名も無き兵士達の血の記憶〜アルサレア戦役〜






原案:ナイトメア
文:バーニィ




 クラン編 〜駒〜



 アルサレア戦役4日目。

「・・・・私がですか?」

 クラン・ネルモア中尉は上官にもう一度聞き返した。

「君の隊と他に2個小隊、合同の作戦だ」

「それは分かりました・・・しかし、何故私が指揮官なんですか? 他にも優秀な人はいるでしょうに」

「何か不満でも? 君が指揮官として一番向いていると判断したから任命したまでだ」

「ですが、前回の作戦で私は失敗して・・・・」

「部下を失ったのは知っている。だが、失敗は他で補えばいい・・・そう思わないか?」

「・・・・はい」




 ヴァリムの奇襲で始まったこの戦いは5日目を迎えていた。

 1日目、2日目とヴァリムの奇襲の勢いに乗った電撃戦にアルサレア勢は押されていたが、ヴァリムの第一次攻撃部隊が疲弊してきた事により徐々にその勢いは弱まってきていた。

 3日目に入ると補給と新たなる戦力の投下のためにヴァリム本国から第二次攻撃部隊が輸送機に乗って空輸されてきた。
 アルサレア陣営は対空設備の8割ほどを壊されたにもかかわらずスティールレイン連隊の活躍のおかげでこの第二次攻撃部隊をヴァリム側の予定よりも遙かに多く撃退に成功した。
 元々、短期決戦で勝負を決しようと目論んでいたヴァリムにとってこれは勝機を逸したに等しい。敵の勢力圏内で孤立してしまうほど危険な事はない。

 修羅の天秤は徐々にヴァリムの劣勢へと傾きつつあった。





 

「戦局を大きく変えるチャンスだ。しっかり頼むぞ」

「はっ! 任命されたからには全力を持ってあたらせて頂きます!!」

 クランは敬礼をすると上官の前から立ち去った。

(はじめて与えられた大役・・・・頑張らなくちゃ!)

 表情にこそ出さないが心の中では初めての作戦の指揮官という大役に意気揚々とはりきってその場を後にした。



 4日目、アルサレア陣営は戦場の流れを自分たちの方に変えるために第一次攻撃部隊の主力グリュウ大隊の後方撹乱を少数の部隊に命じた。
 今回その部隊の指揮をクランが任されたのだ



 上官の部屋を出たクランは小隊の控え室へと向かった。
 小隊の控え室には彼女の同僚であり友人であるチェンナ・マーロウがいた。

「クラン、どうだった?」
「新しい指令が出たわ・・・」
「そう、休む暇もないのね」

 ここのところアルサレアの兵士達は不眠不休で働いていた。そんな事を続けていれば疲れてきてミスも増える。
 その結果、戦死者が増える。クランとチェンナの仲間も昨日彼女たちの目の前で戦死をとげていた。

 仲間が戦死するのは何度体験しても慣れるものではない。

 中には何とも思わない人間もいるかも知れないがクランとチェンナは仲間が死ぬたびに嫌な感じを受けていた。
 自分が死んでいたかも知れないと言う不安や、ついさっきまで生きていた仲間が人形のように何の反応も示さなくなってしまう恐怖などだ。

「ねぇ、チェンナ。いつまで続くのかしらね・・・・こんな戦い」
「私たちは生き残る事を考えましょ」
「・・・・そうね。誰も死にたくないし死なせたくないものね」

 クランの言葉にチェンナは視線を床に落とし暗い瞳をした。その瞳の奥には、暗く黒い炎が燃えていた。

「・・・・・・・・えぇ、仲間内ではね」

 やや、間を置いてチェンナは呟いた。







 一時間後

 日が沈み暗くなると同時にクラン達は作戦行動を開始した。作戦エリアは見通しの良い荒れ地だ。

「こちら、アルファ1。各部隊の展開は?」
『こちら、ブラボー1。順調に進行中』
『チャーリー1。問題なく進行中』

 クランの声に二つの返事が返ってきた。今回作戦を合同で行う小隊の小隊長達だ。
 今のところは敵の勢力圏からやや遠いために無線での会話も普通に行っているがもう少し進むと敵に傍受される可能性がかなり高くなるので無線封鎖しなければならなくなる。
 クラン部隊の右翼にブラボーチーム、左翼にチャーリーチームがそれぞれ配置されている。

