機甲兵団Jフェニックス外伝「虚空からの使者」












 

Scenario0 降臨:〜悪夢の序章

 


 惑星Jに突如2つの閃光が発生した。それは静止軌道上からでも確認出来る程の巨大なものであり、そのひとつがアーマイル丘陵地の森林地帯に大きな被害をもたらした。

 周囲は3日間に渡って高温高圧の蒸気に包まれ、その中では全てのレーダーを含む電子機器は使用不可となり、PFによる調査にも限界があった。


 その頃、もうひとつの閃光が発生したヴァリムの支配国である「農業国 ファーレン」では、東部にあるリテリア山脈がおよそ半分の高さとなった。
 だが、一部の農業地帯に被害が出つつも、突然現れた謎の機動兵器によって駐留部隊が壊滅した事によって国民は歓喜に酔いしれていた。


 その事を脅威に感じたヴァリム軍上層部は戒厳令を敷き、ふたつのうち明らかに反抗の意思があるファーレンの爆心地に向かってレビ中佐率いる「フェンリル機動師団」総勢300機余を派遣した。

 そのため、アルサレア・ミラムーンはヴァリムによる大きな妨害もなくアーマイル丘陵地へ調査に向かう事ができたのであった。



 一方アルサレア・ミラムーン両国は共同調査隊を組織。

 先発部隊として既に少数が量産され、戦術情報処理を主な任務とする「戦術情報基幹PF Jコマンダー」最後の試作部隊、通称キール中隊と護衛部隊3小隊、合わせて20機以上を投入するのであった。

















 

Scenario1 紅い戦神




 

Chapter1 集結:〜悪夢の始まり、出撃前ブリーフィングにて。



 場所はミラムーンの国境付近に存在するアルサレア軍基地のひとつ、海に面したアルサレア第三研究所近郊にそれを守護する形で建設された見た感じ中規模な――とは言え、実際はミラムーン首都ラミナスシティ、そして軌道エレベーターを見据えるそれは外見からは想像出来ない程地下に格納施設が充実した「大軍港」であった。

 その地下ブリーフィングルームに精鋭ばかりの7人の兵士が招集された。

 そこに作戦指揮官として入ってきたのは意外な人物であった。



 ブリーフィング――作戦前の打ち合わせという訳が正しいのだろう。

 しかし、今回の場合は特に戦略に関係のない次元の作戦だからであろうか、それは何故か非常に短くコンパクトなものであった。


「おはよう。早朝から良く来てくれた。私はこの作戦の指揮官に任命されたグレンリーダーだ。残念ながら本日は情報収集のための作戦であるため、私やグレン小隊の戦闘参加はない。だが、出来得る限りのバックアップはさせてもらう」


 先ずは一言、集まった兵士たちはあまりに意外な展開に当初は少々困惑した表情をしていたが、すぐに戦意溢れる表情となった。

 そう、皆考えていることは同じであった。

「我々の後にはグレンリーダーがついている」と。





「まずは前方のスクリーンを見てほしい」

 グレンリーダーは前方の大型スクリーンのスイッチを入れると、そこには惑星Jの世界地図と、1枚の衛星写真が映し出された。

「この写真はおよそ3日間前、ミラムーンの監視衛星で撮影されたものだ。見ての通りアーマイル丘陵地とファーレンのリテリア山脈周辺に巨大な閃光現象が起こっている。だが、徐々に収まってきているとは言え、激しい電波障害のおかげで今もって原因は不明である。よって君たちには爆心地周辺の調査に行ってもらいたい。もっとも、これがヴァリムの新兵器である可能性は高い。それでだ、今回は先発部隊により高度な情報処理能力を持つ『Jコマンダー試作部隊』いわゆるキール中隊を使用する。こちらから出す護衛部隊は君たちハルカゼ小隊の5人。後はミラムーン軍と目標地点から150kmの地点にある前線基地で合流し、合同で調査を行う。尚、合流後の調査部隊の指揮はハルカゼ少佐に執ってもらう。以上だ、質問はあるか?」

 グレンリーダーからの一方的な情勢分析の後、質問をする若い兵士がいた。

 名はデンソン=レイ=レヴァノン、士官学校を優秀な成績で卒業した所謂「期待の星」である。

 尤も、PFの操縦技術はあれども実戦で性格に少々臆病なところが見受けられたため、性格を矯正する意味で最近強制的にハルカゼ小隊に組み込まれた人物でもある。

「自分は第03機動大隊ハルカゼ小隊所属のデンソン少尉です。作戦内容に関して幾つか質問があります。仮にこの爆発がヴァリムの新兵器であった場合、おそらく敵も調査部隊を派遣している可能性があります。その場合は戦闘を優先するのか、観測を優先するのか。どちらを優先すれば良いのですか。また、敵戦力があまりにもこちらを凌駕していた場合に援軍は直ぐにでも望めるのですか」

 的確な質問であった。

 大気圏から観測可能な閃光現象からまず連想されるのは敵の新兵器であるからだ。

 そして、グレンリーダーは見た感じすぐに新兵と解る彼の不安を取り除くように出来るだけ詳しく答えた。

「・・・君達は先発部隊だ。一応私も出撃準備はしておくが、明日には第6研の調査本隊が到着する。勿論グレン中隊のメンバーも一緒だ。また、観測か戦闘かに関しては現場の判断に任せるが、私自身は観測を優先してもらいたい。幾ら重要な情報を集めてもやられてしまってはせっかくのデーターが台無しになるからな。だが、安心したまえ。そもそもアーマイル丘陵地は我々の勢力圏内だ。ヴァリムがそれ程大規模な部隊を派遣出来るとは思えない。それに、同じ実験だとしてもファーレンなら我々の邪魔を気にせず調査出来る筈だからな、こちらに構う必要性が大きいとは思えない」

 グレンリーダーの回答も尤もな意見であった。

 確かにヴァリムにしてみれば自国の支配下にあるファーレンを調べれば、わざわざこちらまで来る必要は無い。

 しかし、グレンリーダー自身も同時に「もしもヴァリムの新兵器ではなかったら?」と胸をよぎるのであった。

 それでも現状でそれを非とする理論が見つかる筈もなく、その感情を押し殺すのであった。

 もっとも、グレンリーダー自身は最悪の場合を考慮してアルサレアの新たな象徴とも言える最新鋭の「航空支配型PF JUフェニックス」を輸送しておき、単機とはいえ援護要請さえあればいつでも出撃可能な状態にしていたのだ。



 だが、グレンリーダーとは思えないこの少々楽観的な主観が事の真相を、後の悪夢を知る由もないが故だという事は言うまでもなかった。

「他に質問は・・・・・・では出撃、幸運を祈る」

「了解っ!!!」

 7人の兵士たちは威勢良く叫んだ。

 これから始まる悪夢を知る事もなく・・・


















 

