聖暦0021、惑星Jにおいてヴァリムとアルサレアの戦闘が激しさを増し、戦火が広がった時代。

 この戦いの時代であっても人々は必死に生き抜こうとしていた。

 これはそんな人々の中で『ジャンク屋』という道を選んだ者の記録だ。



 




Jの中で・・・

第8話

 




 

ここはアルサレアとヴァリムが争っている激戦区の一つ、カンドランド。

ガイギス達はそこにいた。ヴァリムがそこに進行したとある筋から連絡が来たからだ。

普段はサン達に連絡するのだが信頼できる情報屋からなのと、

その中に町が一つ吹き飛んだという情報があり、やったのはサン達でないとレイが言った為だ。

今回は事前に連絡がなかった事も踏まえまず事実確認のため現地に飛んだ。


「・・・すごい。」

「ああ・・・・確かに吹き飛んでるな。」


ガイギス達がそこで確認したのは吹き飛び、大きな穴が開いた荒れ果てた大地だった。

ガイギスたちはしばらく空中停止しているとレーダーに新たな反応があった。


「あなた。」

「確認している・・・どうやらアルサレアの軍らしいが・・・ん?」


ガイギスはレーダーをいじった。


「機種照合・・・・ゼムンゼンもいるようだな。」

「はい・・・どうやらアルサレアからはあの小隊が来たようです。」

「良くやるよ・・・。」

「さらに後方よりアルサレアと思われるPF確認。」

「・・・確認した。」

「機種は・・・Jファーのようですね。」

「・・・・今回は中立、平等に狩るか。」

「・・・は〜、だめと言っても聞いてくれないわよね。

でも気をつけて下さいね、まだ私のPFの調整が終わってなんですから。」

「解ってる。」


ガイギスはそう言うとそこ、ガウのブリッジから出て行った。

レイはため息をつくと、どこかへと連絡を入れた。









それから数刻後アルサレアが大々的にカンドランドの奪還作戦を開始、

あちこちで戦闘が始まった。

ガイギスは始まってしばらくするとガウから降下し、

勘違いして攻撃してきた機体のみを攻撃しながらあちらこちらと機体を進ませた。

自分から積極的に狩らなかったのはいざ知り合いに見つかったときに言い訳をする為であった。

ガイギスがしばらくそこいらをほっつき歩いている間、

レイはガイギスをガウで即援護できるよう準備をしていた。

大体ガイギスが20体目の敵を行動不能にした所でガイギスは一時帰艦、補給を受けた。

レイは補給を受けた後すぐ出撃しそうだったガイギスを止めた。


「どうしたんだ?」

「ロウス達に連絡をしてみたの。」

「・・・あ、忘れてたな、そう言えば。」

「それで返答があったんだけど・・・。」

「何だって?」

「今回の作戦は軍上層部からの指示だそうです。」

「吹き飛ばすのも?」

「それは知らなかったみたい、言ったら驚いていたわ。」

「そうか・・・。」

「それと、ここにはあの姉妹も来ているみたいなの。」

「へ〜。」

「実はロウスが二人にあるものを渡したらしくて、それを受け取ってほしいと言ってるの。」

「あるもの?」

「ええ、実は前々からロウスに頼んであったものなんだけど・・・。」