「予定通り作戦行動に移ります。各部隊予定侵攻ルートを通り敵エリアに侵入後、敵補給機とを目指します・・・では、行動開始」

『『了解』』

 クランの指示で二個小隊が動き出した。今回はクランのアルファチームは補充人員が間に合わなかったのでチェンナとクランの二人だけであった。

『クランいよいよ作戦開始ね』

 チェンナがクランの機体の肩にPFの手を乗せて接触回線で話しかけてきた。

「えぇ・・・上手くいくと良いけど」

『大丈夫よ』

「一つ気になる事があるのよ」

『気になる事?』

「・・・私たちだけで後方撹乱なんてできると思う?」

『できると思ったから、指令を出したんでしょ・・・私たちならできるわよ』

「確かに、可能かも知れないけど、正攻法では可能性は低いわ」

『クラン・・・どうしたのよ弱気じゃない』

「そうね。私が弱気じゃ駄目ね・・・ごめんなさい」


 しばらく、クランとチェンナはその場で待機していた。
 今回の作戦はこうだ。


 まず、ブラボーチームとチャーリーチームが敵を陽動。
 次にアルファチームが行動開始。
 ベータチームが引き続き陽動をしかけている間にチャーリーチームがアルファチームをサポートしつつ、二チームで敵の勢力圏奥深くに入り込み、敵後方の補給基地を襲撃。

 その間、ブラボーチームはしばらく戦闘を続けた後に一時撤退。後方で待機し、要請があれば二チームの援護にあたる。
 問題なく襲撃が終わればアルファチームをしんがりに退却。


 と言うものであった。

 ちなみに機体構成はこうなっている。ブラボー、チャーリーチーは共にJファーカスタム、Jグラップラー、Jキャノンのバランスの取れた一般的な構成だ。クランのアルファチームはクランのPFはJファーカスタムを索敵用にカスタマイズしたものでサブマシンガンとレーザーソードしか装備していない。チェンナは彼女専用のカスタムPFだ。


 クラン達の前方で信号弾が上がった。ブラボーチームからの合図だ。

「チェンナ、行くわよ」
『頑張りましょ!』

 二機のPFが敵のエリア向かって突撃を開始した。

 しばらく進むと、チャーリーチームの3機の機影がクランのレーダーに映った。
 リーダー機のチャーリー1が肩に付いているライトをチカチカと点灯させ信号を送ってくる。

“サクセン、ダイ1ダンカイ、セイコウ”
(順調ね)

 クランもライトを点けたり消したりして信号を送る。

“リョウカイ、ワガブタイノ、コウホウニ、ツイジュウセヨ”
“リョウカイ”

 ベータチームが陽動をしかけている部隊のレーダーレンジ外辺りまでブースト全開で離脱するとブーストの炎で敵に見つからないように歩行での移動に切り替える。

“イゴ、ホコウニヨル、イドウニ、ヘンコウ、ヒツヨウノナイキノウヲOFFニ”

 レーダー性能の一番高い索敵用にカスタマイズされたクランの機体を先頭に慎重に敵勢力圏内を歩行で移動していく、他の機体はレーダーや歩行に必要なシステム以外を全て切り、クランの機体に付いていく。

 ここで見つかれば敵にたちまちの内に囲まれてしまい。あっという間に全滅してしまう。
 ベータチームはそろそろ引き上げる頃だ。

“ゼンキ、テイシ”

 先頭を行くクランがPFの背面に付いている光度を絞った明かりを点灯させる。

“テキホショウ、ハッケン”

 レーダーに巡回中の敵が映ったのだ。敵が攻撃に移らない事からまだこちらは発見されていないようだ。
 クランは直ぐにレーダーをOFF、望遠カメラを最大にして索敵を開始した。
 まだ距離はある。

“カクレテ”

 敵のカメラに映る事を恐れて隠れる事を命じた。
 レーダーをOFFにしたのはこちらのレーダー波を感知されないためだ。広域レーダーは範囲が広いがそれだけの広い範囲にこちらの位置を知らせているのと同様なのだ。

 基本的にアクティブレーダーに比べてパッシブレーダーは精度が落ち敵の正確な位置はつかめないが敵のレーダーレンジ内に入った事と大まかな方向は知らせてくれる。

 今回のクラン達の作戦は敵に自分たちの影すら見られては行けない繊細なものなのだ。こちらのレーダー波を感知されては敵が警戒してしまい全て台無しになってしまう。その為に先頭を行くクラン以外はレーダーを切っていたのだ。