Chapter2 遭遇:〜アルサレア・ミラムーン混成調査部隊、出撃。



 ブリーフィングを終えたハルカゼ小隊とJコマンダー隊は前線基地へ向かって輸送機で航行していた。

 そして、何が起こるでもなく前線基地に到着した。

 ハルカゼ少佐が格納ブロックから出ると、そこにはミラムーンの先発合流部隊2小隊、合計10人が整列し、敬礼していた。

「これはこれは手厚い歓迎だことで・・・」

 歴戦の勇士であるハルカゼにとってもこの歓迎ぶりに苦笑するしかなかった。

 それは、如何に超近代的軍隊を持つとは言えアルサレアでは大枠としての上下関係というものは存在するものの、チーム内での上下関係は殆んど存在していなかったからである。

 とは言えそれはアナーキーと言う訳ではなく、もちろんそこにも最低限の規律は存在していたが、チーム内に完全なヒエラルギーが存在した場合の相互信頼の醸成度・連携度の低下は周知の事実であり、また特に激戦下では連携が受動的な行動になってしまう虞があり、それが生死を分ける事にもなりかねないからである。

 よって、慣れない規律に縛られた生活を考えると、少々複雑な心境にならざるを得なかった。


 そして、全員が輸送機を降りて敬礼を返した瞬間、アルサレア・ミラムーン合同調査隊が結成されたのであった。



 全員で行われた短い最終ミーティングが終わり、新たなチーム名が与えられた。

 Jコマンダー部隊は変わらず、ハルカゼ小隊がA小隊。ミラムーン護衛2個小隊がそれぞれB・C小隊と組織された。


 そして、彼等は大型輸送機に再び乗り込んだ。


 その後、全員が機内でコクピットに搭乗し、出撃態勢に入っていたが、急遽結成されたチームのため緊張を隠せない者たちもいた。

「ガチガチだな・・・このままの雰囲気ではやり難くてしょうがない・・・」

 そう思った調査部隊長になったハルカゼが挨拶代わりにと言わんばかりに笑いながらこう揶揄した。

「てめぇら軍人ならガラにもなく緊張してんじゃねぇ!後ろでママが呼でんのか?目標地点にはまだ150kmもあるんだぜ。今からそんなんで何しに行く気だよ!!」

 ベテラン兵士は不可思議な事件を調査するというのに笑っていられる・・・この可笑しなパラドックスが全員に心の余裕を与えたのは事実であった。






 暫くして、外を見ると遠目に雲のようなものが掛かっている場所が見えた。

 しかしそれは雲ではない。

 大爆発による何らかの原因で発生した――現在はそこそこに収まってきているが、当初は惑星観測用レーダーでさえもその中を見通す事が出来ないジャミング性の高い高温高圧の蒸気雲であった。

 そこに入っては人間など一溜りもない。

 だからこそ収まりつつある今でさえ詳しく観測するためにはPFで入って直接見るしかないのである。


「ここから先は地上からの高温の蒸気と通信障害のため、我々が輸送出来るのはここまでです。幸運をお祈りします。では、お気をつけて」

 輸送機のパイロットが言った通りそこは高温の蒸気に覆われ、視界は悪く、気温は60℃に達していた。

「3日も経ってまだこの状態か・・・これより爆心地周辺に進行する」

 Jアサルトに搭乗するハルカゼは溜息交じりにJコマンダー隊と各小隊長に指示を出す。




 濃い霧に包まれたかのように白一面に覆われた森林を進む事暫くすると、そこには焦げてへし折れた木々の群れと土砂が山を作るが如く重なり合って広がっており、爆発の凄まじさを物語っていた。

「これはすごいな、もしこれが都市部で起こっていたら・・・考えたくないものだな」

 ハルカゼはここがまだ爆心地から30kmの地点である事に気付き、その威力に驚きを隠せなかった。

 歴戦の勇士ですらこうなるのである。

 ミラムーン兵士は最早喋る事も出来なくなっていた。

 そして、更に進むと何もない開けた場所に出た。


「木どころか草一本生えていない・・・一体何が起こったんだ?」

 デンソンが言った通り、そこには土が焼け焦げて擂り鉢状に盛り上がり、核爆発の後を思わせるような、本当に「何もない」荒野が広がっていた。


「やはりヴァリムの新兵器でしょうか?・・・まさかあいつら核でも持ち出したんじゃ?」

「可能性が無い訳でもない。ファーレンにはヴァリムの基地があると言われている。何の基地かは解らないが、おそらく新兵器の実験を行っていたのだろう。同時に起こったファーレンでの大爆発もこの爆発の隠蔽工作かも知れん。ファーレンはヴァリムの食糧庫と言われているが、ファーレン国民と駐留ヴァリム軍との折り合いが悪い事は意外と知られてないからな」

 デンソン少尉の「核」という考察に答えるハルカゼからはいつもの陽気な表情が消えていた。

 そもそもファーレンは表面上は独立しているとは言え、実質は植民地のようなものであり、常にヴァリムからの搾取に遭っていた。

 噂ではファーレン総統政権はガルスキー財団首脳部の天下り先とも言われており、そう考えなければファーレン歴代総統の悪政の説明はつかない程である。


「しかし核を使うのでしたら、なぜファーレンなのですか?ファーレン産の食物ならヴァリムにも入って来ている筈ですよ」

 キール中隊の副長であるエルルはハルカゼに会話の中の矛盾とも言える部分、核心を突いてきた。

 ハルカゼは顎を摩りながら少し考える。

「確かにな・・・だが、ヴァリムに輸出される物の殆どがファーレン西部産の物だ。東部産の食物はヴァリムでは手に入らない。それに、オーバープレッシャーだけでリテリア山脈の上半分を吹き飛ばすとは夢にも思ってなかったんじゃないか?どう考えても向こうの被害は光の大きさこそ同じだがこっちの4倍以上の衝撃でないと起こらないらしいからな。しかし、それなら何故地下実験をしなかったんだ?・・・まさか意図的にファーレン国民を殺すためにか?」

 現状でその答えを出すことは出来なかった。

 だが、「調べてみれば解る」そう信じて彼らは進むのであった。





 そう言っている内に部隊は最も深い窪みの中心に到着した。爆心地である。

「ここがちょうど爆心地か・・・おいっ、放射能反応はどのくらい出ている?」

 Jコマンダー部隊隊長であるキールが観測用マリオネットオービットの分析結果をエルルに質問した。



 マリオネットオービットとは、隊長機であるJコマンダーと、隊長機の指揮・統制の補助を行う副長機Jコマンドサポーター以外の半自律行動型のPFである。

 通常は隊長機・副長機それぞれ1機にマリオネットオービットが全10機といった中隊単位で行動し、「C4ISR」(指揮・統制・通信・コンピューター・監視・偵察)のうち隊長機が指揮。副長機が指揮の補助及び統制。10機のうち1〜3番機までが格闘。4〜6番機までが射撃。7・8番機が通信。9・10番機が偵察及び監視ないし観測を担当する。

 尚、コンピューター機能は全機に装備されており、常に情報の相互交換が行われている。

 また、マリオネットオービットは音声認識も可能であるが、キールはエルルの声が聞きたいが為だけに効率そっちのけで通常回線を使う事が癖になっていた。



 驚愕の事実を知る事になった。

「・・・そんなっ、現在のところ放射能は特に検知されておりません!」

 キールは意外な回答に戸惑いを隠しえなかった。

 だが、幾ら考えても核爆発以外にこれ程の被害を引き起こす原因が思い浮かばなかった。

「核以外でこれ程の破壊力を・・・ヴァリムの新兵器、あながち嘘でもなさそうだ」

 キールがそう思った瞬間接近警報が鳴り響いた。

 しかしその警報は遠距離索敵レーダーに敵影が移って反応したのではなく、ミサイル等を感知する質量回避警報装置からであった。

「後方!ミサイルか?」

 いち早く反応したキールが機体を素早く反転させた。

 しかし、そこにはミサイルではなく、今まで見た事のない特異な形状をした紅い機動兵器が立っていた。



















 

