〜ヴァリム本拠地・ブライス側〜


「ブライス様、敵機を4機捕捉いたしました」

「来たか・・・ここで足止めをしておけば良いのだったな」

 要塞化が完了した基地の中から目を細めて外を確認するブライス。

「私たちは先に出るわ、ブライス」

「流石にここまで敵が追ってりゃあ逃げたりはしねーだろーし」

 暗にブライスに向かって挑発をするマイ。

「クッ・・・いいからとっとと迎撃に出ろ!!」

「いわれなくてもそうするわ・・・」

「ちょ〜っと馬鹿にされたぐらいで頭に血を上らせてちゃ駄目だろ〜?」

「・・・・・・」

 我慢の限界と言った感じのブライス、
 後一言何かを言われたらキレるのだろう。

「マイ・・・行くわよ」

「了解!さてと、強いやつ・・・いるかな〜?」

 ユイとマイが部屋から出ていった。

「ガキはガキらしく大人の言うことを聞いておればよいのだ・・・クソッ!!」

「ブライス様・・・シンザン80機、出撃できます!」

「出撃できるヤツから即座に発進しろ!!モタモタするな!!」

「シンザン、出撃開始しました!」

「さあ・・・ここまで辿り着くことが出来るか?」







 

 〜ラグナチーム・敵基地前〜


「ふえぇ〜・・・凄い厚い壁だよ・・・」

 要塞化が進められた基地を見てシュキが一言目に漏らした感想がコレだった。

「こりゃあ・・・さすが本拠地・・・・・・・ってところかねぇ・・・」

「凄いですね・・・これほどまでとは・・・」

 オスコットとヒュウガも驚かずにはいられなかったようだ。

「だからってここでじっとしてたって何もはじまらねぇだろ?どうするよ?」

「・・・・・・攻めようがないな・・・・・・ちっ」

 他の誰よりも早くこの戦争を終わらせようと思っているためか
どうしても焦ってしまうラグナとランブル。

「・・・・・・そうだ!!」

「ヒュウガ、いきなり大声でどうした?」

「私の機体、この通常モード含めて3タイプに換装できるようになったんです」

「・・・随分器用なこと出来るようになったんだな」

「まあそれは良いとして・・・その中の1モードに
 拠点攻撃モードという攻撃力だけなら桁外れなモードがあるんですよ」

 なにやら一層笑顔が濃くなるヒュウガ。

「ヒュウガ・・・お前、何か企んでるな?その顔が証拠だ」

「やっぱり隊長にはバレバレですね・・・」

「ヒュウガ、それでどうしようって言うんだい?」

 オスコットも話に参加してきた。
 ランブルはと言うと・・・

「・・・・・・・・・」

 どうやら聞いてないようでしっかりと聞いているようだ。

「拠点攻撃機だと私は身動きがとれなくなりますので・・・」

「・・・その間無防備になるから守ってくれ・・・って事か?」

「それと・・・エネルギーチャージしている間に
 敵の迎撃部隊も出てくると思うんですよ」

「なるほどね・・・」

「・・・・・・どれぐらいだ?」

 今まで無言だったランブルが口を挟んできた。

「敵にチャージが気づかれれば本拠地の迎撃部隊です、
 それなりの時間が必要になると思いますよ」

「・・・・・・まあ、こちらも新型や新兵器があるからそうそう
 後れを取るとは思えないが・・・その攻撃の信頼度はどうなんだよ?」

「100%です、撃てれば必ず要塞の壁に穴開けて見せますよ」

 ラグナの問いに間髪入れず答えるヒュウガ、
 余程自信があるのだろう。

「そりゃ凄い・・・やってみる価値はありそうだ・・・ねぇ大将?」

「ヒュウガがここまで言うって事は・・・希望が見えてきたぜ!!」

「・・・ふん、成功しなければ次の手を考えるだけだ」

「・・・と言うワケなので、シュキさん?」

「・・・あ、は〜い!!呼びましたか?」

 突然話を振られて対応が遅れるシュキ。

「呼びましたよ・・・換装パーツの輸送をお願いしたいのですが、
 輸送部隊に伝えてもらえますか?」

「えと・・・了解、ちょっと待ってね?・・・どっちのパーツ送ればいーの?」

「ヒュウガ、やっぱりそれしかねぇようだな」

 ラグナは諦め気味にヒュウガに同意を求める。

「それじゃ、準備に取りかかりましょうか♪」

 やけに嬉しそうなヒュウガ、一体何があったのだろうか?
 その話を理解するにはラグナ達が出撃する前まで時間を遡ることになる。







 

 〜回想・セストニア氷原基地・出撃前〜


「・・・どうしたらいいのかしら」

 ブリーフィングルームでクランが頭を捻って考え込んでいる、
 どうやら困っているようだ。

「どうしたんですか?クランさん」

 そこへたまたま通りかかったヒュウガ、
 悩みの原因を聞いてみることにしたようだ。

「実は・・・」

 クランは悩んでいることをヒュウガに聞かせた。
 要約するとこうだ。

 ヴァリムの本拠地は今や要塞化が進んでおり、
 そう簡単には攻め落とさせてはくれそうにない、
 しかもアルサレアには長期戦が出来るほどの余裕もない、
 どうすれば素早く敵基地を陥落することが出来るか・・・
 ・・・と言うことをクランは考えていたのである。

「ああ、それなら・・・キースさんのチームは僕がいないので
 どうしようもありませんが隊長のチームだけでいいなら・・・
 僕に一つ策がありますよ?」

「どんな策ですか?」

 少々過ぎた表現だが藁にもすがりつく思いでその策に
 耳を傾けるクラン。

「僕の機体3タイプに換装できるのは知ってますよね?」

「ええ、まだ全部の性能を覚えてはいないですけど」

「それじゃ、『アウトロシャスパーツ』ってあったのを覚えてますか?」

「・・・ああ、ありましたね・・・それがどうかしましたか?」

「アウトロシャスパーツ+コロナブリッドの全弾発射なら
 壁に穴を開けることが可能かも・・・と思ったのですが・・・」

 その話を聞いたクランの顔に若干明るさが戻ってきたようだ。
 ・・・とそのような話をしていたのだ。









 

 〜ラグナチーム・敵基地前〜


「すごーーーい!!」

 シュキが完成したモノを見て感嘆している。

「見た目は凄いが・・・本当に成功するんだろうな?」

「足りなかったらおじさんも手伝うさあ!」

「これで足りなかったら全員でブチ当たればいいじゃねぇか!
 ヒュウガ、やってくれ」

 全員少なからずヒュウガに期待を抱いてはいるようだ。

「了解!!・・・と言いたいところなのですが」

「何か問題でもあるの?ヒュウガさん」

「ええ、敵基地の壁をぶち破る攻撃をするためには
 エネルギーチャージが必要なんですよ」

「読めたぜヒュウガ・・・つまり、チャージに時間がかかるから
 もし敵が攻めてきたら・・・」

「チャージが完了するまで守れば良いんだろう?」

「ええ・・・それじゃお願いしますね皆さん」

「「「了解!!」」」

「それじゃあ各機はヒュウガさんをかこむように待機、
 敵機の来襲に注意してください!!」

「「「了解!」」」

「シュキ、なにげに良い指示出してるじゃねーか、その調子で頑張ってくれよ!」

「おじさんも今のはいい感じだと思ったよ」

「・・・・・・進歩しない人間などいないということだ」

「みんなありがとう!!じゃあこの調子で敵を張り切ってやっつけよー!!」

 褒められた所為かやたらと声のテンションが高くなってるシュキ。

「盛り上がるのは良いですけど僕のこと忘れないでくださいよー」

 ヒュウガがチャージの準備をしていて話から置いていかれ始めた時だった。

「!!!・・・レーダーに反応!!数は・・・」

 シュキがレーダーに映る敵影を伝えていく。

「移動スピードの違う敵機が2機、それ以外の敵機が・・・80機!!」

「スピードが違う2機・・・オスコット、任せていいか?」

「いいのかい?大将!!」

「まさか・・・ラグナ、俺も行くからな!!」

 ラグナの反応を見ていきり立つランブル。

「オスコットに聞いてくれ、俺はザコを片づけるぜ!!」

 そう言いながらラグナは大量の敵がせまる方向へと自機の向きを変えた。

「ランブル・・・ついてくるのはいいけど、邪魔だけはしないでよ!!」

「・・・・・・なっ!!それは俺のセリフだ!!」

 ランブルとオスコットも異なるスピードでせまる2機に自機の向きを変える。







 