 クランは汗ばむ手でゆっくりとカメラの作動レバーを動かし敵の姿を追う。敵の進行方向がどちらか見極めなければならないからだ。


(どっち?・・・・・どっちに動くの? お願いだからこっちには来ないでよ)


 不気味な静寂が訪れる。敵のPFにも暗視装置は付いているがヘタに動いたりしなければ見つかる事はない。











 

(ふぅ・・・・やり過ごせた)

 敵がこちらに来ないと判断したクランは大きく息を吸い込み深呼吸をすると、再び光度を落としたライトで合図をした。

“ビソクコウシン、100mノチ、モクテキチヘ、ツウジョウホコウ”

 念のために少し様子を見てから目的地へ再度移動を開始する事にした。
 さらに、息をするのも気を使うような行軍は続けられた。

 そして・・・到着した。

(いよいよね・・・ここまで順調だったけど、これからが本番ね)

“チャーリー、テキシセツ、ハカイセヨ、アルファ2、テキPFソウトウ、カッキ、コウゲキカイシ”

 全機まずはモーターキャノンやMLRS、キャノンなどによる遠距離攻撃を開始した。
 クランの静かな合図で攻撃が開始され派手な爆発が上がった弾薬庫に命中したようだ。

 ヴァリムの補給基地はあくまで仮設もので大きな防衛施設はなく、駐屯しているPFが数機いるだけだ。
 後方と言っても最前線から遠いだけで周囲をアルサレアに囲まれており敵の襲撃には備えている。それなりに優秀な敵が配備されているはずなので油断はできない。

「全機、油断しないでね!!」

 クランが無線で各機に檄を飛ばす。もはやコソコソとしている必要はないからだ。

『お任せ!』

 クランの耳にチェンナの元気の良い声が聞こえてきた。

(頼りにしているわよ)

 敵の数を確認した。
 1、2、3・・・・6機

『アルサレアの好きにはさせない!』

 7機、この補給基地の司令官だろうかまだ若い女の声だ。
 クランのPFに向かって攻撃をしかけてきた。見たところカスタムPFである。手にしたマシンガンで牽制しながら距離を詰めてきた。
 レーダー性能を高めているので武装が貧弱なクランは障害物を利用して距離をとる。

『クラン、下がって私が引き受ける!』
「チェンナお願いね」

 クランと入れ替わるようにチェンナがカスタムPFに向かう。

 チェンナの鎌とカスタムPFのカタールがぶつかり合う。

『チャーリー1、全施設の破壊完了』
「敵PFの掃討にあたって」
『了解、チャーリー2、3。決めるぞ!』
『『了解』』

 チャーリーチームは手際良く行ったようだ。

(順調ね・・・)

 チェンナと相手のカスタムPFは互角のようだ。一進一退の攻防を繰り返している。
 クランはチェンナの方は大丈夫だろうと判断し、チャーリーチームと連携して敵PFの掃討にあたった。彼女たちが三機のPFを撃破した時である。
 クランのレーダーに敵の増援の姿が映った。

(!!・・・敵の増援、予定よりも早い)

 敵の増援PFざっと数える・・・10機! 

「全機撤退開始、チャーリーチーム撤退を開始して!」
『チャーリー1了解』

 チャーリーチームは直ぐに撤退を開始した。

「チェンナ、引くわよ」
『あと少し、こいつだけでも倒してから!!』

 ここに来てチェンナの悪い癖が出た。チェンナはヴァリムに深い恨みを持っておりヴァリムとの交戦時ではたまに敵を倒す事に妙に固執してしまうのだ。

「敵の増援が接近中なのよ!」
『先に行って、それも少し倒してからいくから』
「チェンナ!!」

 今の彼女には敵を倒す事しか頭にないようだ。こんな時にムキになられては非常に困るが、なかなか手強い敵のカスタムPFがチェンナを刺激してしまったのだろう。

 チェンナを説得している間、クランにも守備隊の残りの三機のPFが攻撃をしかけてくる。

『あと少し、あと一機だけでも倒させて』
「戦いは今回だけじゃないでしょ! この後もいくらでもヴァリムを倒す機会はあるわ!!」
『わかったわよ、いま撤退を・・・きゃぁぁぁぁ』
「チェンナ、チェンナ!」

