Chapter2 慟哭:〜覚醒の鼓動。


 

 暗く深い眠りの中で、彼女と再会した。
何度も、何度も再開した。

 夢は全て同じだった。
 引き摺るような声、誘うような懇願。それは呪詛のように纏わり付き、涅槃へと誘う毒。
 声の主は血まみれの女性だった。いつも傍にいた、決して忘れる事のない存在。
 彼女は笑っていた。
 穿つように見開かれた瞳、亀裂のように歪んだ唇。彼女は誘うように、そして呪うように、恨めしそうな表情で笑っていた。自分の知らない、そして自分しか知らない顔。
 彼女は口にする、その呪詛の言葉。
 よく聞こえない。だが、痛い。とてつもなく。

 ――そして目を覚ます。

 ――ユルサナイ


 

 もう何度目だろうか。

 僅かな間に睡眠と、覚醒の間を何度も行き来する。
 悪夢から逃れたい。このまま起きていたい。だが、夜の病室は無音の闇に支配された静寂の監獄、無限回廊という名の連鎖地獄。このままでは何かを考えてしまう。とてつもなく不安な、その悪夢の先を考えてしまう。
 そして目を閉じる。祈るように目を閉じる。
 そして再開する。その紅い眼で見上げ、縋るように、呪うように、次第に鋭さを増す笑い声。
 そして目が覚める。力なく目が覚める。
 心が呪いの傷に痛みの声を上げる。その度に切り取られる眠り、意識、そして希望。
 心がどうにかなってしまいそうだった。
 だが、それをどうする事も出来ない。
 動かない身体では、その痛みから逃れるために自らの喉を掻っ切る事も、自らの心の臓を貫く事も、出来はしない。

 意識の拷問に翻弄され続ける。

 ――天罰
 そんな声が聞こえた気がした。何の事か解らない。考える事も出来ない。
 ただ逃れられない心の痛み、そして絶望。

 これほど闇を恐れた夜はない。
 これほど太陽を望んだ夜はない。

 太陽よ、この闇と、痛みを焼き清める希望の光を―――







 

 正午前

 無限とも思えた闇から逃れ、レビは正気を取り戻した。
 だが、その代償は大きかった。
 彼は悪夢の先という、今この瞬間まで必死で逃れようとした、そして今この瞬間から逃れられなくなった意識の拷問に苛まれ続ける事になった。
 考えれば考えるほどに増す焦燥と悪寒。これは本当に彼女の施した呪いなのだろうか。だが、考えているだけで答に辿り着く事は決して出来ない。まさに永遠の連鎖地獄。
 だからこそ、ベッドの上でじっとしている事は出来なかった。
 それは逃れるため――否だと信じたい。

 レビは錯綜する頭を抱えながら、ベッドの中で固まった身体を入念に引き伸ばしていた。
 ゆっくり起き上がる。未だ鈍痛と違和感はあったが、昨日ほどの痛みはなかった。しかし、着ていた筈の自分の戦闘服もなければ、その中に入っていた筈の緊急用通信機もない。

(7日か、ソウリュウ達はもう来ていると思うのだが、病室で待った方が早いのだろうか。いや、今まで来られていないのなら、こちらから何らかの意思表示をしなくてはならないような状況なのだろう)

 小さな打算を頭の片隅に追いやり、ドアを開けて外に出る。よく見ると、ドアには未だ「面会謝絶」の立札が掛かっていた。

(おいおい爺さん、これじゃぁ誰も来ないじゃないか・・・)

 部屋を出て、廊下をふらふらと彷徨う。歩くのが少し辛かった。杖のようなものが欲しかったが、壁に手を当てて間に合わせる。
 そして引き摺るようにエレベーターホールに辿り着く。ここは3階だった。
 ギシギシと痛む身体をソファーに投げ出して、暫し休める。やはり動くには身体が重い。これも呪いなのだろうか。

 廊下では医師や看護士は慌しく行き来していた。前回の戦闘で負傷者が大量に出たという話は本当のようだ。よほど火急を要する患者が多いのだろう、無事に四肢があり、二本の足で歩ける彼を相手にする者はいなかった。
 それは動くには好都合であったが、手近な看護婦に話しかけても『後にしてくれ』という答えが大半であったし、同じ外科病棟の医師を相手に自分の名前を明らかにすると病室に戻される可能性があったために、なかなか情報源にする事が出来なかった。

 レビは、一応全てのネームプレートを確認しつつも、手術室や緊急病棟に最も近い1階を目指した。半身が欠損するほどの重傷患者ならば手術室からも遠い上階にいるとは思えなかったし、人の多い1階ならば自分の事を知っている誰かしらに見つかるだろうと考えたからだった。
 とにかく彼は自分と関係のある人間を探す事が急務だった。
 逸る気持ちと重い身体のアンバランスさに歯噛みしながら、エレベーターのボタンを倒れ込むように押し込む。
 扉はすぐに開いた。今日はついている。

 

