※キャラ萌え小説第2弾!!またまたキャラクターの性格はオリジナルな部分もありますが、お許し下さい。
それではどうぞ!!
極秘兵器開発施設“シード・ラボ”
極秘に建設されたアルサレア軍の宇宙における重要拠点である。
宇宙にあるシードラボでは朝昼晩の感覚が薄れてきているが、多くの者は地上と変わらない時間で寝食を過ごしていた。
地上時間で言えば今は深夜。人もほとんど寝静まっている。
だがそんなシード・ラボのなかを歩く人影があった。
「さすがにこんな時間に起きている奴は少ないよな。」
廊下を暇そうに歩くのはブレッド・アローズ。
どうにも寝付けず散歩の途中であった。
「ん?明かりがついてる。………行ってみるか。」
明かりが漏れている部屋を見つけ、その部屋へと向かう。
<オペレーター室>
「………………」
明かりの灯っていないオペレーター室で一台のパソコンが起動しており、その前に座っている一人の少女。
レガルド小隊オペレーター、ノギ・カグヤだ。
次々と画面に表示されていく情報を処理していくが…
「……あっ!」
一瞬のミス。
そして画面に映し出されたのは『任務失敗』の文字。
「あ〜〜ぁ…またやっちゃった…」
溜息と共に机に項垂れる。
「何やってるんだ?」
「えっ?…きゃっ!!」
カグヤはいきなり声を掛けられ、バランスを崩して転倒。
「いたた……あっ」
腰を打ったらしくさすっていると目の前に手が差し出される。
その手を差し伸べたのは…
「あっブレッドさん…脅かさないで下さいよ。」
「ごめんごめん。でもこんなに驚くとは思わなかったからさ。」
苦笑混じりにカグヤの手を取り、起こしたのはブレッドだった。
「よっと……それで、何してたんだ?こんな時間に。」
「あ〜それは〜〜…」
苦笑いを浮かべつつ画面を隠すように移動するカグヤ。
「ん?………オペレーションシミュレーション?こんな時間までやってたんだ。」
「…見つかっちゃいましたね。」
ほとんど隠せてはいなかったがその場から退いて画面を見せる。
「私、まだ経験が浅いから。だからブレッドさん達の足を引っ張らないようにずっと練習してたんですよ。」
えへへと照れ隠しに笑いながらカグヤは話した。
「そっか……カグヤは良くやってくれてるよ。ありがとう。」
ブレッドの見せる笑顔に少し頬を赤く染める。
「そ、そんなことないですよ〜///あっ……」
照れながら机の上を漁っていると自分で煎れた珈琲を入れたカップに触れる。
「冷めちゃってる……せっかく煎れたのに…」
「それだけ熱中してたって証拠だろ?だったらラウンジに行かない?珈琲も煎れれるしさ。」
カップを手にとってがっかりするカグヤを外へ誘うブレッド。
その誘いにカグヤは頷く。
「じゃあ行こう。」
二人はオペレーター室を後にしてラウンジへと向かう。
<ラウンジ>
―ラウンジ―
此処はパイロットやオペレーターがゆっくりと休憩をとれる場所としてシード・ラボ内に点在する。
休憩を取る者もいれば恋人同士で語らう者もいる。
大きめのラウンジにはキッチンが併設されており、そこで簡単な食事も取れるようになっている。
「じゃあそこ座ってて。俺が煎れてくるから。」
「あっ良いですよ。私が…」
ブレッドはカグヤを席に着かせてキッチンへと姿を消す。
消えていくブレッドに声を掛けれずにいたが、仕方なく席に座って待つ。
しばらくすると香ばしい薫りが漂ってくる。
「うん、良い薫り……少しは期待できるかな?」
―数分後―
「お待たせ。」
二人分のカップを持ってブレッドが戻る。
「口に合えば良いんだけど…」
「大丈夫ですよ。(あれ?ずいぶん早い…)」
両手でカップを受け取りカグヤは微笑む。
しかし用意するのがずいぶん早かった事に疑問を感じる。
馴れている自分でもこうは早くできないはずだ。
「それじゃあいただきますね♪」
ゆっくりとカップに口を付け、珈琲を飲む。
「………………」
しかし、珈琲を飲む内にカグヤはどんどん渋い顔になる。
「ど、どうかした?」
ブレッドはカグヤの顔色を伺いつつ身構える。
「………ブレッドさん。一体何を煎れたんですか?」
「い、いや、ただのインスタント……」
「なんですってぇ〜〜」
普段の姿からは想像できない静かな怒りを感じ、思わず腰が引けるブレッド。