「ふ〜ん、二人がどこにいるのか解っているのか?」

「それが・・・・解りません。」

「了解、俺がほっつき歩くより空中からのほうが早いな・・・。

レイ、レーダー最大出力。俺も手伝う。」


ガイギスがそう言うと目の前のレーダーレンジが延び、いくつもの光点が浮かび上がった。

ガイギスとレイはそれを一つ一つデーター照合していった。

しばらくあちこちの光点を漁っていると、ガイギスは3つが集まった光点に興味を覚えた。


「あ、レイ。どうやらあの小隊こんな所まで来てるぜ?」

「それよりまずあの二人を探すのが先決よ。」


レイはそう言うとヴァリムの反応が色濃い一点を重点的に探した。


「あなた、これ。」


レイはそのあたりを探してみるとそこから少しはなれた所にある二つの光点を見つけた。


「ん?・・・・あの姉妹だな。」

「データ照合・・・そうみたい。」

「じゃあレイ、行って来る。」


ガイギスはそう言うとガウのブリッジを後にした。









ガウから降下し、双子の居る所へと向かっていたガイギスに対し横から、

高エネルギーが襲い掛かってきた。


「うわ!?なんだ?」


ガイギスはその場で停止、あたりの様子を伺ったがそれ以降攻撃は来なかった。


「・・・流れ弾か。」


ガイギスはそう呟くと双子に会う為また走り出した。

その間アルサレア、ヴァリム両方から発見されることはなかった。


「よう、こんな所に居たか。」

「なんであんたがここに来てんだよ?」

「何でって言われても・・・。」

「イルミ少佐から頼まれた荷物を受け取るためよ、マイ。」

「ちゃんと説明してたんだろ?二人に頼んだって言ってたから。」

「へ?・・・・ああ、そんなことも在ったな〜。」

「とぼけるな。忘れてたんだろ。まあどうせユイから貰うつもりだったから別に関係ないけど。」

「な、どういう意味だよ?」

「ほう、反論できるのか?思いっきり忘れてた奴が?」

「う、そ、それは・・・。」

「マイ、無駄な抵抗よ。」

「そんな、姉貴〜。」


ガイギスは笑うとユイのPFの左肩に掛けてある物を受け取った。


「これが頼まれていたものです。」

「サンキュー、それにしてもお前達を使うとは・・・緊急のもんなのかな?」

「なんかあたい達が出撃するって言うとイルミ少佐がついでだからって持たせたんだよ。

だよな?姉貴。」

「そうね。」

「ふ〜ん・・・それでお前達はなにやってんだ?」

「あたい達?あたいた・・・。」

「マイはだまって。それは機密の為お教えできません。」

「確かサン達からは奪取したパーツのデータ取り兼カンドランドの攻略って聞いてたんだが。」

「・・・。」

「なんだ知ってんじゃん。」

「おいマイ、こういう時はあってても黙って置くもんだぞ?軍人として。」

「そうよマイ。」

「な、何で二人して・・・大体あんたは民間人だろ?」

「だって俺は元大佐だもん、ヴァリム軍の。」

「元だろ元!今は違うんだろ?」

「まあ今はな、けど前までは俺も軍人だったんだ、その辺の知識はしっかり持ってるぜ?

