『もらったーーー!!!』

 と、まるで自分が勝ったような言い方をする。

 確かに普通のパイロットなら、ここで終わったかもしれない。

 敵を撃破した後には大きな隙ができるからだ。

 けれど、クロノは普通ではない。

 クロノはそれを一瞥した後、唇を持ち上げ、鼻で笑い、冷笑した。

『WCSというものに頼って殺したつもりか』

 情けないと心の中だけで吐き捨てる。

『WCSの弱点というものを教えてあげるわ』

 その顔には一切感情が浮かんでいなかった。

 ただ、機械に頼って銃口を向けただけで殺したつもりなのか。

 本当に人を殺すということはどういうことかわかっているのか。

 今、何をしているのかわかっているのか。

 と、機械越しに対立しているのではなかったら吐き捨てたであろう。

 でもそんなことはどうでもいい。

 そう、IFの話などもうどうでもいいことなのだ。

 ここで重要なのは、『何に銃を向けたのか』なのだから。

 心に刻むといい、本当の悪夢とは返品ができない取り返しのつかないことなのだから。

 それが起こった後で初めてわかる、触れてはいけないものの事を人は『悪夢』と呼ぶのだから。





 

異説機甲兵団J-PHOENIX
 戦場を駆ける風

Chapter1「吹き荒ぶ嵐〜The storm ruin tha calm breaker〜」
third-3「憎しみという鎖・後編〜Recuring Nightmare〜」






 

 ここで一度状況を整理しよう。

 ここに来るまでにクロノは何をしてきたか。

 1・上空から奇襲をかけ、1機PFを薙ぎ払った。

 2・敵のPFをパイロットごと串刺しにした挙句、それを盾にした。

 3・弾薬満載の戦車隊を足で砲塔ごと踏み潰したり、切り払ったり。

 4・敵の起死回生だったかもしれない十字砲火をあっさりとかわして1機しれっと潰した。

 これに加え、ほとんどの攻撃を避けていた。

 基地の敷地内で。

 そう、ただでさえ燃えやすいものが多数ある基地の施設内で避け続けていたのだ。

 更には敵のPFを盾にして火薬満載の戦車砲で爆発させたり、その弾薬満載の戦車を踏んだりして爆発炎上させていたのだ。

 加えて流れ弾は燃えやすい精密機械群に着弾して炎上している。

 つまり、この基地内の一部は相当高い温度になっているわけだ。

 後、WCSの性質についてちょっと言及しておこう。

 なお、ここには作者独自の見解が多々含まれますので全て丸呑みにしないでください。

 基本的に攻撃するときに必要な情報は結構少ない。

 そう、銃を撃つという行為に対する補助に必要な情報は少ないのだ。

 ただ対象を視界に収めればいいのだから。

 見えているものを撃つ事ができればいいだけで。

 『撃つ』という行為に必要なのはこの程度の情報と相手を撃つという行為に対する心構えだけなのだから。

 これを『銃を用いた攻撃』ということに昇華しようとするとかなりの情報が必要となる。

 基本的な情報に加え、敵・味方の識別と情報から割り出した行動予測、彼我の相対距離の算出etc...とまぁ色々増えるわけだ。

 WCSには安全装置の意味合いもあるのでロックオンが必要な誘導弾系統は、これらの情報の内ひとつでも欠けると使えなくなるようになっている。

 更にもう一段階上の『銃を用いた意味のある行動』にする為にはさまざまな段階を踏まなくてはならないがそれはここでは割愛しておこう。

 まぁ簡単に言うと、思っているよりもWCSとは単純な働きしかしないし、複雑なものである。

 故に、WCSを万能視している新兵に近い心構えしかない一般人はこれが急に作動しなくなると一瞬は確実に動きが止まる。

 さて、WCSの敵味方判別についてこの作品内での解釈をここで語ろう。

 ひとつは識別信号を用いたもの。

 敵か味方か、その機体の所在を表す名札で判別している。データベースが信用できる状態にあるのならばこれほど汎用的で確実なものはない。

 もうひとつは赤外線識別。

 PFほどの巨体になれば放出する赤外線量は馬鹿にならないものになる。それを周りの低い放射量のものと見比べれば一目瞭然である。

 この二つを組み合わせて独立、もしくは連動して働かせて敵か味方か、動いているものかそうでないかの識別をしているわけだ。

 

 さて、流れを本編へ戻そう。

 相手がWCSでこちらに照準を向けていることを見て取ったクロノは、冷笑を浮かべながら手元にコンソールを引き出し、その上で指を躍らせる。

 と同時に、自分の目の前に右手で持っていた槍剣を突き立て、簡単な盾とした。

 相手のヌエのサブマシンガンが火を噴き、マズルフラッシュと共に弾丸がこちらに牙をつきたてようとする。

 数秒連射した後、ヌエのパイロットは異変を感じる。

『…LOSTだとぉ!!』

 そう、彼の機体からは対象の消滅を意味する『LOST』の文字が出ていた。

 もっともこれはWCSが弾き出した結果である。実際には消滅していない。

 けれど、一瞬止まった。

 今まで正常だったものがちょっと異常を示したから。

 彼はコクピット内で焦る。

 ここに来てPFが故障しただとぉ。

 どうする、どうする。

 ガシャン

 とコクピット内で無意味に焦っている彼の耳にPFの集音マイクが拾った音声が伝わる。

 その音は後ろから聞こえた為、機体を後ろへ振り向かせる。

 振り向いたと同時に、機体を何かで貫かれた衝撃が彼を襲い、そのままブラックアウトする。

 そのとき彼の機体の液晶に映っていた文字は『ERROR』の五文字であった。

 

