読む前に:この話はガンパレードマーチのシナリオを元にして構成されています。話の中でのセリフのほとんどが作者が考えた物ですが、「原作のセリフを元にしたセリフ」がたまに入る事があります。話の関係上の為ですのでご了承ください



これは二つの物語が一つになった一例である。









機甲兵団Jフェニックス+高機動幻想ガンパレードマーチ



翼と翼をつなぐ歌









 

 第3話「告白?」




「なんつーか、いい加減慣れたな…」

「確かにな…ヴァリムと違って相手は正真正銘の怪獣共だ」

 ケンとコウスケは雑談しながら攻撃命令を待っていた。

 現在、彼らは阿蘇山周辺・阿蘇特別地区にて待機をしていた。

「実際…こんなとこに来て、怪獣相手にドンパチするなんて夢にも思わなかったぜ?」

「安心しろ…俺もだ」

 熊本市街地での戦闘で彼らの存在は「最強のエース部隊」と全軍に知れ渡った。


 なんせ、常識を逸脱した戦力差で戦闘を繰り返しながらも損害が皆無であったからだ


 しかし、それが彼らの不幸だったかもしれない。

 その戦闘から2週間の間に計10回もの戦闘を行なう事になってしまう事になったからである。

 その度に在り得ない様な戦力差の戦闘ばかりだったが、今のところはたいした被害は無かった。


 そんな中でケンは自分が気になっていた事をコウスケに打ち明けようとした。

「コウスケ、この頃の戦闘、どう思う?」

「やっぱ、お前も気になるか?撤退支援に孤立部隊救助。この様子じゃな…」

 コウスケの言ったとおり、最近の戦闘は崩壊した戦線の穴埋めや撤退戦の援護など明らかに守勢に回っている作戦ばかりだった。

 この時、彼らは知らない事であったが、その時点で鹿児島、長崎、佐賀県はすでに陥落しており、九州の人類の生存圏は宮崎と福岡に大分、そして熊本を残すのみとなっていた


「持って1ヶ月…そんくらい持てば良い方だな」

「上がもっと考えてくれればいいだけどな〜」

『もう少し戦えば逃げられる』そんな考えがあるからこそ2人はまだ楽観視していたのだった。






「隊長、なんだってこんな場所が独立した区域になっているんでしょうね?」

 アイリは自分たちが戦闘する区域に対しての疑問をグレンリーダーに打ち明けた。

「聞いた話だとな。何でもこの山に九州を統べる神が眠っているとか言う伝承があるそうだ」

「いまどき神様ってのもな〜。ホントにそんなもん役に立つのかよ?」

 グレンリーダーの答えにキースは苦笑しながら答えた。

「さあな。まぁ、何かを信じる物を持ちながら戦えればそれだけでも強くなる。そう言う物だ」

 そう言いながらグレンリーダーはアルサレア戦役の最終決戦で戦ったグリュウを思い浮かべた。



(お前はヴァリムの平和を信じて戦っていたんだな、グリュウ)



「たいちょう〜、出撃命令が出ましたぁ〜!特尉が叫んでますぅ〜」

 かつての好敵手の最後を思い出している時、サリアからの通信が入った。

 さらに前線で戦っていた部隊から歓声が聞こえてくる。

「さ〜すが、ケイオウ君。相変わらず人気者だねぇ〜」

 キースはうれしそうに言った。この数週間の戦闘の際、ケイオウは決まって誓いを叫びながら戦っていた。

 そして、ケイオウの敵陣中央停止行動や圧倒的な強さから有名人となっていた。

 実際、彼に憧れて歩兵で敵陣にカトラス(軍刀の様な物)で突撃をかます者も増えた。

 グレンリーダーの顔が締まった。

「グレン小隊、突入する!他の小隊に遅れるなよ」

「了解!2話で出番無かった分、ヤツ当たりしてやるんだからぁー――!」

「YEAH!」

「たいちょう〜ガ〜ンバ」

 友軍の戦車・士魂号L型から砲弾が飛び交う中をグレン小隊の面々は駆け抜けていった。








> グレン小隊が突撃をしたとき5121小隊も戦闘を開始しようとしていた。

「は〜い、5121小隊のプリンスこと瀬戸口だ。今回の敵は今までより厄介だぜ。パイロットのみんなは注意するように」

 オペレーターの瀬戸口の陽気な声が通信で広がった。

 彼の話し方や内容はおおよそ軍隊ではありえない様なものだが、オペレーターとしての技術は1流だった。

「後、15分ぐらいでグレン小隊とスラッシュ小隊が敵の主力を引きつけて火力集中地点に誘い込む手はずだ。それまで各自に敵を潰しとけ」

 簡単に作戦を説明するとコンソールを動かしながら戦区の敵の展開データを呼び出しつつ、それを処理してパイロットたちに送り始めた。

 彼らのようなオペレーターが居るからこそ前線でパイロットたちが迷わず行動できるのだった。

















 