Chapter3 開戦:〜戦闘開始。希望、打ち砕かれて。



 突然現れた謎の紅い機動兵器に誰もが驚愕を禁じ得なかった。

 その形状、中量機体程度のサイズの割に重量級以上の大きさをした腕部を持っている。

 それは背部の大型バーニアと併せて、明らかに高機動パワー系の近距離戦闘特化型のものだと解った。

「なっ、バカなっ!レーダーには何も映っていなかったぞ。ステルスキャンセラー発動!!」

 キールは驚きながらもエルルに怒号を飛ばす。

「・・・っ!ネガティブ。現状あの機動兵器はWCS、レーダー共に補足可能です。その意味からあの機動兵器はレーダー範囲を超高速で飛び越えたか空間転移をしたと考えるのが自然です」

「なっ・・・何だと・・・信じられん・・・まさか、こんな事が・・・」

 キールはあまりの事実から一時放心状態となった。

 だが、それは無理もない事であった。

 なぜなら索敵用マリオネットオービットは機体そのものが観測用である特性上、その最大索敵距離は300km以上あった。

 如何に通信障害があろうとも最低数十キロの範囲は保証されている。

 事実発進したミラムーン領内の基地は、ここから約150kmの地点にあり、レーダーでも辛うじて確認されている。

 つまり敵機動兵器は何らかの方法で最低150km以上の距離を電波障害もかえりみず正確にピンポイント展開を行ったという事である。



「隊長、何をされているんですっ、指示を!」

 エルルの声で我に返ったキールはマリオネットオービットに指示を飛ばす。

「1から3番機は前衛、4から6番機が後衛っ!それより後は後方に散開」

 いつもの調子に戻ったキールの様子を見て安心するエルル。

 それを見てキールは申し訳なさそうな苦笑で返した。



 一方ハルカゼは謎の機動兵器の突然の出現と奇襲とが結び付かなかった事に疑問を持っていた。

 だが、現状でいつまで考えている訳にもいかなかった。

「B小隊は左翼、C小隊は右翼から囲め。A小隊は待機、Jコマンダー隊は私の前につけ!以後、攻撃命令あるまで待機。攻撃命令発令後ないし先制攻撃があった場合は各自各個の判断で敵を攻撃せよ。・・・なぜ攻撃してこない・・・敵じゃないのか?・・・それに何だ、あの両腕は?どう考えても不自然な形をしている。何にせよ、まずは話しかけてみるか。キール大尉、あの機動兵器に通信を繋いでくれ」

 ハルカゼは賭けに出た。

「了解。7番機前進。通信を繋ぎます」

 目標に未だ動きはない。

 キールは対峙する機動兵器に向かって使用可能なあらゆる周波数を使って交信を試みた。

 だが、前方の機動兵器からは何の反応も返ってこなかった。

「駄目です。何も反応がありません」

「我々が使用する周波数とは違うのか?」

「いえ、向こうからロックされているようです。」

 その時、B・C両小隊が攻撃配置につき、B小隊長が通信してきた。

「配置完了、指示を待つ。ハルカゼ少佐、どうしますか?」

「通信は無理か・・・仕方あるまい、あの機動兵器に直接接触する。キール大尉、無人機を1機前進させてくれ」

「了解。3番機前進せよ。エルル、余計な刺激は与えるな、慎重にやれ」

 キールが格闘用のマリオネットオービット3番機を前進させ、エルルがそれを直接操作した。

 そしてそれが機動兵器の前に立った瞬間――


「グギャァァァァァァッ」


 突然機動兵器が動き出し、3番機を巨大な腕で薙ぎ払った。

 その衝撃で機体は大破。

 直撃を受けたメインフレームは砕け、なお止まらぬ衝撃は頭部と脚部をそれぞれ胴から引き離し、30mほど吹き飛ばした。

「何ィ?くっ、各員戦闘態勢に移行。あの機動兵器を強制的に無力化、無理と判断した場合は破壊する・・・ちいっ!!」

 元より相手が味方とは思ってはいなかったが、僅かな期待を思わせ振りながら、突然掌を返すようにそれを打ち砕かれた格好となったハルカゼは舌を打ち鳴らしながら叫んだ。

 短い沈黙の後、まるでその言葉を待っていたかのように機動兵器のメインカメラが「ヴゥィィイイイイイン」という起動音と共に蒼く光った。

「っ、くっ来るぞ、撃てぇい!!」

 B小隊長が射撃開始を叫び終わった頃には敵はそこにいなかった。

 慌てて右を向くと、既に最前線の戦闘用マリオネットオービット2番機と4番機がバラバラに解体されていた。

「バカなっ、幾らなんでも速過ぎるぞ!!各機散開、出来るだけ接近戦は避けろ」

 ハルカゼは叫んだ、終始叫び放しだった。

 だが、その通信に「了解」と返信する前に聞こえて来るのは。

「うわぁぁぁぁあああっ」

 ――という悲鳴だけであった。


















 

Chapter4 戦慄:〜ヴァニシング。



 謎の機動兵器の圧倒的な性能の前に劣勢に立たされるアルサレア・ミラムーン合同調査部隊。

 そのパワーはPFの装甲を一撃で――パイロットが脱出する時間さえも与えずに粉砕し、圧倒的な機動性は、最早視認する事さえ困難なレベルに達していた。

「くっ・・・ミラムーンの部隊は全機戦闘不能か・・・これじゃぁゼクルヴでも相手にしてる方がマシだっ!!・・・隊長、撤退しましょう。このままじゃぁ全員やられてしまいます」

 比較的新人のデンソンにとって未知の、そして従来のPFを遥かに凌ぐ圧倒的なレスポンスを持つ敵は恐怖の対象でしかなかった。

「おいっ、デンソンっ!ヤバいんだったら俺が敵を引き付ける。その間にグレンリーダーを呼んでくれ」

 現在の戦況はこちらが一回攻撃する前に相手は五回攻撃してくる状況であった。

 既に半分が戦闘不能になっており、頭数が減った事で攻撃を集中されてしまう。

 このままではじりじりと削られる心配があった。

「しかし、それでは・・・」

「バカヤロウ!!このままじゃ撤退すらも出来ないんだぞ。それに、奴の機動性はこのJアサルトさえ凌駕している。だが、グレンリーダーのJUフェニックスならどうだ?少しは期待できるってモンじゃねぇか・・・だいたい、今の状態で俺以外の誰が時間を稼げると思っているんだ?この機体だってATPF計画の成果だ。そこらの機体と一緒にするんじゃねぇぞ・・・通信する時間くらいは稼いで見せるさ。行けぇ、デンソンッ!!」