 ここで時間を少し遡り、視点をクロノサイドに戻そう。

 目の前の敵に銃口を向けられているのにもかかわらず、一切彼女は動じなかった。

 けれど彼女自身はともかく、機体は多少の被弾でも致命傷になる素敵な仕様である。

 今の現状としては完全に機体が止まっている状況にある。

 加速が高いとはいえ、そこまで過信できるような状況にあるわけではない。

 射線全てをずらしながら移動できるような状況にあるわけでもない。

 ならどうするか。

 冷静に彼女はひとつの解答を導き出す。

 後の先を取るには相手をどんな点でもいい、圧倒することにある。

 そう、相手の想像を超える動きができればいい。

 この間わずかに二秒あたりである。

 実際には彼女は上にあるような手順で考えたわけではなく、予め戦闘中に把握していた情報を元に処理しただけである。

 ……普通は戦闘中にこんなことができるわけが無い。情報の重要性が上がるにつれ、戦場の情報全てを把握することなど不可能になっているのだから。

 普通はしかるべきバックアップがあって初めてより最悪の選択肢を消すことが可能になるのだから。

 と、話がそれたので元に戻そう。

 知らず顔に冷笑が浮かんでいたが、それを意に介さずにコンソールを引き出し、その上で指を躍らせる。

 同時に相手がそろそろ引き金を引くだろうと予想し、目の前に槍剣を突き立てる。

 通常よりも硬く精錬された槍剣は、相手のサブマシンガンの銃弾を表面が剥げる程度で受け止める。

 そうして、彼女の小細工が静かに浸透する。

 相手のヌエのWCSが正常に動かなくなり、相手が一瞬気をそらした。

 彼女にとってはその一瞬だけがほしかった。

 そう、この一瞬のために小細工を弄したのだから。

 ヴァンブレイスの体が沈み込み、ブースターはエネルギーを溜め込み暴発寸前まで高め、無理やり抑える。

 足のスパイクを展開し、油圧を最大まで上げ、グリップを得られる最大まで引き上げる。

 十分な踏み込みを得て、鋼の翼が高き空を舞う。

 同時に溜め込んだエネルギーの奔流は荒れ狂う噴射炎となり、翼を加速させる。

 加速された機体は300程度の距離を縮めるどころか飛び越す。

 宙を舞いながら、彼女は更に無茶を重ねる。

 相手の頭に達したくらいで全身を捻り、更には姿勢制御バーニアをフル稼働させて空中で機体の向きを入れ替える。

 この際法外なGが全身を襲い掛かったが、それによる痛みを気合で押さえ込んだ。

 そうしてほぼ姿勢を崩さず着地。

 同時に両腰にマウントしてあった武器を握る。

 その形は二枚の細い木の板の間に握り手をつけて、その先に短い刃をつけたような形容し辛いものだった。

 それはインドのイスラム教固有の武器で、名をジャマダハル、西洋風に誤解した呼び方をするならばカタールという武器そのものである。

 銘を『アクイラ』ラテン語で『鷹』を意味するヴァンブレイス本来の武器である。

 特徴としては硬い刀身とクロノにとって扱いやすい重量バランスで、軽い部類の武器である。本編中で言うならばシラギクと同等かそれ以下。

 降り立った音で気付いたのか相手が気付いたのかこちらを向こうとする。

 だが、彼我の距離は約50、ヴァンブレイスの得意距離である。

 こちらを完全に振り向いたか否かのタイミングでペダルを踏み切る。

 相手のコクピットを貫こうとして、『あれ、今回の任務って何だっけ』とふと思う。

 あんまり機能中枢にダメージ与えても困ったことになるのかなと思い至り、あわてて狙いを首と腰の付け根に変更する。

 普通は残っててもパイロットが使えなくするはずなのはこの際置いておこう。呆然としたまましない可能性もなくはないし。

 そうして二条の剣閃が走り、狙い通りに相手の首と腰に刃が突き刺さり、戦闘不能となった。

 目の前の機体の動きが止まったことを確認したクロノは次の動作へと移す。

 あくまで表面上の依頼は敵PFの調査およびサンプルの入手であるが、本来の目的はこの基地を叩くことにある。

 敵の防衛戦力は全て潰し終えた。

 ならば後は司令官が賢明であることを祈ろう。

 そうしてクロノは機体を司令室がある場所へと動かし、途中で槍剣を引き抜く。

 目の前に歩いていった後、おもむろに槍剣を司令室に突きつけて、

『で、どうするの?』

 と友達を遊びに誘うかのように気楽に聞いてきた。

 剣を突きつけられた司令官はすぐに決断する。

 

