聖暦0020、惑星Jにおいてヴァリムとアルサレアの戦闘が激しさを増し、戦火が広がった時代。

 この戦いの時代であっても人々は必死に生き抜こうとしていた。

 これはそんな人々の中で『ジャンク屋』という道を選んだ者の記録だ。



 




Jの中で・・・

第4話

 




 

「こんにちは〜。」

「連絡はあったと思いますが支援します。」


 ガイギス達は今ギラ・ドゥロ基地攻略の為に、
ミラムーンと共に空中空母『オーガル・ディラム』を誘い出す事に協力していた。

 ここは恐らく奇襲用に急遽作られた折畳式倉庫が一つ、後小さなレーダー装置があるだけだった。


「あなた方がグデリアン大佐の言っていたジャンク屋ですね。」

「け、元はアルサレアだかヴァリムだか知らないがご苦労なこった。」

「バロル!すみません、彼なんか興奮しているみたいで・・・。」

「いや、気にしなくていい。私はガイギス、ガイギス・クリムズンだ。」

「私はレイ・クリムズン、よろしく。」

「あ、こちらこそよろしく。私はエル=ガネーシャ=キクス中尉、
 それでこっちで不貞腐れているのがバロル=オースディン=ニエル大尉。
 こんなのでもミラムーンではかなりの腕なの。」

「よろしくキクスさん、ニエルさん。お互い死なない程度に頑張りましょう。」

「え、あ、はい。」

「どういう意味だ?死なない程度とは。」

「そのまんまだ、私達は囮だが別に捨て駒では無いという訳だ。」

「け、よく言うぜ。」

「すみません。ほらバロル!」

「はあ〜解ったよ。」

「「?」」

「司令部より辞令、我ミラムーン第4特務小隊はあなた方の命令に従います!」

「まあ不本意だが上からの命令は絶対だからな。」

「・・・そうか。では早速だが今ある兵器を見せてくれないか?」

「はい、こちらです。」


 と金髪で長髪の歳が25ぐらいの女性・・・エルがガイギス達を倉庫に案内した。

 その様子を同じく25歳ぐらいの髪が短く紫色がかった黒髪の男・・・バロルは見ていた。


「ここが私達の乗る機体の保管所です。」


 エルがそう言った場所には砲撃用の装備がほどこされた四足兵器が6機、
さらに砲撃用パーツを肩に装備したPFが2機あった。


「このPFは?」

「ゼムンゼン先行量産型です。アルサレアの協力のもと開発されたミラムーンの次期主力機となるものです。」

「なるほど・・・・で、こっちの四足兵器はもしかして有人?」

「いえ、無人機です。」

「・・・作戦を立てる。キクス中尉、ニエル大尉を呼んで来て下さい。」

「了解。」

「レイ、ギャロップによる超長距離射撃の準備、できるか?」

「問題ありません。」


 レイとエルはそう言うと各々別の場所に走った。


「さ〜て・・・・生き残れるかな?」













 

 ガイギス達は、目標となる大型空母を車両形態のギャロップのレーダーぎりぎりに捉える位置まで前進した。


「レイ、レーダーにPFの数は?」

「PFの数は10〜15、
機種は・・・・・ヌエが多いですがそれに混じってイリアタイプが少数混じっています。」

「「イリアタイプ?」」

「ああ、ヴァリムが開発したオードリー量産型の軽量PFだ。
 装甲はそんなでも無いがすばしっこくて当てずらい。」

「・・・どうする?」

「作戦通りまずは四足兵器による超長距離射撃、
さらにギャロップによる長距離射撃をして弾幕を作る。
 その後ゼムンゼン及び俺のPFでPFをおびき寄せ撃破、あの空母を引っ張り出す。」

