クレストが送るキャラ萌えSSも第三弾となりました。今回もキャラクターの性格がオリジナルとなっていますがご了承下さい。
“リーネ・フォルテ”
アルサレアの宇宙での活動において彼女は一番の貢献者とも言える。
彼女が設計開発した“シード・ラボ”はアルサレア側の宇宙での活動の拠点として大きな働きをなしていく。
<兵器開発演習場>
「はぁぁっ!!」
ブレッド・アローズの駆るJファーが大上段からレーザーソードを、目の前のターゲット目掛けて振るう。
勢いに乗った一撃をかわすことも出来ず、ターゲットはその機能を停止する。
「――……お疲れさまです、リーダー君。」
戦闘が終わると同時に私はモニターに向かって彼に労いの言葉を掛ける。
「別に疲れる程じゃないさ。それよりどうだった?」
「―はい、良いデータが取れました。これなら新兵器の開発も出来るはずですよ。」
「そうか。まぁそれが仕事だからな。」
私がそう答えると彼は苦笑しながらそう言った。
「――それではお疲れさまでした。まだ続けるのでしたら休憩を取って下さいね。」
「りょ〜かい。」
彼は機体を操作し出口へと消えていく。それを見送った後、私も一息つく。
「ふぅ…みんなも休憩を取って下さいね?」
モニター室のスタッフ達に一声掛けると、それを待っていたようにスタッフ達はそれぞれ休憩を取りに行く。
「……私も休憩を取ります。」
何処か冷たい空気を感じながら椅子を蹴って出口へと向かう。
『お疲れさまです。』
通り過ぎる人達が自分に向けて労いの言葉と敬礼をする。私もそれに対して軽く答えながらラウンジへと向かった。
<ラウンジ>
自分と同じようにラウンジでくつろぐグループがある中、私だけは一人でソファーに腰掛ける。
「…………」
用意されている紅茶をカップに入れ、それに口を付ける。
「………はぁ…」
「どうしたんだ?」
溜息をついた途端に彼が視界一杯に広がる。
「きゃっ!!」
全く彼の事に気が付いてなかったので、思い切り驚いてしまった。
「だ、大丈夫か?」
「えっと…はい、大丈夫です…」
「それより…どうしたんだ?溜息なんかついて。」
「い、いえ何でもないんです。」
心配掛けまいと大丈夫な振りをするがそれを彼は見抜いてしまった。
「そんな訳ないだろ?それともそんなに俺って信用無い?」
「そんなこと在りません!!リーダー君のことは信頼してます!!」
軽い口調で言った彼の言葉を私は必死になって否定する。
「………私ってやっぱり生意気に見えますか?」
「はぁ?」
彼は言葉の意味が理解出来ていなかったしばらく呆けていた。
「えっと何?」
「だから、私って生意気に見えますかって…私は此処の主任で責任者です。気軽に声は掛けづらいとは思いますけど……」
「けど、何?」
「…私はまだ15歳ですし、それも合わせてみんな余所余所しくて……だから嫌われてるのかなって……」
リーネの話を聞いて俺は驚いたのと少し可愛いと思ってしまった。
すごく普通の女の子だと思ったから。
「リーダー君はどう思いますか?」
「俺?俺は〜…そうだな。」
視界の端に写ったリーネの瞳は期待と不安に満ちている。
「戸惑いとかはあるけど君のことは嫌ってないと思う。」
「戸惑い、ですか?」
意外な答えだったのだろう。リーネはきょとんとしたまま俺を見ている。
「まだ此処が動くようになって日は経ってないし、そんな中でもリーネはずっと頑張ってたんだろ?人一倍。」
「………」
「だから声とかも掛けづらかったんじゃないか?だから焦らないでも時間が解決してくれるよ。」
不思議だった。
彼の言ってくれたことが自然に答えのような気がして仕方がなかった。
それに……凄く暖かい笑顔だと思った。
「……そう、ですね。そんな気がします。」
「そうだろ?だからそんなに気にせず、ゆっくりやっていけば良いんだよ。それに……」
不意に彼が身を乗り出して私の顔を覗いてくる。自分でも頬が熱くなるのが判った。
「やっぱり笑ってる方が似合うよ♪」
「きゅ、急に何言うんですか!?」
「いや〜ずっとしわ寄せてただろ?」
彼はそう言いながら眉間にしわを寄せる。
……自分はそんなに酷い顔をしてたのだろうか?