 未だ煙の立ち上る基地、その中央に上空に待機していたミラムーンの輸送機と周辺に待機していた基地制圧部隊の姿が見える。

 クロノはそれらを眠そうな瞳でぼーっと眺めている。特に何の感慨も無く。

 司令室であった場所の窓には白旗のようなものが掲げられている。

 降り立ってから三分程度、それでこの基地は落とされた。

 さながらそれは嵐のような悪夢であった。

 

 慌しくミラムーン兵が事後処理に走っている真っ只中、クロノは地上へと降りる。遣り残したこと―――単なる自己満足のために。

 地上へ降り立った瞬間クロノは顔を露骨にしかめる。

 地上に充満する血の臭いと肉の焼かれる音、瀕死の重症で楽にしてくれと叫ぶ兵士の呻き声に反応してだ。

『やっぱいつまで経っても慣れないものね、この臭い、この音、この声。慣れたくも無いけど』

 と心の中で愚痴をこぼして目的地へと歩く。

 その最中輸送機の中にいた一人の兵士が彼女に駆け寄る。

 どことなく興奮した様子を見て取ったクロノは内心溜息をつく。

 そして駆け寄った兵士は息も切れ切れに、

「クロノさん、お疲れ様です!!」

 とかなり興奮した様子で言った。

 それからクロノが言葉を返す間もないほどに次々に自分が見たものについて憧れや羨望、理想を交えて熱く彼は語り続けた。

 その様子にクロノは苦笑しながらも聞いていた。(実際には殆どを右から左へと聞き流してた。)

「いやぁそれにしてもすごかったですね」

 ある程度語りつくしたところでクロノはやっと返答する。できる暇がやっとできたとも言う。

「そう褒められることをしたわけではないわよ」

「いえ、称えられて当然のことです」

 と興奮した面持ちの兵士は間髪いれず言い切った。

 一瞬クロノの顔から笑みが消え、絶対零度の殺気を放ちかける。

 それを兵士に悟られる前に消し去って、仮面を被り直して、しかし感情は入れ替えたままに冷たく告げる。

「戦争していて称えられるって言うのはどういうことかわかるのかしら」

 その言葉に兵士は戸惑い怯える。

 戸惑ったのは何を聞いているのかがわからなかったから。怯えたのは彼女の言葉に今まで感じられなかった冷たさが含まれていたから。

 兵士の様子など一切意に介さずにクロノは続ける。

「つまりね……」

 わざと溜めを作る。こうすることで相手にこの後告げることが答えだと、重要なことだと知らしめる為に。

 知らなくても良かった事実の側面を突きつける。

「それだけ、人を殺したということよ。そして、物を壊したということよ」

 そう、戦争行為で称えられることをするというのは基本的に多くの敵を撃破したということ。

 つまり敵を殺したということ。物を壊したこと。それだけ、罪業を背負ったということ。

 それを褒められて、称えられて、英雄扱いされて地獄送りにされることのどこが喜べるというのだ。

 そうクロノは年端も行かない若い兵士に冷徹に告げたのである。

 これを知った後、この兵士がどうするかは自分の管轄外のことであるとしてクロノは歩を進める。死体安置所へと。

 そこに残されたのは困惑したままの兵士一人である。

 その後彼がどうなったのかは誰も知らない。知る由もない。この物語では語られないから。

 そうして世界は回る。

 

 死体安置所へとついたクロノは死体の数を数える。

 ここに安置されているだけで23は見える。

 外にもまだ多くいるであろう。

 ここの死者の数を脳に刻み込んだクロノは懐へと手をやる。

 目的のものを引き出した彼女は着ていた黒の上着からライターを取り出す。

 それを先ほど引き出した香に近づけ、着火。

 香の先端に火が灯り、辺りを人を落ち着かせる作用を持った香りが満たしていく。

 それを死体がある場所の近くに置き、静かにこの戦闘で殺したものたちへ黙祷を捧げる。

(殺したことを許せとも言わない。ここでやったことで安らかに眠れとも言わない。そうこれは自己満足。貴方たちが生きていたことは私が覚えているから、だからただ眠れ。)

 戦闘中の彼女と同一に見えないかのような言の葉を心の中でだけ呟く。

 それがここで死んだ彼らに伝わっているのかどうかは考える必要はない。

 ただ自分への戒めへと化す為に必要な儀式。

 自身の感情にけりをつけるための行為。

 だから口に出して言う必要は無い。

 戦闘中の彼女なら一切考えないこと。

 けど、今ここにいるのは『血塗れの暴君』であり、『漆黒の剣帝』であり、単なる『クロノ』という女性であり、『クロノ・O・クルクス』という存在である。

 人は誰しも仮面の一つや二つ持っている。

 家での自分。会社での自分。休みのときの自分。友達といるときの自分。etc...etc...

