んでいた。
「しかし洗脳か・・・誰がやったのかねぇ」
「ほんとですよね」
ラグナ達から話を聞いていたコバルトメンバーの
オスコットが疑問を口にする。
それに同意するジータ。
「それなんですよね、だからってさすがにあの瓦礫の山と化した
基地の中からヒントを探すなんて年が暮れちゃいますし・・・」
「だな、もっと人がいれば何か分かったかもしれないけどなぁ」
その話をしていたヒュウガとラグナが現場の惨状を思い浮かべる。
「あの状況なら誰だって諦めるって」
「そうよ、今チラッと見えただけでも凄いってわかったじゃないの!!」
少し前に現場の上空を通ったので、それを見ていた
キースとアイリが見たまんまを口にする。
「たしかに・・・・・・ゾイ」
「・・・・・・」
ずっと窓から下を見ていたギブソンが溜め息と共に一言漏らす。
そんなギブソンの動きを見ていたランブル、何を考えているのだろうか?
「ヴァリムのやってることなんてろくな事ではありませんわ、洗脳だってそうです」
「自分もその意見には賛成ですね、ただ楽観視するのはどうかと思いますが」
ヴァリムの考えていたことなどアルサレアがするはずないと思っているリンナ。
半分同意を示すもののその考えが危険だと分かっているムラキ。
「色々考えても仕方がないよ、次の事を考えなきゃ・・・ね?」
いつもより少し控えめにシュキが言う。
何とか煮詰まった雰囲気を中和しようと考えたのだろう。
そんな時、間が良いのか悪いのか、クランが通信を受信した。
「皆さん、たった今アルサレア軍作戦部からの通信が入ってきました」
「今度は追加の指令か?」
「ですが・・・内容が内容なので・・・正直私も戸惑っています」
クランの報告を聞き返すラグナ、そこに歯切れの悪いクランの応答。
「とりあえず教えてくれ、それと皆もちゃんと聞いてくれ」
クランの応答から何かを読み取ったラグナ、一転して真面目な表情になる。
ラグナ達はすぐに話を聞く態勢になった。
「・・・それでは、今回の追加の指令内容です」
「「「・・・・・・」」」」
「『ベリウム・ヴァレリウスの所在地が判明した、諸君には早急に
攻撃の準備をしてほしい、場所は【Gエリア】中央付近の
ハーセット湖の近くにあるメイモンデッド山脈だ』・・・と言うことなのですが・・・」
ベリウム・ヴァレリウス・・・ヴァリム軍東方方面軍指令の肩書きを持つ。
かつてヴァリムを統治していたヴァレリウス家の長男であり、
目的のためには手段を選ばぬ冷酷な策略家。
そして今回の紛争の発端でもあり元凶でもある男。
「そりゃまたえらく都合のいい指令だねぇ」
クランの報告を聞いた全員は全員が全員揃って訝しげな顔をしていた。
「ですから、逆に怪しいのです・・・」
「・・・わかったわかった、話し合いなら基地に着いてからにしようぜ?」
「そうですね、一呼吸置いた方がやりやすくなりますよ」
そんなラグナとヒュウガの提案に皆が頷き、
しばらく後コバルト小隊は次の基地へ到着した。
〜到着・休憩のち会議〜
基地に到着し皆がしばらく休憩を取っていたところに、
予想すらしていなかった急な来客がいた。
「貴様等、ビシッとせんか!! それでも軍人か!!」
「・・・はぁ? じいさん誰だよ?」
イキナリ怒鳴り込んできた老兵にラグナが視線を送る。
ちなみにここはブリーフィングルーム、会議の始まる少し前に
集まっていた者はその爺さんに視線を送っている。
「・・・ん? 儂を知らんのか?」
「知らないから聞いてるんだろ?こんなとこに爺さんが入ってきちゃいけねぇぜ?」
「ほう、アルサレアでまだ儂を知らない者がいようとはな」
そう言った老兵は不敵に笑った、そして・・・
「あ、遅れてすみません!! って・・・ああああ!!!!」
まだ会議が始まっていなかったためクランも別の場所で休憩していたようだ。
何故か息が切れている。
「まだ時間前だろ? それより慌ててどうしたよ、クラン?」
「隊長、あなたの目の前の方をご存じないのですか!?」
「前って・・・この爺さんか?」
ラグナが『爺さん』といった瞬間にクランの顔が一瞬青ざめる。
「申し訳ありません!! ロワナー中将閣下!!」
青ざめるのを通り過ぎてさらに危ない顔色でクランがラグナの前にいる老兵の方を見ながら
必死に謝罪の言葉を述べる。
「くっ・・・ププッ・・・あーっはっははははは!!」
クランがラグナの正面にいる爺さんの正体を言った途端、
オスコットが盛大に笑い出した。
「・・・隊長、さすがに今のは冗談だと思ってましたよ?」
「あん? 俺何か変なこと言ったか?」
ヒュウガの突っ込みに素で聞き返すラグナ。
「オスコット君、君も人が悪いじゃないか、えぇ?」
ロワナーと呼ばれた老兵がオスコットに問いかける。
「いやいや、すいませんね閣下、あまりにも面白かったもので、つい」
「まあ、かまわんよ・・・しかし君がここにいるとはな、てっきり儂は・・・」
「あっと・・・その話はここでして欲しくないんですよねぇ」
「おぉ・・・ウォッホン!」
わざとらしく咳で流すロワナー。
「隊長、ロワナー中将っていえばかなり有名な方ですよ?」
「んなこといったって俺はずっと訓練してたからなぁ・・・」
「そりゃ、私も訓練でしたけどね」
ぽりぽりと頭をかくラグナ、ヒュウガがもう一言付け加える。
