読む前に:この話はガンパレードマーチのシナリオを元にして構成されています。話の中でのセリフのほとんどが作者が考えた物ですが、「原作のセリフを元にしたセリフ」がたまに入る事があります。話の関係上の為ですのでご了承ください
これは二つの物語が一つになった一例である。
第5話「力より大切な物」
「何としても持ちこたえるんだ!」
熊本空港第2次防衛ライン陣地でグレンリーダーは仲間達にそう叫んだ。
「こちらオペレーターズルーム。前方より敵大隊規模の幻獣が実体化しました」
上空で管制をしていたルリエルから様々な情報がグレンリーダーの機体のモニターや計器類に映し出された。
その様子を見ながらグレンリーダーはある人物を思い出した
(フェンナ…俺達は必ず生きて帰る)
元グレン小隊オペレーターにしてアルサレア現首相、フェンナ・クラウゼンの顔がグレンリーダーの脳裏に映った。
心から守りたいと願う人物に、届かないと解っていても届くと信じた願いを送ると正面から迫って来る幻獣の群れを睨みつけた。
「各機、攻撃開始!皆…生きて帰るぞ」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
熊本城攻防戦から3週間がたった現在、人類は圧倒的不利の立場に追い込まれてしまっていた。
確かに熊本城攻防戦から1週間の時点までは人類は優勢だった。
しかし、その1週間たった日から全てが変わった。
その日の午後、阿蘇山付近から幻獣が異常発生したのだ。
その戦力の規模は九州総軍を遥かに上回る規模であり、わずか3日で熊本地区の戦力バランスは崩壊した。
結果として大分県と宮崎県までもが陥落、遂に四国にまで上陸を開始してしまった。
状況を見かねた軍上層部は九州地区の放棄を宣言。
軍主力及び民間人の本州への撤退が開始され、1.5週間後の今日で彼らはその最後の便を守るべく熊本空港で殿を任されていた。
「目標を確認。攻撃する!」
グレンリーダーは目の前に迫って来るミノタウロス5機を一気にロックすると右肩にマウントされている9連ミサイルランチャーを発射した。
チュドドドォォォォン!!!
さらにコウスケ機のガドリング砲やシェル機やキース機のバスターランチャーが叩き込まれる。
ズガガッシャァァァー―――ン!
たちまちミノタウロスの群れは炎に包まれていった
しかし、その激しい爆炎の中からゴルゴ−ンやスキュラが勢い衰えることなく突き進んできた。
「特尉!隊長!援護します!」
タケルは尊敬する二人の上官に叫ぶと2段ジャンプで高高度に上昇しつつ、ウイングを変形して3連ショットを撃ちまくった。
「言うようになったな、タケル!神風のロンドォォ―――――!」
ヘルフェニックスは猛然と回転し、近寄ってきたゴルゴ−ンとナーガがその回転に触れるたびにミンチ肉へと変貌していた。
「この戦い…負けるわけには行かないんでな!」
ケンは両手で構えたロングレーザーソードを構えなおすと精神を集中し始めた。
目の前に迫ってきたスキュラの群れがケンに向けてレーザー砲を放とうとした。
シャ!