 今ここにいる彼女はその仮面のどれでもあり、どれでもない。つまりは『本当の』クロノとでも言っておこう。

 全てに等しく優しくて、残酷でもあり、誰よりも愚かで、慈悲深くもあり、無慈悲で、それでも自然と惹かれていくそういう女性だ。

 まぁこれは(本人も含めて)誰も知らないことで、特に意味は無いのだが。

 取りあえず何かが狂っているとでも思えばよい。(失敬な。byクロノ)

 うん、自分の理解が及ばない出来事は理解しないほうが良い。それでも何とかなるものだし。

 先ほどの言葉を殺された人物が聞いたとしたら色々あるだろう。

 容易に想像がつくので割愛する。どうせ怨嗟の言葉しか出てこないし。

(どうしても償ってほしいのなら、それは私の生き様で判断しろ。どうせ何をやれば償いになるなんてわからない。そもそも死者に対して償いをするのは自己満足以外の何者でもない)

 とそこまで心の中で呟く。

 ある程度黙祷した後、彼女はこの場所を出る。もうここにいても何もやることはない。

 結局生者が死者のためにできることなど一切無い。

 もう違う存在で、理解の基準が大きく異なるのだから。

 

 あれこれした後、クロノは死体安置所を出る。

 ふわ、と大きなあくびをして、眠そうな目を擦り、頭を掻きながら周りを見渡す。どっからどう見ても徹夜明けの人物にしか見えない。

 ちなみに言っておくとクロノは昨日の依頼を受けた直後から睡眠をとってなかったりする。

 存外派手に戦闘したものだから基地のあちこちが大きく壊れている。

 戦車の燃える姿とその中に埋もれている焼死体。

 職務に忙しい兵士諸君。

 連行されるこの基地の生き残りたち。

 その生き残りたちの列を横目にクロノは

(今日は何を飲もうかしら)

 と思いっきり酒のことを考えてたりもする。

 別段ここにいるから戦争がどうのこうの考える義務もないし、戦死者のことばっかり考える必要もない。

 本来はそうなのである。誰もが知りえない、いや知ろうとしないだけで。

 どんなに考えようと生きるときは生きるし、死ぬときは死ぬ。意外と単純なものである。

 そのとき生き残りの列にはクロノが最後に潰した機体のパイロットがいた。

 そのパイロットはクロノの姿を見つけて、不思議に思った。

『あんな人物がここに何のようがあるんだ?』と。

 特に何をするわけでもなくそこに佇んでいる彼女の姿を見つけて単純にそう思った。

 黒いロングコートに身を包んだいかにも眠そうな感じの女性がここに居ることに違和感を彼は感じた。

 そうして次に思ったことは『何を考えているんだ』という嫌悪感であった。

 ここは戦場だった場所で、たくさんの人が惨殺された場所だ。それもたった1機にだ。

 そんなことも知らずにのんきに佇んでいる。

 そう思うだけで彼の心の中に嫌悪感が募っていく。

 その次に浮かんだことは純粋な好奇心であった。

 彼女は何者なのだろうと。戦場に似つかわしくない雰囲気を纏った彼女は何をする為にここにいるのだろうと。

 けれどこのことは考えるべきではなかった。聞くんじゃなかった。と後に彼は思い返す。

『間違いはいつだって誰もわからず、唐突にやってくる物だってはじめて知ったんだ』と後に彼は語る。

 逆鱗=竜の顎の下に逆さまに生えている一枚の鱗。それを触ると竜は荒れ狂うという言い伝えより、人の触れてはならない箇所をさす。

 でも、人の場合はそれが明確な形になってないので誰もが知らずに触ってしまう。

 わかりやすく言うと『地雷』と言われているものである。

 そう、踏んでからはじめて気付くんだ。そういうことって。


 

 彼女に興味を持った彼は近くにいたミラムーン兵に彼女について聞く。

 けれど、その答えを聞いた瞬間彼の時は止まった。

「あ〜〜彼女は傭兵だよ。ミラムーンに雇われてここを落としたね」

 そう誇らしげに語った兵士の顔など見る余裕など彼にはなかった。

 頭が白く染まる。脳はあいつを殺す為の行動を組み立てる。体は殺す為に機能を高めていく。

 今にも飛び掛りそうな身体を何とか沈めて彼は搾り出すように唸った。

「な…ん…だ…と…!!」

 兵士は「ああそうさ」といい何かを言っているが頭に入らない。

 ナンだと…あいつらはあの女に殺された。

 アんなナニも考えテなさそうな女に?

 フザケルナ、ソンナコトガあってタマルカ。

 あいつらはシンケンニこの戦場ニタッテイタンダゾ。

 ソレナノニ、ソレナノニ。

 ソイツラヲコロシタアノオンナハイカニモダルソウニシテイルダト。

 ―そんなこと認めていいのか。

 ソレダケハデキナイ。

 ―だったらどうするのだ。

 アア、カンタンナホウホウガアッタナ。

 その結論に至った頭は身体をその結論にそって動かす。

 縄で縛られた両手をいきなり振り回し、油断していた兵士を突き飛ばす。

 突き飛ばした兵士の懐からナイフを取り出し、縄を切り、クロノの元へ走る。

 その突然の凶行に場慣れしていない兵士たちは慌てふためく。

 そうこうしている内にクロノを一二歩の間合いまで捉えた。

 そうして仲間の敵の顔を視界に納めた彼は叫ぶ。

「死んであいつらに償えーーー!!」

 その敵の顔は黒い長い髪を後ろで纏め、紅い瞳をもつ端正な顔立ちをしていた。

(殺った)

