※この文章には機甲兵団J-PHOENIXには考えられない表現が1部含まれています。
これに関しては作者の空想の物としてご覧ください・・・。
機甲兵団Jフェニックス 上巻 「目覚めし巨人」
それはグレン小隊がカンドランド奪還作戦を成功させ、次の任地へ移動する時のことだった。
「隊長〜補給物資が届きましたよ〜。」
先日入隊したばかりのサリアが階段の方から大声で叫んでいる。
その時グレンリーダーは移動ため、機材の荷造りをしている所だった。
「了解した。今からそちらへ行く。」
グレンリーダーはダンボールが山積みにされた仮設会議室を後にして格納庫へ向かった。
と言っても階段を下りたらすぐそこが格納庫だったのだが・・・。
「今回もあんまり送って来なかったな〜。食いモンだけでも多くして欲しいぜ〜。」
「前線基地にいっぱい送るからここまで回ってこないのよ。アンタにJブラスターが来ただけでも良かったじゃない。」
グレンリーダーが下りて来ると、“いつも”のように2人は言い争っていた。
補給日になると、食べ物が少ないだとか新型が来ないだとかで2人はいつもケンカしていた。
「先輩にはもうJフェニックスがあるからいいじゃないですかぁ。Jファーしかない私にとってはうらやましい限りですよぉ〜。」
「Jファーがあるだけでもいいじゃねーか。俺が入った頃はだな・・・。」
「オッホン。話はそれぐらいにして何が来たか教えてくれないか?」
なかなか話しの輪に入れずにいたグレンリーダーがついに口を開いた。
「隊長、失礼しました。これが今回は送られてきた物資のリストです。」
「へへっ、ついに俺にもJブラスターが来たぜ。」
「キース用Jブラスター1機・・・・・シャンプー40パック・・・・・。」
今回送られてきたのは日用品がほとんどだった。
「・・・ビタミンBカプセル30瓶。これで以上か?」
「さっきから気になっているんですど、あのでっかいコンテナはなんですかぁ?」
「何あれ。リストには書いてなかったはずよね。」
「ん、8枚目に何か書いてあるな。“グレンリーダーにアポロンを支給”。アポロンとは何だ・・・。」
格納庫に置かれた謎のコンテナ・・・。
この中には何が入っているのだろうか・・・。
アルサレアを勝利へと導く物か否か。開けてみないことには分からない。
「なんだそりゃ?」
「発表されていない新型機ですかぁ?」
「まだ続きがあるみたいだから、隊長、読んでみてください。」
「分かった。続きを読むぞ。」
「このPFは、流星雨によって大破した第2研究所の地下から発見されたものである。
サチコ君やレイバック君達に解析を依頼したが、今ひとつ分からない部分が多い。気をつけて使用したまえ。byツェレンコフ=ゴルビー」
「・・・What? なんだかヤバそうだぜ。開けない方がいいって。」
「よく分からないよ。あれを開けちゃまずいよ。」
「隊長、開けない方がいいですよぉ〜。」
隊員達は開けることを反対していたが・・・
「・・・見るだけ見てみよう。班長、開けてくれ。」
グレンリーダーはキース機の整備をしていた整備班長に開けるよう命令した。
「了〜解〜。コンテナのロックの強制排除をするから離れてくれ〜。」
「隊長の裏切り者。開けないでって言ったのにぃ〜。」
隊員の反対を押し切り、グレンリーダーは“アポロン”の入ったコンテナを開けてしまった・・・。
プシュー・・・・・。
大きな音を立てて、コンテナは花が開くように開いた。
そして、中に入っていたものは・・・。
その場にいたものは誰しも思ったことだろう。
“あんなもの見たことない”と・・・。
コンテナの中には、巨大なハンマーらしき物も入っていた。
「これではまるで、ロボットアニメのロボットだな。」