「サリアー!行くわよ〜〜!」

「センパ〜イ!いいですよ〜」

 アイリはサリアに通信を送り、返事がきた事を確認するとミノタウロスを持ち上げてそのままサリアに投げつけた。

「せ〜の〜!」

 サリアに激突する瞬間、サリアは両手で持ったハンマーを使い、1本足打法で打ち返したのだ

 その飛距離、軽く3キロは吹き飛んだだろう。


「ナ〜イス、バッティング!サリア!」

「えへへへへへ、うれしいですぅ〜」



「まぁ…あいつら、何て言うか、恐ろしい技編み出したんだな」

 アイリとサリアの新CBを見たキースは恐怖におののいていた。

 生身でも出来そうな技であるからこそ、自分がかけられる可能性の恐怖がキースにあった。

「キース。それよりも敵の駆逐を開始する。支援を頼む!」

「YEAH!」

 グレンリーダーの命令を聞いたキースはバスターランチャーを構え、敵の密集地点に発射した。その一撃で中型、小型を問わずに消滅する。

 幸運にも生き残った幻獣もいたが、結局は不幸であった。

 アームドの肩に備えられていたレールキャノンと9連ミサイルポッドから発射された多くの砲弾がさらに戦果を広げていった。

「敵は後退を開始した!キース、援護を頼む!」

 グレンリーダーはキースに指示を飛ばすとそのままアームドのブースターを全開に持っていき、敵集団に斬りかかった。







 グレンリーダーの実力はいまさら問うまでも無い、レーザーソードが振り下ろされるたびに屍骸が生産されていった。

 その一方でグレンリーダ−が攻撃しなかった敵をキースが撃破していったのは言うまでも無い。

 キースが援護射撃をしてるとき、ルリエルから緊急通信が入ってきた。

「キースさん!グレンリーダー!敵後方から巨大な熱源が接近中です。」

「隊長!あぶねぇ!」

 オペレートを担当していたルリエルの通信を聞いている途中、キースは敵後方から何かが発射されるような気配に気付きグレンリーダ−に知らせた。

「何!」

 グレンリーダーが通信に反応しシールドを構えた瞬間、激しい振動がグレンリーダーのコクピッドを襲った。

 そしてグレンリーダーとキースのコクピッドのモニターにいかにも生物ですと言っている様な気球のような生物が映っていた。

「バスターランチャー?!」

「いえ違います。アレは…奴らの新型。スキュラです」

 グレンリーダーの疑問に答えるように通信に善行が割り込んできた。

「スキュラ?」

「はい。あの幻獣は高出力レーザーが1つ、迎撃戦用小型レーザー砲多数、さらに腹部には自爆型幻獣を投下する場所も在ります。今のところは世界で200体程度しか確認されていませんがかなりの強敵ですので注意を!」

 答えるより早くグレンリーダーは動いていた。肩のレールキャノンで牽制しつつ接近を試みていた。

 だが!

「何て火力だ!」

 近づこうにも多数のレーザーが飛んでくる状況である、その猛攻の前に機動速度が落ちてしまうのであった。

「隊長、友軍から支援が入るそうだ!伏せろ!」

 キースが叫ぶと同時に榴弾・ロケッド弾の雨がグレンリーダーとスキュラを中心に降り注いだ。

 グレンリーダーは近くの崖を盾にし、やり過ごす事にした。

 その一方でキースはスキュラの周囲に展開していた援軍の幻獣を潰していた。

「隊長!支援が後20秒で止む!周りの雑魚は潰しておくから決めてくれ!」

「わかった!」

 キースは通信を送りながらも懸命にガドリングとキャノンを乱射していた。

 そして、砲撃の雨が止むと同時にグレンリーダーはアームドのブースターでスキュラの上空に上昇し、そのままフルダイブをかけながらスキュラをレーザーソードで一刀両断にした。

