お読みになる前に
今回は今までと違って、結構「殺す」などの暴力セリフや作者の妄想兵器がでますので、気をつけてください
アルサレア要塞第4格納庫
アルサレアの軍事面と防衛の中枢を担う本部とも言うべき要地「アルサレア要塞」の中は壮絶を極めている。
「ねみぃ〜〜おい、ケン・・・少し寝てきて良いか?」
「良いと思うか?」
哀愁漂った雰囲気で懇願するコウスケだがケンは簡単に一蹴。
止めとばかりに何時もの無愛想かつ真面目な顔でケンは呟いた。
「女遊びしてばかりだから寝不足になる・・・」
「んナ訳在るか!」
コウスケは大声で言い返す、だが周りの整備兵に「騒ぐな! 俺たちだって疲れてるんだぞ、こらぁ」と眼で語られてしまい黙った。
少し反省したのか静かな口調で愚痴りだす。
「ヴォナンシティから悠々と戦艦で帰って来れたと思ったら、今度は超過勤務かよ・・・」
愚痴りながら2週間前の事を思い出し始めた。
ヴォナンシティでの議会ジャックにアルサレアは成功していた。
だが、いくら国際世論を得たからと言って非戦闘地域で戦闘を遣ったことには変わりない。
根回しするまではテロリストと同じ扱いであり脱出する必要があったのだ。
それを逃がしたくないのが言うまでもなくヴァリム。捕まえて口封じするつもりだった。
しかし、智将(知障?)ゴルビーは切り札を用意していた。
「その所為でヤタガラスの艤装が間に合うか怪しいんだがな・・・」
ケンの言葉通り、脱出の為に使用したのが艤装途中であったヤタガラスである。
ヤタガラスは元はヴァリムのオーガルディラム級空母である。
グレンリーダーと精鋭達の活躍で撃破した物を回収し、アルサレアの技術で強化したのだ。
もっとも、アルサレアの国力と戦争による経済問題で修理しか間に合っていなかったのだ。
しかし、それを利用したのがゴルビーである。修理だけが終わったことでオーガルの威容を得たヤタガラスをヴァリム所属のオーガル級に偽装させて部隊を回収したのだった。
「冗談は此処までとしてだ・・・後、1,2時間位でヴァリムの残存部隊が防衛ラインにぶつかるぜ」
唐突にコウスケは表情を引き締める、普段は不真面目だが閃光の爪隊の面々は戦闘と通常の精神のラインを区切っているからであった(その筈だが怪しいものだ)
「上も面白いこと考えるものだな・・・ジジィとアイツも勝負に出るつもりだ。負けるわけにはな?」
「当たりまえだっつ〜の。けどよ、本人に全く自覚がないとしても少将・・・しかも未来の将軍候補をアイツ呼ばわりするか、普通?」
コウスケの突っ込みだがケンは動じない。
「する」
真面目から一転して二人は何時もの状態に戻った。
だが考えようによっては、あながち間違っていない。
常日頃から戦闘的な精神では人ではなく機械になってしまう。
ケンは「俺達は機械じゃない。機械では戦いを終わらせることは出来ない。終わらせられるのは人のみだ」と部隊員の前で訓示した事があるので否定するつもりもないのだ。
「まぁ・・本人も下手に上の人扱いしたら怒るだろうしよ」
「確実に怒るな」
そう言うものの二人は顔は笑っていた。
それだけアイツ「グレンリーダー」の事を信用しているのだろう。
もう一つの意味として、此れから起きる戦いは壮絶なものと直感してる。
死ぬつもりではない、互いに士気を上げあっていたのだ。
「と言う訳で俺は他行くぜ? お前も何人かに会っとけよ」
そう言いながらコウスケは格納庫の出口へ歩き出していく、ケンも反対の方向に向かって歩き出していた。
アルサレア要塞の外の丘
アルサレア要塞は断崖絶壁に囲まれており無敵の要塞と言われている。
大規模な部隊の進入は困難を極め、空からの進入も圧倒的な対空兵器群で決死の作業になるのが由縁だ。
その断崖絶壁の中には珍しく見晴らしのよく、首都オルフェンシティが見渡せる丘があった。
「・・・・」
その丘の上で空を見上げて物思いにふけっていたのはタケルであった。
(ついに来るとこまで来っちまったな・・・俺は許されんのかな?)
Jに来る前に居た所で共に過ごした仲間達の顔がよぎった。
彼女達ならばJの争いを見て嘆くだろう。
そして、それに加担する自分を見て何と言うか?