「とにかく、作戦会議を始めようと思うのじゃが?」
「申し訳ありません、まだ会議時間じゃありませんので全員は集まらないと思われますが?」
急かすロワナーをなだめるクラン。
「・・・ふう・・・先が思いやられるのぅ・・・」
溜息を吐くロワナー、そして数分が経過し、
コバルト小隊メンバーがブリーフィングルームへ集まった。
「やっと全員揃いおったか・・・」
「本当に申し訳ありません・・・ですが・・・」
再三の謝罪とともにもう一言言おうとするクラン。
「いや、皆まで言うな・・・貴様等の活躍はかなり上の方まで流れてきとるからな」
「へぇ、有名になったモンじゃないの、コバルト隊もさ〜?」
「儂はまだ入って少ししか経っていないが、そんなことになっていたのかゾイ」
ロワナーの発言に驚くコバルト小隊メンバー達、
まあ、一部の人があれだけ暴れていれば嫌でも有名になるはずではあるのだが。
「で、ロワナーさんよ、あんたは一体何しにこんなところまで来たんだ?」
「「隊長!!」」
約2名がラグナの態度に突っ込みを入れる。
「・・・儂は今回の作戦の指揮を任されておる、無論コバルト隊も儂の権限で自由に使う事を許されている」
鋭い眼差しがラグナを射抜く。
「・・・今回は、俺達だけの作戦じゃないみたいだな、クラン?」
「・・・はい、今回はロワナー中将閣下の部隊との合同作戦となります」
「珍しいですね、合同なんて?」
ロワナーの視線から逃れたラグナが今回の作戦についてクランに話を振る。
そしてクランの答えを聞いたジータが首を傾げる。
「・・・ふん、役に立つのか?」
自分達の隊以外の者達の実力を危惧するランブル。
「その点は心配なかろうて、儂の部隊もかなりの精鋭揃いじゃからの」
ニヤリと笑うロワナー、その眼には確固たる自信がみなぎっている。
「それだけ自信ががあるってことは自分の部下をかなり信用しているみたいですね」
「・・・そうだな、同時に部下からの信頼もかなりのものと、おれっちは見たぜ」
「それはそうかもね・・・ってあたしらロワナー中将のことなら知ってるじゃない?」
キース、アイリの2人はロワナーと会った事があり、
ムラキは噂で聞いたことがある、と言うことらしいが。
「それで、合同作戦と言う事は一緒に動くんですの?」
「あ〜、たしかにそうだね?」
合同と言う言葉の意味を尋ねるリンナ、そこへシュキが相づちを打つ。
「・・・・・・では、そろそろ本格的に作戦の説明に入りたいのですが?」
全員が全員ばらばらな事を言ってるので話がまとまらない、
そのため会議もあまり進んでいない。
そんなとこに怒気を孕んだクランの声が静かに響く。
「はっはっは!! コバルト隊のチームワークはいつもこんな感じなのかね?」
ロワナーがさも面白そうに言う。
たしかに傍から見れば面白いであろうこの光景、
だがそれは、クランの恐ろしさを知らないから言える事である。
「では、説明を始めたいと思います、ロワナー中将閣下もぜひ座ってお聞きください、
作戦の確認の意味もありますので・・・」
「う、うむ・・・」
クランのえもいわれぬ雰囲気にロワナーも飲み込まれたようだ、
若者に合わせようとしてほんの少しハメを外してみたがそのタイミングが悪かった。
ロワナーは大人しく席に着くことにする。
こうなってはクランの独壇場である。
「今回の作戦は我々コバルト小隊と、ロワナー中将閣下の部隊による合同作戦となります、
コバルト小隊は一番の激戦になると思われる中央突破の任に着く事になり、
ロワナー中将閣下の隊はまた別の方向からの進軍となります」
一息つくクラン。
「自分達だけなのですか?その中央で戦うのは」
ムラキが『一番の激戦』と言うところに反応したようだ。
「そこなんじゃよ、ベリウムの居場所が分かったのは良いが、ヤツの側近の一人に
【ヴァリムの猛牛】の異名を持つバール・アックスがいるんじゃ」
「バール!?」
ロワナーの口から『バール』と言う名前が出た途端大声を上げたクラン。
「クラン、作戦説明始める前からちょっとおかしくない? 大丈夫?」
さっきからいつもと違うクランを見て心配になっていたシュキ。
他の者には分からないであろうクランの微妙な違いにもシュキは気がつくことができる。
それだけクランの事を良く見ているのだろう。
「い、いえ・・・すみません、何でもありません・・・」
大丈夫だと言い張るクラン、しかし明らかに顔色が優れない。
「・・・まあ、そのバールが曲者でな、噂によるとあの【グリュウ・アインソード】
とも渡り合える実力の持ち主という話なのだ」
「そりゃあ、凄いね・・・」
「あ、あの・・・グリュウとですか!?」
ロワナーの話を聞いていたオスコットとジータが真っ先に感想を漏らす。
かなり衝撃的な話だったのだろう。
「だからじゃ、今アルサレアにグレン小隊の他に対抗できる部隊、
その候補はかなり少ない、もちろんコバルト隊はその候補に入っているのじゃ」
「俺達ってそんな有名だったのかよ・・・」
「隊長、噂とは当の本人達の知らないところで膨れ上がるものですよ」
「ラグナ、ヒュウガ・・・貴様等がそれを言うのはどうかと思うぞ」
ロワナーはヤレヤレと思いながら言う
コバルト小隊は一体誰の所為でここまで有名になったのだろうか?