 誰しもグレンリーダーに援護要請を行いたかったが、目の前の敵から僅かでも目を逸らせばやられるような気がしてならなかった。


 「通信ボタンを押しに下を向いた瞬間にはもう死んでいるかも知れない」目の前の敵の圧倒的な存在感は彼等の思考を確実に狭めていた。


「りょっ、了解」

 デンソンは背中を見せないように後退した。

 だが、敵は動きの変わったそれを見す見す見逃そうとする程甘くはなかった。

 敵は一瞬で180度反転し、デンソンに狙いを定めた。

 そして、凄まじい速度で突っ込んできた。

「させるかぁ!オーバード・ドライブ発動、吹っ飛べぇぇぇぇぇぇ!!」

 ハルカゼは自機の前方に青白いエネルギーフィールドを展開し、体当たりを敢行した。

 それは幸運にも敵の真横から激突し、デンソン少尉の左後方45度に押していった。

「今だっ、早くしろぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

「はっ、はい。グレンリーダー、救援をお願いします。こちら調査部隊、謎の機動兵器の襲撃を受けています。速く来てください」

 何とか通信するだけの時間を捻出する事に成功したデンソンはグレンリーダーに援護要請を行った。

 そして――

「なにっ、解った、今すぐ行く。それまで持ちこたえてくれ」

 幸運にもその通信はグレンリーダーの下に届いた。

 絶望だけがある訳ではない。デンソンはこれで少しは希望が持てたような気がしていた。


 通信の向こうでグレンリーダーは急いで格納庫に向かった。




 その頃、ハルカゼは敵を押しながら左腕に装着されている小型のライトパイルバンカーで殴り続けていた。

 だが、殴っている手応えはあっても効いている様には見えない。

 次第に焦ってきたハルカゼは危険をかえりみずHMを発動した。

「HM発動!これでどうだぁぁぁぁぁっ・・・うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉっ

 Jアサルトが更に輝きを増した。

 それに伴いハルカゼは更に殴り続ける。

 敵にとっても効いていない筈は無かった。

 だが、敵は反撃する事が出来なかった。

 ハルカゼの攻撃は敵に反撃の隙さえ与えていなかったのである。

 事実、HM中のJアサルトの速度は音速を超える敵の速度に匹敵する程であり、更にその状態でオーバード・ドライブを使用すれば体当たりだけでも並みのPFなら確実に粉砕できる威力がある。

 尤も、その攻撃に十分過ぎる程耐えている敵の機体は驚嘆に値するとしか言えない。

「このままなら行ける・・・」ハルカゼはそう思った。


 だが、彼に残酷な現実が襲ってきた。


「・・・エネルギーが・・・切れたぁ?」

 HMの終了硬直であった。

 もっとも、彼自身が忘れていた訳ではない。

 ただ、HMを使用しても完全な破壊に至らなかった敵の機体が異常なのである。

 敵は勢いに乗ってそのまま吹っ飛んでいったが、落下してすぐに起き上がった。


 そして通常のPFでは考えられない行動に出た。

 その機体は背部の大型バーニアを腕部に装着したのである。

 中量級の脚部に重量級以上の腕部、現れてその特異なフォルムを晒していたそのバランスは更に凶悪に、禍々しいものへと変貌した。

 最早その腕は脚部よりも太く、見るだけでダメージは死亡か良くて致命傷へと容易に結びついていた。

 その恐怖感に対して逃げ出したくなる気持ちは確実に存在していたが、それに反してエネルギーの切れている機体は動かなかった

「何だよ・・・動けない相手に奥の手使うのかよ・・・まだか、まだ硬直は解けないのかっ!」

 普段ならおよそ5秒程度動けなくなるだけの筈なのに、死の恐怖を前にした彼にとっては無限の時間に感じたのであろう。


 一方で敵は腕部に装着したバーニアから巨大なクロウが展開した。

 それはいかにも近接戦闘超特化形態と言わんばかりの外見となっていた。

 しかし、同時に「バーニアを外したから遅くなるのでは?」とも思えた。

 だが、後方に展開されるブースターの火は鮮血のように紅くなり、どう考えても炎の大きさは先刻の3倍以上になっている。

 これを見て速度が下がっているという幻想は抱き難い。

 腕に付けられたブースターは初めからリミッターとして背部に付けられていただけであると嫌と言う程に解った。

「おいまだか・・・早くしろよポンコツがぁ!!

 ハルカゼは苛立ちのあまり眼前の計器を蹴り飛ばした。

 その瞬間、「ウィィィィン」という起動音がし、機能が回復した。

「なんだよ、行けんじゃねぇか・・・良いコだ」

 全くの偶然ではあったが、ハルカゼの戦意を回復させるには幾分かの効果はあったようだ。

 しかし、そう思ったのも束の間で、蒼く光るメインカメラが「ヴィキィィィン」という起動音と共に紅く光った瞬間、紅いエネルギーフィールドを纏い、今度は先刻の2倍以上の速度で突撃してきた。

 さすがのハルカゼもやられると思った瞬間――

「俺たちも忘れてもらっちゃぁ困るぜ」

 キールの声と共に生き残っていた戦闘用マリオネットオービットが一斉に襲い掛かった。

 その僅かな減速の隙にハルカゼは退避し、その瞬間を生き延びる事が出来た。

 だが、敵は巨大な腕部で1番機と5番機のメインフレームを掴んだ。

 その瞬間「ドゴオォォォォォォォ」という凄まじい轟音と共にマリオネットオービットの機体自体が消滅した。

「なっ、何しやがった?」

 あまりに一瞬の出来事であったため、誰もが我が目を疑った。

 なぜならPF2機が残骸すら残さずに一瞬で、そして「完全」に消滅したのだから。

 しかし、少し離れていた所から見ていたエルルは恐ろしい程冷静に分析した結果を口にした。

「どうやら敵は超高出力の超振動兵器を搭載している模様です。おそらく掴まれた瞬間が最後ですから、距離をとって戦う事を推奨します」

 最早チーム内で最も冷静沈着であった筈の彼女の意識も現実から離れていた。

 だからこそ彼女は冷静で機械的な反応をする事が出来たのかもしれない。

 だが、そんな事に気が付かないハルカゼはエルルに言った。

「おいおい、あんなヤツに距離とっても無駄だぜ。見てなかったのか?幾らなんでもあの速さは反則だぜ」

 ハルカゼの一見明るいセリフは最早「投げやりな虚勢」としか言えないような状態であった。

 皆疲弊し、本隊はまだ来ない。

 頼みの綱のグレンリーダーを待つ以外に打開策は無かった。

 だが、敵はその諦観とも言える隙を見逃さなかった。

 一瞬集中力を散漫にしたハルカゼに向かって敵の機体が超高速で接近する。

 ハルカゼは上空に回避しようとするも僅かに間に合わない――が、寸前の所で残った最後のマリオネットオービットが進路を塞ぐ。

 敵は、その妨害を物ともせず蹴散らして行った。

 しかし、その甲斐あってか敵は僅かに減速し、左腕で逃れようとするJアサルトの右足を掴んだに留まった。


 だが、すかさず体を捻り足を掴んだ左腕のもう片方、右腕の掌と言える部位で右方向にいたデンソンの機体をその射線軸上に収めた。

「飛び道具?うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ・・・」

 同時に起こった2つの凄まじい衝撃が爆発音と共に周囲の空気を震わせた

 間一髪の反応で上空に逃れようとしたためにメインフレーム直撃という最大の惨事は免れたものの、量産型Jアサルトの両足を正体不明の弾丸で吹き飛ばされた。

 機体を突き抜ける激しい衝撃は脳をも貫き、頭の中に直接鈍い音が聞こえてきた。

 極度の脳震盪、下手をすれば脳内出血ものである。

 デンソンは意識を失ってしまった。

 それは明らかに光学兵器ではない。

 しかし、弾丸の形状は判別出来ず、ただ陽炎のような「ゆらぎ」が見えただけであった。



 一方、凄まじい轟音と衝撃を直接受けたハルカゼは気絶寸前になったが、300m程吹き飛ばされた後に地面に叩き付けられた衝撃で辛うじて、それも強制的に気付けられて意識を保つ事が出来た。