再会を願いながらも怖く思ってくる。
(でもよ・・・俺は後悔はしないぜ)
部隊に入った直後の失敗でケンに言われた言葉を思い出す。
―――反省はしろ。だが後悔はするな!――
自分の行動に後悔しては何も出来ない、間違いならば間違いと認めて考えろ。
それがタケルの前の過ち「人を殺してしまった」への答えになったのである。
(此処の戦いを終わらせたら直ぐに戻ってやる!だから死ぬなよ!)
「どうでも良いが・・・一人で表情をコロコロ変えて面白いな?」
タケルの誓いに茶々を入れたのはケン。
実は(ついに・・)あたりから後ろでタケルを見ていたのだ、ばれない様に。
「どわぁぁぁぁーーー!」
「流石だな・・・ナイスリアクション」
ケンの言うナイスリアクションとは崖から落ちそうになった事である。
(この隊長は・・・ナンだってアイツに似てるんだよ?)
命の危険の中でタケルは昔の友人の一人の事を思い出した。(走馬灯?)
しかし、それはそれ。
「いきなり声かけないでくださいよ。落ちたら死にますし!」
「お前の知り合いのエドだっけ? この前、落ちたが死ななかったぞ?」
・・・エド。お前は本当に何もんだ? ざっと100メートルはあるぞ(汗)
その事実を無視(怖くて認められない)してタケルは表情を引き締めた。
「ついにヴァリムの部隊が来たんですね?」
「いや。暇だから話に来た」
ズッコケェ!
またも落ちそうになった(笑)
「暇つぶしに来るなら準備するなり休養をとるなりするべきですよ!」
タケルの突っ込みにケンはヤレヤレと言わんばかりに返した。
「この前の戦闘から帰ってきて、お前の表情が面白かったんでな。何が有った?」
ヴォナンシティの戦いの後のタケルの様子は生き生きとしていた。
その様子を良いと感じていたが何が有ったのか疑問も出る。聞いておきたかったのだ。
「何ってですね・・・俺と同じ考えの奴がヴァリムにも居たって事ですよ」
「どんな奴だ・・・」
タケルと意気投合するという事は変わった人種であるといえる(まて)。どんな奴か疑問になるのだろう。
「面白い奴ですよ・・・今は元気に遣ってるんじゃないですか?」
「分かるのか? もしかしたら考えが変わってるかも知れんぞ?」
その言葉にタケルは少しムッと来た。
しかし、不敵な笑みを浮かべて言い返す。
「だったら調べますよ」
「どうやってだ?」
半信半疑のケンにタケルは眼を閉じて額に手を当てて唸り出した。
「俺と奴との長年(互いに気づいていないので、会って30分程度だが)の絆によるテレパスィー(思い込み)でです!」
「・・・」
何も言えないケンを余所にタケルはカールの様子を考え出した。
と言う訳でテレパシー開始
日本某所
おおよそ日本に在るとは思えない城の廊下を駆け抜ける影が一つ。
彼岸一族の現当主にして最後の戦士「ザサエ」である。
「マグロ・・・コンブ・・・あんた達の犠牲は無駄にしないわ!」
世界崩壊を企てる烏賊坂(いかさか)一族との決戦において現存していた二人の名を口にする。
他にも夫や息子も居たのだが、謀略によって散っていた(夫はお前が原因じゃないのか?)