 彼はそう心の中で確信した。相手はまだ構えていない。振り向いたが反応はできていないのだろう。

 そう思った瞬間彼の下に空があり、一瞬の無重力感を味わう。

 足が地から離れている感覚。

 そう感じている間に背中から地面に強かに打ち付けられ、右腕を何かに掴まれている感触が残っている。

 呆然としたまま焦点を合わせると敵の顔が現れた。

 どうやら投げられたらしい。

 先ほどの気だるげな印象など一切無く、そこに浮かぶのは冷たい感情のみ。

 やっと自分の状況を把握した彼に冷たい言葉の追撃がかかる。

「で、何がしたいのかしら?」

 

 なにやら騒がしいので喧騒が聞こえるほうを振り向く。

 そうするとなにやら捕虜にした敵兵が暴れているのが見えた。

(全く、その程度で慌てちゃって可愛いものね)

 そうミラムーンの兵に評価を下す。まぁ当然の結果だけど。

 騒ぎを見ているとなにやら刃物を奪い、こちらに件の敵兵が近づいてくる。

 それを見てクロノは納得した。

(あ〜〜私が彼にとっての仇で、その私を見つけて殺そうと足掻いていたわけか)

 と微妙に何かがずれた納得の仕方だが。

 普通(ってこっちに向かってくる)とか驚くべきなのだが、憎しみをぶつけられることに慣れているクロノにとっては瑣末ごとに過ぎないというわけだ。

 でも刺されても死ねないクロノだろうが、痛覚はあるので痛いことは痛い。

 よって自動で反撃したりもする。

 何かを叫びながらクロノを必殺の距離に入れた敵兵はナイフを突き出し、殺そうとする。心臓を狙って。

(ったく人殺しにも慣れてないのに私を殺そうとするな)

 とか考えながらクロノはその腕をとる。

 ちなみに人を確実に死に至らしめるには重要な動脈のほうが狙いやすいし数が多い。首、腕、腿の六ヶ所に致命傷にいたる動脈が配置されているのだから。

 クロノはそのとった腕を内側に軽く捻り、足を払い、腕を回し、上から叩きつける。

 あまりに滑らかなで自然な動作だったのでそれぞれが独立した動きとはわからず皆投げ飛ばしたと解釈した。

 だが、基本的に『投げ』と呼ばれる技術には『受身』といわれる技術が存在し、衝撃を和らげることができる。

 柔に然り、合気に然り、レスリングに然り。

 それらの技術系統は殺す際、どうやって相手の受身を流すかということでその弱点を回避している。

 けれどこれはただ単に右手に持った相手を思いっきり地面に叩きつけているだけだ。

 だから明確な受身など取れるわけが無く、無意識的な受身すら儘ならない。

 まぁ威力は気絶まで行かず、ちょっとした打ち身程度で済んでいる。

 脊髄反射のようなものだ。だからこそこの程度で済んでいるのだが。

 そうして地面に仰向けになっている彼を見て冷徹な声で囁く。

「で、何がしたいのかしら?」

 何を思ってこんなことをしたかは百も承知、だからこそ何がしたいのか。

 矛盾したことを普通と思っているこの敵兵に問いかけたのである。

 彼は「何をわかりきったことを」と低く唸る。

 そうそれはわかっている。誰しもが帰結しうる当然の結果である。

 何がしたいなど『仇をとる』以外に考えられないだろう。

 けど、

「だからこそ聞いているのよ。な・に・が・し・た・い・の・?