 〜待機組(ヒュウガとシュキの会話)〜


「ヒュウガさん、後どのぐらいかかりそう?」

 シュキが不安そうにヒュウガに尋ねる。

「そうですねぇ・・・でもそこまで心配しなくても大丈夫ですよ、
 特に隊長はね♪」

「でも・・・80機だよ!?」

「以前隊長は350機相手に無傷だったこともありますから、
 僕は290機が限界でしたけどね」

「・・・・・・それ、ホントに?」

「ホントですよ?」

「・・・ホントのホントに?」

「ホントのホントですよ?」

「強い強いとは思ってたけど・・・」

「嘘だと思うなら隊長の方の戦闘を見てれば分かりますよ」

「じゃあ今までは力を押さえてたの?二人とも」

 シュキが非難の視線をヒュウガに向ける、
 どうして今までその力を使わなかったの?
 今まで何度も危ない目にあってるのに、
 その力を使っていたら危険な事態は減ったんじゃないの?と。

「言いたいことは分かりますよ・・・でも僕たちにも事情があるんです、
 分かって欲しいとは言いません、ただ・・・何も言わないで下さい」

「分かったよ、でもね・・・仲間を助けるのを躊躇しないで欲しいの!!
 隊長もヒュウガさんも私なんかよりずっと前から戦ってるだろうから
 分かってるとは思うけど・・・」

「・・・・・・シュキさん、僕たちはそれが分かってるからこそ
 力をセーブしてたんですよ」

「・・・ごめんなさい、生意気なこと言っちゃった」

「いえ、誤解されるような行動をしてるんですから
 当然と言えば当然なんですよ、まあ一番に気付くのがシュキさんだというのは意外でしたよ♪」

「結局最後は馬鹿にされるんだよね・・・シクシクシク」

「シュキさん、嘘泣きは駄目ですよー?」

「ちぇっ、全部お見通しかぁ」

 嘘泣きは僕の十八番ですからね・・・
 と言う言葉を口に出しそうになり焦るヒュウガ。

「さあ、そろそろ敵部隊と交戦を始めるみたいですよ、
 しっかりお仕事してくださいね・・・チャージにはまだかかるみたいですから」

「了解!!」

 シュキは返事をするとラグナの方へ通信を切り替えた。









 

 〜戦闘開始・ラグナ〜


 80機の敵機を目視できる距離まで接近してきたラグナ。
 ちょうど目視できる距離に入ったときシュキから通信が入った。

「隊長!首尾はどんな感じ?」

「ああ、馴らしぐらいにはなるだろ」

 ヒュウガさんと同じ事言ってる・・・
 と心の中で思ったシュキは冷や汗をかかずにはいられなかった。

「どうかしたか?シュキ」

「え?ううん、なんでも無いよ」

「・・・なんか驚いた顔してると思ったが・・・気のせいなら別にいいか、
 そろそろ敵部隊と交戦するぜ?相手の射程には入ってるみたいだしよ!!」

 ラグナが言ったように既に相手のシンザンは、十文字大手裏剣による遠距離攻撃を行っている。

「へっ!この程度の追尾性能で俺を捉えられるかよ!!」

 十文字大手裏剣を次々とかわし相手のふところに潜っていこうとするラグナ。

「きゃあっ!!もう見てられないよー!!」

「んじゃ黙ってろ!あまり叫ばれると気が散るぜ!」

「はい・・・」

 ラグナVSシンザン80機の戦闘が今まさに始まろうとしていた。

「敵機確認! 相手は一機だ、一気に畳み掛けろ!!」

 ヴァリムの敵隊長と思われる男が指示を出している。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・・・・隊長?」

「何だ?」

「冗談なら笑えませんよ?」

「敵が一体だからって気を抜きすぎじゃないですか?」

「しかも面白くないし」

 隊員と思われるパイロット達が口々に隊長の一言に感想を漏らす。

「・・・・・・じゃかあしいわ!とっとと敵に向かっていかんかい!!」

 ボケたつもりなど無かった隊長はキレたようだ。

「さて、隊長弄りは止めてそろそろ戦闘を開始しようか」

「だよね、これ以上隊長怒らせたらこっちの命が危ないもんね」

「でも面白くなかったのは事実だ」

 敵ながらなかなかに面白いヤツらだ、とラグナは思った。
 そうこうしているうちに敵との距離も大分縮まってきた、
 ラグナの射程に入るのも時間の問題だろう、
 後はどっちが先に仕掛けるかである。

「敵は一機・・・余程自信があるか」

「よっぽどの馬鹿だよねー、これだけの数を相手になんて」

「出来ない・・・と思うのが普通だろうな」

 ヴァリムの敵はお喋りが好きなんだな・・・と感心しているラグナ。

「面白いのは良いけど時間もあるしな・・・こっちから仕掛けるぜシュキ」

「了解、出来るだけサポートするね」

「ああ、だがこっちのことだけじゃなくオスコットの方も見てやれよ?
 ああ、ランブルもついでに」

「・・・・・・頑張ります」

「じゃ、試作兵器から使ってみるか・・・え〜と、使い方は・・・」

「・・・覚えてるんじゃないの!?」

「大丈夫だって、ちゃんと敵の攻撃はかわしてるからよ?」

 確かにラグナは試作兵器のマニュアルを読みながら
 ちょこちょこレーダーを見るだけで敵の攻撃をかわしている。

「まずは、・・・ああそうか、BFD起動!」

 ラグナがそう叫ぶと脳内のある一部に疑似戦闘空間が形成される。
 その際軽く脳が揺れたような気がしたラグナ。

「なんだこりゃ・・・実際に見えてる敵の他にもこんなに近くにいる敵もいるのか」

「隊長、シンザン3機・・・こっちに近づいてくるよ!」

「おっと、さて・・・いってみようかぁ!!」

 いつものようにブーストをふかし敵に近づこうとするラグナ、が・・・

「うお!!なんかいつもより速く感じるぞ!」

 普段よりPFを動かすときに体感する速度が増しているかのように感じたラグナ、
 コレが試作兵器の効果なのだろうか?