 エレベーターのドアが開く。そこは喧騒に近い状況だった。

「あっ、君は? そこで何をやっている」

 昨日の医師であった。一階に降りるなり、いきなり見つかってしまった。確かに自分の事を知っている人物ではあったが、厳密には関係がない筈だ。昨日のように嫌味や小言を言われるのは目に見えているだろう。ただでさえ反抗するだけの力がないというのに、全くついていない。
 その歩行速度は速く、走ろうにも満足に逃げる当てもないレビへと詰め寄った。

「何をやっている。これだから軍人は無茶をする・・・」

 少しカチンときた。穏健派として上層部から疎まれている彼は、日頃から無茶をしなくてもいい仕事にめぐり合った経験がなかったため、彼にとって軍人は無茶をして当然の存在であった。だからこそ、その一言は自分を否定するもののように聞こえた。
 だが、今は情報の入手が最優先であり、そこは取り敢えず無視する事とした。

「人を探している。シオリ=セガワ、階級は大佐で・・・・・・とてつもなく重傷の筈だ。あと、この街の空港にフェンリル機動師団の者が来ていないか?」

 とにかく情報は多いに越した事はない。特にシオリの安否を確認しないままではいても立ってもいられなかった。

「・・・・・・軍隊の事は知らんが、名前からすると女性か。少なくともこの病院には女性で大佐の患者は私の知る限りではおらんな。とにかく君も部屋に戻りなさい。君の知り合いが来ているなら、誰かに空港へ連絡を入れさせる」
「・・・・・・何故昨日に・・・いや、もういい。了解したよ」

 言いかけた言葉を噤んで踵を返す。そんな事を聞いても事態を何ら変える事はない。時間の無駄だ。
 レビは何とも覇気のないような歩き方で、ふらふらと部屋へと戻って行った。

 ――シオリ、君はどうしている・・・





 

 3時間後、病室に来たのはソウリュウであった。レビは待ちくたびれたように、寝ながら手を挙げてそれに応えた。

「中佐、失礼します。・・・凄い汗ですが、大丈夫ですか?」
「いよぉ、遅かったな。・・・・・・見舞いか、何を持ってきた?」
「・・・あっ、これは制服の代えです」
「・・・ったく、ザマぁねぇな・・・あの蒼い機体には逃げられ、ルシファーは潰され、シオリはどうなったかが解らんとまできている・・・何か知っているか?」
「今回の事件であの機体は正式にセレスと呼称されるようになりました。あと、自分がここに来たのは昨日ですから詳しい事は知りませんが、セガワ大佐の事なら何とか。・・・彼女は一応生きているらしいです・・・・・・えぇと、それでドゥリゲス大尉が・・・」
「なに!?」

 レビは顔を上向ける。ソウリュウの話を途中で遮るような格好になってしまったが、待ち望んでいた言葉に比べれば些細な事に決まっている。一応というのが少し気になったが、生きているという事に越した事はない。
 レビは身体を起こし、敷かれていたシーツで寝汗を拭うとソウリュウの持って来た制服に着替えだした。

「中佐、何を?」
「決まっているだろう?シオリの所だ、案内しろ」
「しかし、中佐はお体が・・・」
「この体は貴様が知っている以上に頑丈だぞ。さっきまで脱走の準備をしていたくらいだ。それに、医者も全治1ヶ月程度だと言っていた。これは命令だ」
「・・・・・・知りませんよぉ」

 ソウリュウはレビの全く意味の解らない説得に折れた。
 レビは嬉々として立ち上がる。軽くジャンプ。次第に高く。右脚で下段・上段蹴り、そのまま左足で上段回し蹴り。
 先程までの身体の重さが嘘のように軽い。
 皮膚が新鮮な空気を吸い、纏わりついていた呪いが霧散していくような感覚を受けた。
 ――これならいける。
 『人間の持ち得る最高の力の源は欲望ではなく希望である』――いつか誰かに聞いた事のある言葉を思い出した。全くその通りだと思う。彼女が生きているという言葉だけで、この傷つきくたびれた身体から力が溢れてくるのだから。

 レビは病室のドアを力強く押し飛ばし、背筋を伸ばして歩き出す。
 先程の医師は安静にしていろと言っていたが、もはや知った事ではない。何もない時間を数時間も十分に安静にさせてもらったのだから。

「ソウリュウ、正面玄関に車を回せ。今すぐ出る」

 病室の窓からセレスに破壊された街並を見下ろす。ビルの間で少ししか見えないが、痛々しさは伝わってくる。

「次は叩き潰す。敵はとるぞ」

 そう誓い、自らの足で、力強く床を踏みつけた。





 

 ――ふと思い巡らす。思い出そうとするのはあの時の記憶。シオリが生きていると解った安心感によって靄がかかっていた記憶が解禁されたのだろうか。それは昨日よりも鮮明な記憶として甦ってきた。