 わざわざ妙なアクセントまでつけてクロノは聞いた。

 彼はその言葉を聞いて更に眉を顰める。

 言わなきゃわからないのかと彼は語気を強めて、精一杯の憎しみを込めて言い放つ。

「貴様に殺された仲間の仇を取る以外に何があるんだ」

 わかってないわね、と彼女は生徒に説明するかのように穏やかな笑みを浮かべる。

 けれど、一切心の中では笑ってなかった。

 だからと前置きをして、

「私を殺してどうしたかったのかしらって聞いているのよ」

 それを聞いた彼はまた何をいまさらと思いつつも答える。

「貴様は死んであいつらに償うべきなんだよ」

「あっそ」

 とまぁものすごく簡単に返された。

 その言葉を聞いて更に苛立ちが募る。

 表面上穏やかな笑みを浮かべていて、内面は一切笑っていないクロノはその答えを聞いて呆れた。

 あまりにも普通すぎて、あまりにも考えてないのが良くわかってただ呆れた。

 だってねぇ、

「ふーん、つまりは貴方は私に殺された仲間たちの為に償えといいたいわけね」

「違う、死ねといっているんだ」

「まぁそんな言葉遊びはどうでも良くてさ」

 クロノは掴んでいた右手を離し、肩をすくめて頭をわかりやすく左右に振った。

 俗に言う『やれやれ』のポーズである。

 それから何かを言う前に彼が言い放つ。

「あそこでPFが壊れてなければ殺せたのに」

 ものすごく悔しそうに言う彼の発言にクロノは数度目を瞬かせる。

 そうして思わず、

「って何それ!?笑える冗談なんだけど!!」

 吹き出した。

 彼はそんな彼女の様子を重度の精神病患者を見るような目で見ていた。

 ひとしきり笑い続けた後、まだ涙が出る瞳を擦りながらクロノは最低最悪の事実を突きつける。

「というよりあれ、一切故障してないわよ?駆動OSから中枢まで。そう報告受けたし」

 そう聞いて彼の頭は止まった。

 嘘だろと心の中で繰り返す。

 そんな彼の心情を知ってか知らずかクロノは事実をただ羅列していく。当然彼への嘲笑も織り交ぜて。

 いまさらあれだが、本来のクロノは第三者から見れば性格が悪いに分類される。

 尤も手を出さなければ無害だけど。雉も鳴かずば撃たれまいというやつだ。

「というよりそんな戦闘中に壊れるような手抜きを整備班がやると思う?」

「まぁどうせWCSが正確なことを表示しなくなったから壊れたと思ったんだろうけどさ」

「逆に言えばそれだけで、普通に銃を撃つことはできたんだけど?」

「まず本当に壊れたんだったら機体を振り向かせるという動作すら厳しいものがあるんだけど、まさか気付かなかったわけないわよねぇ」

 とまぁ普通の状態だったら気付くようなことを羅列していくのだが、戦闘中という状態でそのことを普通に受け止められる人は少ない。

 ここで本当はどういう状態だったのか説明しておこう。ここまで引っ張った小細工とやらが何なのか。

 WCSは単純な様で複雑、複雑なようでその実単純といういわゆる矛盾した性質を持っている。

 少し前にある程度言及したが、もう少し詳しく触れておこう。

 前者は敵を攻撃する際に必要な情報のことをさす。視界に入れて彼我の相対距離を測るだけでは『攻撃』ができないのだ。

 敵の行動予測、周辺の大気状況、風速、敵味方の識別、敵の被弾状況、その他諸々。

 それらが無ければ『撃つ』ことはできても『攻撃』はできないのだ。

 WCS自体は火器管制ぐらいの役割しかない。でも、攻撃に必要な情報をひとつでまかなえない以上他の火気管制システムや情報収集端末と密接な関係がなければならない。

 後者は半分述べたようなものだが、WCSは撃つという行為の補助ぐらいしか役割を果たさない。

 そう、『WeaponControlSysytem』自体がはじき出すものはそれ位しかないのだ。

 対象をロックオンして撃つという行為の補助をするぐらいしかやることは無いのだ。

 新兵とかが考えるような万能なものではないのだ。

 クロノが今回やった小細工とはWCSに誤認を起こさせると言うきわめて単純なものである。

 歴戦の勇士なら一切引っかからない極単純なものである。

 それは……自身の機体の識別信号を相手のものと同じものに書き換えるだけである。

 とは言ってもただ単に大本のサインをミラムーンからヴァリムに変えただけである。

 ヴァリムのものと同系統の信号でもいきなり現れればすぐに偽者と気付くし、何よりデータベースと照らし合わせれば絶対に気付く。

 というわけで戦略的にはほとんど意味が無い。けど、一瞬が全てを左右する戦術ではそれだけで十分である。

 基本的に今まで正常に作動していたものが一瞬でも違う情報を弾き出すと、機械に頼っているものは止まる。

 立ち直る時間に差異はあれども、一瞬だけでもそれを勝機にできるものであれば十分すぎるのだ。

 この場合は今まで認識していた『ミラムーンの識別信号を出している機体』が『ヴァリムの識別信号を出している機体』に変わったので、『敵』をLOSTというわけだ。

 とはいってもそれだけなら機体を追尾できる。

 もうひとつこの場合別の要因が加わっている。

 それは周辺が燃えていたということだ。

 これにより、周囲の気温が高く赤外線放射量も跳ね上がっている。

 それによって情報量が規定値を超え、バーストの状態になっていた。

 更にPF固有の高い赤外線量も火事によって隠され、正確な情報を弾き出すことができなくなっていたのである。

 という風にしてクロノはPFのもうひとつの目WCSを見事欺いたのである。

 というわけでこのような状況に陥れることは最初から予定されていたわけだ。

 話を戻そう。

 とこんな風に適当に彼を嘲笑した後、もっとも肝心な矛盾点をつく。

「というより初めに『死んで償え』に似たようなことを叫んでいたけど」

(まぁ理解できない、というより理解したくないだろうけど)と心の中で考えながら無慈悲に宣告する。

「死んでどうやって償えというのかしら」

 その言葉を聞いて彼は一瞬言葉に詰まる。けれど負けじと、

「どうって…「死ぬことが償いになるとでも思ってんじゃないでしょうね」」

 言おうとしたが、先手を打たれた上に更に矛盾点を指摘された。

 更に続けて、

「やれやれ、死んで動けないのにどうやって償えって言うのかしらねぇ」

 そう、償いとは自己満足の一種ではあるが、生きていなければすることはできない。

 死んで償うというのは単なる殺されたものの縁者の復讐心を満たす行為でしかない。

 償うという行為の定義を他の生命へと何かを繋げる行為だとすれば、先の『死んで償え』という発言は矛盾点を孕み過ぎている。

 誰しもが当然と思って受け入れている絶対的な矛盾、それをクロノは指摘したのだ。

 償うとは何かしらの代償を払うことを指すが、死ぬことが代償として支払われても唯復讐心が少し満たされるだけ。

「それで貴方たちが考える償うことになるのかしら」

「ただ狂おしいほどの復讐心が満たされればそれでいいのなら別だけど」

 その言葉に彼は言葉を失う。

 これ以上言っても何も論破できないと悟ったから。

 その様子を見て満足したのかクロノは又穏やかに笑って見せて、

「で、本当に何がしたかったのかしら」

 そう言った後、こちらに駆け寄ってくるミラムーンの兵士に後のことを任せて、また佇む。

 そっちの不手際で命の危険にさらされたんだけどと言って慰謝料をふんだくろうかと考えながら。

 