「まあ、速いって事は敵に近づくのも速く感じるわけ・・・でっ!!」

 手近にいるシンザンを無造作に切り捨てるラグナ。

「おいおい、腕稼働速度も上がってるように感じるぞ!」

「隊長、サポートって言っていいか分からないんだけど・・・」

「なんだ?・・・何か駆動系統の性能がUPしてるような気がするんだが・・・」

「以前の隊長の動きと今の隊長の動きを照らし合わせたら
 明らかに今の隊長の方が速く動けてるみたいだよ?」

 ヒョウドウの言っていたことは分かっていたつもりだが
 ここにきてやっと理解し始めたラグナ。

「ヒョウドウ、お前が嫌がっていたわけがやっと分かってきたぜ、
 何て恐ろしいもん作りやがったんだよ・・・」

「とりあえず今は悩むトコじゃないよ、隊長!」

「ああ、そうだな・・・今は片づけるのが先だな!!」

 そう言ってもう一機、また一機とシンザンを蹴散らしていくラグナ。
 勿論ダメージはゼロだ。

「こちらの被害は!」

 敵の指揮官が現状報告を促す。

「味方残存PF、60機・・・25%減です!!」

「敵のダメージは?」

「・・・・・・ゼロ・・・です」

「何だと?ふざけていないでちゃんと報告しろ!」

「ふざけてなんかいません、敵のダメージはゼロ、ゼロです!!」

「これだけの数のPFを用意しておきながら・・・
 たった一機の敵を相手にしてるだけなのに敵の被害がゼロだと!?」

 焦りと恐怖が混じったような表情をする敵隊長。
 普通ならどう考えても物量で勝っているヴァリムが負けるはずがないのは誰の目から見ても明白だ。

「ふざけるな!!!」

 だがアルサレアのこの小隊は量を質で返す手を持っていた、
 その結果がコレというわけだ。

「隊長、敵戦力25%減だよ!」

「大分コイツも暖まってきたころか・・・」

「私の目から見たらまだいっぱいいるけどね・・・」

「・・・ふぅ、シュキも案外心配性だな、何なら次で敵機全部潰してやろうか?」

「無理して欲しくないだけでそんな心配性ってワケじゃないよ?」

 そう言うこと自体すでに心配性だということを自分から
 言ってしまっているのに気が付かないシュキ。

「いいからいいから、まぁ見てろよ!!」

 そんなシュキの心配などどこ吹く風と言った感じのラグナ、
 先ほど宣言したことを実践すべく敵集団のど真ん中まで食い込んでいく。

「敵がわざわざ突っ込んできてくれたぞ!!落とせ、なんとしても落とすのだ!」

 敵の隊長がしてやったりな表情をしながら味方に檄を飛ばす。

「こんなんじゃかすりもしねぇぜ!!」

「・・・・・・怖いよ怖いよ怖いよ〜」

 オペレータールームで頭を抱えて震えるシュキ。

「さて、ここら辺でいいか・・・おいシュキ、いつまでも震えてるんじゃねぇよ」

 さらに激しくなる敵の攻撃を最小の動きでかわすラグナ。

「だってぇ〜〜・・・他の人のオペレーターしてたって
 こんな凄い動きしてなかったよ・・・」

 既に泣きが入っているシュキ、確かに今のラグナの
 動きについてこれるパイロットはあまりいないだろう。

「大分敵も近づいて来やがったな・・・喰らえ、必殺・・・」


 ブレードワルツ


 敵集団のど真ん中でラグナの機体が高速回転を始める。

「・・・っ!!さすがに久々でこの技はきついか!?」

 自機を兵器の自動ブーストを利用し高速回転させるこの技、
 パイロットに多大な負荷がかかるのは言うまでもない。
 蛇足として人間がその場で何回も何回も回ると
 目を回す、と同じ現象が起きることになる。
 ラグナがこの技を頻繁に使っていた頃は・・・


 気合で乗り切っていたのだ


「だけどなぁ、こんな雑魚なんかに時間をとられるわけには
 いかねぇんだよ!!」

 ラグナは何とか正気を保ちつつ無造作に敵の一団に突撃していった。

 ・・・1・・・2・・・3・・・5・・・8・・・11・・・18・・・23・・・29・・・

「え?なにこれ・・・凄い速さで敵の数が減っていくよ!!!」

 ・・・33・・・47・・・56・・・

 ハイ・アブソリュートとすれ違っただけで次々と敵機が鉄屑、瓦礫へと変貌してゆく。

「なっ!あの技は・・・多少機体は違うが・・・まさか!!」

「エクスキューショナーズ、『狂える漆黒の疾風』だとでも言うのか!!」

 ラグナを指しているのだろうか?
 敵兵士の一部が聞いたこともないような呼び名を口にする。

「まだ知ってるヤツがいるとはな、だがそれを知ってる以上・・・
 消さないわけにはいかないんでな」

「隊長?・・・今何か言った?」

「いや、何も言ってねぇよ・・・これで最後だぜ!!」

「本当にあの部隊が生きていたというのか・・・・・・ぐああ!!」

 ラグナに斬られた最後の一機が爆散する。

「凄い・・・ホントに全滅させちゃった・・・」

「くあ!!・・・ちきしょう、頭に響きやがるぜったくよぉ!!」

 BFDを使用したことに加え久しぶりの技を発動したラグナ、
 どちらにしても周囲に敵がいなくなった今、
 ラグナは頭の休息を必要としているだろう。

「シュキ、悪いけど少しだけ敵こねぇか注意しててくれねぇか?」

「それは良いけど・・・大丈夫隊長?」

「な〜に、ヒュウガの準備が終わるまでだからよ・・・少し休ませてもらうぜ」

「・・・こんなになるまで戦っちゃうんだもん、
 心配せずになんていられないよね?・・・お疲れ様、隊長♪」

 周囲の敵機に注意しつつ隊長を見守るシュキであった。







 

 〜ラグナ回想・ヒョウドウとの会話〜


 ラグナはヒョウドウとの会話を思い出していた。

「いいかラグナ、このBFDは従来の戦闘補助装置と違い脳に直接作用する」

「どういうことだよ?」

「いいか?人間にとって脳というのは人間の
 ほぼ全ての機能を管理する大切な器官だ」

「それぐらいは俺でも知ってるぜ」

「それ故に脳という器官を治したり弄ったりすることは不可能なんだ、
 その脳に直接作用するんだ・・・分かるな? ラグナ」

 力強い視線でラグナを見るヒョウドウ。

「こういうことだったのか・・・」

 会話を思い出して納得するラグナ。

「・・・なるほどな」









 

 〜オスコット・ランブルVSユイ・マイ戦闘直前〜


 ラグナが戦闘を始める少し前、オスコットとランブルの二人は前方からやってくる
 2機のシンザンタイプを肉眼で捉えていた。

「あんたらがあたい達の相手かい?」

「思ったより弱そうね」

 ユイが挑発的なセリフを二人に向ける、
 もっともユイは思ったことをそのまま伝えているだけなのだが。

「なんだと!!」

 案の定、挑発のような挑発でないセリフを受けて激昂する男がここに一人。

「はいはい、落ち着いて」

 それをなだめるように喋るのはオスコット。

「貴様!! あれだけ言われ・・・て・・・・・・」

 急にランブルの声が小さくなってゆく。

「これほどの相手とは・・・なかなか戦えないんだからさぁ・・・」

 ランブルの機体のカメラ越しにでもオスコットの闘気が
 伝わってくるような気配さえする。

「マイ・・・気配が変わったわ、私の相手はこちらにするから・・・」

「姉貴が気にするなんて珍しいじゃん?OK、あたいはこっちの単純ヤローだな」

「ランブル、俺はこっちの青い機体にするからさぁ・・・
 そっちの赤い機体は任せたよ?」

「・・・・・・了解した」

 あのランブルが黙って指示に従っている、
 歴戦の勇士というものはこういうものなのだろうか。
 何気ない場面で見せる顔とは全く違う隠された顔。
 もちろんそういうものを備えられるのは
 ・・・ほんの一握りの戦士だけなのだろう。







 

 〜オスコットVSユイ・戦闘開始〜


「あの時の虚しい思いを今こそ・・・」

 奇しくもオスコットはそれを手に入れることが出来たようだ
 ・・・だが果たしてそれは本当にオスコットが望んだものだったのだろうか?