 尤も、機体は直撃を免れたと言っても右脚部は敵の腕部によって消滅させられていた。

 片足を失った事によってバランスと機動力の大半を失ったJアサルトはおそらく次の攻撃は避けられないだろう。

 敵は止めを刺そうと接近する。

 だが、それを止められる手段を持つ機体はこの中には存在しなかった。

「いまさら許してくれって言っても無駄なんだろうかな?・・・当然か・・・」

 ハルカゼも、ここにいる全ての兵士たちもこの状況では死を覚悟せざるを得なかった。



















 

Chapter5 希望:〜再生への救世主。



 時計は左回りに時を遡る事約5分。

 場所は戦場から300km離れたアルサレア領内の基地である。


 グレンリーダーはデンソンからの援護要請を受け、急ぎ格納庫に向かっていた。

「くっ、俺が行くまで生きていてくれよ・・・どけどけどけぇ、どいてくれぇぇぇぇ!!

 最早グレンリーダーの表情はいつもの穏健な表情ではなく、形振り構わず走るそれは天井の警報装置の赤いライトを受けて赤く色付き、正に「鬼の形相」であった。

 そして、格納庫へ続くT字路を曲がろうと思った瞬間「どすっ」という鈍い衝撃と共に格納庫から出てきた一人の兵士を吹っ飛ばした。

 グレンリーダーは慌てつつもそのまま走り去る事は出来なかった。

 彼はそういう男である。

「大丈夫か?」

「・・・っつー、何しや・・・これは元帥閣下。ご無礼を」

 そこにいたのは長い黒髪を持つ美青年、それはたまたま巡回任務から帰還した、アルサレアでは「踊る風」と言う通り名を持ち、ヴァリムでは「クレイジーウインド」と恐れられているケイオウ特尉であった。

 グレンリーダーは一つの策を思いつく

「・・・ケイオウか?良い所にいた、お前も来てくれ」

「えっ?ちょっ、うわぁぁああぁぁああああぁぁぁぁぁぁ

 少しでも戦力になる者が欲しい――これは正確には策ではない、只の思い付きである。

 グレンリーダーは状況を飲み込めないケイオウ特尉の腕を引っ張って強制的に格納庫へ連れて行った。

「何なんですか元帥閣下?せめて訳くらい教えて下さいよ」

 何も理由を聞かされず「良い所にいた、お前も来い」としか言われていないケイオウ特尉にしてみれば当然の言葉である。

 そしてそれに答えるように真剣に話した。

「調査部隊が謎の機動兵器と交戦中だ。通信の状況から察するにおそらくそう長くは保たないだろう」

 通常の場合、援軍を要請するのは部隊を統括する指揮官の役目である。

 何故なら援軍要請とは戦術だけでなく戦域・戦略的にも比較的高度な判断を要するものである。

 戦闘に於いて不利要素が否めなかった場合に外的要素を要求する判断を下す、それによって下手をすれば効果的でない戦術に戦力の逐次投入を行う事になり戦略の足並みを崩す事にも繋がる。

 指揮官にはそのための責任を負うという意味合いがあるからであり、一兵士がおいそれと援軍要請など常識的には有り得ない――指揮官の「不在」等によって部隊の戦況に壊滅的な被害を受けた時以外は、である。

 今回の援護要請は部隊を率いるハルカゼではなく、更にその副官や各小隊長でもなく、ただの一兵士であるデンソンであった。

 合同調査部隊が「壊滅的な被害を受けた時」に該当している確率は高いであろうと容易に判断出来た。

 グレンリーダーはあまりにもそれを危惧していたために少々視野が狭窄している事に気付いてはいなかった。

 しかし、当のケイオウはそれが気になってしょうがなかった。

「それは解りますが、調査って言ったらアーマイルのでしょう?元帥閣下の機体はともかく私の機体では間に合いませんよ」

 当然の言葉であった。


 ケイオウの機体は独自に開発させたブースター内蔵超速回転連撃長剣『弐式双斬破』を装備している事を最大の特徴とする専用の「マッドハッター(いかれ帽子屋)」と呼ばれる量産型Jアサルト格闘仕様である。

 如何に最大出力では音速を超えるとは言え、空戦用ではないため長距離高速巡航には限界があった。

 ましては300kmも離れた所までそれを維持するのは「単体」では不可能であった。


――ようやくそれに気付く。

「・・・そうか。すまないな」

 グレンリーダーは残念そうに格納ブロックに入ると、そこにはJUフェニックスが既に飛行変形されていただけでなく、超大型のブースターユニットが装着されていた。

 グレンリーダーは驚いた。

 ふと横を向くと整備班長と思われる人物が立っていた。

 顔には汗が滲み、明らかに疲労していると解るのだが、その表情には何故か沸き踊るようなものがあった。

「お待ちしておりました、元帥閣下。こんな事もあろうかと試作型のPF用ラムジェットブースターを装着しておきました。これなら最高マッハ6以上の速度が出せます」

「マッハ6だと?・・・凄いな」

 ――暫し立ち尽くす。

 そのような速度で大気圏内を飛行するなど速度のギネス記録を作る実験以外には考えられず、まさか自分がそんなものに乗るなどとは考えてはいなかった。

 しかし、同時に気掛かりな事もあった。


「はい・・・ですが、元々は大気圏突破、或いは宙間強襲戦用のものなので、その状態では平行移動は出来ても旋回する事は殆ど出来ません。気を付けて下さい」


 ――そしてケイオウと目を合わす。

「・・・これはケイオウ特尉も御一緒で、そういう事でしたら5分あればこれをJアサルトにも装着できます。閣下は先に出撃して下さい、彼は私が責任を持って出撃させます」

「別に責任持ってくれなくても出撃しますよ。行って下さい、元帥閣下」

 グレンリーダーは意外な展開に、それを作り出した兵達に胸を熱くし、決意の表情を持ってそれに答えた。

「グレンリーダー、出撃する!!」

 PFの発進を連想させない、例えるならロケットの発進を思わせる凄まじい轟音が轟き、グレンリーダーは発進した。

「・・・もう見えなくなりましたね・・・我々もやりましょう」

 発進に伴い室外に退避していた整備班長が大声で整備兵を召集する。



 グレンリーダーは目標地点に座標を合わせると、ラムジェットブースターを点火した。その瞬間、凄まじいGが体をシートに押し付ける。

 速度が増すに連れて体に掛かる重さも増していく。マッハ6を越えた時点でグレンリーダーは動く事もままならなかった。

(っ・・・速度は・・・時速7千・・・ぐうっ・・・まるで巡航ミサイルに乗っているようだ!!)