しかし、光は地面をえぐっただけだった。
光が放たれる少し前にケンはすでに群れの中央に移動していたのだ。
「これが今まで死んでいった者達への俺からのたむけだ…」
ロングレーザーソード(当社比2倍の長さ)の横一文字切りが決まり、スキュラは上下二つに分断されていた。
アルサレア勢が2次防衛ラインで奮戦している頃、最終防衛ラインでも5121小隊は激戦を繰り広げていた。
「各自個別に撃破せよ!輸送機のは一匹たりとも触れさせるな!」
指揮車からの無線から芝村舞の声が響いてきた。
善行が関東に帰還後、彼女が5121小隊の司令となっていたのだ。
「士魂2番機!11時の方向に敵集団を補足。攻撃するぜ」
初陣ころに比べて滝川はかなり変わった。
元々、彼は熱血に見せかけてはいるが小心者であり、閉所恐怖症を持っていた。
しかし、度重なる激戦を経た結果、エースパイロットと呼ぶに相応しいパイロットに成長していた。
「おめぇらを一歩も通すわけにはいかねぇんだよ!」
滝川は両手で構えた92mライフルでゴルゴ−ンやキメラなどの長距離射撃重視の幻獣の撃破に専念していた。
「はぁっ!」
「愛と正義の狂戦士(銘々者:瀬戸口)」こと、壬生屋の甲高い掛け声と共にミノタウロスが袈裟懸けに斬り倒された。
さらに、右足を軸として回転しつつ、左右から迫ってきたミノタウロス×2を撃破した。
滝川が支援型幻獣を撃破しつつ、同時に壬生屋もミノタウロスなどの接近戦型幻獣を撃破していた。
二人はお互いに支援しながら確実に敵を撃破しているのだった。
だが、いかに質が高くても量を圧倒する事は出来ない。それは太平洋戦争の結果や一年戦争の結果でも明らかである(アルサレアとヴァリムは例外とする)
いくら撃破してもすぐに補充戦力がその穴を埋める。
対して5121小隊の戦力は彼ら2機と、前線に援軍として向かって行った速水の「士翼号」のみである。
「未央ちゃんにロケット弾の着弾を確認。神経接続低下、照準装置故障…そのままじゃメーなの!」
派手なチャンバラをしていた壬生屋の耳に指揮車にいる東原からの損傷を知らせる報告が入ってきた。
「まだ…大丈夫です。奴らには3倍にして返して差し上げます!」
口では強がって言うものの、あまりの戦力差から内心ではかなり焦っていた。
「おい、壬生屋!敵がお前さんに集まってやがる!早く滝川と合流しろ!」
瀬戸口から事態が重くなった事を現す通信が入った。
「いえ、退いては輸送機を守れません!」
そう言って壬生屋は通信を切った。
そして目の前に迫って来る集団を睨み付けると何時でも突撃できるように構えた。
その時、風が吹いたような気がした。
そして最も頼りになる者の声が聞こえた。
「壬生屋さん。後退して補給してきて!」
その瞬間、幻獣の群れの中に嵐が吹いた。
速水の駆る士翼号が両手で持った武楽器「剣鈴」を使い、嵐のような斬劇を展開していたのだ。
その威力はケイオウの神風のロンドに劣らないほどの威力を持っており、斬劇が止んだ頃には士翼号以外にその場に立っている物はいなかった。
その頃、指揮車の中で芝村は事の成り行きを静かに見守ると同時に他の事を考えていた。
それは、この戦いで彼らが勝利した後にどうやってこの戦域を脱出するかである。
本来なら輸送機で脱出する物ではあるが、彼らが守っている物がその最終便である。
その案は無論却下であった。
そんな中でランクの高い通信が入ってきた。
「こちら生徒会連合参謀本部。5121小隊聞こえるか?」
「こちら5121小隊司令、芝村だ。何か命令か?」
本来、直接話すことなど考えもしない所から通信に懸念しつつ芝村は応じた。
「ああ。もうすぐ輸送機の最終便が出る。」
「分かっておる!」
自分達が防衛している物を言われて芝村は少し怒鳴っていった。それだけ時間が惜しいと思ったのだ。
「ここは我々が引き受ける!貴公達はそれに乗って脱出してくれ!他の機体は破棄せざるえないが士翼号は…我々の切り札は持ち帰れるはずだ!」