 クランは少し離れているチェンナのところに駆けつけようとするが、ヌエが正面に立って邪魔をする。

「邪魔よ!」

 サブマシンガンで追っ払おうと思ったが弾が出ない。弾切れだ。
 クランは仕方がないのでサブマシンガンでヌエを殴るとジャンプしながらヌエを踏みつけて二段ジャンプでチェンナの元へ飛んだ。

 片足を切断されたチェンナの機体が地面に倒れており、直ぐ近くに敵のカスタムPFが立っていた。クランの目には止めを刺そうとしているように見えた。
 彼女は直ぐに牽制して離さなければと思ったがマシンガンは弾切れである。他に射撃兵器は積んでいない。

「だから、索敵機は嫌いなのよ!」

 そんな事を叫びながら弾の切れたサブマシンガンを投げた。
 敵のカスタムPFはミサイルでも飛んできたのかと思い後方に下がる、成功だ。
 後方に下がったカスタムPFにレーザーソードで斬りかかる。

 左腕を見事に刈り取った!

 続けざまに肩でタックル。
 敵のカスタムPFは吹き飛ばされ後ろにあった建物の残骸にぶつかり、ヴァリムの影の薄い女性パイロットは変な悲鳴と共に気絶した。

「チェンナ大丈夫!」
『ごめんクラン、しくじっちゃった。これじゃ、逃げ切れない・・・・先に行って』
「何言ってるの! ほらっ、早くコックピットから降りて」
『でも、そんな事したら・・・』

 クランはチェンナをコックピットから降ろして自分の機体に乗せて逃げるつもりなのだ。だが、チェンナは手に乗っては速度を少し上げた途端に落ちてしまう。
 コックピットに乗るしかないのだが、一人乗りの設計で作られているPFである。大人二人で乗ってしまうと非常に狭い、そうなっては敵のPFから逃げながら戦うなどと言う繊細な動作ができなくなってしまう。ヘタをすれば二人仲良く心中だ。
 逃げるだけなら、問題ないと思えるかも知れないがそれは速力の高い機体での話でクランのJファーカスタムはそこまで速い機体ではない。

 クランがレーダーに目を移すと直ぐ近くまで敵が来ている。

(もう、間に合わない・・・)

 クランが覚悟を決めその時。
 ヴァリムの増援が三機にレーダー上から消えた。

(何?)

 直ぐにカメラで周囲を見回す。
 緑色のレーザーが一条、戦場を貫くと再び敵機が数機消えた。

(バスターランチャー・・・どこから? 味方なの??)

『七面鳥の皆さん! 任務ご苦労さん、援護するからサッサと逃げて頂戴』

 味方からの通信だ。ブラザーチームでもチャーリーチームでもない。


「何処の部隊なの?」

『オスコットおじさんとその仲間達でございま〜す』

「ふざけないで!」

『あらら・・・・ご機嫌斜め?』

『隊長、私が話します。失礼しましたクラン・ネルモア少尉、私はオスコット小隊所属リメリア・ヒストリオ伍長です。我々が敵を抑えますので今の内に撤退を・・・』

「了解・・・わかったわ」


 クランは何故オスコット小隊がここに来たのか腑に落ちなかったがここは言う通りに撤退する事にした。

(・・・どうして? 私たち以外にも同じ事を命令されていた部隊があるのかしら?)









 

 オスコット小隊の活躍のおかげもあってクランもチェンナも無事に帰還する事ができた。

 クランが基地に着くと直ぐにオスコットたちの元へ向かった。

 彼女がオスコットのもとに行くとオスコットとその部下のペペロがじゃれ合っていた。

 オスコットはペペロの頭を脇に抱え楽しそうに遊んでいた。何とも子供っぽい中年のオヤジである。


「お、もしかして、クラン・ネルモア少尉?」

 クランは直ぐにオスコットの襟元を見て階級をチェックする・・・中尉だ。

「先ほどはありがとうございました中尉」

「いや、いや、困った時はお互い様だよ。おじさんがピンチの時は助けてくれよ」

「はい」

「そんなに硬くならないでさぁ、気楽にしなよ」

「聞きたい事があります」

「なんだい?」

「中尉は何故あの場所に来たのですか?」

「あぁ、それはね。上からの命令だからだよ・・・え〜とね。たしか・・・・・・」

「ここの基地の少佐の命令であの補給基地を落とせと言われていたんです・・・ね、隊長?」

 オスコットに虐められていたペペロが口をだす。

「そうそう、ペペロ君の言う通りだよ」

「そうですか・・・」


 ペペロとオスコットの言っている少佐とはクランに命令を出した少佐本人である。クラン達だけでは役不足と見たのか、はたまた囮としてなのか、クラン達に黙って別の本命の部隊を送り込んでいたようだ。クランはその少佐の行為に苛立ちを覚えた