 セレスが惑星Jで建造されたものではない事
 それが求めた『アレス』という存在
動き出したセレスと、破壊されたドック

 ―――そして、

「はははっ、レビさん・・・私がいなくても・・・・・・・・・・・・」

 

 ――それでも

(生きていた。生きていたんだな、シオリ・・・)







 

 ソウリュウの運転する車が中心部付近の都市区画に差し掛かった。
 ふと見たビルの隙間から、セレスによって破壊された区画が見えた。
 レビが身を乗り出して見る。破壊の範囲は思いのほか広い。
 病院からではビルの陰であまり見えなかったが、近くで見渡せばそこにはもう瓦礫は殆ど残っておらず、その「何もない空間」が周囲とのコントラストとなる事で被害の大きさと時間の経過を強く印象づけていた。
 このような事態を全く予想できなかった訳ではない。油断したツケだ。暫し無言で感傷に浸る。

(そういえば、一緒にいたガルクスはどうなった・・・・・・まぁ、奴が死んでようと知った事ではないが)
嫌な顔を思い出したと、その考えを隅に追いやる。現在の彼にとっての最大の懸念はシオリの安否であり、セレスも、ましてやガルクスになどにも全く配慮する必要性を感じなかった。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・で、どこへ行くんだ?」
「軍の研究所です。一応あれほどの重傷ともなると普通の病院では保たないそうですから」
「重傷か・・・その瞬間は俺も見ていたが、結局、どのような状況だったんだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よろしいのですか?」

 何故かソウリュウは答に詰まっていた。レビも不安になる。

「シオリは生きているのだろう? 大体俺も彼女が瓦礫に半身を押し潰された瞬間を見ていた筈だから覚悟は出来ている。構わん、言えよ」
「自分も詳しくは知りませんが、セガワ大佐は・・・・・・左腕と左足の膝上以外の手足を完全に潰され、内臓破裂と、頭部に深い裂傷、即死でないのが奇跡なくらいらしいです。しかし、除脳硬直をはじめ脳に障害が出ている可能性もあるとの事です。聞かされたのはこのくらいでしたが」

 レビは夢の内容を思い出す。やはり本物だったか。

「・・・冷凍保存か」

 ―――あの状況で助かるにはこれしかない。

「おそらくそうでしょう。手足や内臓は今の技術でも再生させる事が出来ます。しかし、再生用の手足が完成するまでに半年は掛かる筈です。製作時間を短縮すればするほど、急成長したその細胞の老化もまた早くなりますからね。それまで体全体を完全に冷凍保存する事で時間を稼ごうといったところでしょう」
「それなら面会は無理だったか・・・・・・」
「それは解りません。ただ、さっきは言いそびれましたが、大佐の代行しているドゥリゲス大尉からIDを預かっています。向こうの担当官が『ここに来い』と言っていたそうですよ」
「むぅ・・・。いちいち呼び付けるくらいだ、顔くらいは見られるのだろうが・・・・・・・期待していいのか、それとも何だ?」
「自分は彼等が感動の再開を演出してくれるというほど、良い性格をしているとは思いませんが」

 ――それはガルクスの事を言っているのだろうなと、レビは思った。やはり奴に良い印象を持っていないのは自分だけではないらしい。

「・・・・・・・・・・・・そうだな」

 レビは街並を見上げた。ふと目に止まった特徴的な建物があった。
 やけに背の高いオフィスビル。オブジェのような鏡面、尖った塔。
 陸橋になった道路がビルの中を貫いている。大人心にもワクワクするような立体構造だ。

 だが、西ファーレン基地 地上都市中心部のビルの真下にそれはあった。
 見ればただのトンネルだが、その実態は地上都市のおよそ半分の規模を誇る巨大な地下施設への入口のひとつであった。


「えぇと、確かここでしたね」

 ソウリュウは金属質の路肩に車を停めると、持っていたIDカードをリーダーに通した。
 ピピッという安っぽい音がしたと思うと、隣の壁が開いた。あまりの変化に目をこじ開けていると、今度は路肩の金属部分が回転し、その穴に車を押し込んだ。一瞬の出来事だった。
 むぅぅ―――と、レビから感嘆の声が上がる。馬鹿馬鹿しい仕掛けではあったが、どうにも男心を引き付けるものがある。

「こんな所を・・・良く知っているな。まぁ、この街の住人はどこかでこの基地と関係のある奴らばかりだから、便利なのかもな」
「自分も知らなかったのですが、これもドゥリゲス大尉からの情報です・・・さっきのもそうですが、情報源はガルクス准将だそうです・・・」
「・・・・・・生きていたのか・・・つまらん」

 レビはその言葉に何となく嫌な顔をする。しかし、その顔には以前ほどの嫌悪感は抱いていないようであった。その事に気付いたソウリュウは――

「借りを作った・・・って事ですか?」
「向こうが返せとでも言わなければ踏み倒す気だがな」

 レビは少し不愉快そうな仏頂面で言い放つ。




 