その二人もまた、コンブは入り口でヘルファイア特攻で命と引き換えに血路を作り、マグロも先ほど追ってきた衛兵に特攻をかましたのだ。
「・・・もう直ぐ・・・もう直ぐよ!」
最後の階段をザサエは上りだす。
同じ頃・・
あたり一面に散らばるは烏賊坂一族の衛兵と指揮していた家の者たち。さらに傭兵である教師や酒屋の店員も転がっている。
「ふ〜〜ふ〜〜姉さん生きてっかな・・・」
ただ一人立っていたマグロは周囲を見渡しながら呟く。
この場の敵をマグロは一人で撃破していたのだ。
「グフ! ドムぅ! ゲルググゥ!」
到る所から血が噴出し、口や目から血が流れ出す。
敵の数が多すぎたためにマグロも深手を負い、もはや逝く手前だった。
「ったく〜姉さん一人に任せるのも不安だよな〜」
口調とは裏腹に体の反応は鈍い。
苦労の末に片腕を空へ掲げると残った命を昇華させる様に叫ぶ。
「わが生涯に・・・一片の悔い無し!!」
「?! マグロ!」
声は聞こえなかったがザサエはマグロの最後を感じた。
悲しみを堪える様に前を睨むと其処には大きなドアが有る。
「終わりだ・・・これで終わる。それまで待ってなさいよ、みんな!」
入り口に手をつけた。
「死にさらせぇ! キル・イカ!」
大声と共にドアを蹴破ってザサエは烏賊坂一族の当主の部屋に踊りこんでいった。
劇終
ヴァリム首都ザーンシティ
「どうでしたか〜今の無能な強硬派の性格じゃ隊長程度の権力でどうにか成るとは思っていないですけど?」
首都内の基地でアイアンメイデン中隊に当てられた部屋でカールは帰ってきたレンに結果報告の確認と毒舌を当てた。
少しやつれた様だがレンは持ち前の明るさと陽気さは失われておらず、だが深刻そうな顔でカールに説明しだした。
「だめだな・・・既に先鋒が防衛ラインに接触する。そうなる前に和平に持ち込んで終わらせたかったが・・・無理だな」
ヴォナンシティの戦闘後、アイアンメイデン中隊は戦力の落ちた首都防衛隊に配属されていた。
穏健派であるレン達が何故に配属されたかというと、一部の人にしか知られていないがレンの父親はヴァリム議会議員である。ついでに言うならば祖父は最高評議会の副議会長である。
つまり、レンは階級では図れない影響力があるのだ(二人とも強硬派の振りをした穏健派)
そうでもなければキシンやラセツECなどの新型機を受領できるはずもない。
「そうですか・・・他の穏健派の人達はどうなってますか?」
グリュウやレビ・プラウドなどの英雄達を筆頭に穏健派の人は他にも居る。
しかしレンの首は横を振っていた。
「殆どはアルサレア要塞攻撃か辺境の守備に廻されている・・残っているのは一握り程度しかいねぇ」
レンの口調は悔しさが溢れていた。
結局は自分に何も出来ないのではと思ったのだ。
不意にカールが意外な行動に出た。
「グリュウさんからの伝言です」
「何だって・・・?」
落ち込むレンの肩に手を置いて慰めるようなしぐさに驚きつつも(こちらが9割)、グリュウからの伝言に驚く。
「この戦いはヴァリムに正義はないかも知れぬ・・・だが、我等には我等の正義・・・皆の命を守る為に戦うと言う大儀がある。その為に行く。だが其れはアルサレアもミラムーンも同じだ。この戦いが終わったら、勝敗に関係せず本当の敵に立ち向かおう」
その言葉を聞いてレンは愕然とした。
「グリュウは・・・死ぬ気か?」
突然の言葉。
それに「皆を守る」。グリュウの性格ならば自分の命を引き換えにでもするだろう。
もはや遺言を聞いた気がした。
だが、カールはレンに御構い無く話しかける。
「死ぬ気かどうかは関係ないです。重要なのは託された事を遣り遂げる事だと思いますよ」
その言葉にレンはハッとした。
自分がカールに人としての何かを教えていたが、倍返しで大切な事を思い出させられるとは思わなかったらしい。
「・・・お前に教えられるとは思わなかったぜ」
「隊長の頭で理解出来て良かったです」
レンはズルッと滑った。
最後の最後で酷い締めだったからである。
場所をタケル達に戻す。
「・・・何だありゃ?」
思わず口にする。別に見えたわけではないが、何故かザサエさんとカールの隊長を隊長と思わない行動が思い描かれたのだ(テレパスィーは思い込みです)
「・・アホやってる暇があるんなら行くか?」
「・・・(この人はーーー!)」
少しタケルは怒った。
だが気を取り直して今の内に言っておきたい事があったので言わせて貰おうと思いつく。
「隊長・・・一つ聞いてください(あ!この性格じゃダメって来る!)」
「良いぞ?」
ズルッ!
あっさり了承されてタケルはコケタ。
(・・・・何でこういう時だけは聞き訳が良いんだよ!)
今度こそ気を取り直してタケルは言葉を紡ぎだす。
「俺の答えを出したので聞いてください」
「分かったから言え」
ぶっきらぼうだが真剣な表情でケンは聞き始めた。
「まず俺の不殺ですが・・・この前に殺してしまいましたが、だからと言って殺戮に走ろうとは思いません。これからも無闇な殺生をせずに戦って生きます!」
「それでも殺してしまったら?」
聞くだけではタケルの信念の強さを図れないと思ったのかケンは質問をする。
「其れでも不殺を変えません。それ以上の殺戮をしない為に続けます!続ける事が大事なんです」
「後悔するかも知れんぞ?」
自分も不殺を掲げているが精神的に厳しく思うときがある。
何度も後悔したくなる事が起きてきた、が、何とか後悔しないで続けている。
タケルに耐えられるのか吹っ掛けたかった。
「人は自分の生まれを決める事は出来ません」
「何?」
突然の内容変化にケンは戸惑うがタケルは続けた。
「ですが、生き様を決める事は平等に出来ます」
其れがタケルの答えの一つである。
昔の知り合いが言った事。
――人は生まれを選ぶ事は出来ない・・・だが死に様だけは自分で選べる――
――どうせ自分の人生なんだから好き勝手に生きれば?――
「俺の人生ですから、何をするかは俺が決めるぜ! そこに後悔なんてのは無縁だし」
思わず敬語から地が出てしまった。
ケンは表情を変えず次を待っていた。
そしてタケルも最後の締め的な言葉がある。
「戦う事自体が罪なんですよ・・・」
其処まで言って今度は叫ぶ。
「これ以上の罪を背負う人が増えないためにも・・・俺が一つでも多く背負ってやる!
