★厳重注意!!

 今回の作品はコバルトリーダー編です。コバルトリーダーは元々名前や原型の殆ど無いキャラですが、今回はナイトメアさんと桃音さんの御厚意でラグナ・グレイスの設定を借りて書く事が出来ました。
 基本設定が同じではありますが細部の性格の違いがあります。そのため、この文章は2次創作作品と言うよりも3次創作作品となっています。
 桃色の悪夢さんの作品「語られざる歴史の報告書」の主人公ラグナ・グレイスの印象とは大きく違った印象を与えてしまう可能性がありますのでその事を御了承の上、お読み下さい。なお、ヒュウガ・カミカワについても同じ事が言えますのご注意下さい。






 




名も無き兵士達の血の記憶〜アルサレア戦役〜






原案:ナイトメア
文:バーニィ




 コバルトリーダー編 〜窮鼠猫を咬む〜



 ハァ・・・ハァ・・・・ハァァ・・・・・・ハァ・・・・・


『第4中隊全滅・・・駄目です』


 また・・・全滅か? これで何機やられた?


『レドームだ! レドームに攻撃を集中しろ!!』


 うるせぇ爺さんだ・・・参謀本部長だか何だか知らないが、自分で戦えっての・・・


「おぃ、そこ!・・・えぇい、くそっ!!」


 ブーストペダルを床まで踏み込む。

 動きを止めてデカ物に射撃している間抜けな部下がミサイルに当たりそうなんでフォローの必要がある・・・さっきからこればっかりでやってらんねぇぜ。

 肩のガトリングでミサイルを迎撃する。


「ボケッとつっ立ってんな!」

『す、すみません』

「ほら、動けよ。カカシじゃねぇだろ」

『は、はい』


 どうやら、俺の接近もミサイルの接近もどちらにも気が付かなかったみたいでビックリしてやがった・・・仕方ないか、新米だからな。









 俺の名前はラグナ・グレイス。

 数時間前の事だ。

 俺たちの部隊はオーガル・ディラムとか言うヴァリムの新兵器を迎撃するために平原に集められた。

 俺は大隊の隊長なんだが・・・えっとPFが何機だ。30機ぐらいかな? それが俺の部下なわけだが、ついて早々そこのお偉いさん、参謀本部長の代理人が部隊を解散して再編成するとか言い出しやがったんだ。

 まぁ、反論はしたがけっきょく上官には逆らえないんで命令を受ける事にした。


「ヒュウガ! こら、どういう事だよ! 何だよ、再編成ってよ!!」

「しょうがないですよぉ〜八つ当たりしないで下さいよぉ〜」


 とりあえず行き場を失った怒りをヒュウガの襟首を掴んで怒鳴りつける事で解消しておいた。

 部隊の再編成ってのはあんまり好ましくない。これまで一緒に戦ってきた連中との雰囲気とか連帯感とかそう言うもんが部隊を解散して作り直す事によって全てぶちこわしになるからだ。

 これから敵の超大型新兵器との戦いだって時にこんな事するなんて、ほんと、上の連中はわからねぇ。


「そう言えば隊長・・・隊長の機体は今までの多大な功績を認めて試作型の機体を与えられるらしいですよ」


 ヒュウガが唐突にそんな事を言い出した。


「あぁっ?」

「新しい機体で・す・よ!」

「はぁ〜わかってねぇな・・・そんなもんいきなり実戦に使えるわけねぇだろが・・あ〜やだ、やだ」

「隊長、こっちに来てから何だか不機嫌ですね・・・また、女にふられたとか?」

「アホ! おまえな考えても見ろ、兵隊が足りないんで訓練所の連中をひっぱりだす、さらに、俺の隊を解散させて俺たちにその訓練所の連中のお守りをさせる。挙げ句の果てに新型の試作機だ? いきなりそんな新型に乗って、敵の新兵器をやっつけろなんて無理だろうが!!」