 薄暗いトンネルをひたすらに走る。螺旋のようにぐるぐると。少し緩やかな下り坂だが、これだけ走れば深さもかなりのものに達している筈だ。
 このまま地獄まで続いているのではないか。嫌が応でも不吉な想像を掻き立てられる。
 馬鹿な話だと、レビは自嘲する。軍事技術の爆発的な進化によって、今の時代にこのような地下迷宮などそう珍しいものではなくなっているのだ。確かに生き埋めだけは勘弁して欲しいが、そうでなければこれほど人類の英知を感じられる場所もなかった。
 下らない事を思案しているうちに、2人はトンネルの終点と思われる区画に辿り着いた。

「こちらです」

 そこはデパートの地下駐車場のような場所ではあったが、銃を持った人間―――否、正しくは人間型の対拠点白兵戦用ロボット「ドール」が警備していた。
 ドールとは、PFなどの人型機動兵器が戦術レベル以上を担当する事と同じく、戦場レベルで使用される機動歩兵といえるものであり、自律行動も可能だが主に遠隔プログラム操作で制御される。その無機質さのため使用者からは用途に応じてアサルトドールまたはガードドールと、実際に対峙した者からはキリングドールとまで呼ばれている。
 彼等は挨拶をしない。ただ敵だけを排除する殺人機械。
 どうやら幸運にも敵と認識されていないようだが、そんなものが近くにいるだけで背筋がゾッとした。
 そう、ここは間違いなくヴァリムのファーレンにおける最重要拠点であった。

 そして、厚さが1m以上はありそうな物々しいドアが開かれる。二重、三重にブロックされている厳重な扉だが、ソウリュウの持つパスカードはいとも簡単にそれを突破していく。
 そして最後の扉が開かれた。刺すような眩しさに少しだけ目を細める。
 中の廊下は広く、純白の壁のため光を多く反射し、思ったよりも明るく見えた。

「医療実験区画っと。・・・“たぶん”こっちですね」
「・・・・・・・・・・・・」

 手際が良い――とは言えなかった。




 

 どのくらい歩いただろう。白衣を着た者とすれ違った事から、いよいよここが医療実験区画という場所なのだという実感が湧いてきた
 側面の壁はガラス張りで、その中には見た事のない機器が乱立し、天井まである巨大な金属製のタンク、その下には人間より少し大きい程度の筒状の金属棒の様なものが幾つも並べられていた。良くは解らないが、冷凍保存用の何かであろうか。

 廊下にも人が何人かいるようになってきた。しかし、すれ違う者は皆一様にレビに振り返った。中にはその美貌に心奪われた者もいただろうが、大部分の者は忌み嫌うような目付きで見た後、直ぐに視線を下げて速足で彼を避けようとしていた。

「・・・・・・・・・やけに有名なようですね・・・」

 ソウリュウは苦笑する。
 多くの人間がレビを一様に避けるその理由は、彼の超人的――人間兵器・強化人間と揶揄されるほどの人間離れした身体能力である。実験中に幾人もの死者を出したルシファーをいとも簡単に乗りこなすのだ、単純に考えても普通の身体構造ではない。
 また、シオリに会う以前の彼を詳しく知る者にとっては出撃の際の彼自身の穏健派とは思えないほど好戦的で狂気染みた性格がそれを手伝っていた。
 フェンリル機動師団所属以降に性格の丸くなった彼しか知らないソウリュウには何の事か解らなかったが、そういった不安定な時期は確実に存在していたのだ。かつての彼の悪名を知る者にとっての嫌悪感は計り知れない。

 レビは訝しく思いながらも、特に気にしているようには見えなかった。慣れているという訳ではなかったが、それよりも気になる事があるからだ。

「ふん・・・で、どこまで行くんだ?」
「え〜っ・・・そうですね、ここが第17区画ですから・・・。すぐそこですが、お体は大丈夫ですか?」
「いや、そうではない・・・急ごう」


 その時、耳を劈くような大声が床に響いた。

「このぉぉぉおっ、馬鹿者がぁぁぁっっ!! それを何とかするのが貴様等の仕事だろうがああああああぁぁぁぁぁ・・・・・・ぁぁぅぅっ!!」

 窓の下からドサッという人の倒れる音がした。
 この声は聞いた事がある。2人は声のする方向へと急いだ。




 

「閣下、閣下、大丈夫ですか閣下!!」

 そこでは白衣を着た1人の研究員が倒れている老人の男の肩を揺すっていた。

「セガワ閣下!?」

 あぁ――と、レビは人工の天を仰ぐ。
 倒れていたのはシオリの父親であるフェンリル機動師団 前師団長ショウゾウ=セガワ元大将。フェンリル機動師団の創設者にしてそれをヴァリム軍最強と言わしめた猛将にして知将、そして何よりもレビにとってはこの状況を最も見せたくない人物でもあった。
 事実、シオリ=セガワは長い間子供が出来なかった彼が45歳の時にもうけた一人娘であり、待ちに待った我が子への溺愛ぶりは目に入れても本当に痛くなさそうなほどであるとの事である。その彼が絶叫のままに失神したのだ。確かに高血圧の気もあったのだろうが、ただの興奮ではそんな事にはならない。余程の物を見たに違いなかった。
 シオリの姿に美しい氷の女神のオブジェのようなものを夢想していただけに、レビは不安になった。
 ともあれ、ここからではシオリの姿がどのようなものであったかを確認する事は出来ない。状況から察するに廊下から見下ろせるカプセルのどこかに彼女がいるのであろう。それも、父親が声を上げて失神するような姿で。