それが俺の生き様だ!」
もはやケンに言う言葉はなかった。
強いて言えば
(合格・・・此処まで成長しているのならば、ジジィの言う例の部隊も任せられるか?)
ふと機密の部隊について考えてしまったぐらいタケルの発表はケンに響いていた。
其れを隠すためには話題転換である。
「よく分かった・・・それを続ける為にも此処で終わる訳にはいかんな。さて行くか?」
「ですね・・・」
都合よく通信機がコールを告げる。
追い詰められたヴァリムの残存部隊をアルサレア要塞に集中させて一気に叩く最大の作戦が待ち受けている。
タケルが答えている最中にケンはフライングダッシュで駆けていた。
「おら、置いてくぞ?」
「あ、待って下さいよ!」
続けてタケルも駆け出す。
こうしてアルサレア要塞戦は始まった。
この戦いがアルサレアの勝利になった事は言うまでもない
戦争は終わった。
だが戦いの火種は尽きたわけではない。
それでも彼らは戦う
自分の誇りと信念の為に
後書きのような暴露
・・・終わった。
ようやく終息が終わりました。
予定では2月後半に終わるはずでしたのに、気づいたら4月です。
なんか、タケルの答えは仮面ライダー5○5とSE○Dの答えを足した感じになってしまいましたが(まて)、それが当初からの答えでした。
「生き様は自分だけが決められる」は、8月頃やってたゲームで感動した内容です(まて)
後半は手抜き気味のような気もしますが、これにて終了です。
ヴァイスとシリアを貸してくださいました双首蒼竜さん。ケイオウとアッサーを貸して頂きました踊る風さん。トキノ夫妻を貸して頂きました桃音さん。レイジを色々と使わせていただきましたタングラムさん。ジークで暴れさせていただきました我龍さん。本当にありがとうございました。
しばらくは投稿のスピードが極端に落ちますので書くかどうかは分かりません。
では、次の作品(が有ったら)でお会いしましょう。
では〜
オマケ1
ヤタガラス:踊る風さんにお借りしました。脱出方法が思いつかなかったので、使いました。前回の最後の爆発はダミーで、その隙に収容した。
アイツ:タケルの昔の知り合い。翼と此の作品が隠しでクロスしているゲームのキャラクター。
ザサエさん:最終話が届かないので、自分で最終話を作りました。最終ボスは隣の家の烏賊坂先生(笑)
キル・イカ:キルダイ(映画)を見たいが為に出た言葉(おい)
機密の部隊:双首蒼竜さんの鋼鉄黙示録につなげてみました(勝手にやってすいません)
オマケ2
次の作品の予告編です。
何時完成するかは分かりません(笑)
何処かの丘の上で空を見上げるタケルと友人
「あの星が僕達の祖先の生まれた星なんだって?」
「なんて星だよ?」
「さぁ?」
他愛のない言葉の中で気づかないが、近くの石に描かれた消えかかっている相々傘(?)に刻まれるタケルと言う文字。
「お前達は戦場に行く!死にたくないのなら真面目にやれ!」
多数の訓練兵に訓辞を行う教官!
「ふざけんじゃねぇーーーぞ!」
「てめぇこそ!」
殴りあうタケルと訓練兵A(まだ名前が決まってない)
「これ食べて?」
「私のを食べなさいよ!」
「ハハハハハ・・・(汗)」
ラブドラマ(怒りと嫉妬)
機甲兵団JフェニックスSW(スクールウォーズ)
今夏(ごろ)公開(だと思う)
管理人より
神楽歌さんより終息の灯火最終話をご投稿頂きました!
タケルもようやく自分の覚悟を持ったようですね!
しかし……いや、あの二人だから別にいいのか(爆)<タケルとカール
ともかく、完結お疲れ様でした!!