・・・・それよりマイ、いいのか?」

「なんだよ?」

「ユイがこっちを無視してデータ取ってるんだが。」

「あたいはいいよ、そんなちまちました作業なんてあたいには合わないし。」

「いや、それは駄目だろう。・・・・・っと失礼、レイからの通信だ。」


ガイギスはそう言うとマイのPFから少し離れた。


「・・・・・なんだって?」

「ん?・・・フッフッフ、依頼が来たみたいだ。これで暴れられる〜。」

「いいな〜。姉貴〜あたいも暴れたいよ〜。」

「マイ、いいからこっちに来なさい。」


ユイはそう言うとマイのPFの人で言う襟首を掴んでズルズルと引きずった。

すると通信にドナドナの曲が流れた。


「・・・この仕掛けはロウスだな、けどこの場面でマイが使うとは・・・意味は解っているようだな。」


ガイギスはそう言うと首を縦に振ってうんうんとうなずいてからマイ達に通信を入れた。


「そんじゃな〜、お前達気をつけてやれよ〜。」

「そっちこそしくじるんじゃないぜ。」


とマイがすぐに返してきた。

ガイギスはその速さに苦笑するとその場を立ち去ろうとした。

するとユイからも通信が来た。


「お気をつけてください。」

「ほう、まさかユイからも返事が来るとはな。

了解、其方こそな。またどこかで会おう、武運を祈る。」


ガイギスはユイからの通信にそう返してガウに向かった。















ガウに戻るとまずユイから預かった荷物を置き、その後ブリッジにガイギスは行った。


「レイ、ただいまっと。依頼って何だ?」

「お帰りなさい。依頼主は多分ゴルド大佐から。内容はどちらかというと個人的な内容です。」

「個人的な内容?」

「はい。内容はこちらにあります。」


レイはそう言うと通信画面を操作した。

そこにはゴルド大佐からと見られる依頼文があった。


「・・・・・・なあこれって・・・。」

「だから言ったでしょ?個人的な依頼だって。」

「ゴルド大佐って・・・こんな奴だったか?」

「新たな一面発見、って感じね。」

「確かに・・・けどこれではマイ達とおんなじだな・・・。」


ガイギスはそうつぶやくと肩を落とすと、ブリッジから出て行った。

レイはそんなガイギスを苦笑し、そして申し訳なさそうな顔をしながら見送った。



















ガウから降下してしばらく、ガイギスはレイの指示に従って行動した。

その結果小高い岩場の上に登るまで他の機体と遭遇する事はなかった。


「レイ、大体この辺でいいか?」

<・・・そうですね、そこで大丈夫でしょうね。>


ガイギスはレイの返事を聞きながら目の前に展開されている部隊の様子を見た。

その部隊とはJファーカスタム1機にJファー2機のいたって平凡な部隊の一つだった。


「なあレイ、ほんとにこの部隊であってんの?」

「はい・・・・データ照合、間違い無しです。」


レイは自信を持ってそう答えた。


「・・・しっかし、ほっとんど変わらないね〜アルサレアの装備は。」

<そうですね、多少武器が異なっていますが基本的に規格通りの機体が多いですから・・・。>

「しかもあれ以降のバリエーション機が出てるらしいが・・・

ぶっちゃっけ装備品以外ほとんど変わらないよな〜。」

<多少内部が異なっているようですが・・・外見もよく見ないと解らないし・・・。

あ、其方にヴァリムの一小隊が来たようです。>

「戦力は?」

<・・・ロキが1機、ヌエ2機です。>

「・・・少し様子を見る。」

<わかりました、映像は継続的に撮っています。見失わないようお願いします。>

「・・・それにしても面倒だよな〜。」


ゴルドからの依頼、それは彼の息子エルフォン・グデリアンの現地調査、

特に戦闘における観察及び映像を撮りそれの提出が主な内容だった。

しかもそれをできる限り気付かれずにやる事が条件なのでガウからの映像ではなく、

こうしてガイギスが隠れながら観察し、その映像をガウに送っている。

ガイギスのPFはレーダーに映らないよう特殊な処理をされているのでこの依頼が出来ない訳ではない。

よってガイギスは何時もの装備に右肩だけPFの頭をバラしてカメラを取り、

それをアンテナと共にくっ付けた物を積んでいる。


「・・・・ふ〜ん、結構やるな〜。」


ガイギスはエルフォン達の部隊を見て言った。

眼下ではエルフォンの小隊がヴァリム軍と交戦しているのだが、