「・・・・・・・・・・・・・・・何故閣下がここにおられる?」
「自分は知りませんが・・・」

 ソウリュウは首を横に振る。彼にとってもこれは意外な展開であった。
 レビは、所詮は死亡通知ではないのだから父親の階級を考えれば普通に伝わっても良いような情報なのだと思った。しかし、彼はそのような浅慮を頭からすぐに掻き消した。失神するようなものをわざわざ見せるものなのだろうかという疑念の方が遥かに先んじたからだ。
 何にしても、レビにとって今は失神した父親のセガワよりも、その娘のシオリの方が重要であった。セガワが倒れた理由も、全ての要素はここに収斂される。

「そこの貴様、シオリ=セガワはどうなった?」

 レビは不安を振り払うかのようにヒステリックに叫ぶ。声が少し裏返っていた。

「シオリ=セガワ大佐は丁度あれに・・・」

 研究員が指差したのは金属製のタンクであった。

「ふざけるな!!・・・・・・そんなものを見たくらいで閣下が失神したのか?」

 レビは研究員の襟を締める。

「ですから、その横の・・・」
「ああん?・・・・・・うっ」

 レビは絶句し、その手を離した。そこにあったのは水槽に入れられた脳であった。
 これは肉体から摘出した脳だけを別の容器に入れ、34度以下に温度を保ちながら酸素など維持に必要な物質を与え続ける低温保存。医療技術の進歩した聖歴では比較的ポピュラーな技術である。あれがシオリのものだというのだから、どうやら運び込まれた時点で摘出されたのであろう。
 既に脳には数々のコード類に繋がれ、左脳頭頂部には大きな組織破壊が起こった傷痕と、それを人工脳組織と何らかの機械で補っているという状況が痛々しいほどに理解出来た。


(脳だけだとは聞いていなかったぞ。あれでは『死んでいないだけ』ではないか・・・)

 今にも倒れそうな不安定な精神状態の中、レビは悔しそうな表情で、歯を食い縛りながら言った。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ!!」

 しかし、それは声にならなかった。そして彼の脚は、自ら意思とは裏腹にその場に崩れ落ちた。その目は何も見てはいないようであった。

「中佐っ、大佐は死んでいる訳ではありませんよ!中佐っ!!」

 セガワに続いて、今度はレビの肩が揺すられる。ソウリュウはまだ冷静だった。
 脳以外の組織は理論上、再生が可能である。選り好みさえしなければ、脳さえ生きていれば後は何とかする事が出来るのだ。あれだけの大惨事の中、それだけでも僥倖だ、まだ望みが断たれた訳ではない。

「・・・・・・・・・・・・ああ、大丈夫だ・・・何だかんだ言っても無事なのだからな・・・しかし、幾ら何でも脳は・・・それも知っている者のな・・・」

 例えどんなに外見が美しい人間であっても、どんなに愛する人間であっても、その内臓にまで劣情を催す者は異常者である。そもそも動物の、特に人間の臓器は機能美に溢れていたとしても外見的に美しいデザインをしているものではない。ましてや、普段が美しい人間であれば、外見との格差で余計にグロテスクに見えるものである。


 しかし、その場にいた研究員はウンザリしたような顔でレビに言った。

「・・・実は、セガワ閣下が倒れられたのには理由があるのです。結論から言いますと、低温保存では彼女の脳は長くは保ちません」
「なっ、どういう事だ!!」
「彼女の場合、脳の損傷が大き過ぎて、活動反応が一昨日をピークにして急速に下がっているのです。今は除脳硬直も取れて小康状態を保っていますが、何の刺激も与えられないままでは脳は錆び付いてタンパク質の塊になります」
「・・・・・・・・・つまり・・・どういう事だ?」
「このまま覚醒状態が保てなければ脳死を待つか、後遺症覚悟で直接冷凍させるか・・・・・・ですね」
どちらの選択肢も結果はあまり変わらない。前者は論外。後者でも、この損傷の上で後遺症が出ない可能性など絶望的だ。


 頭の上から冷凍保存するのと脳だけを冷凍保存するのとでは、脳への損傷のレベルが違う。実際、肉体の保存と脳だけの場合での保存とは冷凍に際して異なる物質を使用する必要があった。殊に脳の場合は肉体保存用の溶液や、脳内の水分が凍結する事によってデリケートな脳組織に傷を付ける事や、成分を溶解させてしまう事も報告されていた。その意味ではPFに搭載されている緊急生命維持装置ロイヤルセーブシステムの瞬間冷凍は即死を防ぐための緊急避難的なものでしかないのである。
 ましてやシオリの脳には大きな損傷部分が存在している。そのような状況で直接冷凍をする事はどのような事態を招くか予測出来ない危険な行為でもあった。