「まぁ・・・・そりゃそうですけどね・・・」


 新型PF・・・どんな機体だか知らないが、PFってのは多少なりとも慣れるまで時間はかかる。

 紙一重で敵の攻撃を避けたり、相手の動きを先読みして機体を動かしたりするのは自慢じゃないが俺は得意だ。
 だが、それは慣れた機体で出来る事であった新型ではそのマネ事は出来ても再現は不可能だ。慣れていない機体では細部で狂いが生じてくる。それこそ、端から見ればどうでも良い様な些細な狂いだが、その些細な狂いが戦場では生死を分けるんだ。

 俺はそのほんの些細な狂いやミスで死んでいった奴を何人も見ている。それに、俺はまだ死ぬのはゴメンだからな。

 戦いには常にベストで挑むのが俺流だ。だから、俺がしっかり把握して手足の如く扱える様にセッティングしてある機体で挑むのさ。

 などという事をヒュウガに話ながら俺が自分の機体を置いてあった所に戻ると・・・


「俺の機体がない!!」


 俺の機体がなくなってかわりに見た事のない機体が置いてあった。
 いや・・・どっかでみたな、研究所のパーツ運んだ時か? Jアイン・・だったか?


「Jアインを元にした極地専用PFの指揮官機Jカイザーの開発作業の途中で作られた試作機・・・・だそうですよ。隊長」


 俺が呆然と機体を見上げている横でヒュウガが機体解説書を読み上げていた。
 何故俺の機体がすり替わっているのか・・・まぁ、犯人はすぐに予測が付いた。


「ヒュウガ! てめぇ!!」


 今まで横にいたヒュウガは既にいない・・・何処いきやがった。




 いた! 


「待ちやがれ!」


 そのあと、たっぷりと修正をしてやった。
 しかたがねえから、JアインだかJカイザーだか知らないがこれを使う事にした。

 パーソナルデータは既に移されている様でセッティングが楽なんで助かったぜ・・・“マジカル・レイ”にでもセッティングしてもらえたら最高なんだがな・・・ま、仕方がないか。

 俺がセッティングに追われているとあっという間に出撃の時間になっちまった。いよいよ、オーガル・ディラムとご対面か。


 俺のオーガル・ディラムを見た時の感想はこうだ・・・


「でっけぇ・・・」

『デカイですね。あれ、アルサレアにもあればいいのに』


 ヒュウガが俺の独り言にいちいち返事を返してきた。ま、無線を入れっぱなしだったんだから仕方がないけどな。


「まったくだな、あれ欲しいよな」

『でしょ、あれ、あったら楽ですよ』


 バスター部隊の攻撃が始まった。
 俺の部隊には配属されていないので静観だ。

 一射目、効果ねぇな

 二射目、あ〜あ、駄目だこりゃ・・・射手が動揺しちまってる。やべぇな、敵に呑まれてる

 三・・・ん、反撃か?

 オーガル・ディラムの肩の主砲が火を噴いた。
 バスターランチャーなんかは比べものにならない極太のレーザーがバスター部隊を直撃した。
 あの部隊の指揮官は何やってんだ!!


『PF・・・32機大破!』


 オペレーターの悲痛な叫びが聞こえてきた。・・・普通の戦闘でたった一撃で32機大破なんてありえないからな。


「各機散開!」


 一カ所にかたまっての遠距離戦はさっきの一撃で終わったと判断した俺は部下達に指示を出した。
 それぞれ散らばって、オーガル・ディラムに近寄っていく。
 両者の間にミサイルが飛び交い出す。
 たちまち煙に包まれ視界が悪くなる・・・おいおい、撃ち過ぎだぞ。

 俺はこの戦闘において僚機をわざと付けなかった。戦闘区域の外側の方から味方の部隊を眺めてフォローするためだ。
 今回は新米どもが多いせいで自分の戦いに集中するわけにはいかないからだ。

 まぁ・・・新米どもをむざむざ殺させるわけにはいかないからな。









 