「まぁ不機嫌な顔はリーネには似合わないって事さ。怒った顔は……クリオの方が似合うよ。」
そう言いながら彼は高らかに笑い飛ばす。
後ろに近づく恐怖に気付かず……
「あははっ♪ あっ………ちょっとリーダー君。」
「ん?どうかした?」
「リ〜ダァ〜……誰に怒った顔が似合ってるって〜?」
ブレッドの後ろから怒りを露わにしたクリオが現れる。
もしかしたら今なら素手でPFくらい破壊できるかもしれない。
「ク、クリオ?い、何時から居たんだ?」
クリオと向かい合って完全に腰が引けているブレッドが怯えながら尋ねる。
「ついさっきです。私も訓練が終わってリーダーと一緒にお茶しようと思ったら、リーネさんと仲良さそうだし…リーダーは私の悪口言ってるし……」
いつの間にか怒りを越えて悲しみが出てきたのか、混じりに涙を溜めながらクリオは話す。
「クリオ……それは……」
「……リーダーの……リーダーのばかぁーーー!!」
もの凄い勢いで走り去るクリオ。それを呆然と見送るブレッドとリーネ。
「……追わなくて良いんですか?」
「あっ!!そうだな…それじゃごめん。俺、クリオを追うから!!」
慌ててクリオの事を追いかける彼の背中を見つめて無性におかしくなった。
「ふふふっ……あはは、あはははは♪」
一頻り笑った後、晴れ晴れとした気持ちでリーネは部屋に帰った。
数日後……
「…………………」
モニター室で延々とパソコンに向かってあるデータを打ち込み続けるリーネが居た。
「あとはこのデータを入れれば……」
机の横の方に置いていた資料を掴み寄せる。それと同時に欠伸をしてしまう。
「ふわぁ……もう少ししたら寝ようかな?」
手早く済ませて寝ようと思ったとき、入り口の方から足音が聞こえてきた。
「だ、誰ですか?」
入り口の方へ向けて声を掛けると、その声の主が現れた。
「誰だと思ったらリーネか。何してるんだ?こんな時間まで。」
姿を現したのはブレッドだった。話を聞けば暇なので散歩を兼ねて見回りをしていたようだ。
「それでリーネは何してたの?」
「……まぁ言っても良いかな?ちょっと新型の兵器の設計をしてたんですよ。」
そう言いながら今はもう閉じてしまったパソコンへ視線を向ける。
「へぇ〜それじゃあ完成したら俺達がテストするんだ?」
「まぁそう事になりますね。」
それからしばらくは二人で雑談を交わしていたがリーネが漏らした欠伸で会話が途絶えた。
「もうこんな時間か…どうする、もう今日はこれくらいにしようか?」
「そう…ですね…ふわぁ……さすがに……むい…」
うつらうつらと船を漕いでいるリーネを一人で帰すわけには行かない。
「ほらっ、送って行くから背中にのって。」
「お願い……しま…」
普段なら絶対にしないと思うが、リーネは素直にブレッドに背負われる。
「よっと……軽い…」
ブレッドは今更ながら改めてリーネが普通の15歳の少女であることを実感する。
「そっか…こんな小さい体で此処を支えてるのか…友達と呼べる人もいないのに…」
「…リーダー君?どうしたんですか?」
「…何でもない。行くよ?」
リーネを背負い、出来る限り揺らさないように彼女の部屋へと向かう。
<リーネの自室>
「リーネ、着いたよ?……リーネ?」
何の反応も無かったので背中から下ろしてみるとすでに寝息をたてていた。
「寝てる……よっぽど疲れてたんだな。」
「すぅ…すぅ……」
静かに眠るリーネを見守りながらブレッドは部屋を見回してみる。
「………女の子の部屋にしては、あんまり物を置いてないな。」
部屋を見る限り家具も少なく、この部屋は本当に寝て起きる為だけのようだ。
「…もう少し普通の女の子のようにしてもいいのに……」
もう一度リーネの方を見て布団をかけ直す。
リーネが目を覚ますと目の前には白い世界が広がっていた。
果てしなく広く霧に覆われたような世界。
夢であるはずだが何処か懐かしい、そんな妙な気持ちを感じていた。
「此処は…?」
その問いに答えるように突然リーネの目の前にかつての記憶が広がる。
『お父さん。』
『どうした?リーネ。』
数年前の自分と父親の映像が広がり
「あれは…私?それに…」
『私ねぇ、大きくなったらお父さんと一緒に働くんだぁ〜。』
『そうか。リーネはコンピューターとか好きだもんな。』
『うん。それに、お父さんの事も大好きだもん♪』
無邪気だった私と優しいお父さん…ずっと一緒に居られる。
それが続くと思っていた。それが……
『……お父さん!お父さん!!』
あまりにも突然で、私は泣き叫ぶ事しか出来なかった。
もう動くことのない父にすがりついて泣き叫ぶしか…
「お父さっ………!!」
うなされて飛び起きたリーネは突然の激しい衝撃に再び横になってしまう。
「いったぁ〜〜い…もう、誰ぇ〜〜?」
「っぅ〜〜……」
ほぼ同時に痛がるリーネと……
「リーダー君?何してたの?」
「……いや、すぐに出ていこうと思ったんだけどさ、泣いてたから…」
「えっ…?あっ…」
頬に触れてみると涙が流れたあとが残っていた。