恐らく隊長であろうエルフォンの乗るJファーカスタムが、

多少被弾をしながらも3機のPFを、撃破した。

味方機のJファーも協力してはいたがそれほど練度は高くないようだが、

Jファーカスタムが前に出て攻撃し、それを援護していたのでそれほど被害はなかった。

Jファーカスタムの動きはまだ若く一般より少し良い位だが、

才能はあるようで決して弱い訳ではなかった。

戦い方は射撃を重視し、隙が出来た時に懐に飛び込んでレーザーソードを振るい、

無い場合は撃ち合いしつつ回避となかなか良い動きをしていた。

その後しばらくするともう一小隊現れた。

今回の編成は3機ともロキ、しかも一機はカスタマイズされている様だった。

ガイギスはいつでも動けるように準備した。

まず相手の普通のロキ1機がJファーカスタムに攻撃、

ミサイル、さらにサブマシンガンをばらを撒きながら接近してきた。

Jファーカスタムは後退しながらミサイルを迎撃、さらにマシンガンをかわした。

その後味方機と共に最初に突っ込んできたロキに射撃武器で集中砲火した。

ロキはたまらず後退しようとしたがカスタムが右足を狙って撃ち、

突っ込んできたロキはその場で倒れ崩れ落ちた。

と、行き成り横合いからの攻撃でJファー1機が爆発した。

どうやら最初の一体は囮で後の2体は迂回して挟み撃ちにしようとした様だ。

しかし思ったよりも早く倒されてしまい横からの攻撃となってしまった。

もう片方のJファーがそのロキと対峙し、カスタムはロキ・デザートと対峙した。

Jファーとロキは互角でJファーが押されていたがまだ持ちそうだった。

カスタムのほうは、どうやら相手は遠距離武器がミサイルしかない様なので射撃戦をしているようだ。

と、結局距離を詰められなかったデザートのほうが戦闘不能になった様で動かなくなった。

カスタムは動かないのを確認するとJファーのほうに向いた。

Jファーはロキに押されながらも何とかその原形はとどめ、起動していた。

カスタムはジャンプしロキめがけて手に持つ射撃武器、サブマシンガンを撃った。

ロキはJファーに気を取られていたので直撃するが、まだ生きていた。

さらにカスタムは空中からレーザーソードをロキに向け、そのまま飛び込んだ。

レーザーソードが当たりロキは沈黙した。

ガイギスは撃破が確認されるとレイに連絡、周辺にヴァリム軍の反応が無いとほっとした。

その後ガイギスはエルフォンが基地に戻るまで監視した。













ガイギスがガウに戻ると周りはもう暗かった。


「フ〜疲れた〜。」

「ご苦労様。」

「ああ、ほんとに疲れたよ。さてと、俺は先に寝てるぜ?今日は疲れた。」

「解りました、私は今まで撮った画像を編集してるわ。」

「ほどほどにしろよ?」

「りょ〜かい。」


レイはそう言うと早速編集に取り掛かった。


「あ、そうだ、一応ここは離れておきますね。」

「どこに行くかか・・・任せる。」

「解りました、ではアルサレアに行きますね。」

「またお前の友達か?まあ安全ならどこでもいいか。」


ガイギスはそう言うと寝室に入っていった。

レイはしばらくその様子を見ていたが戻って来ないのを確認すると編集をやめた。

そしてメールでエルフォンの妻、レシスへと送った。

『作戦成功。感想は其方で。』と。













翌日ガウを隠しカンツスにレイとガイギスはきていた。

レイは市内に入るとガイギスに車を預け一人さっさと行ってしまった。

ガイギスはため息をつくとよく利用している駐車場に車を止めに行った。

レイはその隙にレシスと再会した。


「おひさしぶりね、レイ。」

「ええ、レシスは元気にしてた?」

「ええ・・・レイも元気そうね。」

「ありがと、そう言えば昨日のやつちゃんと録画した?」

「したわ。けど行き成りだったからびっくりしたわ。」

「感謝してよ?アルサレアのデータベースをハッキングして貴女の夫の事を調べたんだから。」

「それには感謝するけど・・・大丈夫なの?そんな事して?」

「平気よ。別に痕跡を残してないし、それに別に重要情報って訳じゃないしね。」

「けど昨日はびっくりしたわ。行き成り電話が来たと思ったら録画するよう言うんだもん。」

「なんたって自分の夫が戦ってるのを何もせずに黙っているなんて嫌でしょ?

しかも見守ることも無くただ黙々と待っているなんて。」

「そうだけど・・・けどどうやってあんな事出来たの?