 ふぅ・・・何分経った? 10分? いや、戦闘が始まってからまだ3分も経ってないか。
 戦闘ってのは集中していると、1秒が30秒にも40秒にも感じられるからな。

 さっきからずっと新米のお守りのしっぱなしだ・・・今までで一番疲れる仕事だぜ。
 だが、現実ってのは酷なもんでな俺がいくら頑張ってもよ・・・

 どうしようもないんだ。

 新米どもは次々に死んでいきやがった。俺は俺でけっこうカバーはしたんだが本来なら俺以外にも他のベテラン連中がカバーするはずなのに、どいつもこいつもオーガル・ディラムの前に恐怖を覚えて、怯えきっちまってよ・・・

 駄目なんだよ。

 全然、動けないんだ。
 ベテラン連中も恐怖に呑まれたら新米とさほど変わらないからな自分の身を守るので精一杯なのさ。

 俺だって正直あの戦闘の中で背筋に寒いものを感じたよ。 オーガル・ディラムはでかさといい火力といい装甲といい圧倒的だからな・・・あのデカ物の最大の強みは敵に与える恐怖心。まさに侵略兵器の名にふさわしい兵器ってわけだ。


『レドームに攻撃しろ!』


 後方の偉い爺さんはそればっかりで全然頼りにならねぇ。

 俺はと言うと実は自分でも良く覚えてないんだ。まぁ、集中しすぎたせいなのか恐怖からなのかは分からないが視界狭窄は起こしていたし思考もほぼ停止していた。

 一つだけ覚えている事はある・・・

 俺が切れたって事だ。

 その後の事は良く覚えていない。






 

 ★ ★ ★






 

 参謀本部長、ツェレンコフ・ゴルビーは焦っていた。

 オーガル・ディラムの力がこれほどとは思っていなかったからだ。


(こ・・これほどの火力と装甲を有しているとは・・・・・・・大部隊が仇となったか)


 大部隊による集中攻撃で敵を圧倒する予定だったのだが、大部隊だったがために敵への恐怖の伝染スピードが早まってしまっていた。

 恐怖などと言う単純なもので戦況が一変するとは思えない人もいるかも知れないが、恐怖や精神的な要因が戦闘に置いて勝敗を大きく分ける事は良くある事である。

 ツェレンコフは当初、オーガル・ディラムに対して一個大隊を攻略に当てたが、これが全滅してしまったためより多くの兵力で圧倒するためにこの地での戦闘を選んだのだ。


 だが、オーガル・ディラムの強さは火力や装甲ではなくその巨体から来るプレッシャーと言う単純な事を見落としていた。


(わしも年老いたものだな・・・)


 先ほどから司令部にいるツェレンコフに聞こえてくるのは通信機から聞こえてくる兵士達の叫び声や悲鳴だけであった。

 今は奥歯を噛み、自分では兵士達を正気に返らせる事も出来ない無力感を感じる事しかできなかった。

 彼の部下の一人が後ろから小声で声を掛けてきた。


「作戦本部長・・・味方の被害は6割に達しています。これ以上の戦闘は、無理なのでは・・・・・・」

「馬鹿者! ここでオーガル・ディラムを止めなければ我々の負けだ!!」


 突然怒鳴り声を上げたツェレンコフの声で指令室内は静まりかえってしまった。


「我々には・・・後がないのだ」


 ツェレンコフの言う事は事実である。これだけの大部隊、訓練学校を卒業してすらいない若者達までつぎ込んだこの戦力で負ける様ではもはや勝ち目はない。
 戦場はここだけではないのだ。これだけの大部隊を一度に集結させるだけの兵の余裕も時間の余裕もないのが実状であった。


(グレンリーダー・・・・・彼でもなければあの化け物は止められないのか、いや、彼がいたとしても完全に完成しているあれには勝てるかどうかも怪しいものだ)


 指令室内の誰しもがここでの敗北がアルサレアの国としての敗北に繋がる事を認識せずにいられなかった。
 だが、そのことが事態を悪化させる事はあっても指令室内では良い方向に変わる事はなかった。


「・・・弾薬貯蔵庫に侵入者です!」


 そんな声が不意に聞こえてきた。


「さっさと捕まえろ!」

「いえ・・・それが、味方のようです。PFでドアをこじ開けてます」

「なんだと・・・映像を映せ」


 Jカイザーの試作機が貯蔵庫のドアをこじ開けている映像がツェレンコフのすぐ近くのモニターにあるモニターに映し出される。


「この貯蔵庫は・・・新型ヘルファイヤーの置いてある貯蔵庫じゃないか! 早く止めろ!!」

「無理です、PFを止める方法なんてありません」


 流石のツェレンコフも何が起こっているの理解に苦しんだ。何故味方が弾薬貯蔵庫に? どうしてだ? 何の目的で? 敵の工作員? 