そして当の本人達は全く状況を理解していない。
「とりあえず、作戦は分かったぜ」
「要するに進軍しながら派手に暴れて囮の役目もしろってことですね」
サラッと言うラグナとヒュウガ、彼らには常識と言うものが分かっていないらしい。
「それでは、本日はこれで解散にします、ロワナー中将の部隊が到着次第
作戦を開始します、それでは解散」
解散、その声とともに、皆がちりぢりに散っていく。
「おっと、忘れるところじゃった・・・ラグナとヒュウガは残るように
お前さん達に渡したいものがある」
「・・・なんでしょうか?ロワナー中将」
「・・・・・・」
聞き返すヒュウガと視線で返すラグナ。
すると一通の手紙を懐から取り出すロワナー。
その手紙にはこう書かれていた。
『親愛なるラグナとヒュウガへフレイア・オーガストより』
「久しぶりですね、あの人からの手紙なんて」
「・・・ずいぶん楽しそうだな、2人とも?」
「な、何言ってんだよ!」
「・・・嬉しくないと言えばウソになりますけど、そこまで大袈裟には
喜んではいないと思いますよ?」
ロワナーに突っ込まれたラグナとヒュウガは
それを誤魔化すようにロワナーから離れて
割り当てられた部屋へ引っ込んでいった。
「あのおっさんも鋭いな・・・」
「・・・まあ、中将ってぐらいですからね?」
「まあ、とりあえず手紙読もうぜ」
「そうですね」
いそいそと封を切り手紙を読み始める二人。
『前略・・・ラグナ、ヒュウガ、元気にしていますか?
私の方はリハビリも順調に進んでいますよ。』
「アレを上手く扱えるようになったらまた一緒に戦えるんだけどな・・・」
「今そんな事言っても仕方ありませんよ」
さらに続きを読む二人。
『順調すぎてお医者さんを驚かせてしまったりしてます、
私は普通にリハビリをしてるつもりなんですけどね?』
一行の最後に(笑)と付いている、医者にしてみれば
とても凄い光景を目の当たりにしたのだろう。
「・・・くっくっく・・・やっぱりあの人にゃかなわねぇな!」
「この光景、目に浮かぶようですよね?」
久々の知り合いからの連絡に喜びっぱなしのラグナとヒュウガ。
ところが・・・手紙の最後で思わぬ反撃を食らうことになる。
『PS・二人とも、彼女は作ったの?戦争やってると
そういう暇が無いのはわかるけど、全く努力しないのはダメですよ?』
ラグナとヒュウガは息ぴったりにずっこけた。
「・・・この状況化でこんな事言われるとは・・・」
「・・・ほんの少しですが予想してなかった訳でもないですけどね・・・」
傍から見れば負け惜しみに聞こえるこの台詞もヒュウガが言うと
なんとなく説得力が生まれるのはどうしてだろうか?
「とりあえず元気そうなのが分かってよかったぜ、なぁ?」
「そうですね、少しホッとしましたよ」
この晩、ラグナとヒュウガは昔話に花を咲かせたという。
〜ヴァリム・????〜
「も、申し訳ございませんベリウム様!!」
モニターの前でかなり大きな男が膝を突き何者かに向かって頭を下げている。
「・・・いつか動くかとは思っていたがこうまで予定を早めるとはな・・・
バール、私は撤退の準備を進める、時間稼ぎは任せたぞ」
「はっ、このバール、汚名返上の機会をいただきましたからには
全力で取り組ませていただきます!!」
「・・・期待しているぞ、バール」
ベリウムが通信を終えた、その時
「ベリウム様!! 大変です!!」
「なんだ、言ってみろ」
兵士が血相を変えてベリウムのいる部屋に入ってくる。
ノックもせずに入ってきたがそれを気にしている余裕はなさそうだと
ベリウムは判断した。
「はい、それが・・・あの神佐が・・・」
「その話か・・・それはもう知っている、下がってよい」
「は、・・・はっ!! 失礼しました!!」
兵士が来た道を戻ろうとする。
「いや、待て!!」
「はっ! なんでしょうか!!」
若干訝しげな表情をしながらもベリウムの方を向く兵士。
「あやつを目覚めさせる準備をしておけ、・・・責任は私が取る」
「・・・まさか!? ベリウム様、正気ですか!?」
一般の兵士とは思えない言動である、だが・・・
「貴様がそう言いたいのも分かるが、今は悠長な事を言ってられんのだ
こちらも賭けに出るしかないときが近づいている」
「・・・・・・分かりました、ベリウム様がそう仰るなら」
「すまない、お前達も巻き込むことになるかもしれん・・・」
軽く頭を下げるベリウム。
「よしてください、私達はただ命令だけでここにいるわけではないのですから」
「・・・そういってくれると助かる・・・下がれ」
「はっ!!」
今度こそ、兵士はその場を去っていった。
兵士が去った後、ベリウムは机の上にある一枚のメモを手にする。
「狐が・・・この私に敵うとでも思っているのか!!」
声の調子がクレッシェンドになるベリウム。
叫ぶと同時に握っていたメモを握り潰す。