「……ブレッドさん、多分豆は引いた物がありますよね?」
「いや、面倒だったから…さ…」
「判りました。………良いでしょう、私が本物を煎れてあげます。」
「は、はい……」
カグヤの雰囲気に怯えつつその後を付いてキッチンに向かう。
<キッチン>
カグヤがキッチンの中を少し探してみるとちゃんと煎った豆もありミルもあった。
他にも必要な物をてきぱきと準備していく。
「……やっぱり道具も揃ってるじゃないですか。それじゃあ初めから教えますよ?」
「ごめん……それじゃあ頼むよ。」
かくしてカグヤによる珈琲口座が始まった。
「まずは豆の種類ですけど数多くの種類があってその全てが千差万別。ほとんどが飲んでみるまで判らないと思います。それに入れ方によっても全然味が変わってきます。」
カグヤは用意されていた豆を並べながら語り出す。
「でもさ、それはホームでの話だろ?“J”でそんなに栽培できたっけ?」
「そうですね……確かに惑星Jで栽培されている種類は地球と比べれば大分少ないです。それでも豆の種類は多いって事ですよ。」
「へぇ〜そうなんだ。あっ!じゃあ何でインスタントだと駄目なんだい?」
先程入れた時に使ったインスタントコーヒーを指さしながら尋ねる。
「別に悪いって訳じゃないんですよ?味も薫りも十分の物もあります。でも、やっぱり道具が揃ってるなら良い物を飲みたいとは思いませんか?」
「それは……そうだね。」
「それで珈琲を入れるコツですけど………簡単に言えばゆっくりじっくり入れる事なんです。一滴一滴落ちる様を眺めるくらいに。」
「そ、そんなに時間を掛けるのか?俺には出来ないかも……」
ブレッドは苦笑しながら頭を掻く。
「そうですね、確かに時間は掛かりますよ。まぁ〜そこまでしなくても良いんですけどね。」
微笑みながらてきぱきと、用意したサーバにお湯をゆっくりと注いでいく。
程なくして香ばしい、珈琲独特の薫りが漂ってくる。
「はぁ〜……ね?やっぱり一から入れていく方が良いと思いませんか?」
薫りを楽しみ、満足げな笑みを浮かべてブレッドの方に振り返る。
しかし、ブレッドはぼーっとしていた。目も少し焦点が合っていない。
「ブレッドさん?」
「あっごめん!!」
少し下から覗き込むようなカグヤの視線に気付き、ブレッドは慌てて返事をする。
「どうしたんですか?」
「い、いや……なんかさ、こうやってキッチンに立ってる女の子の後ろ姿見たら、何か良いな〜って思ってさ…」
「………///」
カグヤは不意にブレッドが口にした言葉にドキドキしてしまう。
「………本当のことを言うと珈琲に決まった入れ方はないんです。」
「えっ?」
「家族に、友達に、そして…恋人に美味しい珈琲を飲んで欲しいって心から込めて入れれば、それはどんな物よりも美味しくなるんですよ。」
「そうなんだ。でも、良くあるね。そう言うのは。」
「………えっと〜それじゃ外で待ってて下さい。すぐに持っていきますから♪」
「えっ?お、おい!」
ブレッドの背中を押してキッチンから追い出してしまう。
キッチンの壁に背を預けてさっきの事を思い出す。
「……どうしてこんなにドキドキしてるんだろ?」
胸に手を置き心臓の鼓動を感じる。
規則正しく運動を繰り返しているが、少し動きが早い気がする。
「私、もしかして…………」
「お待たせしました♪」
カグヤは二人分のカップを持ってキッチンから出てくる。
「ん、ありがとう。」
ソファーに腰掛けていたが体を起こしてカップを受け取る。
「あれ?これって……」
「今日はカプチーノにしてみました。お口に合いますか?」
「カグヤが入れてくれたんだ、何だって美味いよ。」
「嬉しいこと言ってくれますね。では、召し上がれ♪」
「いただきます。」
ゆっくりと口を付けて二人は味わう。
「……やっぱり美味い。俺が入れたのとは全然違う。」
「そうでしょ?それに今日のは自信がありますから。」
「そっか。…でもさ、カグヤは何で珈琲にこだわりがあるの?」
ふと沸いてきた疑問をぶつける。
「こだわりですか?そうですね〜………父の影響だと思います。」
「カグヤの…お父さん?」
「はい。私の父は珈琲が好きだったんです。そんな父に喜んで貰おうと自分で色々試し始めたんですけど、いつの間にか父より私の方が珈琲に凝るようになってたんです♪」