 彼にとってその的確な回答は残酷な死刑宣告と同意だった。


 レビの両腕が地に着き、項垂れる。
 瞳孔が収縮する。焦点が定まらない。視界が急に狭く、そして暗くなる。
 自分の意識がまるでTVのワンシーンでも見ているかのような俯瞰的に解離していくような印象を受けた。

「今度こそ・・・・・死ぬ・・・のか・・・シオリが・・・?」

 安堵から叩き落され、そこから再び持ち上げられ、更に落とされる。二度の波に頭は混乱し、出来るのはただ地面を見つめる事だけだった。


 しかし、ソウリュウの胸中には疑問が生じた。
 ここは軍の研究所である。ここでは冷凍保存の技術はそう珍しいものでもなく、そもそも、脳の冷凍保存など一定以上の規模なら前線の軍事基地でもあるような技術であるため、ファーレン最大の軍事基地である西ファーレン基地に覚醒状態を保つ手段が存在しない筈がなかった。
 レビにはそれを問い詰めるだけの余裕はなかった。だからこそ、何としてでも答を引き出す必要があった。ソウリュウは意を決する。

「ですが、この規模の施設で覚醒状態を保てるような設備がないとは考えられないのですが・・・」

 簡単な質問ではあったが、研究員はその質問への回答に窮した様子であった。

「・・・・・・そもそもここまで危機的な脳を維持する方が難しいんですね。それに、今あるその設備を使っても活動反応の低下が止まらないんですよ。冷凍保存の技術は昔からありますが、覚醒状態を保つ技術がこっちに流れてきたのはごく最近ですし、損傷が大き過ぎて・・・ですね、あまり刺激を与えると、かえって悪いんですよ・・・・・・まぁ、『手段がない訳ではない』んですが、その件に関してはここでは・・・。後でこちらから連絡しますから、それまでに頭の方の整理をお願いします」

 そう言って突然研究員はその場を後にした。どうも歯切れが悪い。何か裏があるとソウリュウは思った。


 

 手段がない訳ではない――その話を聞いてセガワ大将が倒れたのだろうか。いや、それならば閣下が失神する事はない。それを先に中佐に言うのだ、閣下には言えないような内容なのかも知れない。

「わざわざ呼びつけてこれを見せるなんて・・・・・・。何かありますね、中佐?」

 ソウリュウはレビの方へ振り返る。しかし、彼は未だに床にしゃがみ込んでいたままだった。

「大丈夫だと思っていた・・・心配ないと思っていた・・・・・・俺のせいだ」

 下を向いてブツブツ言う。完全にダークな雰囲気になっていた。仮にここでシオリが死んでいれば彼は自分を責めて完全に再起不能になっていただろう。もちろんそうなっては困るし、何より見ていてイライラした。

「あぁ〜もぅ、中佐ァ〜すみません!!」

 ソウリュウはレビの胸元を掴んで無理矢理立たすと、右腕の渾身の一撃を彼の顔に見舞った。
 ドゴッという鈍い音と共にレビの体が3〜4m吹っ飛んだ。

「ぐっ・・・何を・・・・・・」
「中佐がそんなんだったら、大佐はどうなるんですか!! それに、まだ手はあるらしいですからっ、話し聞くだけでも追い掛けて下さいよ!!」

 眠っている状態から叩き起こされたようにハッと目を見開く。開いた瞳孔から光が入り、鋭く反射する。敵を前にしたときに見せる剣呑な目つきだ。ソウリュウは『やばい、殴り返される』と少し後悔した。

「そうだな、まだ望みはあるか・・・閣下を頼む」

 レビは立ち上がり、先程研究員が消えて行った方向へと走った。ソウリュウからは安堵の溜息が漏れた。
 ―――もっと弱く殴るべきだったかな・・・





 

 ひとつ向こうの第18区画への廊下。レビは走る。それは絶望的な状況の中で掴んだ蜘蛛の糸、諦めて堪るものか。
 あまり時間は経っていなかったために追い付くのは容易であった。

「そこの貴様、止まれっ!!」

 その研究員はまるで待っていたかのようにゆっくりと振り返る。怪しい含み笑いを交えたその表情は、同一人物のようで先程とは少し雰囲気が違うように感じた。

「来ましたね。・・・・・・どうしたんですか、その頬? ・・・・・・いえ、まぁそんな事はどうでもいい話ですね。・・・・・・状況を見計ってこちらから連絡しようと思っていたんですが。用件は彼女を救う方法・・・ですね?」
「そうだ!! こんなものを見せるためにわざわざ呼び付けた訳ではない筈だ!!」