「けど上手く行くかね〜?」

「その為にゼムンゼンに装備されていた射撃用のパーツもギャロップに取り付けたんだろ?
 それに恐らく2〜3機はギャロップが落としてくれるさ。」

「なら良いんだが・・・。」

「ほらバロル愚痴は言わない!」

「クスクス。」

「な、レイさん笑わないで下さい!」

「御免なさい。けどなんかお二人を見ているとどっちの階級が上かと・・・。」

「確かに、俺の方が階級は上なのに命令されてんな〜。」

「それはバロルがしっかりしないからでしょ!」

「はいはい、
それにしてもあんた達これから死ぬかも知れないってのによくそんな平気な顔をしてますね〜。」

「ええ、私達も元は兵士でしたから。」

「戦闘慣れと言うのかな?いちいち戦闘前に緊張はしないな。」

「流石は歴戦の戦士。」

「ま、あなた方も何度か戦場で戦えば解りますよ。戦闘前の緊張ってそんなに必要ないって事が。」

「まあ、それまで生きてれば良いんですけどね・・・・っと、時間だな。」

「ああ、各自全力でこの任にあたり・・・・全員生きて帰るぞ!」

「りょ〜かい。ま、命預けるは。」

「こらバロル!了解しました、全力を尽くします!」

「ええ、貴方もお気をつけて・・・三人の武運を祈ります。」

「よし、超長距離砲撃、始め!目標大型空中空母『オーガル・ディラム』とその周辺PF。」

「了解、データ入力・・・ギャロプ及び四足兵器砲撃始めます。」


 レイがそう言うと四足兵器から超長距離用の実弾が、
ギャロップからミサイルとゼムンゼンが装備していた砲撃用キャノンが、
オーガル・ディラムとその周りにいたPFに襲い掛かった。


「レーダー確認、敵PFこちらに気付いたようです。数は10、真っ直ぐこちらに来ます。」

「空母は?」

「・・・・他の部隊も攻撃を開始した模様、空母は予定の場所に誘導されています。」

「他の部隊にPFは何機づつ行った?」

「・・・大体平均で3〜5です。」

「は、俺達の方には10機で他の隊には3〜5機かよ!」

「愚痴は言わ無い!・・・こちらのレーダーにも確認、攻撃開始します。」


 ゼムンゼン2機とガイギスの乗るPFには全員スマートガンとレーザーソード、
さらに肩に右肩にアルサレアから支給されたガトリングガンを装備している。

 ゼムンゼン2機はさらに左肩にはモーターキャノンを装備、
ガイギスのPFは左肩にジャンク大型パーツギガフレアを装備してある。

 ガイギス達三人は四足兵器の後方に陣取り、その後ろにギャロップがいる。

 ヴァリムのPFはどうやら前方にいる6機の四足兵器を射程に捕らえたらしく、
それらに向かってサブマシンガンとレーザーが飛んできた。


「な!?あのレーザー地面に跳ね返ってるぞ!?」

「く、各機射線に入らないように注意しろ・・・・そろそろ私の射程だ・・・。」


 ヴァリム軍のPF、ヌエ7機にイリア3機は四足兵器に対し砲撃をおこなっているのだがなかなか当たらなかった。

 なぜかと言うと6機の四足兵器の脚部にPF用のブースターを設置し、
通常では考えられないほど早く動き回っているからだ。

 なぜ考えられないかと言うともしこの兵器に人が乗っていたら、
その人は恐らく脳を揺さぶられ死んでいるだろうからだ。

 さらに滅茶苦茶に逃げているようで実は一番効果的な動きをしている。

 これはレイが作ったプログラムのお陰なのだがそれでも一機、また一機とやられていく。

 サブマシンガンの弾には当たらないのだがレーザーだとスピードが違うので致命傷こそ無いものの、少しずつ喰らっていたからだ。


 四足兵器が残り3機になった時、ガイギスのPFはその紅い体の片膝をついた。

 と、そのPFの左肩にある武器が火を吹いた。

 ギガフレアはレイがジャンク武器の中からサブマシンガンの発射装置、
レーザーソードの3分の1は在る長い砲身、さらにそれが束になって円状に並べられている。

 チェーンガン、さらにその弾はスマートガンの弾をさらに威力の増した物を使用、
これをヴァリム軍PFに浴びせ掛けた。

 ヌエとイリアは四足兵器のほうに注意がいっていたのでギガフレアに気付かなかった。

 その影響かイリア2機、ヌエ1機が蜂の巣になった。

 さらにバロルとエルが肩に装備されているモーターキャノンを使用、
回避行動を取るPFにガトリングとスマートガンの一斉射撃を繰り出し、バロルがヌエ3機、
エルはイリアとヌエを一機ずつそれぞれ撃破した。

 これで残るはヌエが2機だけになってエルとバロルはいったん距離を開けようと下がったが、
ガイギスはブーストを全開にして突っ込んだ。

 ヌエ2機は格好の獲物とばかり手に持つスマートガンを連射したが、
ガイギスはかすったものの動きを止められるほどのダメージは負う事無く、
手前にいたヌエの頭と左腕を切り払った。

 左手に持っていたサブマシンガンはその後も発射されていたが、
明後日の方向に銃弾を叩き込む事しか出来なかった。

 最後のヌエ一機は振りぬいた隙を突こうと果敢にも右手のレーザーソードを振り上げたが、
ガイギスは機体を振りぬいた勢いで回転させ、振り下ろそうとしている右腕を肘から切り去った。