「なっ!何故我々が?」
予想もしなかった命令に芝村は聞き返した。
しかし、参謀本部の者達は淡々と、だが力強く言った。
「これからの戦いに君達は必要な存在だ。我々の身勝手な判断だが君達をここで失うよりもこれからも戦い続けてほしい!なに、参謀本部だって張子の虎のような存在じゃない!そこから先には何人たりとも通しはしない!」
「了解した…勝利を!」
参謀本部からの最終命令を聞いた芝村は静かに答えた。
そしてすぐに5121小隊の面々に命令した。
「各員…速やかに後退せよ!2番機と1番機はその場で自爆処理をして輸送機へ!士翼号は輸送機のそのまま乗り込め!…参謀本部の最後の命令だ、絶対に違反するな!」
普段は冷静な芝村なのにこの時ばかりは違った。そしてその思いが通じたのか、各員速やかに輸送機に搭乗した。
「じゃあな…相棒。」
滝川は自爆していく愛機を見ながら小声で言った。
「貴方方を絶対に忘れません…」
熊本空港で、尚も防衛線を構築している部隊に対して壬生屋は言った。
「各員…敬礼!」
芝村はそう言って、可憐-本国仕様に装備されているカタナと盾で奮戦している参謀本部の者達に向かって敬礼をした。
こうして5121小隊は九州からの脱出に成功したのだった。
5121小隊が脱出した頃と同じ頃、未だにアルサレア勢は幻獣軍に対して徹底抗戦の構えを取っていた。
「コンノォォー――――――!!!!」
「とっとと死にさらせぇー―――――!」
アイリとキースの叫びが攻撃となってミノタウロスに向かっていった。
すでに戦闘を開始して6時間も戦っていた。
キースやサリア達は合間に休憩を入れるものの、グレンリーダーやケイオウはそのままぶっ通しで戦っていた。
「さあ、踊りなさい」
「チェーーーストォォォー――――!」
ゴールドとケンの声が響いた。
この二人もまた超過勤務組みである。
第2次防衛ラインのほとんどの部隊が沈黙する中で彼等は唯一残っていた。
しかし、その限界も近付いている事も確かであった。
その時、空港から一機の飛行機が飛び立ったのが彼らの目に見えた。
「グレンリーダー!最終便が出発したそうです。」
輸送機でオペレーター業務をしていたルリエルから報告があった。
その報告は作戦終了で現地点の放棄、及び本州への撤退を意味していた。
どの機体も活動限界が迫っておりグレンリーダーは他の小隊に呼びかけた。
「こちらグレンリーダー。作戦は我々の勝利だ。現時刻を持ってここを破棄、撤退に移る」
ケンやケイオウにはその声は闇の中で光明を見出した部分と悔しさを隠すような部分が混じったように聞こえた。
そんなグレンリーダーの命令に対しタケルはありえないことを口走った。
「俺は…撤退はしない。絶対に撤退はしない!」
何とタケルはそう言って熊本空港最終防衛ラインに向かっていったのだ。
「あんの馬鹿!」
コウスケは呆れ半分、怒り半分の口調で文句を言った。
「グレンリーダー、ケイオウ特尉。あいつを連れ戻してくる。すまないがもう少し待ってくれないか?」
その声を聞いたグレンリーダーは当然と言った具合に答えた。
「分かってる…絶対に死なせるなよ」
ケン達スラッシュ小隊はすぐさまタケルを追っていった。
「各員、一人十殺だ!生徒会本部の意地を見せるぞ!」
熊本学生連合軍生徒会長…つまり学兵達のトップに位置し、専用士魂号である「稲妻の狐」を纏った女性、幾島香苗はすでに満身創痍になりつつある部下を鼓舞しながら戦っていた。
「会長…先に逝きます。」
側近Aの戦車がナーガのレーザーから幾島を庇って炎上した。
彼女は部下達を撃ち殺したナーガを睨むと両腕で構えたライフルを撃ちまくった。
多数の20m弾を受けたナーガは全身から血を噴きだしながら崩れ落ちた。
「次!」
幾島が次の敵を狙おうとした瞬間、ナーガの後方より現われたミノタウロスが胸部から生体ミサイルを放とうと身構えていた。
「!!?」