「これは本当にあやつを使うことになるかもしれんな・・・」
窓の外を見るベリウムの目には不安の色が濃く表れていた。
〜ヴァリム・某基地〜
ラグナとヒュウガが昔話に花を咲かしてる少し前に、この島の北にある山のふもとのとある基地で
二人のヴァリム兵士による会話が交わされていた。
「ねぇ、最近噂になってる部隊、知ってるわよね?」
「・・・あぁ、それがどうかしたのかよ?」
若い男女が二人、同室で会話をしている。
「わたし・・・何か嫌な予感がするの」
「もったいぶらずに言えばいいだろ?ルキア」
「ダン、例の部隊に剣一本で戦う兵士がいるって・・・」
ルキアと呼ばれた女性・・・まだ少女と言っても通じる者が口を濁す。
「おまえ、まさかそいつが!!」
ダンと呼ばれた男性、こちらもまだ少年と言って通じる者も語尾を荒げる。
「うん・・・・・・・・ジータ君・・・なんて事・・・」
「・・・その時は、俺が引導を渡す!!」
スッと立ち上がり拳を前に突き出すダン、その瞳には明らかな憎しみが見て取れる。
(ダン、やっぱりあのときの事をまだ・・・)
口には出さずにルキアがダンを見つめている。
「・・・あん? 俺の顔に何かついてるのか?」
「ううん、なんでもないわよ・・・さってと!そろそろ寝ないとね」
「ああ、明日からまた作戦だからな、奇襲作戦は好きじゃないんだがよ〜」
「またそんな事言って、作戦内容の選り好みしたら
駄目っていつも言ってるでしょ?」
「・・・わかってんだよ、んなこたぁな」
お休み、と言ってダンがルキアに背を向ける。
「おやすみなさい・・・ダン、また・・・明日ね」
パタン、と音がなり扉が閉められた。
「・・・ルキアのやつ、また何か溜め込んでやがるな・・・」
ギシ、と軋むベットに倒れこむダン、考えるのは昔からいつも一緒にいる幼馴染。
・・・そしてもう一人の幼馴染の事。
「・・・・・・くそっ!! さっき言ったじゃねぇか、俺自身で引導を渡す、と」
ベットに拳を叩き込むダン、ベットがありえないほどに深く凹む。
「・・・・・・ちっ・・・寝るか」
凹んだベットにそのまま横になるダン。
そしてそのまま夜は更けていった。
〜アルサレア・ロワナーの部屋〜
「それで、現在の状況はどうなってるのかね?」
ここはコバルト隊がいる基地のロワナーにあてがわれた部屋である。
「クラン君、オスコット君?」
「・・・今のところそのような証拠があったわけではありません、
監視を続けたいと思います」
「・・・私が調べた限りでもそのような事はありませんでしたねぇ・・・」
なにやら大事な話のようだが内容が殆ど分からない、が
ロワナーの次の一言が何を話していたかを明かすことになる。
「少し話してみたが、フェンナ様暗殺などやるとは到底思えないがのう」
「それは・・・」
「私もそう思いますがねぇ・・・実際に見た人がいるってのがねぇ・・・」
3人は思案に耽るものの、答えなど見つかるはずがないのであった。
〜アルサレア・翌日:進軍開始〜
昨日の作戦会議から一日が経過。
ついにあの無謀とも思える侵攻作戦が開始される。
コバルト隊が受け持つは一番の激戦区になると予想される中央戦線である。
コバルト隊員は既に機体の準備も完了し全員出撃態勢に入っている。
「隊長、準備はよろしいですか?」
クランがいつものようにラグナに問う。
だがその声の調子、雰囲気はいつもとは少し違うようにも思える。
「いつでもいいぜ?他のやつらはどうなんだよ?」
「もう皆準備できてますよ?もう少し回りに注意を向けましょうね、隊長?」
「あ〜あ、突っ込まれちゃったね」
隊員を代表してか、ヒュウガがすばやく答える。
ついでに突っ込みの一言も忘れていない。
今回は追い討ちにシュキが口を挟む。
「・・・悪かったな、んじゃまあ出撃と行きますか!!」
「「「了解!!」」」
一瞬落ち込んだかと思ったのもつかの間、ラグナ達は意気揚々と出撃して行く。
「儂らも行くぞ、若い者にはまだまだ負けんて!!」
「「「おおおおおおおおおお!!」」」
雄叫びを上げるロワナー師団のメンバー。
ロイヤルフェニックス(ロワナー専用Jフェニックス)を先頭とした
ロワナーの隊も間髪入れずに続いて出撃していった。
〜進軍中・中略〜
出撃してすぐにロワナー達と別れたラグナ達。
「中央は任せたぞ、コバルト隊!!」
「あ・・・ああ、ロワナー中将も気をつけてなー」
別れ間際に大声で叫ぶロワナー、ラグナ達もたじたじである。
「・・・元気なおっさんだぜ・・・」
「まったくですねぇ・・・」
などと呆れながらもロワナーと分かれてしばらく進軍したコバルト隊。
中央戦線で大量に出てくると思われていた敵集団が予想を下回る数しか出撃してこなかった。
それでもかなりの敵を消化しながら進んだがラグナ達の進攻を邪魔するほどではなかった。