 流石のグレンリーダーでさえマッハ6オーバーという未知の領域に伴う衝撃には驚愕を隠し切れなかった。

 最早この状態で無理に旋回すれば死ぬであろう事は誰の目にも明らかであり、至極容易に想像出来た。


うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ・・・そろそろか、ブースター強制排除」

 グレンリーダーは目標まで50kmの地点でブースターをパージした。

 一気に体に圧し掛かる重さが和らいだのが感じられた。

 それでも機体は未だ惰性でマッハ5を維持していた。

 そのおかげでこの差し迫った状況であってもJUフェニックス単体での移動時間より約2分の短縮が出来たのであった。

 その時、ふと遠距離索敵レーダーを見たグレンリーダーは謎の機動兵器と、調査部隊の惨状を目の当たりにした。

「・・・あれか・・・何だあの機体は?くっ、今行くぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 グレンリーダーは機体のアフターバーナーを全開にした。



 その頃、ケイオウもラムジェットブースターを装着した量産型Jアサルトで発進しており、同じようにGに苦しんでいた。

「ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ・・・こんな物・・・人間の乗る物じゃねぇぇぇぇぇ」

 ケイオウ特尉程の兵士でさえもこうなるのである。

 おそらく一般の兵士が搭乗した場合はGに耐え切れずに失神するか内臓破壊を起こすであろうものであった。

 だが、ケイオウ特尉は自身の負担を顧みずスロットルを全開にした。

「うおおおおおおおおおおおおおぉぉっ・・・間に合えぇぇぇぇぇぇ・・・」







 一方、爆心地中心部では謎の機動兵器がハルカゼのJアサルトに最後の止めを刺そうとしていた。

「おいおい・・・冗談は止せよ・・・はぁ〜っ、こんな所で訳解んねぇ奴にやられて死ぬのかよ・・・死ぬ時はフェンナちゃんの膝の上でって決めてたのによぉ・・・台無しじゃねぇか」

 冗談は通じなかった。

 紅い機動兵器は無機質且つ無慈悲な銃口をハルカゼに向け、止めを刺そうと狙いを定めようとしていた。

 その時誰もがハルカゼの死を予感した。



「うおおおおおおおおっ・・・させるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 その咆哮とは裏腹にグレンリーダーは不思議な程に落ち着いていた。

 普通に考えればこのまま突撃「ライトニングフェニックス」を敢行するところであるが、JUフェニックスの最大巡航速度以上の速度で飛行している状態では液体金属を噴出したとしても定着するに至らないであろう事を頭の片隅で既に計算し終えていたのであった。

 また、飛行変形状態の機体は推進力を後方に集中するという特性上ピッチを上げない限り効果的に上昇する事が出来ない。

 そして機体は敵に攻撃するために既に高度を下げている状態であり、下手をすれば地面に激突する可能性も非常に高かったのである。

 マッハ4で巡航していたグレンリーダーは飛行変形を解除してディバイドビームライフルを一閃、間髪を入れずに増大する空気抵抗を物ともせずにマッハ3オーバーの速度でシールドの腹を敵の真横から叩きつけた。

 激突の瞬間に紅い閃光が眩く走り、周囲を紅く染め上げる。

 流石の敵もその衝撃で2〜3kmほど吹っ飛んだが、シールドは変形し、グレンリーダー自身も無傷ではなく、軽い脳震盪で意識が朦朧とした。

「何だよ・・・遅せぇじゃねぇか・・・デートの時間に遅れるなんてよぉ・・・」

 しかし、この状況にも関わらず、ハルカゼのジョークは健在であった。


















 

Chapter6 反撃:〜ケイオウ未だ到着せず。



 絶体絶命の状態にあったハルカゼを危機から救った「航空支配型PF JUフェニックス」それに搭乗している人物はグレンリーダーであったが、ラムジェットブースターの存在を知らない皆にとっては予想よりあまりに早い到着であった。

「生きているか?ハルカゼェェェ!!」

 グレンリーダーはすかさず大声でハルカゼの無事を確認した。

 だが、そこに返って来たのは意外な反応であった。


「どわぁぁぁぁぁぁぁっ、うるせぇぇぇぇぇぇっ!!耳がつぶれるだろうが!!!」


 もしかしたら通信障害のため音量を最大にしていたハルカゼにとっては死に至る可能性があったのかも知れない。

 しかし、グレンリーダーはそんな事に構わなかった。

「生きていたのか・・・どっちにしてもその損傷では戦闘は無理だ、下がっていろ」

 ――ハルカゼは少しムッとする。

 オイシイ所を持って行かれた気がしたからだ。

「大声で俺を殺そうとした割には言ってくれるじゃねぇか・・・俺でもこのザマだ、一人でやれるような奴じゃねぇぞ。それに、片足が無いだけだ、こんなナリでも第2線くらいは張れるぜ」

 確かに第二線は張れるかも知れなかったが、次の攻撃を避ける事が出来るかどうかで判断すればそれは虚勢に近かった。


 ――少し困惑する

「申し出はうれしいが・・・」

 その時、エルルから通信が入った。

「敵は再び活動を始めました。こちらに向かっています。接触まで約10秒」

 今度の声は生気を感じる「生きた声」であった。

 どうやら先刻まで我を忘れていたエルルはグレンリーダーの登場によって正気を取り戻したようであった。


 敵には大した効果がなかったのであろう、無傷ではなかったが、先程の攻撃が有効であったとは思えなかった。

「ふっ、奴が来たぞ。全くもってバケモノだろう?」

「ああ・・・信じられんな。あんなのを相手にしていてよく生きていたとしか言えん」

「くっくっくっ・・・だろう?・・・ちいっ、先に行くぞ、合わせろ」

 突然ハルカゼは脚部を切り離し、上昇した。

 その瞬間、グレンリーダーのすぐ横を「何か」が通り抜けた。

「何だ?」

「あいつは飛び道具だって使いやがるぞ、気をつけろ」

 そう言い残すと、彼は上空からオーバード・ドライブを発動し、突撃をかけた。

「うおおおおおっ、ハイパーモードっ・・・行けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 ハルカゼは最後のHMを使用した。

 しかし、既に敵はハルカゼに照準を合わせていた。

 敵は掌から「超振動砲(ヴァニシングショット)」と言うべきものを発射した。

 だが、ハルカゼ少佐は神業的な操縦によって直撃を回避し、それは最大出力のオーバード・ドライブを貫通せず、ただ機体を左右に弾くだけであった。

「今だ、グレンリーダー、一発かましてやれぇぇぇぇぇ」

「ああ、まかせろ。食らえぇぇぇぇぇぇぇっ、ライトニングフェニックスゥゥゥゥゥ!!