「そのPFと回線を繋げ!」


 指示を出すと同時に貯蔵庫PFとはまったく違うPFからの回線が入ってきた。


『おい、こら! 司令室でくつろいで指揮をしている野郎ども良く聞きやがれ! どうせ、ここで負ければ終わりなんだ! 俺は俺の戦い方をさせてもらうからな!!』

「おい、君は誰だ。階級と名前を名乗りたまえ」

『ラグナ・グレイス、大尉だ・・・・ツェレンコフの爺さんだな・・・・・・よく見てな!俺が今からてめぇの考えた作戦の軌道修正をしてやるからよ!!』

(大尉・・・・大尉まで昇進した男が命令系統も何も無視し出すとは前線の兵士の志気も精神状態も限界か・・)

「グレイス大尉、君一人で何が出来るというのだ」

『爺さん・・・此の期に及んで説教かい? あんただって分かってるだろ・・・・・・・こいつを止めるチャンスは後にも先にも今しかないんだ』





 

 ★ ★ ★





 

 それだけ言うと隊長は全武装を強制排除し、足元に落ちていた斬馬刀とカタナを拾い上げ両手に装備した。


『おい、ヒュウガ。付き合うか?』


 隊長は僕に声を掛けてきました・・・・ここまで来て付きあうか?・・・隊長らしいですね。それにしても、僕の名前は出して欲しくなかったですね評判が悪くなってしまいます。


「こうなったらトコトン行きましょうかね、隊長」

『へっ・・・そう言うと思ったよ』


 どのみち後はない・・・そんなこと誰だって分かってましたからね。どうせなら華々しく散った方が良い、そう思ったんですかね隊長は?・・・・・もっとも、散る気なんて最初から僕にはないですがね。


『ヒュウガ』

「はい」

『援護は任せた』

「了解」


 開戦当初300機いたPFも既に70機程度。
 オーガル・ディラムは無尽蔵とも思えるほどのミサイルと当たれば即死間違い無しのレーザー砲で攻撃し続ける・・・やれやれ、あのミサイルの雨に突っ込むのかと思うと嫌になりますね。


『さて・・・・行くか』


 隊長はまるでぶらりと買い物でも行く様な感じでそう言うと機体をオーガル・ディラム向けて突撃開始。
 もちろん僕もすぐに追いかけましたよ。

 他の皆さんはオーガル・ディラムを怖がって遠くにいますからね。当然の様に僕たち二人にミサイルは全て向かってきます・・・・このミサイルは近くにいるPFに優先的に飛んでいく様に簡単なプログラミングがされているみたいですね。


 1つ。

 2つ。

 3つ。

 4つ。

 5つっと・・・あれ?・・外しましたね。悪いですがそれは自分で回避してもらいましょう。
 おや、おや、避けないで斬馬刀で叩き落とすとは・・・・隊長らしいですね。

 6つ。

 7つ・・・ふぅ、数が増えて来ましたね。

 8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20・・・・数えるのが面倒かな?



 あれ・・・攻撃が止んだ?