「昔のことを引きずるのはよくない、死を招くこともある」

「わかってるさぁ・・・だけど・・・それでも・・・」


 望まないものほど簡単に手に入ることもある、
 それがどんなに難しい壁を乗り越えた向こうにあるものだとしても
 そしてそれを切望する者がどんなに多くても
 それを手に入れた者は望んでなかったりするものだ。


「貴方、見込みはあったのだけれど・・・残念ね」

「俺はそう簡単には落とせないさ、お嬢さん?」

 お互いの言いたいことは全て言い合った・・・
 次にすることは決まっている、二人は無言で武器を構えた。







 

 〜ランブルVSマイ・戦闘開始〜


 少し場所をずらして戦闘を開始しようとしているのはランブルとマイだ。

「ちっ、あたいの相手は雑魚かよ〜」

 あからさまな不満を漏らすマイ。

「・・・この俺を雑魚呼ばわりか!!」

 当然そんなセリフにいちいち対応するランブル。
 ある意味几帳面だ。

「本当のこと言われたからってムキになることないだろー、ガキじゃないんだからさ」

「・・・・・・」

 口を開くと乱暴になってしまうので今度は黙るランブル。

「なんだよ、今度はダンマリかよ」

 そんなランブルに追い打ちをかけるマイ、
 ある意味ランブルは最もあたってはならない相手と
 ぶつかってしまったと言えるかもしれない。

「いつまでも喋ってないでかかってきたらどうだ、
 時間稼ぎのように感じるぞ小娘が」

「なにぃ〜!?あたいをそんじょそこらの雑魚と一緒にするなー!!」

 こちらもこちらで頭に血が上りやすいマイ。
 ランブルという存在はマイにとっても天敵といえる相手だったのかも知れない。

 二人ともほぼ同時にお互いに突っ込んでいく。
 だが先に攻撃を仕掛けたのはランブルだ、
 理由は単純・・・持っていた兵器が射撃なのか格闘なのかの違いだ。

「もらった!」

 小さく呻きナイト・レイドキャノンを撃つランブル。

「はっ!!その程度、あたいが喰らうとでも思ってんのかよ!!!」

 高速で飛んでくるキャノンの弾を瞬間転移でかわすマイ。

「・・・気にくわない能力だな!」

「なんとでも言いな、そう言うのを負け犬の遠吠えって言うんだよ!
『アルサレアの狂犬』の名が泣くぜぇ!?」

 『アルサレアの狂犬』、ランブルを知っている者なら
 まず間違い無く彼の目の前でこのセリフを喋るヤツはいないだろう、
 味方に言われるのでも腹が立つ位なのに
 それを敵に言われたら・・・想像をするだけで怖くなる。

「貴様・・・何処でそれを聞いた!?」

 ・・・とまあこうなるのである。

「なんだよ、いきなりキレることはないじゃないかよ!」

「うるさい!!黙れ!!!」

 もはや聴く耳持たずのランブル、
 さしものマイもこれには呆れるしかなかった。

「・・・・・・消えろ!!」

 感情の高ぶりがエスカレートしていくランブル、
 それに比例してランブルの機体の動きに変化が現れ始めた。

「ちょっとは落ち着けよな〜、だけど機体の動きが
良くなってるのは確かだしな・・・」

 冷静を失ったパイロットが辿る末路は何か?
 戦闘不能、もしくは死・・・考えられるのは
 このぐらいではないだろうか?

「おおおおおおおおおお!!!」

 いつものぶっきらぼうなランブルとは思えない声を上げマイに突っ込むランブル、
 射撃重視型の機体をそこまで接近させてどうするのだろうか?

「わわわ!!予想外の行動とりやがる、めんどくせ〜」

 調子を壊されテンポを崩すマイ、
 機体の操縦にも多少の隙が出来る。

「そこだ・・・」

 次々とナイト・レイドキャノンを連射するランブル、
 当然キャノンを発射するのだから衝撃は強い。
 コクピットの中がガクガクと揺れる・・・が、しかし・・・

「・・・・・・フー・・・フー・・・フー」

 ランブルからは荒い息を吐くだけで何の感情も読みとることが出来ない。

「以外と面白い敵に当たったかも・・・ラッキー!!
 それじゃ、こっちだって奥の手出すぜ!!」

 マイの持っていた大鎌から
 淡い緑の光のビーム刃が形成された。

「これでも・・・・・・・・・喰らいな!!」

 そして大鎌を投げるマイ、すると投げた大鎌の形が
 変わり始めたのである、その形は・・・

「・・・・・・!?」

 すでに言葉を発さないランブルですら驚かずにはいられなかったようだ。

「まだ驚くのは早いぜ!・・・・・・そこだっ!!」

 マイが投げた手裏剣と化した大鎌はその姿を忽然と消した。
 そう、この大鎌にも瞬間転移機能が備わっていたのである。

「・・・・・・」

 瞬間転移した大鎌の次に出てくる場所を
 把握しきれないランブル、徐々に徐々に機体の耐久力が減っていく。

「強くなってもその程度かよ!」

「・・・・・・・・・ぐっ・・・・・・・・・・・・ううう っ!!!」

 苦しさからか呻きを上げるランブル、
 今この機体にかかっているGは相当なモノになっている。

「あの速さで動かれちゃあ姉貴でさえ追いつけねーだろーな ぁ」

 そんな独り言を言い苦笑するマイ、
 そこに間髪を入れずランブルが戻ってくる。
 そう、まるで獲物を狩る野生動物のような気を発して・・・・・・

「・・・訂正するよ、アンタは弱くなんか無い!」

 背筋にゾクッとしたものを感じたマイ。

 彼女とて絶対に自分が強者だと思いこんでいるわけではない、
 自分が負ける相手がいるというのも分かっているし
 自分の勝てる相手のレベルというものも自分なりに考えている。

「・・・がふっ・・・・・・うおおおっ!!・・・」

 機体の加速に耐えきれなくなり口から血を吐くランブル。
 だが自我がないため自分で機体を止めることが出来ない。

「ただ・・・今のアンタじゃあたいに勝つことなんて出来やしないよ!!」

 そして・・・戦闘中に見下していた相手を認めることだってあるのだ。
 ごく稀ではあるが。

「だからさ!」

 大鎌を真正面に構えるマイ、同時にランブルの機体も真正面に捉える。
 当然ランブルの射線上に立っているのである。

「そんな自分の意志じゃない戦いじゃなくて」

 ランブルが容赦なく正確な弾道でマイの機体に
 キャノンの弾を撃ち込んでいく。

「くうっ・・・・・・ちゃんと意識があるときのアンタと・・・」

 必要最小限の動きでキャノンの弾を避けるマイ、
 必然的に喰らってしまう弾も出てくることになる。
 もっと大きく動けば全弾かわすことだって出来るはずなのにだ。

「もう一度戦ってみたいからさ!!」

 すれ違いざまに大鎌を振るうマイ。

「・・・・・・!!!」

 間もなくしてランブルの機体は活動を停止した、
 少なくともランブルが死ぬことはなくなっただろう。

「ふう・・・しっかし・・・危ない機体だよな〜・・・コレ」

 動かなくなったランブルの機体を見上げてマイが一言。

「気づかれないうちに消えた方が良さそーだな・・・っと、
 姉貴の方はどうなったかな?」







 