 グレンリーダーはHM・飛行変形し、機体全体を液体金属で覆いバーニア全開で突撃した。

 ハルカゼが上から、グレンリーダーが前からほぼ同時に突撃をかけた。

 どちらかを攻撃すればどちらかが自分に直撃する事となる。

 だが、この近距離では回避する事も不可能であった。

 しかし、敵はそのどちらも選択せず、双方の決死の突撃が直撃した。
 それを見ていた誰もが撃破したと思った。

 だが、敵を吹き飛ばしたものの倒れてはいなかった。

 ライトニングフェニックスの加速空間が短かった事も理由として挙げられるが、敵は強力な紅いエネルギーフィールドによって「完全な直撃」を避けていたのだ。

 それでも気迫で上回ったのか、敵の腹部には大きな傷が走っており、装甲の破片が散らばっていた。



「やべぇ・・・あいつ、あそこまでバケモノだったとはな・・・もう何も残ってねぇ・・・そっちはどうだ?」

 ハルカゼは精も根も尽きたような声で通信してきた。

「こちらの損傷は軽微、まだ戦える。だが、この機体の硬直は回復が遅い。次の攻撃が来るまでに動けるかが解らん」

 最早敵も満身創痍に近くはあったが、こちらに比べるとまだまだ余裕があった。

 再び窮地に陥った調査部隊とグレンリーダー。

 だが、グレンリーダーは諦めてはいなかった。

「まだだ、まだ奴がいる・・・」

 その時、後方から凄まじいスピードで接近する物体があった。


















 

Chapter7 決着:〜最後の常套手段。



 グレンリーダーとアルサレアの新たな象徴、「航空支配型PF JUフェニックス」を以ってしても謎の機動兵器の撃破には今一歩至らず、苦しい戦いを強いられる調査部隊。

 その時レーダーで確認されたのは、超音速で飛行する蒼い飛行体であった。

「後方より接近警報、速度は・・・マッハ5を遥かに超えています」

 グレンリーダーの登場で正気を取り戻していたエルルが少々ヒステリックな声を張り上げる。

「来たか・・・ケイオウ・・・」

 グレンリーダー以外は接近する飛行体の正体を知らない。




「あいつかぁ・・・あいつだなぁ・・・オーバード・ドライブ、くたばれやぁぁぁぁぁー!!

「何だあれは?・・・PF・・・Jアサルトか?」

 ハルカゼは何とか生きているセンサーでそれを捉えていた。

 だが、よく見ると、そのJアサルトにはラムジェットバーニアが装着されていたままの状態であった。

 その速度は先程のJUフェニックスのライトニングフェニックスを遥かに越える速度で突撃してきた。

「うおおおおおおぉぉぉぉぉっ、これでどうだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 凄まじい速度で突撃をかけるケイオウ、そしてJアサルト。

 だが、敵も負けじとエネルギーフィールドを展開する。

「うをおおおおぉぉぉぉ・・・ウソだろ?いくらなんでもデタラメじゃないか・・・」

 流石の突撃もエネルギーフィールドの前に阻まれていた。

 だが、量産型Jアサルトの持つ凄まじい運動エネルギー量のために徐々にではあるがそのフィールドを侵食して行った。

 それを見てケイオウの顔の口元が右上に引きつった。

「何だよ・・・驚かせやがって・・・行けんじゃねぇかよ・・・燃えてきたぜぇ、ハイパーモードだぁぁぁぁぁぁ!!

 ケイオウはHMを発動させた。

 量産型Jアサルトは更に輝きを増し、ついには敵のエネルギーフィールドの一部を貫く事にまで至った。

「見えた!こいつもついでだ、取っときな!」

 ケイオウは剥き出しになった装甲に頭部のバルカン砲を撃ちながら、そのまま敵を押し続けた。






 直撃からおよそ10秒、既に量産型Jアサルトは敵を地面に押し付けながら10km以上敵を押し続けていた。

 だが、敵のエネルギーフィールドを完全に貫通出来ていなかったため、バルカン砲だけでは致命的な一撃を与える事は出来なかった。

 敵の紅いエネルギーフィールドとJアサルトの青白いHMとオーバード・ドライブの色が混ざり合い、そこには白紫色の力場が発生していた。


 ――ケイオウには気掛かりな事があった、敵の耐久力である。


 このままでは敵を撃破する前にエネルギー切れにもなりかねない状況であった。

 その意味では外見からは全く想像も出来ない耐久力にペース配分を見失ったのはハルカゼと同じであると言える。

「うっ、そろそろエネルギーが切れるな・・・ならば、『奥の手』を使うしか・・・」

 これだけ仲間と離れ、最早援軍の望めないこの状況でも彼は何の希望も捨てていなかった。

 そう、ケイオウには「奥の手」があったのだ。



「クソッタレがぁ、新品の機体をよぉ、台無しにさせがってぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 ケイオウは怒りを撒き散らすように吐いた。


 そして、通信を聞いていた皆が「自分の常套手段の割になにデカい態度とってやがるんだ?」と思っている事を知らずに彼は自爆装置のスイッチを入れた。


 その瞬間、凄まじい爆発音がした。


 エネルギー切れ寸前のPFとはいえ、運動エネルギーの塊である機体を搭載されているジェネレーターごと一気に吹き飛ばす究極の一撃に耐えられる存在は今までに存在しなかった。

 それはあれ程の防御力を誇った紅い機動兵器も例外ではなく、やはり機能を停止せざるを得なかった。

 だが、それでも原形を留めているという事実がその異常さを雄弁に語っていた・・・






「・・・誰だよ・・・あんな奴連れて来たのは・・・」

 ハルカゼの皮肉にグレンリーダーも苦笑する。

「全く面目ないな・・・で、やったのか?」

「あのバケモノだ、まだ解らんぞ・・・だが、それを確認するのは難しいな」

 ライトニングフェニックスどころかマッハ3以上の速度で突撃しても破壊出来ないような機体である、あの爆発でも完全に破壊出来たかどうかはやはり疑って掛かる必要性があった。

 その時、自爆寸前に射出された脱出ユニットが飛んできた。

「おれっ、やりましたよ。あいつを倒しました!!」

 ケイオウの口頭により撃破を確認したグレンリーダーはホッとした表情で答えた。

「そうか、撃破したか・・・生きてようが生きていまいが、どっちにしろ今のうちに撤退するぞ。破壊されたPFは置いて行こう。動ける者は生存者をすべて回収しろ」

 ようやく訪れた絶対的恐怖からの解放の瞬間である。

「おいっ、デンソン、いつまで寝てやがる、てめぇも起きて負傷者を運ぶんだ!」

 そして、ハルカゼは気絶していたデンソンを叩き起こして無理やり救出チームに加えた。



 撃破された機体には脱出すら出来なかったコクピットがそのまま残っていた。

 もしも脱出する時間があったのなら軽傷で済んだのだろうが、メインフレームにコクピットごと埋め込まれるような形で潰された者が多く、その殆どが重傷――いや、即死を免れただけであったと言う方が妥当である。