 こちらに向かってきた兵士がミラムーンの兵士に引き渡されたことを見届けたクロノは自身の機体へと歩を向ける。

 色々なことが起こり、色々なことが終わった場所に背を向けて。

 戦場とは等しくそういう場なのである。

 ただ誰も知ろうとしないだけで。

 その最中後ろから叫び声が聞こえる。声の紋からしておそらく先程の彼であろう。

 その声の色は無念さと悔しさと渇望が入り混じり、更に負の念が混ぜこぜになったものであった。

「くっそーーーーー!!俺にもっと力があればーーーー!!」

 何ができたのかは聞こえなかった。

 けれどその叫びの理由は良くわかった。

 けれどわかったからこそこう思う。

「力なんて、必要以上に持っていても邪魔なだけよ」

 あらゆる意味で過ぎた力を持ってしまった為に常人では歩まざる悲劇を歩いてきた彼女だからこそそう実感できる。

 でも、それは過ぎた力を持った為に地獄を見たものでしか共感できないことでもある。

 ヴァンブレイスに乗り込んだ彼女は哀しい色を宿した瞳で戦場であった場所を見る。

 願わくばこの場所で起こったことが誰かに根付いて他の生命へと繋がりますようにと想って。

 そうして嵐は過ぎる。吹くべくして吹くべき場所で全てを飲み込み、吹いた後に豊穣の種を残して。

 

―???

 ほの暗い一室の中、彼女はコンピューターの目の前に座っていた。

 その妖艶な美貌の上に浮かぶのは冷笑と嘲笑。

 モニターの上にはつい先程まで戦闘が行われていたとある基地。

 たった一機のPFに落とされたというにわかに信じられない話だが、事実としてそこにあるのだからしょうがない。

 細い指をルージュの上に走らせた後、その人差し指でモニターの縁に張られた写真の上に這わせ妖艶な笑みを浮かべる。

 その写真に写っているのは黒い髪と紅き瞳を持った女性であった。

 その女性はガルスキー財団にとって邪魔な存在であった。持っている技術は魅力でもあるのだが、何より邪魔なのであった。

 女性も当然彼女に興味を持っていた。

 自分は他者とは絶対に違う、という確信が簡単に見て取れる。

 その表情を壊すのが好きだった。

 写真に写っている女性が怨嗟の声を上げて絶命した瞬間どんなに甘美なのだろう。

 そう想うだけで悦に入ってしまう。

 女性の傍らには虚ろな表情の女性が一人立っていた。

 彼女も以前までは誇り高く、高潔な女性であった。

 だが運悪く、正確には必然的に女性の目に留まることになった。

 実験、辱め、投薬、拷問etc...etc...により精神を破壊され、廃人になってしまった。

 女性にだけ従う人形へと変わり果ててしまった。

 女性は不幸せだったのかもしれない。

 どうだったかは知らない。

 けれど気付いたときにはこの世の全てが愚かだと思い、憎くも感じた。

 そして、自分が思うように他人を動かせることにも気付いてしまった。

 だから、全ては自分が仕立て上げた舞台ということを知らない他人が脚本どおりとも知らず自分の意志で踊っているように思い込んでいるさまを見ることが楽しくなったのかもしれない。

 そうかもしれないしそうじゃないかもしれない。

 けれど、そのことを知った時の他人の表情が何よりも甘美なものだと感じることは確かだ。

 想像の中で悦に沈んで、狂ったように笑いながら女性――『フォルセア・エヴァ』は一人呟く。

「貴方は私をどこまで楽しませてくれるのかしら、クロノ・O・クルクス」

 そうして笑い続ける。

 彼女は知らない。

 この世には宿命が原作を作り、運命が脚本をし、必然が監督する『世界』という舞台の上で自由意志を持って踊ることのできる存在があるということを。

 それは誰しもが到達し得ることだということを。

 その存在の名を『クロノ・O・クルクス』という。

 彼女は気にも留めない。

 彼女が壊した女性の友人に今この世でもっとも触れてはならない女性の名があることを。

 その友の名を『セレナイト・フィロソフィア』という。

 この事実を知っていたら何か変わっただろうか?いや何も変わりはしなかっただろう。

 おそらく彼女がもっとも求めているのは自身の崩壊なのだろうから。

 狂った円舞曲は終わりを知らず、ただ崩壊まで躍り狂い続けるだけ。

 

 ―こうして全ての駒は揃った。

 ―後は風が吹くままに物語は紡がれていく。

 ―誰も結末を知らない。

 ―だから誰もが結末を求めて歩いてゆけるのだ。






 

 third-3[Recuring Nightmare] end

 next [the Lord of Black Knights]

 detour [ADM"Van Blace"]






 