彼女は死を覚悟したが睨みつづけていた。
「貴様ら如きに…」
死を覚悟した幾島は睨み続けながら呟いた。
だが、ミサイルが発射されようとした時、タケルのJファーカスタムのアサシンファングがミノタウロスを両断していた。
「センパー――イ!」
タケルは外部スピーカーをオンにして叫びながら両腕に持っているアサシンファングでミノタウロスを切り伏せた。
「先輩!怪我無いっスか?」
「タケル…君?」
幾島は呆然としながら目の前のJファーカスタムを見上げた。
「先輩…あんま話してるヒマ無いッスよ。来ます!」
そう叫ぶとタケルは2段ジャンプで高高度まで上昇し、中型幻獣の群れにダイブを掛けた。
「俺は…俺達はぁぁ――――!」
高高度からの急ダイブで肺の中の空気が絞り出されるような感覚に耐えつつタケルは声を振り絞り叫んだ。
タケル機の真下に位置していたミノタウロスは脳天を砕かれ、その足元に配置されていたゴブリン20匹は踏み付けになった。
タケルの降下地点の周りは敵だらけだった。
タケルはツインバルカンの発射トリガーを固定にすると両腕を振りまくった。
その結果、タケルの周りには幻獣の屍が大量に転がっていた。
だが、その一方でタケルのJファーカスタムも多数の弾痕が生まれていた。
度重なる砲撃の嵐にタケルのJファーカスタムは満身創痍でいつ戦闘不能になってもおかしくない状態だった。
「まだ…あいつらの為にも死ぬわけにわぁー―――!」
しかし、タケルの頭に映ったのはここには居ない幼馴染の顔だった。
走馬灯が過ったもののすぐにタケルは現実に戻った。
目の前にはミノタウロスが迫って来る。
しかし、すでにツインバルカンの弾へ切れており、アサシンファングの刃は使い物にならなくなっていた。
「一人で逝ってどうにかなるのか…?」
通信越しにケンの声が入ってきた。
観るとスラッシュ小隊の機体がタケルの周囲の敵を駆逐していた。
「ったく…自分の身は自分で守るって言う言葉があっけど、一人じゃ自分すら守れない事に気付かないもんかねぇ〜」
さらにコウスケから呆れ返った声で通信が入ってきた。
「皆…」
タケルは本当にうれしそうな声で言った。
一人で残ると入ったものの、やはり自分一人では後悔の念があったのだ。
「よそ見してはいけませんわ!」
シオンから切羽詰った声が聞こえた。
満身創痍のタケル機に大量の小型幻獣が押し迫ってきたのだ。
「ちぃ!」
タケルは舌打ちした。
すでにタケル機には戦闘するだけの弾薬もエネルギーも尽き掛けていたのだ。
「タケル君!ぼさっとしないで!」
幾島は叫びながらライフルでタケル機を援護し始めた。
「先輩…」
タケルがまだ無事と言う事を確認した幾島は言った
「タケル君…それにタケル君の戦友さんに命令します。君達は現時刻を持ってこの場を放棄、すぐに撤退しなさい!」
唐突な幾島の命令にタケルは当然のごとく反論した。
「ちょ、ちょっと待ってください先輩!今、俺らが抜けたら!」
「一個小隊が抜けた所で戦局は変わらないわ。それよりもすぐに本州に行って!」
タケルは必死になって自分がこの場に残れるように説得しようとした。
だが、幾島も負けずに反論した。
「貴方は九州出身じゃないでしょう、この場所に無理に義理立てしなくて良いのよ…」
「関係無いです!俺は…あの時から絶対に撤退しないって決めたんです!」
幾島はタケルの信念の強さを頼もしく思った。同時に、彼をこの場に残らせてはいけないと心に決めた。
「よく聞きなさい!われわれは何も死ぬ為にここに残るわけではないのよ。この戦闘が終わり次第、福岡から本州に撤退する気よ!
でもね、まだ福岡に到達してない民間人も居る、私達は自分達と同郷だからこそ、そして軍人の本来の役目「ただ弱き物の剣となり盾となる」のためにいるの。
勿論、それは建前に過ぎないのは分かってるわ。
でも、今まで死んでいった皆の大切な者…それだけじゃないわ、その守りたかった心や信念を私は守りたいの!