否、ラグナ達コバルト隊の各パイロット能力が飛躍的に上昇しているのだ。
もちろん最近入隊したメンバーはそこまでの能力アップはしていないが。
「ふー、ここまでは思ったより楽に来れたねぇ」
「自分もそう思います、これをただ運が良かったと思っても良いのかは微妙ですがね」
一息つくオスコットとムラキ、ムラキの方は少し難しい顔をしている。
「この程度の奴等を相手にして苦戦していたら今回の作戦はこなせないぞ!!」
「そうですわ、私達が頑張らなければこの作戦は成功しないのですわ!!」
強気な事を言うランブルとリンナ、確かに今、この作戦を遂行することが出来るのは
コバルト隊を抜いてはありえないだろう、だがそれも「今現在」の話であって
「過去」の結成当初のコバルト隊ではまるで役にたたないことだったろう。
それだけ彼らはパイロットとして成長しているのだ。
現にここに来るまでに遭遇した敵パイロットは、少なくとも雑魚とは呼べないレベルの
敵であり、多少は苦戦してもおかしくないほどの腕の持ち主であったりする。
もっともラグナとヒュウガ等と比べてしまうと、恐ろしい程に
小さい存在になってしまうのだが。
「・・・隊長はどうお考えですか?」
予想外の敵の進攻具合にクランも何か引っかかりを感じ、
ラグナに通信を求めてきたようである。
「まあ、確かに考えてたよりは楽に進んでんだよなぁ・・・」
「ですよね、何か罠とかあるんでしょうか?」
ヒュウガが言うように周りを見渡せば罠を仕掛けられる場所などいくらでもある。
なぜならコバルト隊の周りには木・木・木、3つ揃って森が広がっているし、
前方には大きな山がそびえている。
「さってと、少しは派手に動かないと囮になりゃしねぇよな」
「クランさん、暴れるのはこの辺でよろしいですか?」
「・・・はい、今位置確認を致しました、その周辺にヴァリム軍の基地があるはずです
まずはそこを占拠してはどうでしょうか?」
「妥当じゃない?大将?」
クランの提案にオスコットが相づちを打つ。
「まあ、ひとえに囮といっても色々やり方がありますしね、
まず手近な拠点を落とすというのもセオリーですよね」
中央戦線といってもまだそこまで奥まった所ではないのが幸いしてか、
前方に何とか確認できるぐらいのヴァリム基地は手薄だった。
あるいは配備されてるPFの大半が外に出払っているかだが、
どちらにしてもコバルト隊にしてみればまさに、「棚からぼた餅」である。
「・・・そんじゃ面倒なことにならないうちに落としとこうぜ?」
「「「了解!」」」
そして・・・
「あっ」
という間にヴァリムの基地が一つ陥落した。
ちなみに今声を上げたのはシュキ、ほんとに「あっ」という間に落ちたのである。
それもそのはず、この基地に残っていたのは護衛用にと残された数機のPFだけ。
いくら配備されているパイロットの腕が良くとも、こうなっては多勢に無勢である。
何故だかコバルト隊がいじめっ子に見えるのは気のせいだろうか?
そうしてコバルト隊は占拠した基地で束の間の休息を取るのであった。
〜ロワナー隊・激戦中〜
ラグナ達がヴァリム基地を占領する少し前、ロワナー達の前に
かなりの数の敵が出現し戦闘の火蓋を切った。
「む、敵が来たようじゃの?」
「閣下、ご指示を」
Jアームドに乗った仕官がロワナーに次の指示をするよう促す。
「ひとまず相手の出方をみるとしよう」
「「「「「了解」」」」」
ロワナーの部隊はロイヤルフェニックスを筆頭にJアームド、Jフェニックスなど
優秀な機体を集めた混成部隊である。さらにパイロットの腕も高レベルな者が多い。
パイロット個別ではコバルト隊に劣るものの、チームワークは群を抜く
実力の持ち主達である。
「・・・どうやら止まる気は皆無じゃな、戦闘開始!!」
少しの間敵の動きを見ていたロワナー、相手に止まる気が無いのならば
こちらから攻めたほうが得策と考えたのだろう。
「「「「「了解」」」」」
先程と同じように統率の取れた返事を返す士官達。
目視で確認できる位置まで敵が迫ってきている。
「アルサレアの力を存分に見せ付けろ!!」
「「おおおおおおおおおおおおお!!!」」
ロイヤルフェニックスとJフェニックスが敵集団へ突撃していく。
Jアームドは味方と味方の隙間を縫うようにしてコア・バスターで
援護射撃を開始し始める。
「いつも通り・・・じゃな」
背後から通り過ぎていく数十条の光帯を見ながら薄く笑みを浮かべるロワナー。
ロワナーが言う「いつも通り」とは自分達がやっているいつもの
完璧なフォーメーションの事を指しているのだろう。
「それいっ!!」
ロワナーがブーストを吹かし斬馬刀を振るう。
左腕を落とされ後退してゆく敵PF。
「甘いわ!!」
離れていこうとする敵に対し多連装ランスシールドを構えるロイヤルフェニックス。
何をするのかと思いきや・・・