 しかしながら運良く死者はなかった。

 それはあれだけの激戦にも関わらず奇跡的な数字であった。

 そして比較的損傷のないJコマンダーとJコマンドサポーターの各部位に乗せ、一気に撤退した。



 暫く行くと出撃した輸送機が待機しており、それに乗って「全員」がミラムーン基地まで撤退した。










 激戦から一夜明けて、アルサレアから調査本隊が到着した。

 ――そして、グレン中隊の隊長クラス一行とケイオウが遭遇した。

「いよおぉ、ケイオウ君じゃないかぁ・・・お前がバケモンを倒したんだってぇ?」

 キースがやけに軽いノリでケイオウに話しかける。

「キースぅ・・・相手は上官なのよ、もっとマトモな言葉を使いなさいよ」

 アイリがすかさず絡む。

 キースの階級は少佐で、ケイオウは特尉。

 特尉とは彼だけの特別階級であり大尉以上少佐未満という微妙なものであり、見ただけではキースの方が階級は上なのである。

 しかし、ケイオウはそれまでの戦績や新兵器開発等に多大な功績があるために特務中佐の扱いを受けているのであった。

 尤も、その「特務」扱い故に給料は中佐と同じでも少佐の指揮下に入る事にはなるのであった。



 キースとアイリが絡んでいる隙にサリアがケイオウに話し掛けた。

「謎の機動兵器ってそんなに凄かったんですかぁ?」

 ケイオウは一瞬眉をひそめた。

 如何にサリアはグレン小隊に入ってから何年も経っているとは言え、その間にケイオウは単独行動を中心にしていた。

 それでもおそらく彼はサリアと会ったことがあるのだろうが、彼は女性の顔を覚えるのを酷く苦手にしているきらいがあった。

「んっ、君は知らない顔だな、新入りなのかい、名前は何て言うんだい?」

 その言葉にキースは耳を疑った。

「おめぇ・・・いつの間にナンパ出来るようになったんだ?」

 キースは非常に驚いた表情で言った。

 だが―――

なっ、ナンパ?ええええええーっとこれはその・・・」

 まさかそれがナンパだとは思いもしなかったケイオウはとっさに狼狽する。

 その姿は滑稽ですらありキースは思わず吹き出しそうになった。

「・・・なんだよナンパじゃねーのかよ、驚かせやがって」

 キースは顔の筋肉を無理矢理落ち着けると、ホッとしたような表情で言い放った。


 顔を赤くしたケイオウはそれを振り払うように深呼吸、心機一転してサリアの方を振り向いた。

「あっ、そうそう、凄かったんですよ、あれは。何せマッハ6以上で突っ込んでも壊れなかったんですから。でも詳しくはハルカゼ少佐から聞いてみて下さい。私は最後の最後に参戦したようなものですから」

「そうなんですかぁ」

 サリアがそう言った瞬間にキースがケイオウ特尉の腕を掴んで引っ張って行った。

「今度は俺に付き合えよ、ケ・イ・オ・ウ君」

 行き先は勿論ナンパである。








 その頃、グレンリーダーとハルカゼはラウンジで深刻な話をしていた。

 グレンリーダーは空になったグラスの氷を弄びながらハルカゼに言った。

「あの機動兵器、先の爆発と何か関係があったとしたら、ファーレンにあれ程の性能を持つ機体がもう一機あると言う事だよな」

「ああ、そう考えるのが自然だろう。だが、如何にヴァリムとは言え無傷で鹵獲するのは不可能だろう。下手をすればヴァリム軍が全滅しているかもな」

 十分に考えられる話であった。

 今回の戦闘では超音速での突撃に自爆という戦術とは言えない方法で辛くも勝ちを拾っただけのようなものであり、通常の攻撃が殆ど通用しない敵に、例え一個大隊を投入しても勝てる確信がなかった。

 グレンリーダーは俯く。

「解らん。だが、噂ではファーレンにフェンリル機動師団を派遣したらしい。戦った事はないが、そこの戦闘指揮官であるレビ=プラウド中佐はヴァリム最強のパイロットだと言われている。だとすればどうなったかは未知数だ」

 どんな事も深く考え過ぎるのが彼の性格である。

 ハルカゼはその生真面目さ振りに敬意を払いつつも溜息を吐いた。

「まぁそんなに深く考えるな、いつもの癖なんだろうが、早死にしたらフェンナちゃんが悲しむぞ?・・・・・・おいおい、そんな顔するなよ・・・こっちまで恥ずかしくなるだろうが。・・・まっ、どっちにしても向こうから動かない限りはこちらがどうこうしても何も変わらないか悪化するだけだ。暫くは様子を見る事をオススメするよ、元帥閣下」

 そう言い残し、ハルカゼはラウンジを後にした。

 一方、グレンリーダーはその後も一人黙々と考え込んでいた。

 あの爆発は何だったのか。

 同時に現れたもうひとつの機動兵器。

 それらはどこから来たのか、そしてどこへ行こうとしているのかを。





 調査部隊とグレンリーダーたちによって撃破された謎の機動兵器はこの日のうちに回収され、事態は解決したかに見えた。

 だが、終幕に見えたそれは、まだほんの序幕でしかなかったという事実を知る由もなかった。



















 

Chapter8(Scenario3 Chapter−1) 再幕:〜新たな幕開け、それぞれの想い。



 グレンリーダーたちは信じられない程の性能を誇った謎の機動兵器の脅威を撃退する事に成功した。

 だが、その10日後、ミラムーン材質研究所で新たな舞台が幕を開けた。

「このチップは・・・ふはははははは・・・これこそ人類の新たな姿、私の理想・・・」








 

 翌日―――

「これが謎の機動兵器のサンプルか・・・こんなチップが動かしてりゃぁ、どれだけ速く動いてもパイロットじゃないから関係ないからな。」

「確かにな、だが、気付かないか?どう見てもこの装甲板・・・修復されているぞ」

「まさかぁ・・・確かに・・・まさか、ナノマシンか?」

「だろうな、この調子で行けばおそらく半年もあれば完全に回復するだろう」

「早く報告して処分しないと」

「まて、このサンプルを公表する訳にはいかん。これは私のものだ」

「教授、何を言っているんですか?それを使って何をする気なんです?ぐふっ・・・」

「カーリー教授、何をなさるんです?」

「すまないが黙っていて貰おう。ふふふふふ、これさえあれば私は・・・ふははははははは・・・凡人共め、私の理論が如何に優れているかを証明してやる」




 

 そして―――

「緊急事態発生!緊急事態発生!ミラムーンのカーリー=レドウィン教授が人工衛星J’s Moonを占拠。尚、そこには『軌道強襲用SPF オービタルストライカー』が多数配備されていると思われる。総員、緊急配備。繰り返す、緊急事態発生・・・」



 

 様々な人々の様々な想いを秘め、事態は静かに、だが、確実に加速して行く事になる。

 そして物語は人の欲望を吸収し、急速にその醜い姿を晒し始めるのであった。








 

Panzer Frame Corps J-Phoenix Anecdote 「Mechanized weapon from Nothingness」
Scenario1“Battle God of Crimson.”
END.


to be continued・・・Scenario2 “A Blue clap of thunder is to peal in the sky. ”


 


 管理人より

 レビさんより「虚空からの使者」シナリオ1をご投稿頂きました!!

 「出来得る限り加筆修正(当社比25%増量)」を行ったそうなので、ファンコミュで見た人も改めて読んでみてはどうでしょうか?

 ご投稿、ありがとうございました!!
 


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