 ヌエのパイロットは一瞬何が起こったのか解らなかったが、
右腕が無い事を確認するとスマートガンを打ちながら後退した。

 しかしガイギスはその残った左腕の肩に3発、頭に2発スマートガンを命中させ、黙らせた。

 左肩はショートし、命令が効かないようでだらっと下げ、頭のカメラが潰れてしまった。


「ふう、任務完了。」

「す、すげ〜。」

「さすがアルサレアが派遣した・・・・。」

「・・・。」





 

 その後、そのパイロットが全員生き残っている事を知ったバロルはエルと共に捕まえようとしたが、
ガイギスとレイに阻まれ、結局ヴァリム兵は全員解放された。


「何で逃がしちまうんだよ!?」

「ギラ・ドゥロ基地攻略開始の時間をとうに過ぎたからな。
 それに俺はヴァリム兵を捕まえる為に手伝ったんじゃない。
 あくまで囮としてだ。」

「・・・。」

「けど作戦は終了したわけだし、私も捕虜を沢山捕まえろとは言われてないし・・・。」

「おいエル!言われなかったらやんなくても良いのかよ!?」

「う、けどこの場合は・・・。」

「彼らにもまた家族がある。それを引き離そう何て事を俺は見ていられないな。
 それに彼らが生きて戻ってくれたほうがいい。」

「どういう意味だよ?」

「ミラムーンにもヴァリムに負けない力がある、アルサレアと同じくらい強い傭兵がいる。
 そう思ってくれればミラムーンにもそう簡単には攻めないだろう?」

「けどここはヴァリム領だぜ?」

「問題は無い。それと俺の宣伝のためだ。」

「宣伝?」

「『紅き死神』が復活したと言う宣伝にはな。」

「・・・・ち、わ〜たよ。それにしても、あんたマジで強いな。」

「これでも死線は何度も潜り抜けて来たからな。」


 ガイギスとバロルはそう言うとしばしば待って、二人とも一斉に笑い出した。


「あんたの事気に入ったぜ。それでこれからどうすんだ?」

「またあちこち転々とするよ。・・・・・・こんな事してて言うのもなんだが。」

「ん?」

「やっぱ戦争なんて無いほうが良いな。」

「・・・そうだな。」


 とバロルはエルを盗み見ながら言った。


「さて、では俺達はこれで失礼する。あそうだ、もしあんた達が戦場に来た時、
後俺達に用事がある時はこれから言う回線に連絡してくれ。」

「すまないな。」

「ああ、じゃれ・・・。」

「・・・。」


 レイは黙ってガイギスを見ていた。

 その雰囲気はレイが激怒している事が解り、さらに目にはちょっぴり涙があった。


「ええと・・・どうした?」

「!(ピク)・・・。」

「れ、レイ?」

「どうしたですって・・・・
 どうしたもこうしたも無いわよ!何であんな風に無鉄砲に飛び出したの!?
 相手の弾が当たらなかったが良いものの、もしあれでコックピクトに当たってたらどうするの!
 死んじゃうよ!何で貴方は何時も何時もそんな風に最も高い死に場所に身を投じるの!
 少しはこっちの事も考えてよ!こっちはやられちゃったりしないかってハラハラしてるんだからね!
 ・・・・もうあんな風に一人で無鉄砲な事はしないで。」


 レイはそう言うとくたっと地面にひざから下をつけ、俗に言う女の子座りをしてしゃくりあげた。


「ああもう解ったから。これからはお前の砲撃の元でしか突っ込まないよ。」

「嘘、まだ私用のPF見つかってないくせに。
 ・・・・・・・今までは私が援護射撃しているから貴方が突入しても怖く無かったよ。
 けど今のはそんなのぜんぜん無し、そんなの見せられちゃったら私、私・・・・。」