 〜オスコットVSユイ・戦闘中〜


「予測範囲内の動きね」

 瞬間転移で背後を取られるオスコット。

「背後を取られるなんて、何年ぶりだろうねぇ・・・」

「私を甘く見すぎたようね」

「甘く見てなんかいないさ、嫌というほど
 君たち二人の実力は知ってるからさぁ」

 オスコットはバスターランチャーを真横に放った。

「どこを狙って撃っているの?」

  ユイが勝利を確信し次の攻撃を加えようとしたその時・・・

「!!!!・・・背後からのダメージ!?何処から・・・」

ユイが悲鳴にも似た焦りの声を上げる。

「だから言ったんだよ、甘く見てなんかいないってさぁ!!」

 機体を半転させ接近戦に持ち込もうとスピアを構えるオスコット。

「・・・ダメージは・・・駆動系は・・・OK、兵器損傷・・・
 オールグリーン戦闘続行可能、作戦を続行、敵機の迎撃を再開する」

「確認してる余裕なんてあるのかい、お嬢さん」

 スピアを突き出すオスコット。

「まだまだね」

 瞬間転移でスピアをかわすユイ、
 距離を取り斬神星を投げる。

「逃げられるかしら?」

「その自信、どうやらタダの大手裏剣じゃないようだねぇ〜
・・・こりゃかわした方が良さそうだ!!」

 前方から向かってくる斬神星を交わすオスコット。

「かわしても無駄よ・・・」

 斬新星は軌道を変えてオスコットを狙ってくる。

「そうだ追尾機能があるんだった、
 おじさんすっかり忘れてたよ」

 追尾性能があるのは大手裏剣に共通する能力だ、
 だが『斬神星』はそれだけではない。

「・・・・・・・・・そこよ」

 PFの死角とも言うべき方向に正確に飛んでくる斬新星。

「速い・・・それに、随分正確な攻撃だ」
 
 感嘆の声を上げるオスコット、だがユイの攻撃はまだ終わったわけではない。
 3枚目の斬神星が投擲される。

「まだ増えるのかい、こりゃ厄介だね〜」

「・・・・・・そろそろ諦めたらどう?」

 ユイの口数がいつになく多い気がする、
 無意識のうちに自分にかかる負荷に焦りを感じているのだろうか?

「・・・・・・3枚はキツイねさすがに、だけど俺だって
 タダじゃやられないさ、スキュラ展開!!」

 オスコットの叫びと共にユイの目に入ってきたモノは・・・

「アレは・・・なに?」

 ユイの目に入ってきたモノは反射板の付いた
 ミサイルのようなモノだった。

 それに向かってオスコットが放ったいくつかの
 バスターランチャーの光条が向かっていく、そして・・・

「反射した!?・・・さっきの背後からのダメージはこれね・・・
この程度なら軌道を予測すれば・・・」

「この程度って・・・ビームまでかわせるとはねぇ」

 宣言したとおりビ-ムすらかわしていくユイ、
 だが斬神星のコントロールがわずかだが崩れてきた。

「こっちも避けながらビームを撃つのは正直・・・」

 オスコットの額に珠のような汗が噴き出ている。
 オスコットにしてもユイにしても尋常じゃない状況の中で戦っているのだろう。

「はぁ・・・はぁ・・・」

「ふぅ・・・・・ふぅ・・・・・」

 その証拠に二人の息が上がっている。
 二人はもう限界にきているのだろう。

「・・・・・・!!!」

 先に動いたのはユイだ、バスターランチャーが途切れた瞬間を狙ってヤミフブキを撃つ。

「・・・はああああ!!!」

 遅れて動いたのはオスコット、
 向かってくるヤミフブキを喰らい頭部を破壊されながらも
 バスターランチャーを撃ちながらユイに迫る。

「・・・はぁ・・・そんな攻撃、当たらない・・・・・・・・・!?!?」

 もはや限界であろう体力を気力で補い
 反射されるバスターランチャーをかわしていたユイ、だが・・・

「もらった!!!!!!!!!」

 限界まで戦ったのは両者とも同じだった、
 その勝敗を分けたのは過去に経験した苦い記憶。

「・・・・・・」

 ユイの機体の右腕がスピアによって貫かれていた。

「・・・・・・どんな・・・もんだい?」

 辛い環境にいる者ほど強くなる・・・
 あくまでこの二人の戦闘の結果での話だが
 ・・・本当に皮肉な話である。

「お嬢さん・・・過去に捕らわれているからこそ見えるものもある・・・」

「・・・・・・」

「勿論それがいい事だとは・・・おじさんだって思ってないけどさぁ~」


 いつもの笑顔をユイに向けるオスコット、その笑顔を見たユイは・・・

「・・・・・・・・・私の・・・・・・負けね・・・・・・戦闘でも・・・
今までの・・・・・・経験でも・・・・・・」

 素直に負けを認めるのだった。

「それで・・・私をどうしようと言うのかしら?」

 ユイは殺される覚悟も出来ていた、
 なぜならオスコットの苦い記憶の原因は
 自分達だと、なんとなく感づいていたからである。

「もう決着は付いたよ、これ以上おじさんがすることは何もないさ」

「・・・」

 正直ユイは驚いていた、普通の人間なら
 仇を討つとかそういう考えになるモノではないのだろうか?

「正直仇討ちだって考えてたよ、でもある時ふと考えた」

「・・・どんな答えが出たのかしら」

「何もかもが虚しくなったよ・・・」

「それは・・・私を倒した今も?」

「・・・・・・ああ」

 ふっ・・・と遠い目をするオスコット。

「貴方・・・今隙だらけだわ」

「確かに・・・と言うか疲れちゃったよ、ホント」

「・・・今私を殺しておかないと後悔するわよ」

「もうこれ以上無いって後悔をしたからさぁ・・・
 それ以上に後悔する事なんて・・・ありはしないさ」

「貴方は自分が殺されるよりも酷い後悔をしているの?」

「・・・・・・・・・・・・」

 オスコットはそれに答えず無言で自分の機体に乗り込んだ。

「殺す価値もないっていうの?」

「・・・・・・・・・そうじゃないさ、ただ・・・」

「ただ?」

「・・・・・・・・・・・・可愛いお嬢さんは殺せない・・・・・・ってね!!」

 いつものふざけた口調に戻ったオスコットは
 逃げるようにその場を後にした、残されたユイは・・・

「・・・・・・敵わないわね」

 ・・・と微笑みながら呟くのだった。









 

 〜ヴァリム基地前・待機組(ヒュウガ・シュキ)〜


 ラグナとオスコット&ランブルの戦闘が全て終了し
 後はヒュウガ機のチャージを待つだけなのだが・・・

「隊長・・・凄かった・・・ヒュウガさんの言ってたこと、本当だったね」

「・・・・・・僕、嘘は言いませんからね」

 複雑な表情をするシュキ、彼女の考えではそれが
 正しいかどうか分からないからだろう。

「シュキさん、そろそろチャージが終わりますよ」

「あ、隊長呼ばなくちゃね・・・」

 ラグナの機体に通信を入れるシュキ、
 間もなくしてオスコットも合流した。

「オスコット・・・気は済んだかよ?」

「その話は止めましょうや、隊長・・・
 ところでランブルはまだ戻ってきてないのかい?」

 オスコットに言われてハッとなるラグナ達。

「シュキ、機体の識別信号はどうなってんだ?」

「ちょっと待って、今チェックす・・・あれ?」

「どうしたんですかシュキさん?」

「あれれ?信号が出てないよ?」

 ランブルの機体の信号が消えていて驚くシュキ。

「「「・・・・・・」」」

 そこにいる全員が一瞬だが最悪の事態を予想してしまったようだ。
 全員がその考えを振り払うように頭を振る。

「ランブルのヤツがそう簡単にやられる訳はねえんだけどな」

「隊長から聞いた話だと・・・・・・そうですねぇ・・・」

 ラグナとヒュウガの2人はあまり心配そうな顔をしていない、
 傍から見ればひとでなし、とでも取られてしまうかもしれない。

「・・・じゃ、ちょっと探してきましょうかね」

 オスコットはイソイソとその場から離れていった。







 