グレンリーダー以外にもそう思った人間が何人いただろうか。
「思いの他カッコいいじゃねーか。乗らしてくれよ!」
そう言うと、キースはハンガーに運ばれたアポロンの所へ走っていった。
「キース、危ないからやめて戻って来なよ!」
しかし、アイリの声はキースの耳には入らなかった。
「はぁぁ、あのハンマー欲しいですぅ。」
ここにも1人暴走気味の者がいるが、考え込んでいるグレンリーダーの目には入らなかった。
「支給されたのはいいが、“どこからコクピットへ入る”のだろうか・・・。」
このことに気づいたのは、目の前まで来たキース以外グレンリーダーしかいなかった。
「畜生!乗りたいけど入り方わかんね〜。」
キースが獅子の鼻らしき物に手をかけた時であった。
そこにいたはずの彼が急に消えてしまったのだ。
異変に気づいたグレンリーダー達はすぐさまキースを捜索し始めたが、なんの手がかりもつかめなかった・・・。
「あの馬鹿、どこ行っちゃったのよ!」
「整備班を総動員して捜索しているが、基地内には見当たらん。警備の奴らと基地外を探してくる。」
「班長、頼みました。くそっ、いったいどこに消えたんだ。」
キースの欠員はグレン小隊に大影響を与えることを誰もが分かっていた・・・。
手がかりは未だに無く、キースが失踪してから丸1日が過ぎようとしていた。
早期発見のため、作戦本部に捜索願を出すことを決定した。
「キース、早く見つかるといいな・・。」
「俺らに出来ることは全てやったんだ。後は見つかるのを待つまでだ。」
依然会議室内は重苦しい空気に満たされていた。
会議室の彼の席のカップには、湯気の立つコーヒーが寂しそうに置かれていた・・・。
いつ戻って来るか分からない、主人を待つように・・・。
キース失踪後、2週間が過ぎようとした時だった。
アーマイル丘陵地の仮設基地に駐留していたグレン小隊に、キースの発見報告が届いたのだ・・・。
キースは捜索隊にオルフェンシティ郊外で倒れていたのを発見されたのだそうだ。
病院に担ぎ込まれた時、彼はうわ言のようにこう言ったそうだ。
「みかんはもうこりごりだ。」と・・・。
これが何を意味するのか、誰にも理解することはできなかった・・・。
事情を聞いても意味不明なことを繰り返し、詳しいことは分からず終いとなり迷宮入りとなった。
「キース先輩はいったい何を見たんですかねぇ〜。」
「本人に聞いてもおかしなことを言うから、このことは忘れましょう!」
少々怒ったような言い方であった。
キース発見から1週間後、復帰パーティーが華やかに仮設基地で行われた。
ビンゴ大会やカラオケ大会が行われたり、料理が美味しかったりしたためか、小隊の士気はさらに上がっていた。
そんな中、グレンリーダーはパーティーには参加せず、1人端末とにらめっこをしていた。
「アポロン・・・流星雨によって大破した第2研究所地下から発見される・・・。その後第4研究所に移送され・・・。」
どうやらアポロンに関しての研究データを見ているようだ。
「フレーム内には無数のブラックボックスがあり、その解析は不能・・・か。」
ちょうどその頃、パーティ会場ではビンゴ大会が行われている最中だった。
「次の番号は63番。そろそろリーチになった奴はいないか〜?」
どうやら司会をやっているのは整備班長のようだ。
「63、63・・・あっ、ありましたぁ〜。リーチですぅ〜。」
そう言うとサリアは大きく右手を上げた。
「おっ、新人さんがリーチだってよ。」
「俺達も負けてられねーな。」
「整備班の意地見せろ〜。」
「オー!」
このビンゴの景品は、1等が高級料理店の招待券(2枚)。次がトイレットペーパー20個。その次が・・・といった、トップ以外は寄せ集めの景品ばかりだった。
「下は盛り上がっているな。キースが居なくなって大騒ぎをしていたのが嘘みたいだ。」