「何でもないんです……ちょっと、悲しいこと思い出しただけですから…」
「…………」
ブレッドは何も言わずにリーネの頭を撫でる。
「あっ……」
「悩んでることは俺には言えないこと?」
「………はい。私自身の気持ちの問題ですから。」
「そっか……俺が出来ること、ある?」
「…………少しの間だけ…このまま……」
ブレッドの胸に顔を埋め、声を殺して泣き出す。
ブレッドはそれを静かに受け止める。
「…………んっ…」
「もう大丈夫?」
「はい…もう大丈夫です。」
リーネは10分程泣いた後、涙を拭う。
「俺、少しは役に立った?」
「はい…あの、その…///」
「ん?どうか、した?」
「私が泣いたこと………他の人には言わないで下さいね?」
やはり恥ずかしかったのか俯いたままそう告げる。
「……判ってるよ。」
「って!今の間は何ですか?少し迷ったでしょ〜!!」
「悪い悪い、でも…」
「…?何ですか?」
少し顔を上げるとブレッドは微笑んでいた。
「いや、やっと笑ってくれたって。だって俺の前では事務的な笑顔しか見せてなかっただろ?」
「そ、そうでしたか?」
「あぁ。でもこれからは違うだろ?」
「が、頑張ります///」
ブレッドは照れるリーネを見て満足げに笑う。
「あはは。……それじゃ俺はそろそろ帰るよ。」
時計に目をやるとすでに夜中の1時。
「あっこんな時間だったんですね。」
「あぁ。……もう大丈夫だよな?」
「……はい。大丈夫です。」
「それじゃ帰るよ。また…明日。」
「はい、お休みなさい。」
笑顔でブレッドを見送った後再びベッドに横になる。
「……はぁ〜あんな恥ずかしいことしちゃうなんて…」
ブレッドに抱きついて泣いてしまった事を思い出してしまう。
その時、不思議と安心してしまった事と父親の事を思い出してしまった。
「…………暖かかったな。」
自分の掌を眺めながらブレッドの温もりを思い出してしまう。
「ブレッド・アローズ、か……これからも頑張って貰わなくちゃ♪」
満足げに微笑むとベッドに横になり、すぐに眠りにつく。
そして、悪夢を見ることはなかった。
更に数日後ブレッドは再び演習場にやって来ていた。
「さて…今日はそっちが呼び出したんだ。つまんない演習はやめてくれよ?リーネ。」
カスタマイズされた愛機Jドラグーンカスタムを駆り、演習場の中央で敵を待つブレッド。
待ち呆けたのか少し退屈げだ。
「――大丈夫ですよ。きっと満足して貰えますから。」
「なら良いんだけど…それで敵はどんなのなんだ?」
「――この前見ませんでした?あの夜のとき。」
そう言われてあの時にちらっと見た新兵器の事を思い出す。
「そっか。あれが出来たのか………面白そうだ。壊れても知らないぞ?」
「――さぁ?それはどうでしょうね〜?」
モニター越しに見えるリーネの微笑を見て、ブレッドはやる気になる。
「なら見てろよ、絶対俺が勝つ。」
気合い十分の所に対戦相手が現れる。
「よし……ブレッド・アローズ、行くぞ!!」
…………………
…………
……
――十分後
「くぅ……油断した…」
気合い十分で演習を開始し、初めはブレッドの方が優勢にたっていたが一瞬の判断の遅れで流れは変わり、結局は惨敗してしまった。
「――大丈夫ですか、リーダー君?」
一応通信機器系は生きているのかモニター越しに心配そうなリーネが話しかけてくる。
「あぁ、大丈夫。そんなに心配しなくても良いよ。それより…」
「――??何ですか?」
特に怪我もなさそうなのでブレッドの問い掛けに首を傾げる。
「データ、ちゃんと録った?頼まれてもしばらくはやらないから。」
「――それなら大丈夫ですよ。今回もリーダー君のおかげで良いデータが取れましたから♪」
「それなら良いんだ。……それじゃ、機体の整備、頼むよ?」
「――了解。お疲れさまでした。」
最後に微笑みを浮かべて通信は途切れる。
「まったく…どうもあの笑顔には弱いな。そう…」
――天使の微笑みには…――
あとがき
J2投稿作品も3作目、一応ヒロインはこれで全員書き上げたことになります。
無駄に長くなったような気もしますが、まぁ気にしないで下さい(笑)
リーネについてですが仕事中は絶対に弱音は見せそうにないんですよね。そして、それを一人でずっとため込んでしまう。
彼女にとっては『リーダー君』は一番信頼できる存在になっているのではないかな?、と思うんですよね。
そして彼女も普通の少女である、と言う面が伝わればよいと思います。
次回作ですがJ2より少し前、ブレッド・アローズがレガルド小隊に来る前の話です。
彼とグレンリーダーが出会い、シード・ラボに向かう決意をするまでのお話です。こうご期待。
それではまたお会いできる日まで
管理人より
クレストさんより第3作目をご投稿頂きました!!
リーネが何だか良いですね♪<色々悩むのもまた一興
次回も楽しみにしてます!
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