「さ〜すが隊長!ソツがないねぇ〜」

「キース、礼を言う」

「いや、イイってことよ。にしてもよ、スキュラって奴だが結構厄介だな」

「ああ。あいつら無事だといいが…」










 その頃、5121小隊もまたスキュラを含む部隊と交戦していた。

「ちぃ!あのスキュラの砲撃がここまでとは!」

 芝村は歯軋りしながら目の前のミノタウロスをロックしようとした。

 だが、寸前でスキュラのレーザーの雨が降り注ぎ、回避の為にロックを外さねばならなかった。

「滝川!バズーカは!?」

 芝村と同乗している速水は士魂号2番機の滝川に訴えた。

「すまねぇ!積んでねぇんだ」

 速水の呼びかけにも虚しく滝川は否定の言葉をした。

「煙幕弾さえ持ってくればな…」

 速水は自分の武装選択のミスを嘆いた。

 いかに威力のあるレーザーでも煙幕などを張れば威力は減衰し有効弾にはなりえない。

 そして、速水たち3番機には煙幕弾の発射可能な武器・ジャイアントアサルトを装備しているのであった。

「速水!無い物ねだりをしている暇があるなら壬生屋を援護せよ!思いのほか損傷がでかい!」

 壬生屋の駆る士魂号1番機は二刀流とその重装甲から敵陣への切り込みを役目とし、多数の幻獣を葬ってはいた。

 だが、この戦いではスキュラの砲撃の前に攻撃がかなり阻害され、さらに他の敵からの砲撃もあり損傷が激しい状態だった。


3番機!1番機の損傷が限界に近い!脱出させるから援護しろ!」

 瀬戸口の叫びと同時に1番機から無線が入った。

「残念ですが先に撤退します。みなさん、お気をつけて…」

 その瞬間、1番機の後部から脱出ポッドが射出された。

 1番機がなくなると同時にその抜けた場所から幻獣が雪崩のように押し寄せてきた。

 それでも2番機と3番機は必死に弾幕を張り援軍を待ち続けたが、遂に2番機のライフルの弾丸が尽きた。

「滝川!後退しろ!スキュラの射線に入っている!」

「え!」

 滝川が声を出した時、スキュラのレーザーが2番機に突き刺さった。

 その一撃は完璧な直撃で2番機は動かなくなった。

 さらに瀬戸口から通信が入る。

「滝川機の脱出ポッドが作動しなかったらしい。あいつを拾ってお前たちも後退しろ!」

 しかし、芝村は瀬戸口に異を唱えた。

「いやだめだ!この様子ではすぐに追いつかれる!援軍が来るまで3番機で時間を稼ぐ!」

「…分かった。死ぬな!」

 瀬戸口も実際に後退が間に合わないという事は分かっていた。それでも彼は後退しろとは言った。にもかかわらず芝村は残らないと言い返したのだ。

 瀬戸口は彼女の決意を信じる気になったのだ。












 

「厚志よ…我ら芝村にとって戦場は故郷のような物…だが、お前は違う。私に構わず脱出しろ!」

「あのね、舞。僕が初陣の前にいったことを覚えている。いつまでも君と一緒にいるって」

 芝村の撤退命令に対し、速水は初陣の前にいった誓いを出した。

 誓いと言ってもケイオウ特尉のような物ではなく、一種の告白であった。

「…そうか。だが厚志、これだけは覚えておいてくれ」

 芝村は一息つくと始めた。


「竜は最初から強かった訳ではない。竜も元はトカゲだ。だが、強くならねばならなかったから強くなった。火を吐かねばならなかったから火を噴くようになった。
 人がただの人であることに異議を唱えた時、「ただ」の人間ではなくなる。だがそれは悪い事ではない。「ただの人間」では「ただ」ではない事態に何も出来ずに流されてしまう」