撮影は多分ガイギスさんからなんでしょうけど。」

「ちょっと耳貸して。」


レイはそう言うとレシスにことの成り行きを説明した。

もともとあの依頼文はレイが自分で作成したものだった。

カンドランドをヴァリムが占領してガイギスがガウを離れた時、

レイはアルサレアの軍事リストにハッキングをしていた。

そしてその中でレシスの夫、エルフォンがこの戦いに参加する事を知るとゴルドの依頼文を作成、

その後レシスに連絡。

そしてレシスに前もって渡していた受信装置をテレビにつなげさせ、録画するよう言った。

後はガイギスが撮った映像をそのままレシスに送ったのである。


「え?名前を?」

「そ、まあ夫にはそのうちにちゃんと言うつもりだけどね。」

「・・・気をつけてよ。」

「解ってるわ。ついでにこういうのは多分今回限りね、

少しずつだけどアルサレアのデータ漏れにくくなってるから。」

「そうなんだ・・・けどホント気をつけてね。」

「大丈夫よ。あ、来たみたいね。」


レイがそう言って視線そそらすとその先にガイギスがこっちに向かっていた。


「おひさしぶりです。」

「そうですね、レイからご活躍のほう聞いてますわ。」

「・・・活躍ですか・・・したかな?」

「またそんなご謙遜を・・・レイから聞きましたよ?あちこちに出向いているそうですね。」

「そうなんですか・・・。」


ガイギスはそう言った後照れたのか違うほうをむいた。


「ふふふ、照れてる照れてる。」

「うるさい・・・レイ、俺はあっち行ってるからな。」


ガイギスはそう言うと近くの本屋に避難した。


「あらら。」

「ガイギスさんったら・・・クスクス。」


二人はそう言って笑いあった後さまざまなことを話し合った。















「・・・発掘場?」

「はい、先日ゴルド大佐からの報告でミラムーンの発掘場がヴァリムのPFに、

占領されかかったそうです。」


ここはアルサレアとミラムーンの国境の上空、ガウのコックピクトだ。


「・・・されかかった?」

「はい、どうやらいち早くあの小隊が駆けつけて撃破したそうです。」

「・・・よくやるね〜。」

「ロウスに聞いてみたところどうやら姉妹は神佐の配下についたようです。」

「そうか・・・あのばあさんに。」

「・・・ばあさんなんでしょうか?実際年が解らないのですが。」

「確か俺が軍に入った時にはいたと思うんだが・・・。」

「それならばあさんですね。」

「さて、それだけか?」

「はい・・・それとどうやら奪取したパーツのコピーが終わったようです。

現在コピーから作ろうとして四苦八苦しているようですが・・・。」

「・・・てことは。」

「はい・・・強硬派からの指令で研究員を一名奪取せよとの命令が来たそうです。」

「・・・相変わらずやる事が1パターンだな。」

「そう・・・ですね。力で全てをねじこもうなんて考えているみたいですもんね。

ヴァリムの上層部は今も昔もですね。」

「早くサン達に主導権が移ればな・・・。さて、俺達はどうする?」

「お任せします。」

「・・・任されても困るんだが・・・。」


ガイギスはそう言うと手を組んで考えた。


「・・・・・・今現在で一番パーツが落ちている所ってどこだ?」

「サーリットンですね、よく小競り合いがありますし・・・。」

「・・・・お前が押すという事は今はその様な情報は無いんだな?」

「あらら、解っちゃいましたか・・・。

そうです、現在の所ヴァリム、アルサレア双方サーリットンへのこれ以上介入は控えているようです。」

「介入を控える?」

「はい。アルサレアのほうはどうやら現在ある町などの警備に力を入れています。」

「なるほど・・・・ヴァリムは?」

「ロウスから、そして情報屋からの話を合わせて考えてみても今すぐにという訳ではありません。

・・・多分現在は作戦の為に一時的に引き上げているようです。」

「・・・・まあ本業のジャンク集めにはもってこいか。了解、ではサーリットンに進路固定。

レイの機体はどうなってるんだ?」

「私の機体はほぼ完成したわ。・・・それと向こうに着いたらちょっと紹介したい物があるんだけど。」