『勝機!!』



 さらに加速をかける隊長。
 後は任せますよ・・・さぁ見せて下さい、貴方の底力をね。





 

 ★ ★ ★





 

『さて・・・行くか』


 ツェレンコフ・ゴルビー以下司令室の面々が望遠カメラでメインモニターに映し出された戦場の光景を見つめる中、ラグナがボソッと呟くと彼とその僚機は無謀とも思える特攻をはじめた。

 すぐに司令室にいる誰しもが息を呑む光景が繰り広げられた。

 650mの巨大な兵器に突撃するたった二機のPF。
 その2機に迫る。100は越えるであろうミサイル。

 最初はミサイルを撃ち落としていく姿が見えたがその姿がすぐに煙で見えなくなった。

 ミサイルを撃ち続けるオーガル・ディラム。

 急にオーガル・ディラムの動きが止まった。
 ツェレンコフがよく見るとオーガル・ディラムの右肩、レーザー砲がある当たりから煙が上がっていた。
 PFのピンポイント砲撃によって壊されたのだ。


「誰だ?」

『だっはっは、参謀本部長、たまには命令無視も大目に見てくれ!』


 参謀本部長にも聞き覚えのある声が聞こえてきた・・・ギブソン・ドゥナテロだ。
 ギブソンが自分の中隊を率いてわざわざやって来たのだ。スティールレイン連隊は別の場所で交戦中のはずである・・・つまり、ギブソンは命令無視してここに来たわけだ。
 ギブソンの声を聞き流しながらツェレンコフはメインモニターにすぐに視線を戻した。


『勝機!!』


 ミサイルが一瞬止み、爆煙の中からラグナの蒼白く輝く機体が飛び出してきた。

 ハイパーモードを発動させたラグナの機体は手に持っていた斬馬刀を投げ捨てると大上段にカタナを構え人型のオーガル・ディラムのちょうど腹の中心当たりにあるレドームに斬りつけた。

 だが、PFの全長と同じぐらいの大きなレドームを少し傷つけただけでカタナの折れてしまった。そこら辺のPFの残骸から拾い上げたカタナは耐久力に限界が来ていたのだ。








 

『隊長!』


 ヒュウガのPFがラグナの機体に向かって何かを投げた。
 それはラグナが先ほど投げ捨てた斬馬刀であった。
 ラグナが斬馬刀を投げ捨てると同時に下に落下していく斬馬刀を空中でキャッチ。ヒュウガはこれを見越してかどうかは本人しか分からないがしっかり斬馬刀を確保していたのだ。


『追いつめられた獣を甘く見るなよ!!』


 一刀両断。

 レドームは見事に真っ二つになった。
 一つのレドームを壊されたオーガル・ディラムは一瞬だが動きを止めた。

 ツェレンコフはこの気を逃すまいと全PFに突撃を命じようとしたが・・・その前に妙な通信が入ってきた。


『ヴァリムの悪党どもこれでも喰らえぇ! 全てを焼き尽くせ、レヴァァァァァァァァンティィィィィィィィン!!!』


 ツェレンコフが通信を繋げと言ってそのままにして忘れていた格納庫に侵入したPFのパイロットの声だった。声から察するにまだ幼い子供の様に思える・・・・マコト・フライト。新型ヘルファイヤーをただのヘルファイヤーと思いこみ盗み出した不届きものである。

 何時の間にオーガル・ディラムの真上に移動していたマコトが新型ヘルファイヤを発射。左肩のレーザー砲に当たりそれを完全に破壊した。

 幸いラグナもヒュウガもオーガル・ディラムの巨体の影に隠れられたので被害はなかった。



 ツェレンコフは今度こそ命令を出した。


『PF全機突撃! 今こそ、我らが力を示す時だ!!』


 ツェレンコフのその一言で他の兵士達に火がついた。
 動きの止まったオーガル・ディラムに一斉に飛びかかる。

 レドームを一つ壊され新型ヘルファイヤーの直撃を受けた衝撃から立ち直ったオーガル・ディラムも同時に動き出す。

 もはやPFパイロット達に迷いはなかった。ただ、突撃あるのみ彼らの心には恐怖ではなく狂気に近い一片の希望が見えた事への狂喜があった。


 その戦場には・・・まともな人間などいられなかった。















 

 数分後、ヴァリムの作り出した巨人は地面に横たわっていた。

 周囲にはPFの残骸、PFの脱出ポッドはこの戦場に置いてはオーガル・ディラムの動体感知ミサイルやミサイルと間違った味方からの誤射などでほぼ全滅。
 運良く脱出ポッドが作動しなかった人間がPFを撃破されて助かった人間の大多数であった。