 そしてまた一息をつき話した。

「昔、父が言っていた。お前を守るためにHEROが現われると…私はお前がHEROだとうれしい…」


 正直、芝村は自分でも何を言っているのか分からなかった(作者も)。

 ただ、イイ話をして告白をしようとしただけなのだが、いつのまにか意味不明の話に変わっていた。

 だが、速水は理解したのか、その内容を肯定的に受け取った。

「もう、舞ったら。僕は何時までも君と一緒に居るって言ったんだよ」

「…そうだな!行くぞ!」

 3番機が駆け出していった。










 その後の3番機の戦いは凄まじい物だった。敵はスキュラだけでなくミノタウロスやゴルゴ―ンなど中型の幻獣も大量に居た。

 それにも関わらず3番機はそのポテンシャル以上の動きを駆使し互角以上に戦ってはいた。

「厚志!敵中央部に行くぞ!このままではジリ貧だ。ミサイルで行く!」

 芝村の命令に速水は即座に反応し3番機を砲撃の雨の中に駆け抜けさせた。

 3番機の周りにたくさんの生体ミサイルやレーザーが着弾する、だが一撃も掠らなかった。

「厚志よ…HEROの条件の一つだったが、学習能力がある。まさに今のお前はそれだ」

 速水は気付いてはいなかったが芝村は速水の回避の秘密に気付いていた。

 速水はこれまでの戦いから敵の攻撃のタイミングやその速度などを体で覚えていたのだ。

 そう言っているうちに敵の主力が集中する地点に到着した

「舞!」

「厚志!」

 二人の呼び声とともに3番機の後部ポッドからミサイルが吐き出された。

 次々に着弾し爆煙と共に屍を量産した。

「やったよ舞!うわっ!」

 その気の緩みがいけなかった。

 敵の数も半端ではない、生き残った幻獣もわずかながら居る。

 その中にはスキュラも当然居た、その巨体故に耐久力も当然高かったのだ。

「今ので脚部の損傷が54パーセントに上がった!」

 芝村が叫んでいる中にも速水はひたすら回避に励んだ。

 それでもなお彼らは戦っていた。だが、ついに機体の状態が限界に近づこうとしていた。

 3番機の右腕が青く輝き始めていた。










「アサルトも弾切れか…さよならは言わないよ…舞」

「厚志…」

今まで死んで逝った人達の為なんて言わない。僕は君と生きるために強くなる、たとえ鬼と言われようが、化け物と言われようが構わない!世界を敵にまわしたとしても構わない!僕は舞と一緒に生きる!

 速水の雄たけびとともに3番機の右腕の光が頂点に達した。コクピッドに鳴り響いていたアラームが一気に鳴り止んだのだ。


 GODHANDS・OK


 速水の目の前のモニターに不意に映った。

「なんだ、これは?」

 芝村には理解できなかったし、速水にも理解は出来無かった。だが、速水には自分が何をすべきかが認識できていた。

「目標をナーガからスキュラに変更!くらえ!」

「厚志?」

 速水の叫びと同時に右腕から青白い光が放たれた。

 それに当たったスキュラは弾けるでも砕けるでもなく文字通り消滅した。



「速水!生きてるかぁー―――!」

 さらに後方からグレンリーダーの声が響いてきた。

その様子を見た芝村は言った。

「勝ったな」

3番機の圧倒的な威力に増援の出現。この戦いの結果は見えていた。









 

 時を同じくして、3番機が光を使用していた時のことである。


「ゴールド、あの技は間違いないな」

「ええ、絶技ですわね」

 ケイオウの問にゴールドはあっさり答えた。

 彼らは3番機の援軍に駆けつけたものの、今までの戦闘から感じていた速水への違和感から3番機の観察をしていたのだ。

 そんな中で3番機が青白い光を放ったのである。

「おそらくは精霊手と見ていいだろう」

 シェルは「何だそれ?」といった感じの顔をしながら聞き返した。

「なんすか、それ?」

「はい。あの技を一言で言えば「世界の異物(幻獣)の存在を、時間をさかのぼって否定することができる奥義」といった感じです。世界を構成する意識体に干渉し世界そのものをを作り変えるわけです。もっとも、ただの人間には扱えないでしょうね」

 さらさらとゴールドは言うが、内容はとんでもない代物だった。

 驚愕しつつも「ただの人間」という言葉に疑問を持ったラムスも話に入ってきた。

「じゃあ、ただの人間とそうじゃない人間の違いって?」

「さぁ?ただの人とそうじゃない人の違いという物は言葉で言える様な物ではないので。彼の場合、世界に認められたんでしょうね。人類の決戦存在として」


 ゴールドがシェルに説明している中でケイオウは独り言のように言った

「もうすぐ…転機が繰るな」






 その日の結果は人類の被害が戦車23、歩兵120名死亡330名負傷であった。しかし、1000匹もの幻獣を撃破し、この地の幻獣軍を一掃に成功したのだった。

 その功績で最も高かったのが5121中隊であったのは言うまでも無い。

















 