「紹介?」

「はい・・・それじゃちょっとその準備があるからこっちお願いして良い?」

「・・・・わ〜った。けど準備か?」

「そ、準備。それじゃ着いたら教えて。」


レイはそう言うとそそくさと自室に戻っていった。

ガイギスはため息を一回つくと航行システムを作動、

目標地点をインプットしてブリッチにある椅子にドカッと座った。

それから1時間半後、それまでレーダーにも機影が確認さぬまま目的地に着いた。

ガイギスは椅子から立って伸びをすると、

空中で移動しない様にコンピュータに打ち込みレイを呼びにいった。


「レイ、つい・・・なんじゃこりゃ?」


ガイギスがレイに到着を知らせるためにレイの部屋に入ったのだが、

そこは部屋中がコードでつながれていた。


「あら?もう着いたの?」

「ああ、そうなんだが・・・なんだ?このコードの数は?」

「もう少しで説明ができます、先にブリッチで待っていて。」

「解った・・・。」


ガイギスはそう言うと部屋をもう一度見回した後ブリッチに戻った。

それからしばらくしてレイがブリッチに来た。


「さてと・・・・では説明してもらおうか?」

「説明より実際に見たほうが早いです。まず外を見てください。」

「ん?」


ガイギスは首をかしげながらも外を見た。そこからは荒れ果てた台地が広がっていた。


「ただ荒れたと・・・え?」


ガイギスは窓の外の風景を2度見した。


「・・・なんでこんな地表近くに俺達いるんだ?

ちゃんとコンピュータには高度を打ち込んだ筈なのに・・・。」

「クス、それじゃあ種明かしするね。」


レイはそう言うとコンコンとメインモニターを叩いた。

そうするとブンと音がして画面が砂嵐に変わり、そしてすぐに顔文字になった。


「な、なんだ?」

「始めまして、私はこの艦の操縦を勤めさせて頂くAIです。」


ガイギスはしばらく空いた口が塞がらなかった。

現在のJの技術力ではAIはそう簡単に作れる代物ではなかった。

いや、もしかしたら作れるかもしれないがほとんどの研究員はそれをしなかったので、

AIの製作技術力は芳しく低い。

現在ではようやく人が声を発するのに反応してあらかじめ設定してあった言葉を言うだけだ。

しかし今の会話はレイが狙わない限りちゃんと対応している。

ガイギスは口をあけたまま画面を指差しレイを見た。

レイはそれが面白かったのかお腹を抱えて笑っている。


「クスクスクス・・・・。」

「・・・お二人とも大丈夫ですか?特にマスター。」


どうやらその異様な雰囲気を打ち破ったのはガイギスでもレイでもなくAIだった。


「あ、ああ。・・・今の言葉でお前が状況に応じて喋る事ができるのが確認されたから俺は、な。」


ガイギスはそう言うとレイのほうに近づいて背中をさすってやった。

レイはどうやら笑いすぎて息ができずむせていた様だ・・・・。


「ごめんなさい。けどあなたの顔を思い出すと・・・クスクス。」


どうやらまだ笑いの発作は収まってないようだった。ガイギスは画面を見てコクっと頷いた。

それにあわせるようにAIも顔文字で頷いた。

レイをガイギスはブリッチから移動させて近くにいすを出して座らせるとガイギスはブリッチに戻った。


「さてと・・・・レイの笑いが収まるまでこうしてようか。」

「賛成します。」

「あ、そうだ・・・俺の事は知ってるか?」

「はい、マスターの夫にしてこの艦の最高責任者です。」

「・・・まあ間違いではないな。」


ガイギスがそう言うとどうやらようやく発作が収まったのかレイがのろのろとブリッチの戻ってきた。


「すみません、説明を続けます。」

「ああ、そうしてくれ。」

「このAIは私達がまだヴァリムにいた時に基礎を設計してたものです。

その後しばらくは封印されていたのですが私がロウスに頼んで、

この前姉妹が持って来てくれた物です。」

「・・・なるほど。」

「このAIは自分で物事を学習し、現在では一般兵より正確な射撃を行うことができます。」

「はい、少なくともこの輸送艦の武装、およびPFの操縦は可能です。」

「・・・PF?]