現在グレン小隊は丘陵地の定期巡回のためこの仮設基地に駐留しているのであった。
「今回の巡回も何事も無ければいいが・・・。」
しかし、グレンリーダーの思惑とは裏腹に、パーティが行われている間に基地の近くまでヴァリム軍の1個小隊が迫って来ていたのだ。
「最初のビンゴは・・・俺!招待券はいただいた〜。」
班長が1等を取った時、皆落ち込んでいたのは言うまでもない。
「あーっもう、1等出ちゃったじゃない。あいつと一緒に・・・。」
アイリが格納庫の壁に寄りかかったちょうどその時だった。
北の方から大きな爆発音がしてPFの足音が聞こえてきたのは・・・。
「敵襲だ、全員持ち場に戻れ。ビンゴは終わりだ。」
整備班長は素早くパーティを終わりにし、各持ち場に戻るよう指示をした。
「整備班長ばかり良い所取りじゃねぇかよ〜。」
警備班から愚痴がこぼれたのも無理は無い・・・。
「へへっ、今夜は復活祭だ。派手に暴れるぜ〜。」
キースは調整が終了したJーブラスターに乗り込み、誰よりも早く格納庫から飛び出して行った。
「病み上がりが調子に乗って〜。サリア、行くわよぉ〜。」
「せ、先輩。待ってくださいよ〜。」
遅れること数秒後、アイリのJ−フェニックスとサリアのJ−ファーも迎撃に向かった。
しかし、グレンリーダーは・・・。
「修理が終わってないとはどう言う事だ!!!」
「コアバスターの直撃をまともに受けたんだ、右半身が完全に逝っちまってる。それにパーツが足りないから修理ができねぇんだ。」
「寄せ集めでもいい、動けばいいんだ。」
「・・・いいか、隊長。俺らはこの道のプロだ。自爆するかも知れねえモンを渡すわけにはいかねぇんだよ!」
「他に使える機体は無いものか・・・。」
ふと彼の見た先には・・・。
「アポロン・・・重量級PFは何度も乗った経験がある、使えるはずだ・・・。」
「ちょっと待て、隊・・・。」
整備班長が口を出す前に彼はアポロンに向かって走り出した・・・。
所変わって基地の敷地内では・・・。
「11時の方向にヌエ発見〜。仕留めてやるぜ〜。」
すでに6機を撃墜しゴキゲンになったキースは、まるで餌を探すハイエナのように侵入した敵機を探しては仕留めているのであった。
「なんて火力だ・・・。攻めに行けない・・・。」
両手のサブマシンガンと両肩のMLRSの一斉射撃によってじわじわと追い詰める・・・それが今のキースの戦法であった。
「今がチャンスだ、いただき!」
ヌエの頭部と右肩が建物の角から出たのをキースは見逃さなかった。
「頭部カメラ破損だと・・・脱出する・・・。」
脱出ポッドが射出された後、そのヌエは爆発を起こした・・・。
「1機ゲット!」
「どうやらキースは調子が戻ったみたいね。私も負けてられないわよ〜。」
キースの奮闘を横目に、アイリもまたヌエ8機を相手に奮戦していた。
肝心なサリアはと言うと・・・。
「右からミサイル!?避け切れないですぅ〜。」
サリアのJファーは、キース・アイリの乗っていたJファーよりも後に生産されたため、スペック・武装も遥かに高水準のものに変貌していた。
「背部に被弾!?どうしよう、このままじゃ・・・。」
その時サリアの脳裏をかすめたもの・・・それは“死”という恐怖であった。
戦場では配属されたばかりの新人が戦死すると言う話は吐いて捨てるほどあった。
「訓練所で勉強した通りにやれば・・・きっと・・・勝てる!」
サリアは訓練所で学んだことを応用して敵を迎え撃つことにした。
「ヌエはサーマル系の兵器に弱い・・・この距離ならライフルで・・・え〜い、当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ〜。」