 〜オスコット・ランブル捜索中〜


 オスコットはつい先ほどランブルと分かれた場所まで戻ってきた。
 戦闘は完全に別の場所で行われていたようだが、
 実際はそんなに離れていたわけではない。

「とはいったものの、どうやって探そうかねぇ・・・」

 仕方なく自分が戦っていた場所とは正反対に機体を進めるオスコット。

「・・・・・・あはははははは」

 突然オスコットが笑い始めた、その理由は・・・

「・・・目印になるもんなんていくらでもあるもんだ」

 そう、ランブルとマイが戦闘した場所には数多くの疵痕が残っていた、
 ランブルが撃ったキャノンの弾によって作られた穴、
 マイが振るった鎌によって抉られた地面。
 それらを頼りにオスコットは進んでいった。







 〜待機組・チャージ完了〜


 オスコットを待っているラグナ達に通信が入った、オスコットからだ。

「こちらシュキ、オスコットさん、ランブルさんは見つかりましたか?」

「ああ、無事だよ・・・機体はメチャクチャだけどね」

 機体の信号が消えていたのは恐らくそのためだろう、
 全員が安堵のため息を漏らす。

「とりあえず、メチャクチャって木っ端微塵なのか?」

「いや・・・でも戦闘は不可能だねぇ、完全にさぁ?」

「そうか・・・なら新兵器だけでも回収できねぇか?
 今のところヴァリムの領地だし他の機体を向かわせるのも危なそうだしな」

「そうさねぇ・・・なんとか大丈夫みたいだよ、じゃ持って帰るからぁ」

「すまねぇな、オスコット」

「いやいや、気にしないでよ大将!」

 そう言ってオスコットは通信を切った。

「さて、僕の方の準備は完了しましたよ〜」

 オスコットからの通信が終わるとヒュウガからチャージ終了の声がかかった。

「オスコットも大分消耗してたから戦闘はもう無理だろーな」

「ですね、僕の機体もこんなですし」

 考えるまでもなくランブルは消える、と言うことは・・・

「隊長だけだね・・・戦えるの」

「はぁ・・・しょうがねぇか・・・」

 心底疲れた声で呻くラグナ、ただでさえBFDを使っている
 後なのだから仕方ないのかもしれない。

「疲れてるならさっさとかたづけましょうよ、隊長!」

「・・・・・・・・・シュキ、サポート頼むぞ」

「う、うん!!」

「ヒュウガ、早いとこ穴開けてくれ・・・10分でけりつけてやる」

 多少声に怒気が含まれているラグナ。

「はいはい、じゃ撃ちますよ・・・少し離れてて下さいね〜」

 ヒュウガが今までチャージをしていたのは
 フュージレイドの右肩に取り付けられている
 全長20メートルはあろうかという大砲、
 『ベーシクス・ブレイカー』別名『要塞殲滅砲』である。

「目標、正面敵要塞・・・最終安全ロック解除」

 ヒュウガが引き金に手を当てた。

「隊長、もう少しさがって下さいね〜巻き込まれたら死んじゃいますよ?」

 一瞬「ビクッ」となるラグナ、ヒュウガの言うとおり後ろに後ずさる。

 砲塔の先が一瞬光ったかと思うと・・・・・・


 ヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァ!!!!!


 激しい轟音と共に直径がPFぐらいはあるのでは?
 というべきエネルギーの奔流が迸った。


「「「!!!!!!!!!」」」


 鼓膜がやぶれるのではと思うぐらいの轟音が去った後には
 要塞の壁にPFがすんなり通れる位の穴がぽっかり空いていた。









 

 〜ヴァリム基地・ブライス側〜


 突然の轟音が響き渡るヴァリム基地、
 そこではブライスが援軍を待っていた。

「ブライス様!!」

「・・・・・・ううっ・・・何事だ!?」

「この要塞の壁に・・・・・・大穴が開けられたようです」

 報告を聞いたブライスの顔があっという間に青ざめていく。

「ば・・・馬鹿な!!?あの城壁を貫くなど・・・」

「ですが・・・この映像を見る限りでは確かなのです」

「見せろ!!」

 映像に食い入るように見入るブライス、
 そして改めて青ざめていく。

「恐らくはアルサレアの新兵器かと思われます」

「そんなのは分かっている!!ええい、援軍はまだか!!!」

「レーダーに敵影です!数は・・・・・・1?」

「1機だと?・・・なめているのか?」

「ブライス様、どうしますか?」

「たかが1機、俺が出よう」

 ブライスは自分の機体がある格納庫へと向かった。

「くそっ!どいつもこいつも私を馬鹿にしおって・・・」

 自分の専用機に文句を言いながら乗り込むブライス。

「クソッ!クソッ!クソッ!・・・ブライス、出撃する!」

 焦っていたためか出撃する際に機体のバランスを崩し
 入り口の壁にぶつけてしまうブライス。

「ええい!無機物までもが私の邪魔をするか!!」

 苛立ちを隠せないままブライスは出撃した。
 その時ブライスは「ミシッ」と言う嫌な音がしたのに気づけなかった。







 〜ラグナ・ヴァリム基地内〜


 そんなブライスの苛立ちなど露知らずのラグナ。

「・・・妙に静かじゃねぇか?」

 あまりの静けさにかえって疑念を抱くラグナ。

「でも・・・レーダーにも敵の反応がないよ?」

 不思議がるラグナにシュキがフォローを入れる。

「そうなんだよなぁ・・・あれだけ堅牢な防御をしてて
 今さら敵がいないなんて・・・」

「注意しすぎて困る事なんて無いけど、
 キョロキョロしすぎなんじゃない?」

 そんなやり取りをしてるとシュキのレーダーに反応が現れる。

「隊長、やっぱりまだ敵がいるみたいだよ!!」

「やっぱりか、何機だ?」

「一機だけみたい・・・他には・・・うん、何もないよ?」

「そいつはもう俺に気付いてるのか?」

「多分ね、だってどこから来るかなんて火を見るより明らかだよ」

 シュキの言うとおりである、
 PFが入ってこれる場所なんてヒュウガが開けた大穴しかないのだから。

「このPF移動スピードが凄いよ・・・」

 シュキが感嘆の声を上げる。

「速いって・・・どのぐらいだよ」

 シュキの言う凄いは自分にとってあまり凄くないんだよな、
 と苦笑するラグナ、だが彼は次のシュキのセリフで同じように驚く。

「歩速が43は越えてるみたいだよ」

「ぶっ!!いまどの辺だよ!?」

「後2400の地点・・・あ、1700になったよ」

 たまにはシュキの言う事も信じないとな、と思ったラグナだった。

「900・・・もう出て来るよ!!隊長!」

「ちっ戦闘準備もままならねぇな!!」

 ギルティ&ペナルティを持ち直すラグナ、そして次の瞬間には・・・

「貴様がアルサレアのパイロットだな!
 どうやってこの要塞化した基地に入ってきたかはわからんが、
 ここで始末してくれる!」

 ヴァリムのPFが姿を現しパイロットからの通信が入った。

「ここにはお前一人しかいないのかよ!」

 ラグナが敵のパイロットに問う。

「そうだ、私しかいないぞ?たかがアルサレアの機体一機に
 わざわざ戦力を裂くのは惜しいのでな!!」

 先程まで青ざめていた表情が元の肌の色を取り戻してきた、
 敵のPFを見て普通のサイズだったので安心したのだろう。

「どうしてヴァリムのヤツらはこんなに血気盛んなんだ?シュキ」

 いきなり話をシュキに振るラグナ。

「ええ!?私に聞かれても困るよ〜」

「冗談だよ、冗談・・・んで?そっちのヴァリム野郎、俺と闘う気か?」

「それはこちらのセリフだ、こんなとこまで一人でのこのこ来おって・・・
 生きて帰れると思うなよ!」

「・・・・・・はぁ・・・シュキ、帰っていいか?」

「・・・私も考えちゃうけどやっぱりダメだよ」

「だよな〜・・・おい、ヴァリム野郎貴様の名前は!?」

「私は・・・ヴァリムが誇る超天才、ブライス様だ!」

 わざわざ自分に様を付けている、天才とか言っておきながらも
 こういうのは馬鹿っぽいのでは無いだろうか?