この戦いはある意味、私の我侭…モッコス(熊本弁式頑固者の意味)の意地ね。
そんなことに貴方は付き合っていてはダメ。貴方はもっとたくさんの人達やその心を護る事ができるわ!私が保証する。
だから…こんな所に残ってないで本州で「ただ弱き者達の刃」となって…そして、希望の翼を世界に広げて…
話が長くなってごめんなさいね。最終命令です!本州に転進し、一人でも多くの人たちを守れ!分かったら行け!」
幾島のその命令にタケルは拒否することが出来るわけもなかった。
「了解しました…勝利を!」
タケルは…彼だけでなくスラッシュ小隊の面々は幾島に敬礼をしていた。
「少佐〜、タケルく〜ん!」
敬礼が終わったタイミングでルリエルから通信が入ってきた。
「ルリエルさんか?すまん、待たせた!」
「いいえ。それよりも早くして下さい。敵が接近中です」
ルリエルの報告どおり、すでに敵の大群が目の前に迫っていた。
「皆さ〜ん!思いっきりジャンプしてくださ〜い!」
ルリエルが何をしようとしているのか分からないスラッシュ小隊の面々は不思議に思いながらもブーストを併用して飛び上がった。
輸送機のモニターでどの機体も飛び上がったのを確認したルリエルは輸送機の前面ハッチを開放するとスラッシュ小隊の機体に全速力で向かって行った。
「エエェェイ!一撃必収!!!」
その魂の叫び(?)と共にルリエルはマッハ5まで加速すると前面ハッチを開き、飛び上がってきたPFを虫取り網で採るかのように回収した。
「回収終了〜さ〜ぁて〜行きま、ギャフッ!」
輸送機コクピット内に激しい振動が来てルリエルは操縦桿に額をぶつけた。
スラッシュ小隊のPFを回収したルリエルの輸送機が上昇中、地上に展開しているナーガやキメラなどの光砲(長射程レーザー)が襲ったのだ。
激しい弾幕により回避を取らなければならず、高度を取れない状況になってしまったのだった。
「くそっ!」
ルリエルの手で回収されたタケルは敵の対空砲撃の所為で身動きが取れないことに苛立っていた。
(これじゃあ…先輩の信念が…)
そう考えている時、なんとゴールドが前部ハッチを開けて一人で降下したのだ。
「ちょっ、ちょっとゴールドさん!何やってんですか!」
輸送機から降下していったゴールド機にタケルは通信越しで叫んだ。
「いえ、ちょっと下の奴らを蹴散らして来るだけですわ」
「んな無茶な!それじゃあ輸送機に戻って…」
言葉の途中でタケルはゴールドの思惑に気付いた。
ゴールドは最初から輸送機に戻ってくる気は無いのだ。
さっきまでの自分の行動を無視してタケルは止めようとした。
「戻ってきてください!」
しかしゴールドはそんな事をお構いなく言い返した。
「どうせこの場で誰かが残らなければ本州帰還はまず無理でしょうね。それに私にはここでやり残した事がありますし」
後半部分はともかく前半は事実であった。
一人では説得できないと判断したのかタケルはケイオウに援助を求めようとした。
「特尉も言ってください!」
しかしケイオウの口から出た物はタケルの思惑とは全く反対の物のだった。
「また会おう!例えどんなに離れていても忘れる事は無いだろう。何故ならまた会えるからだ!存分に今為すべき事をして来い!」
「特尉〜…」
最高の援軍が敵に変わってしまってタケルはかなり焦った。
他の人に説得を頼んでも聞くわけはないと思い、実力行使で止め様とハッチから身を乗り出した時ゴールドから通信が入ってきた。
「よく聞きなさいタケル!
確かに貴方にはこの世界を護る義務は無いわ。でもね、義務は無いけど権利はあるの!
貴方が今この世界にいる義務は無いわ、でも権利はあるの。
権利はあるだけでは何も変わらないわ。使ってこそ初めて意味があるの。
その権利は誰でもない貴方だけの物でもあるの。
私にも権利はあるの、そう今ここで貴方達を無事に飛ばす事。
…前置きが長すぎたわね。
貴方は貴方であるが故の権利を…生き様を行きなさい!」
もはやタケルには何も言い返すことは出来るわけもなかった。
実際、タケルは話の半分も理解はしていなかった。
だが、ゴールドの信念の様な物に答えたいと思ったのだ。
「また会いましょう!」
唯そう叫ぶしかタケルには出来なかった。
着地すると同時にゴールドは輸送機を狙っていたナーガやキメラを槍で一瞬で殲滅した。
その時を待っていたかのように輸送機は高度を上げて東の空へ消えていった。