完全に武器管制システムを当てにした射撃であった。
それが災いしてか、5連射した弾は腹部に2発、右腕に2発、頭部に1発命中した。
「そんなバカな・・・。」
「やっと1機撃破、まだまだです・・・。」
パイロットは生きていたものの、精神的ショックが大きかった。
そのころグレンリーダーはと言うと・・・。
「コクピットの入り口は何処だ!?」
失踪前のキースト同じく、未だにコクピットに入れずにいた。
「隊長〜。そんなに乗りたいんならライオンの口の中に入ってくれ。」
「口の中から入れるのか?」
「そうですよ。中に入ればすぐコクピットで、通常のコクピットとなんら変わりはありません。」
「通信機も入れてあるんで大丈夫ですよ、隊長。」
「お前達・・・。」
「修理が間に合わない時は代わりのものを用意する、整備班の鉄則だぜ隊長さん。」
「・・・みんな悪かったな。すまない。」
グレンリーダーがコクピットに入ろうとした時であった。
「弾薬庫が爆発した!そこら辺火の海だ。」
「急いで消火に当たれ、ヘルファイアにだけは引火させるな!」
コクピットハッチを閉める直前、グレンリーダーはすぐさま消火するよう指示した。
「武装の装備完了!燃料は満タン!ワックスでピカピカ!思い切り暴れてきてくださいよ。」
「了解した、こいつの性能をしっかり確かめて来る。」
「隊長が出撃する、道を開けろ〜!」
「流石に動きは鈍いか・・・。」
巨大なハンマーを手にしたその巨人は、1歩1歩、炎の燃え盛る戦場に足を進めて行くのであった・・・。
「キース、アイリ、サリア、遅くなって申し訳ない。」
「おおっ、隊長さんのご登場ですか〜。」
「待ってたわよ、一気にケリをつけましょう。」
「キースは遠距離からの援護を、アイリは囮となって、基地外に敵機を誘き出してくれ。サリアどうした?」
「聞こえてますよぉ〜、でも・・・。ヌエ10機に完全に囲まれちゃったんですぅ〜。」
「流石にこの数だ、新米には厳しかったかな?」
「隊長、私をサリアの援護に・・・。」
「いや、この3機の中で機動性があって囮になれるのはJフェニックスだけだ。サリアの救出には俺が行く!」
「隊長、なれない機体で無理は・・・。」
「無理ばかりしても失敗したこと無いだろ?こういう時こそ・・・。」
キースが最後まで言おうとした時であった。
「機体が限界になって来ました〜。早く助けてくださぃ〜。」
それは泣きながら助けを呼ぶサリアの通信であった。
「いつまでサリアが持つか分からない、とにかく俺が行く!」
「・・・隊長・・・必ず、絶対に助けてきてくださいね!」
「了解した。必ず連れて帰って来る!」
「決まりだな、俺はここから・・・・撃ちまくるぜ〜。」
サブマシンガンのうなる音・・・炎の中を進む巨人の足音・・・射出される脱出ポッドの音・・・この場にはさまざまな音がひしめき合っていた・・・。
弾薬庫に響く整備班長の怒声・・・密閉された空間でただ泣き叫ぶ声・・・。
それは、今を“生きるために戦う”者達にとっては、単なるBGMにしかすぎなかった・・・。
「ここは通してもらう!死にたくなければ引け!」
圧倒的な威圧感を放つその巨人から聞こえてくる声は、この場に居るヴァリム兵に恐怖を植えつけるものであった。
「何だよあれは、秘密兵器か何かだぜきっと。」
「あのハンマーに当たりでもしてみろ、粉々にされちまうぜ。」
「まだ死ぬのは御免だ、俺は撤退する。」
「私だってこんな所で死にたくない。指揮官には悪いがここは逃げるべきだ!」
グレンリーダーの一声は、一瞬にしてヴァリム兵の士気を挫いたのであった。
「隊長、脱走する者が増えています。このままでは・・・。」
副官らしき女性の一言に、強襲部隊の指揮官は決断をしたのであった。
「私が打って出る。残った者を連れて駐屯地に帰還せよ。これは命令だ!」