「そうか・・・ブライスさんよ、とっとと決着つけようぜ?こっちもヒマじゃないんでな」

「そのセリフ、そっちにそっくりそのまま返してやるわ!!」

 ラグナとブライス、理由は違えど
 両者の苛立ちはピークに達している。

「・・・・・・・・・このスピードに付いてこられるか!!」

 ブライスはラグナの機体の周りを凄い速さで回り始めた。

「これじゃあ捉えようがねぇな・・・大見得切ったはいいが・・・
 そう簡単には終わらねぇかもな」

 悔しそうにラグナが呟く。

「隊長・・・これじゃ私も手伝えないね、ゴメン・・・」

「いいって、こんなスピード狂相手にしたら誰だって
 手こずるだろうからよ」

「フハハハハ!!どうした、怖じ気付いたか!!」

「んなわけねぇだろーが!」

「なら攻撃してくるがいい、もっとも当てられればの話だがな!!」

 悩んだ表情をするラグナ、だがそれも一瞬だった。

「一か八か、勝負かけてみるか!!」

「ようやく覚悟を決めたようだな、だが・・・」

「・・・・なっ!!?」

「隙ありだ、頂くっ!!!」

 急激に方向転換をしラグナにフルブーストで向かうブライス、
 一方のラグナは高速移動に翻弄されるばかりだ。

「死ねぇええええええええ!!」

 ブライスが真・双斬破を繰り出・・・そうとしたその時!!!


 パキイイイィィィィィィィイイイイン!!!!!


 真・双斬破が綺麗な音をたてて折れてしまったのである。
 そしてブライスはフルブーストをかけていた、と言うことは?


「ぬおお!!EN回復が間に合わないだと!!?」


 違反機体が発動しなおかつENを全て消費した状態に・・・
 言わずもがな結果として!!


「ぐああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」


 ブライスの機体は脱出ポッドを除いて跡形もなく砕け散った。
 ナイトメアの一言「PFの安全確保は凄いなぁ〜」


 それを見ていたラグナは・・・

「・・・あ、あれ?今目の前にいた・・・ブライスは・・・?」

「隊長!!どうしたの?大丈夫!?」

 ラグナの異変に心配そうにシュキが尋ねる。

「・・・シュキ?」

「・・・ん?・・・どうしたの?」

「今俺の目の前にいた敵は?」

 いまだに正気が戻ってないラグナ、そりゃ自分の目の前で
 敵が爆散すれば正気ではいられないかもしれない。

「隊長が倒したんじゃないの?」

「・・・・・・」

「隊長?」

「・・・・・・・・・まあ、いいか!!」

 ラグナは深く考えないことにした、賢明な判断といえるだろう。
 ここにいる者には正しい答えが分かっている者などいないのだから。









 

 〜ヴァリム・ブライス〜


 脱出ポッドが着地したのは基地の外側だった。

「な、何だったというのだ・・・」

 いきなり自分の機体が爆発したのでは考えるヒマなど
 与えられるあるはずもなく、途方に暮れるしかないブライス。

「ブライス、ご苦労だったな」

 そこへリュウハが現れた。

「作戦は失敗のようね、ブライス」

「やっぱりアンタには荷が重かったか・・・」

 ユイとマイも一緒のようだ。

「おお、助けに来てくれたのかリュウハ!!」

 ブライスは藁にもすがりつく思いでリュウハ達の方に寄ってくる。

「ああ・・・助けてやる」

 リュウハの口元が歪んでいることにブライスは気づかなかった。

「これで一安心というわけだな、
 しかし一時はどうなることかと思ったが・・・」

「マイ、助けてやれ」

「ああ、ほらブライス・・・こっちに来いよ!」

「ブライス、怪我はないかしら?」

 ユイとマイの怪しいまでの親切さの裏にもブライスは気付けなかった、
 気付いたところでどうしようもなかったのだが。

「すまない・・・・・・・・・うっ!! 何をするんだ!」

 マイはブライスの首にナイフを当てた。

「助けてやるのさ、ブライス・・・なあマイ?」

「ああ、助けてやるよ・・・この世の苦しみからね!!」

「貴方は用済みよ、ブライス」


 シュパッ


 それきりブライスはものを言わなくなった。

「ふう〜〜〜!!」

「やっと一つ片づいた・・・と言ったところね」

「ああ・・・しかし」

 リュウハとマイはユイの方を見る。

「・・・・・・何?」

「まさか・・・姉貴が負けるなんてね〜」

「あのユイが負けるとはな・・・」

「戦闘データは取った・・・問題はないはずよ、
それに・・・あの相手は強かった・・・・私よりも」

「そんな!姉貴より強いヤツなんてそういるもんじゃないだろ!!」

「これは紛れもない事実よ、マイ、貴方だって負けるかもしれない」

 姉にそんな風に言われては流石に黙るしかないマイ。

「そんなヤツがアルサレアにはいるのか、ユイ?」

「貴方には遠く及ばないでしょうけど」

「そうか・・・」

「マイ、貴女はどうだったの?」

「あたいか? 当然勝ったに決まってるじゃん!!」

「その割には機体がボロボロだな」

「だーーーー!!リュウハ、そこで突っ込むんじゃねーよ〜」

「やはりあの小隊・・・かなりの精鋭が集まってると見るべきね」

 ユイの眼が冷たく、鋭く光る。

「リュウハは・・・当然勝ったんだろ?」

「ああ・・・勝ったには勝った・・・が」

「片腕を持っていかれた・・・そうでしょ?」

「それこそウソだろ!!リュウハ、お前
 変な冗談は好きじゃないとか言っておきながら・・・」

「マイ、冗談ではない・・・本当に持っていかれたのだ」

「・・・・・・・くううっ!!!燃えてきたぜぇ!!」

 強いヤツと戦いたがるマイの悪い癖が発動した。

「だけど・・・今のまま放っておいたら確実に私たちの前に立ちふさがるでしょうね・・・
 リュウハ、次はどうするの?」

「次の手まではまだ時間がある、それに
 俺の機体もお前達の機体も修理が必要だろう」

 ユイとマイにそう告げると何やら独り言を言い始めるリュウハ。

「グットマン達から送られてきた戦闘データを考えると俺の当初の予測を越えているな・・・
 ・・・となるとディアボロスを完璧に仕上げておいた方が良いだろう・・・」

「おーい、いつまで一人で喋ってんだよ?」

 マイに呼ばれハッとなるリュウハ。

「すまない、考え込むとたまにこうなってしまうのだ」

「知ってるわ、貴方昔からそうだったものね」


 そしてリュウハはあることを思い出す。

「ユイ、マイ・・・ここへ来る途中にアマツから連絡があってな」

「へぇ、アマツのヤツから・・・それで?」

 先を促すマイ、ユイも多少は気になるようだ。

「・・・お前達の新しい機体が完成したそうだ」










第3話後編・END

第4話へ続く

 



○シュキ曰く4研の人(爆)〔中編を参照〕
名前:ティア・ノヴァルティス
年齢:17歳
性格:自他共に誰もが認めるちょい天然さん、
    多少仕事にも影響してしまうのが玉に瑕(傷)
補足:現在は変わり者集団と言われる2研の人達まで
一緒に仕事をしている4研の研究員の一人。
比較的良識人でスタッフの人達からは慕われている。
ただ他のスタッフより仕事のスピードがトロいのが
問題と言えば問題であり、本人もそれをコンプレックスに思っている。





 