後書き〜Recuring Nightmare(繰り返される悪夢)〜

 ミスト(以下ミ)「どうも〜ここまで読んでくれてありがとうございます」

 作者(以下時)「すいません、前回より遅くなりました」

 ミ「良くわかっているじゃない」

 時「本当すいません」

 ミ「まぁいいか、遅筆はいつものことだし」

 時「今度はきっと早くなります」

 ミ「…本当に(疑)」

 時「…本当に(汗)」

 時「では、この辺でさよ〜なら〜」

 ミ「逃がすか!!終焉の理、『ジ・エンド・オブ・エターナル』!!」

 時「ぐげっ」

 ミ「…こほん、次の話は回り道の話の予定です。あと、この下に少々詳しいチャプター1の人物解説を載せときますのでご覧になりたい人はどうぞ」

 この後数ヶ月間作者の氷像が飾られていたという。

 

解説

 クロノ・O・クルクス
  この物語のチャプター1の主軸。この人が降ってこなかったらこの物語は始まらなかった。
  性格は複雑怪奇。何でこうなったかは作者も知らない。自然とこうなっていたと解釈したほうがよい。
  この話で行動が一貫してないのは話中に語ったとおり様々な仮面をかぶっていたから。
  信念や大義というものとは程遠い位置にある人。心に決めた貫き通すべきものを信念と呼ぶのなら『自分が自分らしく在る』ぐらいである。
  こうなったのは生来のものや種族としての特異性もあるが何より師匠の影響がかなり強い。
  種族としての特異性については詳しく説明するとものすごく長くなるので割愛する。
  後、大義や他人を理由に人殺しをしようとする奴が大嫌い。正確にはそれを理由に殺人を正当化しようとする奴。
  理由としては、殺人や虐殺という行為はなんだかんだ言って結局は自身の中にある何かを満足させようとする行為に過ぎないから。
  それを行ったことによる責ぐらいは自分で背負うべきであるという考えが根本に根付いているから。
  だから、『虐殺ごときに大義名分など持ってくるんじゃねぇ』と微妙にずれた発言を持ってくることもある。
  すべての行動に意味がある。だから一見突拍子もない行動をしても『まぁクロノだし』で片付けてはいけない。
  後意外なことに単騎決戦よりも集団戦闘のほうが得意。
  こやつを釣るには酒の話を持ち出せば良い。
  結構簡単に釣れる。でも、主義に反することは絶対にやらない。

 ミスト・A・アンティノーラ
  クロノの親友。とはいってもこの話に出てくるのは電子人格。オリジナルはクロノに殺されている。
  義手ならぬ義体に入っていることが最近は多い。電脳でつながっているのならどこにでも出没可能。
  とりあえず悠久の時を生きるものの宿命として退屈が大嫌い。
  なぜなら生きようとする意志が薄くなるとそのまま消え去るから。『永遠を殺すのは絶望と退屈』である。
  基本的にこの話では表に出ることが少ない。必要がないから。
  変わりに小細工を弄してクロノをはめることが多かったりする。
  日々を楽しく生きることを常に考えている人物。
  日常は見方を変えれば全てが楽しく、全てがつまらないことである。

 セレナイト・フィロソフィア
  偽名を『ソフィア・フェイス』と言い、酒場『愚か者の宴』を運営する。
  元々ヴァリムの情報部に所属しており、フォルセアの部下だった経歴を持つ。本人は抹消したけど。
  結城流無影式戦闘術を習得しているので、生身の一般的人間としては化け物の部類に入るほど戦闘技能は高い。
  情報部に属していて人当たりも良かったので今でも莫大な情報網を持っている。
  それを利用して情報屋を兼業している。
  傭兵としては潜入任務などが得意。何故傭兵まで兼業しているかというと、実入りが良いから。
  国や政治から離れている為に本当に自分のやりたいことに全精力を傾けている人。
  後、ヴァリムに想い人がいるとか。

 クサナギ・レイフォード
  ミラムーン戦略機動軍大将の肩書きを持つ。
  大将としてはかなり若い部類に入るが、持ち前の情報脈と行動力で実戦でのし上がった。
  事実としてはかなりの数の将官を買収した。それで使えない人物を使える場所へと左遷した。適材適所という奴だ。
  性格としてはかなり腹黒い。表は人当たりのよい人物であるが、裏では容赦は一切ない。
  人から嫌われても結果が人の為になればよいという典型的な官僚。
  けれど自身の則を超えるようなことは一切しないから破滅することはない。
  PFという兵器のあらゆる面での可能性を知っているので積極的に導入しようとしている。
  実は子飼いの諜報員にアルサレアの最新情報を入手させている。
  ヴァリムの分はとある情報屋からほとんどの情報を入手している。

簡易設定

―語句

 アクイラ
 ―ラテン語で『鷹』の意。形状については本文を参照のこと。本編中に出てくる『カタール』とは違うものである。あそこまで刀身が長くない。
  ヴァンブレイスの両腰にマウントしてあるクロノの得意武器の一つ。

 終焉の理『ジ・エンド・オブ・エターナル』
 ―ミストが使う技の一つで、ミストが持ちうる最強の技。
  超低温のエネルギーを杖に込めて対象に投げつける。という単純な技。




 


 管理人より

 時の妄執さんよりご投稿頂きました!

 あっという間でしたね〜

 まぁ、戦争自体が単なる欲望の塊なんですけどね。



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