「はい、近いうちに大量のジャンクが手に入ると思いますのでそれに備えて。」

「なるほどね。」

「今は私とあなたが艦の外に出た時にサポートをするだけですが、

近いうちに艦とPF一機を操る事になります。」

「ちょっとまて・・・てことは意識が分離するという事か?」

「いいえ、意識は常に一つです。

まあ分離という言葉は間違ってはいないのですが・・・・。

このAIは現時点での最高で1300機までなら同時に操れ、しかもその動きはエース級です。」

「それ以上だと精度が落ちるか・・・。」

「はい。まあもっとも乗っ取るのではなくて発信機を取り付けなければならないのですが・・・。」

「なるほどね。」

「さらにこのAIはあなたやグリュウ大尉、キサラギ姉妹、

それとヴァリムの特殊部隊のエースパイロットのデータを組み込んでいます。」

「・・・確かさっき自分で学習するといったな?」

「はい。」

「という事はヴァリムだけで無くアルサレアやミラムーンのエースのデータも収集可能という訳か?」

「ええ。」

「・・・さっきからAI、AIと味気ないな。何か名前は無いのか?」

「いえ、特には考えていません。」

「だったら俺がつけてやるかな。」


ガイギスはそう言うと悩むように腕を組んだ。


「自らで学習し、多数の機体を同時に操り・・・あ、そうだ。確か・・・。」


ガイギスはそう呟くとブリッチを出た。

レイとAIは互いに顔を見合わせ首を捻った。(AIは顔文字で)

しばらくしてガイギスは本を読みながら戻ってきた。


「それであなた、結局どうするの?」

「いい名前があったんでな。二つを掛け合わせた名前にする。」

「その名前とはなんですか?」


最後はAIが言った。


「エクス・オーディン(戦士の魂を超えるもの)だ。」

「エクス・オーディン・・・。」

「略してエオンだ。」

「エオン・・・。」

「正式名称エクス・オーディン、愛称エオンとして登録しますが、よろしいですか?」

「どうかな?レイ?」


ガイギスはそう言うとレイはしばらく顔を伏せて考えていた。


「・・・・・・・・そうですね。いいと思います。」

「うっし、これで今日から新たな仲間が増えたな。よろしくな、エオン。」

「こちらこそよろしくお願いします、キャプテン、マスター。」

「キャプテンか・・・悪くない。」


ガイギスはそう言って笑うとレイの肩を軽く叩いた。


「さてと。それじゃレイ、商売始めますか。」

「はい、エオンは私達が降下した後ガウを上昇させ他の人に発見されないように。」

「了解マスター、お二人の無事、お祈りしています。」

「おいおいマジでAIなのか?なんか無茶苦茶人間ぽいぞ?」

「どうやらロウスが渡す前に少し弄ったみたい。けどそのおかげで性能がかなり上がったわ。」

「まあ別に悪くは無いが・・・それじゃエオン、行って来る。」

「留守番頼んだわ。」


レイとガイギスはそう言ってブリッチを出た。

それを見送るようにエオンは顔文字で手を振った。









 



あとがき

作者>さてと、これでジャンク屋の主要メンバーは全員かな。
ダン>お前何でこんなに遅いんだよ!!
作者>さてと、今回のゲストはダン・ロンシュタットさんです。
ダン>よろしくな!
作者>さて、何でこれほど遅れたかというと・・・・
ダン>言うとなんだよ?
作者>前回話した通り全然構成を考えなかったから。
ダン>・・・・馬鹿かお前?
作者>返す言葉もございません
ダン>さてと、確か感想をいうだったな。
作者>ええ、そうです。
ダン>それで感想だけどよ、双子ってあんなんだったか?
作者>私の脳内では
ダン>・・・ああそうかよ。
作者>それで他には?
ダン>あん?そうだな〜後はガイギスがレイに騙された所かな?
作者>まあそんな大それたことではないので、もし知っても別に気にしないという設定です
ダン>ふ〜ん。
作者>話は変わりますがルキアさんとのご関係は?
ダン>え?あ、あいつとはただの幼馴染なだけだ。
作者>ふ〜ん、という事はオリキャラが彼女を射止めてもいいと?
ダン>う・・・ああ、あいつが良いのならな
作者>でわ私がそういう小説を書いてもOKと?
ダン>な、駄目だ!
作者>・・・ふ〜ん。では認めるんですね?
ダン>・・・・
作者>照れない照れない。っと、話がそれましたね。
ダン>ふ、ふん。他には・・・ねえな。
作者>そうですか、ここまで読んでくれた読者に感謝います
ダン>どうせこいつはまともに書けないからな、アドバイスとかよろしく頼むぜ
作者>ですね、それではこれで、次の話でまた会いましょう!



 


 管理人より

 ガイギスさんより第8話をご投稿頂きました!!

 何やら一気に話が進み始めたようで……

 それにしても、どんなAIやら(汗)
 



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