「喰らえい!! バンカーランス!!!」
シールドとシールドの間にパイルバンカーのようなものが見える。
「な・・・この距離で穿たれるだと!?」
敵パイロットも驚いている、どうやらロイヤルフェニックスと
戦ったのはこれが初めてのようだ。
「だから甘いと言ったじゃろうて!」
バンカー発射口からランスが飛び出したのである。
流石にこれは予想できなかったのであろう、敵PFに
深々と槍が突き刺さっている。
「次!!」
次の敵へと向かっていこうとするロワナー。
とそこへ、
「閣下、後方からヴァリムの奇襲にあったと報告がありました」
「くっ、用意周到じゃな、ヴァリムも!!」
「閣下、ここは我々に!!」
憎々しげに呻くロワナー。
そのロワナーの前に踊り出る師団の精鋭が数機。
突然の背後からの奇襲にも動じず個々が適切な判断を下していく。
「おおおおおおおおお!!!!」
「させるかあっ!!」
2機のJフェニックスを先頭に6機のJフェニックスが敵集団へ向かう。
「援護は任せてください」
「こっちもいきます」
「さて、お掃除お掃除」
その後ろから状況を見分けコア・バスターをで援護する者もいる、
その全員の一つ一つの動作がかなり素早い。
「・・・こいつら、早すぎる!!」
「まさか、作戦が筒抜けだったのか!?」
「それはありえん、あちら側のチームワークが
こちらの予想を遥かに上回っただけだろ」
ヴァリムのパイロット達の間に緊張が走る。
「これなら、勝てる戦になりそうですね、中将」
「そうじゃな・・・」
一度は勝ちを確信したロワナー達であったが、
背後からの敵の奇襲に加え、さらにもう一つの不幸が訪れた。
「おらおらおら!! 雑魚はどけぇえええええええ!!」
前方から猛烈なスピードで迫る、若干PFより大きな機影。
そして放たれる拳により吹き飛ぶJアームド。
「まだまだ、甘いわよ!!」
もう一機、同じスピードで迫る機影。
そして蹴りで吹き飛ぶJフェニックス。
「な、なんじゃあの二機は!?」
次々と破壊されてゆくロワナー師団のPFたち。
ロワナーの目の前で既に、合わせて13機のPFが潰されている。
「このままではちとまずいか、コバルト隊に応援を!!」
「了解!」
ロワナーの命令に一番近くにいた士官が答えた。
〜コバルト隊・左戦線からの連絡〜
一段落着いたラグナ達の下へロワナー師団からの連絡が入る。
「こちら左戦線、至急援軍を要請したい!!」
切羽詰った様子の士官が言う。
「どうしました?」
通信を受けたクランが冷静に受け答えをする。
「現在左戦線に正体不明の機体が2機出現、
そいつらに我が部隊は押され気味だ」
「2機?他に敵は?」
「他の敵は我々でなんとか対処できる、問題は正体不明の2機だ!!
そいつらの所為でこちらのフォーメーションもままならない状態だ!」
「・・・援軍を出すぜ、クラン」
その話を聞いていたラグナが言う。
「こっちの戦力が落ちるよ?」
「いえ、ここは隊長の言う通りにしたほうがいいようですよ、シュキさん?」
戦力ダウンを不安がるシュキ、だがそこに一言挟むヒュウガ。
「誰を行かせんるんだい、大将?」
「そうだな・・・」
「隊長、あまり考えている余裕は無いようですが?」
「じゃ、キースとアイリ、ムラキとジータ、
あとリンナとギブソンをロワナー中将の下へ送ってくれ」
ラグナが指を指しながら指名していく。
「了解!」
「わかったわ、まかせといて!!」
「了解しました」
「隊長、行って来ます!」
「わしに任せとくゾイ」
「・・・了解ですわ」
それぞれ返事を返す6人、若干リンナが怒っているような気もするが気のせいだろう。
「じゃあ頼んだぜ、あっちに着いたら指示はロワナー中将に出してもらってくれ」
「「「了解」」」
6人はすぐさま輸送機でロワナーの元へ向かう、
距離的にはそう離れていないので間違いなく間に合うだろう。
「しかし、正体不明の2機というのが気になりますね」
キース達を送った後、不意にヒュウガがつぶやく。
「送られてきたデータによりますと格闘特化型の機体で、
あとPFより若干サイズが大きい、と言うことが分かっています」
ヒュウガの疑問に分かる範囲でクランが答える。
「それだけならカスタム機でもいるしなぁ・・・」
「た、た、大変だよ!!!!!」
クランの隣でコンソールを見ていたシュキが突然大声を上げる。
「どうしたの、シュキ?」
「基地前方から敵PF反応あり、数は30!
そのうち一機だけ機動力が物凄く高いのがいるみたいだよ!!」
覚めやらぬ勢いでシュキがまくし立てる。
「俺たちも出るぜ、援軍組にばっかり活躍されても面白くないしな」
「隊長、あんまり物騒な事言わないで下さいよ」
休憩を通り過ごし手持ち無沙汰だったラグナ、
そのラグナの発言に注意を促すヒュウガ、しかしヒュウガがそれを言うのは
どうかと思うのは気のせいだろうか?