「・・・了解しました。無理をなさらずに・・・。」
「例え一撃だけでもあの化け物に浴びせてみせる。後は頼んだぞ・・・。」
「・・・リ・・・サリ・・・聞こ・・か・・・。」
通信機から聞こえる自分の名前を呼ぶ声に、サリアは目を覚ました。
「隊・・・長?」
「どうやら無事のようだな・・・よかった。」
「私は・・・いったい・・・?」
「機体損傷率が100%を超えたから緊急脱出装置が作動したんだ。安全な場所まで来たからもう心配はない。」
「怪我はしていないようね。助けに行ったら、もう脱出した後だったからちょっと心配しちゃったよ。」
「無事だったから良かった・・・ん?敵機の反応・・・数1。アイリ、サリアを頼む。」
「たっ隊長。」
「敵の注意を引き付けている間に基地に戻れ、ここは任せろ!」
「了解しました、サリアを連れて先に帰還します。」
「出来るだけ急いでくれ、すぐそこまで来て・・・。」
「味方を逃がす気か・・・あのパイロットもまた・・・。」
アポロンの前方、約600メートルの地点にそれは立っていた。
それは赤と黄色に塗装されたJN−YS01 YA−SYA・・・ヤシャであった。
「くっ、思ったよりも早かったか。」
「お主がこの基地の指揮官殿か、さぁ、参られよ!」
そう言うとヤシャはカタナをアポロンに向けて突き出した。
「グリュウと同じく武士道を貫く者か・・・こういった者こそ腕が立つ!」
「たとえ一撃だけでも・・・貴様にくれてやる。」
パワーの差は歴然であった。だが、ヤシャのパイロットは果敢にもアポロンめがけて飛び込んで来たのだ。
「この距離・・・頂いた。」
アポロンがハンマーを振り上げた直後に、ヤシャはカタナをメインフレームめがけて突き刺した。
「くっ、貫通しなかっただけ運が良かったか・・・。」
破壊力に特化している分、機動性に乏しいアポロン。ヤシャはアポロンのそれを遥かに上回っているのであった。
「装甲は硬いが動きが鈍い。このまま行けば勝てる!」
圧倒的に優勢に立っているのだと言うことをヤシャのパイロットは過信していた。
「あれを倒すには一発で仕留めるしかない・・・上手くチャンスを作らねば。」
グレンリーダーが少しずつ基地の方向に移動していることに彼は気づかなかった。
「キース、基地内はどうだ?」
「あらかた片付いたぜ、残った奴は撤退を始めている。」
「残弾数は?」
「はぁ?」
「サブマシンガンとMLRSの残弾数はいくつだ。」
「ちょっと待ってくれ・・・右238の左106、右肩35の左肩63だ。」
「それだけあれば十分だ、今から指示することをやってくれ。」
それから数分後・・・、ついに最後の時が訪れたのであった。
「こそこそと逃げよって・・・ついに見つけたぞ!」
「・・・上手く誘い込めたな。キース、派手にやってくれ。」
「了〜解。残りの弾を全部格納庫の入り口に撃ち込めばいいんだな。」
グレンリーダーの取った方法・・・それは格納庫にヤシャをおびき寄せた後に、わざと入り口を破壊して、退路を断ち、こちらの攻撃のチャンスを作ることであった。
勝利を確信していたヤシャのパイロットは、自分が罠にはまったことに気づかず策に乗せられてしまったのだ。
「退路を断っただと・・・しまった!」
時すでに遅し。アポロンはX.ハンマーを横に構え、ヤシャめがけて突撃をしていたのだ。
「これで・・・終わりだ!」
フルスイングされたX.ハンマーは、ヤシャを天井を貫通させて吹き飛ばした。
「わぁ〜すごいですぅ〜。」
「すげぇすげぇ、ホームランだ。」
「すごいパワー・・・。」
そのすごさは小隊の隊員の目に焼きつくほどであった・・・。
「・・・・何故助けた。」
「アンタに死なれると色々とまずいのでな。」