「そうだったんだ。けどそのおかげで俺は今こうやって美味い珈琲を飲めるんだけどね♪」
「ふふっそうですね♪」
二人揃って笑いあう。
「……ごちそうさま。美味しかったよ。」
飲み干したカップを置き口許を拭う。
「そうですか?良かったぁ♪」
「……ホント、こんなに美味い珈琲なら毎日でも飲みたいよ。」
「えっ?あの、その///」
ブレッドの口にした言葉を変に意識してしまい赤くなってしまう。
「ん?どうしたんだ?」
「な、何でもないんです!!それじゃお先に失礼しますね!」
カップをそのままにして慌ててラウンジを去る。
置き去りにされたブレッドはその場に佇んだままだった。
<カグヤの自室>
「はぁ……」
ラウンジから走り通しだったので、部屋に帰ってきてそのままベッドに横になる。
「どうしたんだろ、私……なんか変……」
ゴロッとベッドの上で転がる。
「初めて会った時は何ともなかったのに……」
天井を眺めながらブレッドの笑顔を思い出してしまう。
「な、なんでブレッドさんの顔を思い出すのよ〜〜」
虚空に向かって手をバタバタと振る。
「…………好き……///」
何気なく口に出してしまった言葉に頬を染める。
「駄目だ〜……今日は寝よう。……明日からは普通に出来ますように……」
そのまま枕に顔を埋めて眠り出す。
数日後、レガルド小隊はシード・ラボの警戒任務にあたっていた。
「――ヴァリムの奴らも襲ってこないし、楽勝だねリーダー。」
「そうだな。だけどまだ油断は出来ない。レーダーに反応があったのは確かだからな。」
警戒任務にあたったのはブレッドとクリオの二人。
周囲を警戒しつつシード・ラボを中心に辺りを見て回る。
「カグヤ、レーダーに反応は?」
「――ちょっと待って下さい………レーダーに反応、敵機です!!」
レーダーに反応があった直後二人も視認する。
「ヤシャが三機……一気に落とす!!」
「――了解!!」
ブレッドとクリオは難なく一機ずつヤシャを撃ち落とす。
しかし最後の一機は他の二機よりも腕が勝っていた。
「―くぅ〜〜あたらな〜い!」
Mガントレットを乱射するが隕石を使って避けていく。
「ちぃ……クリオ!!援護を頼む!!」
機体を反転させラグーンブーストを噴かせ一気に加速していく。
「あぁぁぁっ!!」
シラギクを唸らせ、ヤシャをスピードを乗せた一撃で一刀両断する。
だが――
「しまっ……!!」
ブレッドは離れるのが遅れ、爆発に巻き込まれる。
「…………レガルドリーダーの反応消失!?そんな!!」
「――カグヤ!どうしたの?リーダーは!?」
「爆発に巻き込まれて……シグナルが…消えて……」
クリオの通信にカグヤは力無く答える。
「――そんな!!リーダー!リーダー!!応答して!!」
カグヤはオペレーター室で呆然としていた。
「そんな…やだよ………私、私……っ!!」
落ち込む気持ちと涙を堪えて画面を見つめる。
「レガルドリーダー!レガルドリーダー!!応答して下さい!!」
「――…ちら……ダー……」
数瞬の間をおいて画面内にブレッドの機影が再び現れる。
「レガルドリーダー!?良かった…無事なんですね?」
「――ECS……やられ………かいしゅ……」
「――も〜脅かさないでよリーダー。でもやっぱりリーダーは強いな〜」
レーダーを見るとブレッドの機体の側にクリオの機体も見える。
「……レガルドリーダー確認………急いで回収艇を回します。あと……」
「――ん?」
「とびっきりの珈琲、用意してますね♪」
通信機に写し出されたブレッドに向けてとびきりの笑顔を見せる。
〜fin〜
あとがき
投稿作品第2作目、お読みいただきありがとうございました〜
私本人は珈琲は飲めないので資料を引いて書き上げた場面もあります。
表現的におかしなところがございましたら言って下さい。
カグヤについてですが普段からレガルドリーダーと呼ぶのはどうも変だと思いましたので名前で呼ばせることにしました。
恋愛感情は好きになり始めたと言う感じです。
それではまた
管理人より
クレストさんより第2作をご投稿頂きました!
カグヤがコーヒー好きになってますね(笑)
なかなか良い雰囲気で、めでたしめでたしっと(何が?)
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