「では、失礼します」

 こみ上げてくる怒りを抑えながらそう言って少佐の元に行こうとしたクランをオスコットが後ろから呼び止める。

「あ、ちょっと待ちなよ」

「なんですか?」

「そんな怖い顔してたら、可愛い顔にシワができちゃうよ」

「余計なお世話です!!!」

 クランが硬い顔をしていたのでオスコットは軽い冗談を言ったつもりだったのだが、クランは真に受けてしまったようだ。







 

「少佐! どういう事ですか!!!」

 クランは少佐のいる部屋に入るなり怒鳴りつけた。

「中尉・・・落ち着きたまえ」

「私たちの部隊には始めから囮だったんですか?!」

「ふぅ・・・説明しよう」

 少佐はやれやれと言った感じで椅子に腰掛けるとゆっくりと説明をはじめた。

「まずは、君が言う囮だが・・・半分は正解だ。予想では君の部隊が敵のエリアに侵攻開始。途中で敵に見つかって適当な所で引き上げてくると予想していた。君達の部隊を囮にしてオスコットの部隊に確実に基地を襲撃させるつもりだった」

「でしたら、始めからそのように囮としての行動を命令して下されば」

「まぁ、最後まで聞きたまえ。君達の基地の襲撃命令を出したのは囮としての任務の成功率を高めると共に基地を落とす可能性を高めるためだ。君が上手くやって基地を落としてくれればそれで良し、落とせなくとも敵のエリアに侵攻して攻撃してくれれば敵の目はオスコットの方から離せると考えたわけだよ」

「そんな無茶な、それでは私たちは捨て駒じゃないですか!」

「・・・・そうは言えない、君は部下を一人死なせたばかりで慎重になっていたし、元々の性格が慎重な性格のようだから無理をして作戦の遂行をするよりも撤退を選ぶと分かっていた・・・・違うか?」

「確かに、途中で敵に補足されれば直ぐにでも撤退をするつもりでしたけど・・・(騙すなんて酷すぎる)」


 クランは最後の言葉を声に出して言えなかった。


「何か言いたそうだな、まぁ・・・・・分からなくはないが、君がこちらの期待以上に大きな働きをしてくれた事はしっかりと分かっている」

「でも・・・」

「君の事は大きく評価している。くだらん事で経歴に傷を付ける必要はないだろう? わかるな?」

 これ以上、何も言うなという事だ。クランの怒りはまだ収まっていなかったが馬鹿馬鹿しくて何も言えなかった。この少佐は部下をただの駒としか考えていないのだ。

 そんな人間に何を言っても無駄である。

「失礼します」

 クランは怒りでやや声を震わせながら背を向けて出て行こうとした。

「よく休めよ」

 そんなクランの背中に少佐は一言そう声を掛けた。
 部屋を出たクランはしばらく下を向いたまま歩く・・・・





 

 壁を一度、力強く叩く。
 だが、クランの気持ちはすっきりとはしなかった。

(はぁ・・・チェンナだったらあの少佐のこと殴ってるんだろうな)











 



−キャラ設定−

・クラン・ネルモア 年齢:23歳 性別:女
 ゲーム、コバルト小隊ではオペレーターを務めるクラン。まだアルサレア戦役当時はパイロットだったと思われる。
 たぶん、メガネは掛けていないのでしょう。階級は少尉。
 文中はクランっぽくないような気もしますが・・・・まぁ、気にしないで下さい。


・チェンナ・マーロウ 年齢:23歳 性別:女
 コバルト小隊ではけっこう使えるキャラ。ヴァリムには相当な恨みを持っていると思われるので、正面切っての戦い以外の任務は向いていないような気がする。




−後書き 原案:ナイトメア−
 次回はあの時あいつは何をしていた第二弾サリアです。




−後書き 文:バーニィ−
 今回は敵エリアの中を隠密行動するかわったものを書いてみました。今回は文章力不足を感じずにはいられませんでしたよ(苦笑)


 


 管理人より

 バーニィさんよりクラン編をご投稿いただきました!!

 オスコットは本当においしい所をかっさらっていきますね(笑)

 しかし、何も言われずに囮にされたらそりゃ怒りますよね(苦笑)
 


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