 必死な形相のレビとは対照的に、その研究員は冷静に、しかしニヤリとした顔で言った。

「必死ですね。・・・いえ、良いんですよ。ただ、これは賭けなんですが・・・・・・『ブレインデバイスシステム』というのはご存知ですか?」
「何年か前に死んだギルゲフが自作のタナトスとかいうのに載せるために作ったっていうアレか?・・・・・・まさか!!」
「・・・そうです。彼女の脳を直接PFに直結します。中佐の機体・・・・・・確かルシファーといいましたね。最強のPFを生み出すという目的で実行された雪風強化計画、そこで生み出された二機のうち人間で制御できなかった方の機体。そして、当初はそれを制御するために『ブレインデバイスを搭載していた機体』ですよ。しかも現在実戦に使用されている搭載機としては唯一と言っていい」
「なっ!?」
「ルシファーが失敗作だとされた背景は、パイロットが死んだからだけではありません。当時のブレインデバイスに使用されていたサンプルが拒絶反応を起こしたために無人機としても及第点以下だったからです。まぁ、あれはデバイスではなく死亡寸前のテストパイロットの脳を使用したのが拙かったのではないかと思うのですが・・・・・・知らなかったんですか? まぁ、中佐がそれのテストを引き継ぐ前の話ですがね。・・・あぁ、脳は取り外されていますよ、もちろん」

 レビとてルシファーをただの雪風ではないとは思ってはいたが、まさかそこまで禍々しいものだったとは思っていなかった。確かに普通の人間で扱えない機体なら、無人機にしてしまう方が都合が良いと考える事は極めて合理的な判断、そして当然の帰結だろう。だが、ブレインデバイスの実験機であったという事実は、当の本人にとっても強い嫌悪感を抱かせるものであった。
 ショッキングな話ではあったが、同時に大きな疑問も生じた。そのような事は事実上の占有者であるレビでさえ知らない事実であった。この男は何者なのだろう。ただ言えるのは、彼がただの研究員などではないという事だ。

「・・・何故そこまで知っている。貴様・・・何者だ?」
「そういえば自己紹介がまだでしたね。私はカースウェイ=E=グリフ、今はここの研究員をしています」

 カースウェイ=E=グリフ――眼鏡をかけ、長い黒髪を後ろに纏めている男。一見何の変哲もない研究員だが、この名前はアルサレア・ヴァリム・ミラムーンだけでなく世界各国の研究機関でも確認されている名前である。
 一般的には知られていない――もちろんレビも知らなないが――が、その経歴は抹消されている者が多く、その詳細は不明とされているが、ごく稀にダミーの戸籍を持つ者もいる。それが表面化しないのはガルスキー財団の関係者であるとも、何らかの超国家的機関に所属しているからとも言われているが、これらを確認する事も不可能である。

「そんな事は聞いていない。ガルスキーの回し者か?」

 カースウェイは不敵な笑みを漏らす。

「ふふっ、そんな時代遅れの組織など知りませんね。今の私はジャニターに所属しています。だからこんな事まで知っているんですよ」

 カースウェイは手を広げて、おちゃらけて見せる。――が、何かに気付いたようにすぐに止めた。
 ――ガルスキーが時代遅れの組織だと?

「ジャニターもガルスキーじゃないのか?」

 レビはおかしな話だと思った。ジャニターといえば現ガルスキー財団の中枢に位置する機関だ。その彼等が財団を時代遅れの組織だと揶揄するのだ、単純に一枚岩ではないという話だけで片付けられる事ではない。
 だが、明確な答は返ってこなかった。

「・・・・・・これは申し訳ない。その話はここでは出来ません。今の中佐には知る資格がありません。ですが然るべき条件が揃えば、その時に何らかの方法でお伝えしますよ」

 ―――これ以上の詮索は無駄か。一体、彼等は何者だ。だが、これだけは解るな。今のガルスキーではないという事。旧ギルゲフ派の人間なのか、それとももっと別の何かか。
 しかし、その思考は遮られた。これ以上考えても何も確証がないのである。仮説など立てるだけ無駄であった。
 ―――シオリのためだ、ガルスキーの言葉にだって耳を傾けてやる。
 レビは“ガルスキーの情けは受けたくない”などという下らないプライドを完全に捨て去った。―――こうなったら何だってしてやる。

「・・・・・・話の続きをします、ついでに少し話しておきましょう。ルシファーに搭載されているブレインデバイス・インターフェイス・ユニットは『ギルゲフの遺産』です。それも、かのギルゲフが生存中に『あやかしの鏡森にあった研究所』で開発した最高性能のプロトタイプで、その機能は高度にブラックボックス化されています。彼の死によって多くの技術が失われた現在では解体はおろか解析も不可能。まさかアレがあんなところにあったとはね。誰がどこから持って来たものやら・・・・・・・確かに木を隠すなら森の中と言いますが、あまり良いアイディアとは・・・・・・・・・失礼、独り言ですよ。しかし、あれほどものは、この基地にはありません。むしろ今の我々では作る事も出来ません。我々とてギルゲフの遺産を全て継承している訳ではないのでね。それに、今使っているような、我々の作った他の二級品を取り寄せでもしていたら、時間切れになってしまいます」
「それが俺をここに呼び出した本当の理由か?」
「えぇ、そうです。・・・さぁ、どうするんですか? 続きを聞くのか、聞かないのか。聞くなら魅力的な話だという事は保証しますよ」