 アルサレア勢用基地


「いやぁ〜今日は疲れたわねぇ〜。ねっ、サリア」

「ホントですぅ〜。シャワー浴びてきますね、先輩!」

 基地に帰ってきたアルサレア勢は先ほどの戦闘中と違ってだらけまくっていた。

 サリアが風呂に行ったのを確認した時、アイリの視界に大量の手紙を抱えたキースが入って来た。

「何持ってんのよ?」

「何って、そりゃ〜ファンレターに決まってるだろ?全部、俺宛で」

 キースの発言を聞いたアイリは驚きまくった。

 確かにキースは美形の部類に入る。しかも、近く(目の前)には女子高。さらに戦場では女性兵も多くて彼女たちを救援する事も多いことからファンが出きる要素は腐るほどあった。

「アンタがそんなに貰えるなんてね。明日には人類滅ぶかも」

「おいおい。シャレになってねェって、それ」

お〜い。開けてくれないか?」

 二人の会話にドアの先からグレンリーダーの声が聞こえた。

 アイリが其処を開けると両手にキースの2倍以上も手紙を持ったグレンリーダーが立っていた。

「さ〜すが隊長。かなり貰ってるねぇ〜」

「茶化すな、キース。それにしてもこんなにあるとはな…」

 あまりの量にグレンリーダーの顔にも驚きの表情がにじみ出ていた。

 そんな中、キースは嫌な予感を感じ、隣のアイリを見てみると拳がフルフルと震えていた。

「隊長〜ゥ。少し他の隊の方にも見せてきたらどうですか?間違って入っていたら悪いですし」

 アイリから滲み出るオーラに気圧されたのかグレンリーダーは本当にスラッシュ小隊の部屋に行ってしまった。

 その場に残ったキースも立ち去ろうとしたが、結局は間に合わずに謎の奇声を放ちながら地面に崩れ落ちた


「隊長のぉぉーーバカァァァーーーーーーーーー!!!!!」

「ブリィッツッ!!」



 アイリはヤツ当たりの踵落としをキースに決めるとそのまま部屋を出て行ってしまった

 入れ違いに入って来たサリアが痙攣しているキースに話し掛けてきた。

「サッパリしたですぅ〜。あれぇ〜キース先輩、何してるんですかぁ〜」

 その問にキースは答える事は出来なかった。











 

「何か…上の階層から悲鳴が聞こえなかったか?」

「気のせいでしょう?」

 ケンの疑問はあっさりとタケルに否定された。

 ああ哀れキース


 そんな事は置いといて(ひどっ)タケルはケンに聞きたい事があると言い出して格納庫の端に呼び出していた。

「で聞きたいことって?」

「隊長。もし、もしもっすよ。平和な世界だったら住みたいと思いますか?」

 予想もしなかったことをいきなり質問されてケンは解答に困った。

 それで彼は無難な解答をすることにした。

「当然だな…後はバカが居ないのを願うよ」

 バカとは言うまでも無くコウスケのことである。其処まで仲は悪くない(むしろ仲は良い)が、そこはお約束と言う意味を込めてケンは言ったのだ。

 タケルはその答えを聞いたあと、さらに条件を絞ってきた。

「少し追加しますが、自分の大切な人達が居なくなっていると云うのも付足したいんですが」

「…聞きたいんだが、その質問に意味はあるのか?!」

 それまで静かに聞き手に回っていたケンの声が急に荒立ってきた。

一つ言っておく!そんな意味の無い質問は止めろ!」

 ケンの顔は怒ってはいないものの殺気が放たれていた。

 タケルは自分の言った事がケンにとって禁句だと言う事がようやく気付いたのだ。

 そんな時、奇跡の助けが入った。

「おい、ケン。5121の隊長さんから頼みがあるそうだ。特尉と一緒に言ってきてくれ」

「…分かった」

 コウスケの乱入により怒りが抑えられたのか、素直にケンはその場を立ち去っていった。

 残ったタケルにコウスケは話し掛けた。

「しっかし、まぁ。あいつの過去に偶然引っかかる内容話すとはなァ〜」

「…隊長に昔、何かあったんですか?あ、話したくないようなもんだったら話さなくて良いです」

 タケルはこれまでの経験から「無闇に人の過去に触れてはいけない」ということを思い出したので無理に聞こうとはしないと考えた。

 しかし、コウスケは少し顔を暗くしながら話し初めた。

「ああ、あいつの幼馴染なんだがな。輸送機パイロッドだったんだが行方不明事故になってな。あいつ…誰かが不意に無くなることを恐がってるんだよ」

 コウスケの話を聞いた時、タケルは後悔よりも共感と同情の念をもった。

 彼もまた、大切なものを失いかけているのだ。

「俺…謝った方が良いっすか?」

「イイって、いいって。何時まで経っても忘れられないあいつが悪い。むしろ、お前が話してくれたおかげで吹っ切れるかも知れんしな。気にするな。じゃあな〜」

 タケルの発言を心配してか、コウスケは適度にフォローするとその場を立ち去った。

 残ったタケルはただ考えていた。

(隊長も…同じだったのか。)