「・・・また来たか・・・」
「やれやれ、もう少し休んでいたかったんだけどねぇ・・・」
うんざりといった声を出すランブル、オスコットはメガネを直しながら呻く。
ラグナ達はすぐにPF格納庫へと向かう。
「・・・シュキ、一機だけ凄いのがいるって言ってたけど・・・」
「うん・・・かなり大きめ、タルカス級のPFみたい」
『タルカス級』と言う言葉を聞き身体を震わせるクラン、
それも一瞬のことではあったが。
「・・・・・・?」
それを疑問に思ったシュキは聞こうとしたものの、
今の状況から見てその余裕は無いと判断した。
「クランさん、こっちの準備は出来ましたよ?」
格納庫から通信が入る、PFに乗り戦闘態勢が整った事をクランに告げる。
「カミカワ大尉、隊長はどうしたのですか?」
「ああ、トイレだから先に通信だけしとけと言われちゃいまして」
「そ・・・そうですか、では隊長の準備が出来次第、出撃してください」
「了解です〜」
「・・・・・・ふぅ」
思わずため息を吐くクラン、流石に呆れた様である。
「さすが隊長、余裕があるよね〜」
変な勘違いをしているシュキ、クランはまた一つ溜息を漏らしたのであった。
〜ラグナ・出撃〜
「ふ〜、危なかったぜ・・・」
トイレから戻ってきたラグナ、本当に緊張感と言うものがない。
「隊長、早くしてくださいよ〜?クランさんなんかほんとに呆れてましたよ」
お腹を押さえながらそう告げるヒュウガ。
「笑い堪えてんじゃねぇよ、仕方ねえだろーが、人間なんだからよ」
「そういう事は事前にしておくもんさ〜」
ヒュウガに続きオスコットも突っ込む。
「突然くるものはしゃーないだろーが!!」
「・・・貴様と言うやつは・・・」
さらにオスコットに続きランブルがラグナを睨む。
「みんな!! そんな事で言い争ってる暇は無いよ!!」
ラグナがコックピットに入ったちょうどその時、シュキが通信を入れてきた。
「おう、もう出撃するぜ!!」
「・・・と言うわけで、行って来ますね」
「まあ、給料分は働くさ〜」
「ヴァリムめ、蹴散らす!!」
それぞれの台詞をシュキとクランに残してラグナ達は再び出撃して行った。
〜ラグナ・対峙〜
「さて、今回も軽く捻り潰してやるとするか!!」
X・ハンマー2本を携えたタルカス級重PFに乗るバールが声高らかに叫ぶ。
「バール様、前方にアルサレアのPFと思しき影が・・・」
バールの斜め後ろに控えている同型機に乗った兵士がバールに話しかける。
「気にするな、儂達ただ前に進めばよい、行くぞ!!」
そのままラグナ達が進んでくる方に向かって進攻を再開した。
「大将、敵さんこっちに向かってくるみたいだねぇ〜?」
「向かってくる敵は倒すだけだ! 行くぞ、ラグナ!!」
猛烈にな勢いで迫ってくるバールたち、それを見て息巻くランブル。
「で・・・隊長、どうします?」
「そうだなぁ、物量ではこっちが明らかに負けてるしな、二手に分かれてみっか!」
「「了解!!」」
「んじゃ、オスコットはヒュウガと敵を牽制、俺とランブルで敵を殲滅するぜ」
あまり余裕が無いため早口で指示を飛ばすラグナ、流石は隊長である。
「よっしゃ、いこうかヒュウガ?」
「ハイ、よろしくお願いします!!」
そう言ってオスコットとヒュウガは左の方へと分かれていく。
「ぬかるんじゃねぇぜ? ランブル!」
「ふんっ、誰にモノを言ってる!!」
オスコットたちが左に行くのを確認しラグナ達は右へと動く。
「お、見ろ!! アルサレアの弱虫が道を開けてくれたぞ!!」
バールはラグナ達の行動を見て冗談半分に言う。
「・・・・・・」
無反応なバールの部下達。
「・・・・・・すまん」
「「「・・・・・・・・・いえ」」」
恐ろしいほどにバールへの返事がかぶる部下30人。
きっともう何度もバールの凍えるほどに寒い冗談を、
それこそバールの部下になったその瞬間から、
今までずっと聞かされてきたのだろうか?
「ワシらも二手に分かれる、ぬかるな!!!」
「「「了解!!!」」」
冗談もそこそこに、ついに戦闘になると分かり俄然気合が入るバール隊、
いよいよラグナ隊VSバール隊の戦闘が始まろうとしていた。
〜ロワナー隊・援軍到着〜
「ふう・・・ふう・・・なんという強さじゃ!!」
「中将、お逃げ下さい!!」
謎の二機が現れ既に二十分弱が経過しようとしている。
「お前ら、こんなものか!! 少しは骨があると思ってたんだがよぉ!!!」
「く、くそおおおっ!!!!」
また一機、Jフェニックスが豪腕によって貫かれる。
「ダン、油断しちゃ駄目なんだからね!!」
「うあっ・・・」
さらに一機、Jアームドに爪先が食い込む。
「こうも簡単に儂らが落とされるというのか!!」
そして盛大な火花を散らし散っていく機体。
ロワナー隊と戦闘をはじめ二十分弱、ダンは既に100機以上を、
ルキアも負けじと90機以上の戦果を挙げていた。
「ん? ・・・あそこにいるヤツ、色が違うじゃねぇか」
ダンが紅色の翼を持つ機体に目を向ける。
それこそロワナーが駆るロイヤルフェニックスであった。
「いただくぜっ!! 覚悟しなっ!!!!!」
「くっ、来るようじゃな・・・」
ロイヤルフェニックスに向かって一直線に向かってくるダン。
ロワナーもそれに気がついたようだ。
「閣下をやらせるな!!」
「了解だ!!」
「くそっ、機体の性能が違いすぎるぜ!!」
少しでもダンの進行を阻止しようと攻撃を加える士官達。
「雑魚はどいてろって言ってんだろーが!!」
まるで埃を軽く払うかのようにロワナーの側近をあしらうダン。
「・・・来るなら来るがよい!!相手をしてやるわ!!」
「「「閣下!!」」」
覚悟を決めたのか、ロワナーがダンの方向に向き直る。
そして・・・
「ほう、やっぱり他の奴とは違うって訳か・・・いいじゃねぇか!!」