 カースウェイは眼鏡のズレを直しながら微笑んだ。悪びれもせず、強制もせず。しかし、その言動は確実にレビを追い詰めていった。


 

 ―――脳死、または脳幹停止だったならばまだ良かった。人格が存在しないそれは実質的には死んでいるのと同意なのだから。もしかしたら諦めがついたかも知れないし、或いはシオリに対する最後の我侭を貫き通す事になろうとも今ほどの抵抗感、嫌悪を感じる事はなかったであろう。
 だが、今の彼女は全く別なのだ。肉体は死んでいるに等しくとも、脳は確実に生きている。脳だけでも生きているのならば死と受け入れる事など出来はない。肉体はなくとも確実に人格、そして意思は存在するからである。
 そんなものをあまつさえPFと繋ぐ事で延命させようというのである。それは馬鹿げているとしか言いようがないし、またレビ自身もきっと他人事であったならそう言っていただろう。
 だが、ルシファーに搭載されている最高性能のブレインデバイスと融合させれば、次第に生気を失っていく脳の覚醒状態を維持する事は可能だという。例え彼女がそれを望まなかったとしても。
 だが、レビにとっても、例え少しでもシオリが生存する可能性があるというのなら、それに賭けない訳には行かなかった。しかし、ひとつ問題があった。それは父親のショウゾウ=セガワ大将の存在である。仮に彼がここにいなければ、少なくとも独断で行えた筈である。しかし、彼は脳だけとなった彼女を見ている。隠し通す事は出来ない。


 ―――だからこそ閣下も呼んであるのだ。オルタナティブは存在しない――
 カースウェイはそう続けた。それは、レビの中で何かが壊れた瞬間だった。


「話を聞こう・・・・・・聞くだけだ」

 もう時間がない―――それを自分に言い聞かせ、扉を開いた。
 決して踏み込んではならない地獄へと続く禁断の扉。その深遠に希望がある事を信じて。


 そればパンドラの箱にして知恵の実。神の世界との決別。

 レビは悪魔の誘いに耳を傾けるのであった。


 ―――俺は・・・・・・・どうしたいんだ










 

 Chapter3へ続く


 




 皆さんお久し振りです。
 前回の掲載から約一年。シナリオ4は抜本改革の予定だったので、少し・・・・・・じゃないか。「かなり」時間がかかりました。申し訳ないです。「Feint Operators」や、オリジナル小説を書いていたものでして(滝汗)

 で、いかがでしょうか??

 ところで今回、シナリオ4をリメイクするにあたって気をつけたのが、レビの心理描写と、父親であるセガワ大将とのカラミ、そしてジャニターの策謀です。
 これらは構造改革の目玉として重点的に書き直しました。ファンコミュに掲載されていた文章に比べても、約50%増量と、大幅に加筆修正されています。
 強烈に伏線&隠し玉が埋められているので、特にジャニターの人達の一挙一動に注目していただければ幸いです。たまに嘘が含まれていますが(笑)

 あとは、同意文章の削減や前後矛盾の修正、専門用語の注釈、そして世界観の細密化などをチマチマとやっています。
 見比べてくだされば、格段に読み易くなっていると思います。 


 さて、それでは本編のほうにいきましょうか。テンションを上げて(謎)


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 さぁ、やってきました!!

 遂に再始動した『虚空からの使者』
 私の作品の原点にして集大成(何じゃそりゃ)。
 ガンダム見ながら『こんな謎も問題意識もないストーリーなんて物足りないぜ!!』(ぉぃ)って思ったから、私の作家魂に火が点いたと(笑)


 それはそうと、遂に完全に覚醒したレビ。悪夢に苛まれながらも、彼は僅かな希望を胸に立ち上がる!!
 そして謎の男、カースウェイ=E=グリフ(ネタを下さったk.e.g氏感謝!!)!! 彼の言う『ブレインデバイスシステム』とは何か? プロトタイプとは一体何か!?(この言葉は旧作にはありませんでしたしね)
 レビはカースウェイの『囁き』を受け入れるのか!?

 全てがヤバい方向へと収斂していくシナリオ4。

 次回、Chapter3 融合:〜Forbidden fruit――禁断の技術

 全ての因果を断ち切り、目覚めよ、シオリ!!(やっぱ種運命だけにこれかとw)

 


 管理人より

 レビさんよりシナリオ4のChapter2をご投稿頂きました!

 現状が分かったことで、一気に話が流れ始めましたね(笑)

 さて、レビの選択、それとシオリの運命は如何に……
 


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