 

 熊本市街地


 熊本市街の大通りを3人の人影が歩っていた。

 右端に居た女性、芝村舞は左端の男性、速水厚志に話し掛けた。

「厚志よ…現在の戦況をどう思う?」

「人類の劣勢。このままじゃ不味いね」

 二人の会話は九州全体の戦局についてだった。

 この地に幻獣が上陸してかなりの時間が経ったが人類の状況は悪化の一歩をたどっていた。

「この戦い、ここらで何かの手を打たねば我らの勝ち目は無い」

「そうだね…何か考えがあるの?」

 芝村の表情から速水は何かの秘策があるとこれまでの付き合いから判断していた。

「強きものの存在価値は?」

「弱者を護る」

「敵と戦って勝っても逃げられてはダメだ。包囲し全滅させることが出来れば理想だ。
 具体的には熊本の全幻獣を一箇所に集め撃破する。ここ、熊本中心部には最高の場所がある」

「街中に?」

 芝村の応酬に速水は自分の知りうる限りの知識で返していた。だが、最後の意味が理解できなかった。

 市街戦は長期戦になりやすく、まして持久戦では気力を使って戦っている人類よりも幻獣の方が有利であった。

「博物館の隣、プールのそば…分かるか?」

「もしかして!」

 彼らは今その場所に来ていたのだ。場所が分かった速水だったがもう一つの疑問が浮かんだ。

「どうやって集める気?」

「奴らが集まる価値を作る。ただの人には出来なくても芝村にはできる」

 もはや彼らの頭に悩みは無かった。


「「決戦は熊本城!!」」


 熊本城を背景にハモった声をだした二人を東原ののみは不思議そうに見つめていた













4話に続く
 



 後書き

 やっと半分の3話目を書き終えました。
 ここに来てガンパレに出てくる神懸り的な物が本領を発揮してきました。
 気付いた方はいると思いますがアイリとサリアのコンビ技はFC時代に誰かが発案した物を勝手に使ってしまった物で深くお詫びします(これは二人の武器・ドリルやクロウ、ハンマーでは戦闘が血なまぐさい表現になってしまうからです)
にしても芝村と速水の告白シーンはきつかった(原作セリフを改ざん)書いている本人も意味が理解できなかったし。
 次の戦いは原作ゲームで最も重要な役割を持つシナリオですのでマジで書きます。

 しっかし、ケイオウやゴールドは世界の秘密を知っていたり、タケルについての謎が深まってきたように見えますが、全ては最終話にて。
 では次もがんばっていきます




 おまけ
 今回の話で出て来た物についてある程度の用語解説です。

スキュラ:
 幻獣。飛行船の風船の部分が生物のようになった奴。正面に大型レーザー砲、側面に小型のレーザー砲、底面部分には自爆型幻獣の投下口がある。
 ゲームでは雑魚敵で最強であったが作者の前にはただのカモだった。

絶技:
 一言で言えば「世界を構成する意識体(リュ―ン)に干渉し、世界の成り立ちそのものを変えてしまう必殺技」です。要は世界の成り立ちや常識自体を変えてしまうものだといえばイイです

精霊手:
 絶技の一つで世界の異物を排除する技です。ゲームの方では神様(猫の神様)に授かるような扱いですが、神様なんて出した日にはJフェ二とはかけ離れてしまう為、その表現はカットしました。なお、ゲーム本編ではゴッドハンズとも呼ばれています。

決戦存在:
 詳しくは理解できていないため作者個人の解釈で描いています。
 要は生存か絶滅をかけた戦いにおいての人類の代表と思ってください。
 勇者のような物と思えば分かりやすいです。

 


 管理人より

 神楽歌さんより第3話をご投稿頂きました!!

 前回の反動からか、グレン小隊大活躍!

 しかし、ケイオウ達は色々知ってるなぁ〜(爆)
 


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