「ああもう泣くな!」


 ガイギスはそう言うとレイを抱きしめた。レイはガイギスの胸でグスグスとしていた。


「・・・・・・・落ち着いたか?」

「うん。」

「心配してくれたんだよな?嬉しかったよ、レイ。」

「うん、うん・・・・。」

「ええと、あの〜。」

「か〜見せ付けてくれる。」


 ガイギスとレイが抱き合っているの見ていた二人は、
ある程度レイが落ち着いたのを確認してそう言った。

 レイは今が二人っきりじゃない事を思い出すと、
ボンと音がして急いでガイギスの胸から出て立ち上がった。

 その顔は火の様に真っ赤だった。


「さて、ではバロル大尉。これから渡す回線が俺達をを呼ぶ回線だ。」


 ガイギスはレイが離れると立ち上がり何食わぬ顔でバロルを見ていった。


「奥さんが動揺してるのに落ちついてんな〜あんた。」

「・・・あれはあれで暴走しているような気もするが・・・・まあ慣れたからな。」


 ガイギスがそう言うとバロルは肩を上げた。


「まあいいけど。」

「それよりそっちはどうなんだ?かな〜り良い雰囲気のようだが?」


 ガイギスがそう言うと反応したのはバロルではなくてエルだ。


「だ、誰がこんな奴と!・・・・・。」

「おんや〜エル中尉、
 私は別に良い雰囲気と言っただけで別に貴方方が好き合っているとは一言も言ったませんよ!?」

「う・・・。」

「まあけどお互いに意識し合っているのは確かだな。」

「「そ、そんなこと!・・・・。」


 ガイギスがそう言うと二人はハモって否定した。


「おお、見事なユニゾン。」

「「・・・。」」


 二人はそれを指摘され黙ってしまった。

 その頃レイはようやく顔の余計な血が引いて冷静になったが今行われた事を見過ごしてしまった。


「まあ、なんにしてもここは戦場、明日も知れぬ命だ。好きな奴がいれば早めに告った方がいいぜ?」

「あ、そう言えば貴方方はどちらから?」

「ん?初めに声をかけて来たのはレイだ。プロポーズは・・・・したっけ?」

「いいえ、何となく一緒になってそのまま何となく結婚となってしまいました。」

「い、良いのかよ!?それ。」

「はい。今は幸せですから。」

「ま、そう言う事だ。」


 バロルとエルは二人からそう言われると二の句が上げられず黙ってお互いの顔を盗み見ていた。


「ま、そう言う訳だ。レイ、あの回線の事を記した紙有ったろ?持って来てくれ。」

「了解。」


 レイはそう言うとパタパタとギャロップの中に戻っていった。


「これから渡す紙に俺達が使っている回線の事が書いてある。何か用があれば連絡を入れてくれ。
 ・・・・聞いてるか?」


 ガイギスがそう言ったが二人は無反応で相変わらずお互いの事をチラチラと盗み見ていた。


「はあ〜・・・・ゴホン!!」


 ガイギスがわざと大きな咳をすると二人は弾かれた様にガイギスを見た。


「有事の際は今から渡す回線に連絡してください。」

「貴方、もってきたわ。」

「有り難う。ほれ、この紙に書いてある回線を使って連絡してくれ。」


 ガイギスはそう言うとバロルに紙を渡し自分のPFに乗り込んだ。


「それじゃあお二人さんまたどこかでな。武運を祈る。」

「お体に気をつけて下さいね。またどこか出会いましょう。」


 ガイギスとレイはそういうとPFを荷台に積み込み、その場を去った。


「ええ、またどこかで〜。」

「そっちこそ元気でな〜。」


 と言う声を聞きながら・・・・・・・・








 



 あとがき


作者>第4話♪

レイ>ですね。

作者>今回のゲストはレイ・クリムズンです

レイ>よろしくお願いします。

作者>さて、今回のを読んで何かある?

レイ>キクス中尉とニエル大尉、何かどっかの二人みたいですね。

作者>・・・言われてみれば確かに・・・

レイ>・・・まあ気にしないでおきましょう。

作者>だね、出すかどうか決めてない二人だもん。

レイ>私のPFは出ないの?

作者>出ますよ・・・いつか。

レイ>いつかって・・・そんなんじゃああの人が死んじゃう。

作者>いや、主人公を死なすなんてもってのほかですよ。

レイ>けど見てると落ち着かないの!

作者>りょ、了解・・・できる限り努力します。

レイ>・・・けど胸パーツはどうするの?

作者>それはもう考えています・・・・ただあれをまた改造するのは大変ですが・・・

レイ>あれ?改造?

作者>いや、それはまた後での・・・それ以外ありますか?

レイ>・・・ありません。

作者>了解、それでは。

レイ>そうですね、ここまで読んでくれた人達に感謝します。

作者>ご意見等ありましたらよろしくお願いします。


 


 管理人より

 ガイギスさんより第4話をご投稿頂きました!

 今回はギラ・ドゥロ基地の囮作戦でしたねw

 となると次回は……何でしょう?(爆)<時期的にはタルカス三(ドガッ)
 



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