〜作者共のお遊び・特別ゲスト&懲りない作者共の暴走は果てしなく続くSP〜


ナイトメア「人食い兎狩りの旅から無事帰還しました」

虚ろ「とてもおなか減りました。早くお土産のウサギで鍋でも作りましょう」※今回彼の出演はこれだけです

背徳の旋律(以下:背徳)「その前に人食い/(≡・ x ・≡)\狩りは成功したのか?」

ナイトメア「したよ」

ミュウ「えーと・・・・・・私たちの紹介は?」

ティア「そうですよ先生!大切なゲストを忘れちゃダメですよ?」

背徳「しかも今回は2人・・・だからな」

ナイトメア「今回は特別ゲストとしてヨニカ=グリフィスさんと
      ミュウ=オリンさんにお越しいただきました」

ヨニカ=グリフィス(以下:ヨニカ)「失礼します」

ミュウ「・・・あの、失礼します・・・」

背徳「いやいや、本日は作者の方共々ご足労頂きまことに感謝いたしております」

ティア「他のSSの作者の方をお呼びするのは初めてですね♪」

背徳「後書きのスペースってのは一種のパラレルワールドみたいなもんだからな、
言ってみればなんでもありと言う世界だ」

観客の声 ミュウかわえぇ・・・

ミュウ「・・・え〜と、仕事と聞いてきたのですが・・・?」

ヨニカ「・・・私も出来ればこういう場には出たくなかったですね・・・
           あまり表舞台には出たくないので・・・ははは・・・」

ナイトメア「ミュウさん簡単な仕事です、とあるキャラに質問をするだけです」

ミュウ「はぁ、了解しました〜」

ナイトメア「勿論、ヨニカさんも質問があればどうぞ」

ヨニカ=グリフィス「わかりました」

ナイトメア「では、今回インタ・・・ドゴッ」  

バールナイトメア「お前の今回の役は兎料理を作ることだろうが!!」

     厨房に連れ込まれるナイトメア


ミュウ「…あ、あの、大丈夫ですか、あの人・・・?」

龍覇「・・・・・・俺が前回言った事を忘れたのか? 作者達よ」

背徳「ええ〜またヨニカさんとは違うSSの作者の方でバーニィさんという方がいるんですが 
   その方が企画したSSのオリジナルキャラクターランキングで龍覇さんのランクが
   一位との大差がないのでそれを考慮してもう一度出ていただきました」

龍覇「随分と下らない事をしているが投稿してくれた方に申し訳ないだろうから
   ・・・仕方ない受けてやる」

ミュウ「・・・え、とあるキャラって・・・あ…あの、リュウハさんですか!?」

龍覇 「・・・みたいだな」

ティア「あれれ?申し上げてませんでしたっけ?ミュウさん」

ミュウ「・・・聞いてないです!」

ヨニカ=グリフィス 「・・・さっきカンペに出てたぞ?」

背徳「(あわわ・・・それは秘密ですよヨニカさん)」

ミュウ「・・・・・・そんなの見てないですよぉ・・・!」

龍覇「早く始めてくれ、これでも忙しい身なのでな」

ティア「それでは質問に行ってみましょう♪」

ミュウ「・・・は・・・はい!・・・あ、あいえ、あのその・・・初めまして、
    リュウハさん、お噂はかねがねお伺いいたしておられます」

ヨニカ=グリフィス 「(・・・緊張すると妙な敬語を言う癖が直ってない・・・)」

龍覇「ん?ああ・・・・・・作者共のわがままに付き合わせてすまないな(この人もしや?)」

ミュウ「い、いえ! こちらこそ不束者ですがよろしくお願い致します!!」

龍覇「(今までに見た事ないタイプだ)」

背徳「(噂には聞いていたが・・・)」

ヨニカ=グリフィス 「(・・・それじゃ新婚の挨拶みたいだろ・・・全く・・・)」

ティア「そろそろ質問・・・ですよね?」

ミュウ「は…はい。・・・では・・・りゅ、リュウハさんのご出身はどちらになられるのでしょう?」

龍覇「ザーンシティの郊外出身だ(これは見合いか?)」

ヨニカ=グリフィス 「・・・私から質問させて貰ってもよろしいですか?」<挙手して確認

龍覇「どうぞ(恐らくあの人とみて間違いないだろう)」

ヨニカ=グリフィス「聞くところによると、かなりの腕前と聞いていますが、
          かのグリュウ=アインソード殿と比べて、
          自分の力量はどのくらいだと思いますか?」

龍覇「自分で言うのはなんだと思うが技量は同等と思うが・・・
   戦いにかける情熱には彼には敵わないな
   それだけに亡くなられる前に一度手合わせをしてみたかったと思ってる」

ヨニカ=グリフィス 「(ふむ・・・経歴や見た目からでは想像できないが、
           こちらが思っていた以上に謙虚で上を敬う性格らしいな・・・?)」

ミュウ「・・・えーと・・・リュウハさんの機体・・・ディアボロスでしたっけ・・・? 
    機体スペックを拝見しましたけど・・・この機体はかなり特殊みたいですけど・・・
    リュウハさんが創られたのですか?」

龍覇「基本的な設計は自分でやったが、アマツという私の友人の父上殿が
   機体を作り、その後事故で彼の父上殿が亡くなられてからは息子が引き継いで完成させた」

ミュウ「・・・・・・そうですか・・・大変だったんですね・・・
    もし、何かあったら私を呼んでください・・・
    機体整備には自信があります!・・・あ、こちらが連絡先になります・・」

 どこかから名刺を取り出してリュウハに手渡すミュウ


龍覇「・・・!(以前先輩が言ってたのってこいつの事だったのか)」

ティア「あ、私にも一枚頂けますかミュウさん?」

ミュウ「あ、はい、どうぞ〜」

背徳「俺も一枚もらっとこうかな?」

龍覇「(調べてみる価値はあるな)」

遠い所からナイトメアの声「お前等な」

ミュウ「はい、こちらになります♪」

龍覇 「(・・・魂胆が見え見えだぞ)」

ミュウ「はい、こちらこそ、よろしくお願いいたします!」

ティア「あ、こちらが我々の連絡先です〜、ヨニカさんもどうぞ?」

     連絡先が書いてある用紙を渡すティア

ミュウ「ありがとうございます♪」

ヨニカ=グリフィス 「・・・え〜では、私からもう一つ・・・
          今のヴァリムをどう思っているか…神佐としてではなく、
          個人として聞いてみたい」

龍覇「個人としてか・・・確かに今日政治の腐敗は目に余るものだがそれを・・・
   これ以上は何処であのババアが聞いてるか分からないのでご容赦を」

ヨニカ=グリフィス 「いや、十分だ。どうもありがとう」

龍覇「お互いあのババアには気をつけましょう」

ヨニカ=グリフィス 「そうだな。…私もそうそう安心できる環境ではないし・・・」


小声で龍覇「それと・・・ヨニカ殿、アホな作者ですまぬ」

同じく小声でヨニカさん「…いや、こちらこそ長くなって済まない」

小声で相方「後々相棒の役にも立つだろうに」

これを言うだけに来たナイトメア「俺は知ってるよ」


ティア「先生方、なにこそこそしてるんですか?」

龍覇「ごほっ・・・それでは・・・何かあれば言ってくだされ」

ヨニカ=グリフィス「え、ええ・・・何かあった時はお願いします」

ミュウ「皆さん、なにか怪しげですよ・・・?」

ナイトメア「兎料理が出来たので食べてください」


そしてどんちゃん騒ぎの後、皆がグーグーグーと寝てる中で
リュウハとヨニカが密談をしていたのはまた別の話である。



次回満を持してあのババアが登場


 


 管理人より

 桃色の悪夢さんより第3話後編をご投稿頂きました!

 ブライス哀れ(爆笑)

 そして双子に新型PFが……これからどうなる急展開!
 


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