仮設基地から数10キロ離れた平地に、ボロボロになったヤシャのメインフレームを抱えたヌエが立っていた。
「アルサレアの指揮官は冷酷非道だと思っていたんだがな・・・。」
「思っていたのとは違ったか?」
「・・・あの指揮官は私と似たような者だった・・・。」
「自らを犠牲に部下を逃がす・・・か。」
「腕も確かだった・・・。」
「部下を戦線に出さずに自分だけで作戦を実行する・・・居るんだよな〜こういう部隊長。」
「100人死ぬより私1人が犠牲に・・・。」
「馬鹿なこと言ってんじゃねぇ!もしアンタが死んでみろ。他の奴が来たらここの隊は全滅するぞ!」
「後のことは全て副官がしてくれる。なのに何故だ?」
「・・・アンタみたいな指揮官がそんなに居ないからだ。」
「たったそれだけの理由か?」
「手柄のために何のお構いもなしに前線に送り込まれて死んでいった奴が山ほど居る。クズみたいな指揮官に殺されのと同じだ!」
「・・・面白い奴だな。名は何と言う?」
「フッ、名乗るほどの者じゃないさ。そろそろ戻った方がいいだろう。」
「まぁいいだろう。すまないな・・・。」
「な〜に、生きてりゃ良いことあるって。」
その後、ヴァリムの駐屯地へ向かってヌエは飛び立った・・・。
「戻ったらサチコに報告しないとな・・・。」
上巻 「目覚めし巨人」 END・・・
設定資料(一応)
「何故キースは消えたのか?」
アポロンのブラックボックスに触れてしまい、未知のテクノロジー(謎)によって何処かへ瞬間移動させられたため急に消えてしまった・・・。ということにしてます。
「サリアのJファー」
キースとアイリのJファーはレーザーソードとスマートガンのみを装備していたのに対し、フォースソード、サーマルプラズマライフル、ガトリングを装備している上に内装パーツも数ランク上の物を装備している。(後期型にしたのはこのため)
「謎多き整備班」
たとえ撃墜されてもピカピカの状態にPFを修理したり、アリス等のETC機体も整備出来る謎多き集団。
班長の指揮の下に動いているとにかくすごい集団です。次回も大暴れする予定。
「ヤシャのパイロット」
グレンリーダーと一騎討ちをしたヴァリムの指揮官。部下思いの良い人。
「キザなヌエのパイロット」
名乗るほどの者じゃない等とキザなセリフを吐いた人。口癖は「生きてりゃ良いことあるって」
素性不明の謎の人物。次回は・・・。
♪後書き♪
この小説は以前書いた小説をリメイクしたものなのですが、思ったよりも手間がかかってしまいました。(汗)
次からは完全に1から書くことになるので、時間がかかってしまうかも知れませんが長い目で見てやってください。m(_ _)m
私の文章能力はこれぐらいなのでペイント(核爆)と合わせて勉強していきたいです。
始まって早々アポロンを手に入れたグレンリーダーですが、コクピットへの入り方が分からない。(笑)
ライオンの口からということにしてしまいましたが、本当は何処から入るんでしょうかね?
キース、アイリ、サリアはほとんど見せ場無しで終わってしまったので、続編にはバンバン出したいと思っております。(整備班目立ちすぎ!?)
謎の人物も続編には全て出る予定。彼の正体とは、そしてサチコとの関係は・・・この物語の最後を見る頃にはその全てが分かることでしょう・・・。
次回は、中巻「アルサレア戦役」をお送りしたい所ですが、全く関係の無い物の場合がございますのでご了承ください・・・。
かなりボリュームの無い話でしたが、最後まで読んでくださってありがとうございました!!! m(_ _)m
管理人より
Guttiさんから小説をご投稿頂きました!
しかし、アポロンとは……確かに謎のPFですからね(笑)
個人的にはキースの身に起こった事が気になります(爆)