その無事を確認したゴールド機の近くに幾島香苗が近寄ってきた。
「お久しぶりですわね、香苗」
「また会うとはね…ゴールドさん。」
幾島機の通信モニターが死んでいたためにモニターに顔が映らず、お互いに誰だか分からないと思われたが関係無かった。
「また貴方が来るとはねぇ〜もしかして、また瞬間転移が原因?」
「ええ、そうですわ。それにしてもタケル君と貴方が知り合いとは驚きでしたわ」
二人は迫って来る幻獣と戦いながら昔の思い出に浸りつつ話していた。
「2度も事故ルなんて誰も思わなかったでしょうね。そういや、彼とは上手く行ってるの?」
「どうでしょう?ただ、彼は私を必要としています。ですからそれが私の居る意味ですわ」
二人のとりとめも無い会話が続いた後、急に幾島は真面目な声で話し出した
「おじ様は貴方に何を話したの?聞けずじまいであの方は死んでしまったけど重要な事?」
「さあ?なんでしょうね?ただ、私がこの世界でやる事を押し付けられただけですわ」
そこまで聞いて幾島はこれ以上の質問を止めようとした。
どうせ、無理に聞き出しても自分には意味が無い事と悟ったからだ。
「じゃあ…ゴールドさんの「第2次この世界来日記念」の戦いでも始めますか!」
すでに戦闘自体は始まっていたのだがお構いなく幾島は叫んだ。
こうして…二人の聖女は地獄と変わらない戦場へと駆け出していった。
この先に何が待っているのかは誰にも分からない。
今の彼女たちには関係のないことだからである。
6話に続く
後書き
つー訳で5話が終わりました
オリジナル編突入です。(と言っても熊本空港防衛戦はゲーム中にある)
言い訳がましいですが、今回はオリジナル編とは言えなかったかも(烈汗)
今気付いたんですが、6話で終わらないし…
珍しく完全シリアスだった(大汗)
今回の話でゴールドに関するこの話の謎が出てきました。(謝)
ぶっちゃけ、ご都合主義のかたまりですね(苦笑)
と言うわけで7話ぐらいまで続くと思いますがよろしくお願いします
追加設定
多少(そんなレベルではない)の疑問点が出た方もいると思うので書き込みたいと思います。もう、無許可的な内容も含んでます。
2段ジャンプ:タケルの必殺技。一度目にブーストジャンプ(ブースターの瞬間噴射と脚部ジャンプの併用)した後、空中でもう一度ブースタージャンプをする。
これにより、空中での急激な移動が可能。
ジャンプキャンセル:タケルの必殺技。前回登場したが説明を入れなかったのでここに書きます。
跳躍中、一瞬だけ下方向へブースターを全開にして急降下する。
幾島佳苗:このキャラを書き終わってはじめて気付いたのですが、学生連合の最高司令官って林凛子って人の間違いでした(謝)
それはあえてオリジナル設定として割り切ってください(又も謝)
この人(幾島の方)ですが、公式設定だと九州総軍の中で「最強の女傑」と言う設定持ちです。
しかも、ただ出すわけではどうかと思いますしタケルの先輩と言う設定で出しました。
他にもゴールドと友人関係を持っているなどこの話にいろいろと影響するかも
「稲妻の狐」:幾島佳苗専用士魂号である。本当は戦闘服のはずでしたが、「最強の女傑」である彼女専用の士魂号があっても良いんじゃないかと言う理由で変えました。(んな理由で…)
とにかく、通常機より性能が良いと思ってください。
可憐本国使用:4本腕の戦闘服「可憐」のバリェーション。
歩兵は火器を装備して初めて効果があると作者は思うのだが、そんな考えを真っ向から否定する装備であり、剣と盾を一個ずつ持っているだけと言う歩兵にあるまじき装備をしている。
作者は初めて使ったとき、面白かったが利用価値が低くてすぐに廃棄した(笑)
モッコス:熊本弁式頑固者の意味。
ゴールドと幾島:今までの話の中でゴールドとケイオウが地球の話をしていたり、士翼号を目覚めさせたりとしていましたが、(ここからオリジナル)早い話、ゴールドとケイオウは以前に一度だけ瞬間転移でこの地球に来ていた(勝手な設定を付け足してスイマセン、踊る風様)。そして、その際にユーリと呼ばれる人物と共同して世界の謎を知ったり、士翼号を建造したりと暗躍していたという設定です。
見事なまでのご都合主義ですね(自分で言うな)
管理人より
神楽歌さんより第5話をご投稿頂きました!!
オリジナルの展開ですか・・・・
さて、これからどうなるのか楽しみですね(笑)