 生き残ったものも誰も喋りたがらない凄惨を極めた戦いの一つとしてこの戦いは記録に残る事になる。







 

 ★ ★ ★








 

 気が付けば俺はまだコックピットに座っていた。
 息が荒いのが自分でも分かる。
 心臓の音がハッキリと聞こえてくる。俺が生きている証拠だ。

 周りを見渡せば・・・・目に付くのはPFのスクラップばかり、たぶん俺の機体もスクラップに近いだろうな。

 急に身体が震えて寒くなってきた。寒いってのに妙に汗が出てくる。

 俺の手の甲に水滴が落ちる。何かと思ったがそれは俺の涙だった。

 何時の間にか震えながら声も出さずに一人泣いていた。

 







 

 しばらく・・・

 休みが欲しいな・・・・











 



−キャラ設定−

○ラグナ・グレイス 年齢25歳 階級:大尉
 普段の性格は大雑把でいい加減なのだが、仲間のことに関してだけは常に気を配り心配しているまめな一面がある。この後に少佐に昇格する事となる。


○ヒュウガ・カミカワ(神川日向) 年齢:20 歳階級:中尉
 真面目で気が利く良い性格。いつもニコニコしていて掴み所のないヤツ。それに加えて人をからかって遊ぶのが好きという困った癖があるが、今のところ被害にあっているのはラグナのみの様である。この後に大尉へと昇格する。


−兵器設定−

○オーガル・ディラム(オリジナル完成版)
 全長650mを誇るヴァリムの巨大侵略兵器。空中空母としての役割も果たし8機のPFを搭載可能。しかし、空母と言うより戦艦では?、との声も多い。全長のわりに搭載PFが少ないのは変形機構とその弾薬の多さが原因である。だが、その巨体が敵に与える重圧感や恐怖感は大きくかなりの影響力を持っている。
 主砲として大出力レーザー砲を2門装備しており通常のPFではその一撃に耐えられる事はないだろう。
 搭載されているミサイルは用途に応じてロックシステムが切り替わる様に出来ており臨機応変に対応できる様になっている。
 さらに、装甲が強固で4足歩行戦車に対して圧倒的にPFが有利な様にPFに対して圧倒的に優勢な立場にある。
 弱点としてはあまりにも巨体のためにレドーム(レーダードーム)を全て破壊されると人間で言えば目が見えない状態になってしまい、無力化してしまう。
 それと、コストと運用費が尋常ではなく戦果は大きく上げられるかも知れないがPF2個師団を動かした方が安いとさえ言われている。


○レヴァンティン(新型ヘルファイヤー)
 マコトが普通のヘルファイヤーと勘違いして持ち出した新型のヘルファイヤー。過去の試作型の実験では街を一個消滅させてしまったがこれは威力を抑えてある。それでもヘルファイヤーよりは強力なため運用には細心の注意が必要となる。
 レヴァンティンの名前はこの戦闘の後にマコトが叫んでいた言葉をそのまま兵器の名前として登録したものである。
 元ネタの語源がレーヴァンテインともレヴァティンとも呼ばれているので正確な名称は不明ですがなんとなくレヴァンティンにしておきました。
 ちょっと前までマイナーだったのに最近はメジャーになりつつある剣もしくは杖。





−後書き 原案:ナイトメア−
 語れざる番外編第一弾ラグナはアルサレア要塞戦の時、何をしていた?が完成しました。まさかこのような形で番外編が出来るとは思ってませんでした。
 この案を出したバーニィさんに感謝します。さて次回は・・・バーニィさんにお任せします



−後書き 文:バーニィ−
 コバルトリーダー編完成・・・ふぅ〜人から借りたキャラというのは難しいですね(滝汗) 話の内容としてはけっこう滅茶苦茶になってしまいましたが、こう言うのもありかな? なんて思ってます(核爆)


 


 管理人より

 バーニィさんからラグナ編をご投稿頂きました!

 ふむふむ・・・・ゴルビー役立たず(爆)

 そしてラグナとギブソンがかなり活躍・・・・やはり年期の違いか(笑)
 


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