「くっ、速い・・・バンカーランスを喰らえい!!」
多連装ランスシールドを前に突き出し叫ぶ。
パイルバンカーから飛び出るインパルススピア。
「おわっ!! あぶねぇな!」
「ぬう、かわされたか!!」
「変わった武器持ってるじゃねぇか」
ダンが拳を振りかぶりロワナーに向けて突き出そうとする、が・・・
「ダン、避けて!!!」
「なんだ?」
「いいから早く!!」
突然ルキアから注意され訳も解らぬまま
ロワナーに叩きつけるはずだった手を引っ込めるダン、
そしてそのダンのいた場所に突き刺さり轟音をあげめり込む『何か』
「なっ・・・誰だ!?」
ダンが上空を見上げ、そして気がつく。
今の仕業が何者からなのかを。
そこにいたのは・・・
〜語られざる歴史と報告書5話前編
またしても前後編になっちゃって作者どもがてんやわんやで
さらに今回は(も)虚ろが忙しくて出て来れないよどうしよう特別賞〜
悪夢「ようやく出せたな」
背徳の旋律(以下背徳)「いつかほど期間は開いてない気がするけど」
ティア・ノヴァルティス(以下ティア)「そうですね、若干不調なトコもあったようですけどね、作者さん」
悪夢「・・・何でわからないんだ(涙)」
背徳&ティア「「・・・・・・・・・・ああ!!!」」
背徳「あのネタは結構衝撃的かもしれんな、やっと出せた」
ティア「作者さんと悪夢さん、ずいぶん頑張ってましたよね〜」
悪夢「あの件はかなりぶつかったな」
背徳「まだ決まってない部分もあるしな」
ティア「あ、あれは私も凄く気になってるんですよ、結局どうなるんですか?」
背徳&悪夢「「まだ秘密だ」」
ティア「こればっかりは・・・いつも内緒にされちゃうんですよね・・・」
悪夢「聞きたいならあっと驚かすネタでも持って来い」
背徳「おいおい、一助手のティアにそれを求めるのは酷だよ」
ティア「先生!!あまり馬鹿にしてもらっては困りますよぅ!!」
悪夢「何かあるのか?」
背徳「自身ありげだな、言ってみなよ?」
ティア「オホン、では私が独自に入手いたしました情報の発表を行います」
悪夢&背徳「「おお〜」」
ティア「語られ5話後半では作者が練りに練った技が多数登場するみたいですよ?」
悪夢「技・・・か」
背徳「誰が使うんだ?」
ティア「それはですねぇ・・・・・・うっ!!」
突如倒れるティア、一体どうしたのだろう、と思い
駆け寄る悪夢と背徳の二人。
悪夢「こ・・・これは!!」
背徳「何か見つけたのか?」
悪夢が無言で手に乗っているものを見せる。
背徳「こ・・・・・・これは!!一体誰がこんな事を・・・」
ティアの首筋に一発の吹き矢が刺さっていた、どうやら毒が塗られていたようである。
悪夢「・・・惨い事を」
背徳「ティア!眼を覚ませ、ティア!!」
ティアの肩を揺する背徳、だが一向にティアが眼を覚ます様子は無い。
ティア「・・・・・・うぅん・・・先生、鼻にキュウリ突っ込んじゃ駄目ですよぉ・・・むにゃうにゃ・・・」
ふとティアが声を漏らす、何か様子がおかしいが?
悪夢「・・・寝てる・・・のか?」
背徳「・・・・・・・・・のようだ・・・・・な」
悪夢「その前に鼻にキュウリとは何だ?」
背徳「寝言など気にするな」
悪夢「そう言われると益々気になるな」
悪夢「あとで色々詳しい事聞くか」
背徳「あんまり余計な事に気を回しすぎると禿げるぞ」
悪夢「とにかく、肝心な箇所を聞きそびれたな」
背徳「まあ、誰が送った刺客かは見当はついてるがな」
悪夢「んじゃ、そろそろ終わりにするか」
背徳「そうだな、ティア、また寝ちまったし」
背徳&悪夢「それではまた後編で逢いましょう!!」
P・S
ティアが目覚めたのはそれから2時間後の事でした。
さらに、言おうとしていた事は全く覚えてないそうです。
ティアを心配してくださった皆さん、ありがとうございました。
ティア「・・・なんか寝てばかりのような気がするなぁ〜」
今度こそ後書きEND(ちゃんちゃん)
語られ劇場Vol3.感動巨編編
〜背後を取られた虚ろは今・・・〜
突如増殖した超兎に戸惑いを隠せない虚ろ、
彼の胸中はときめきでいっぱいだった。
「ふっ、われらが最終的目標のために得た力、『増殖』
には誰も勝てはしないのだ!!」
「なんだと!!その力、いや技術は我々が編み出したものだ!!」
「著作権など存在しない力なぞ、どうとでも利用できるわ!!」
「くそっ、だからあの時特許をとっとけとあいつに言っていたのに!!」
虚ろは悔しさのあまりハンカチを噛みしめた。
「さて、それではそろそろ貴様には消えてもらおうか」
「この上、俺に透明人間になれというのか!!」
※いまさらではありますが、この物語の登場人物の性格や人格は
かなりノンフィクションです(え゛え゛え゛え゛え゛え゛)
「そんなことが出来るものか!!」
「ならば見せてやろう、ご都合主義というものが生み出す奇跡を!!」
何気に攻守が逆転して兎が押されている!!!
さあ、このまま勝利の栄冠を手にする事はできるのか!
さぁーて来週の虚ろくんはぁ?
桃音です、とても暑い季節が近づき過ごし辛くなってきました。
私はもう溶けてきそうで恐いです。
さて、来週の虚ろくんですが
@ドキッふんどしだらけの水泳大会
A虚ろ、初めての銀行強盗
B道路の真ん中で西瓜わり
の3本です、来週をお楽しみに〜〜〜〜!!!!!
ノリだけで切り抜けるつもりです(死)
by桃音
こっちも暴走の果てを行きます(マテ)
by悪夢
管理人より
桃色の悪夢さんより第5話前編をご投稿頂きました!
ダンとルキア、遂に来ましたか(爆)
次回のジータとの邂逅が楽しみです(笑)
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