名も無き兵士達の血の記憶〜アルサレア戦役〜






原案:ナイトメア
文:バーニィ



 ダン編 〜張り子の虎〜


 アルサレア戦役、二日目。

 ヴァリム軍の第一次攻撃部隊の侵攻は作戦通りに戦いを有利に進めていた。

 少数精鋭で編成されたこの部隊の前では今のところアルサレア軍内に敵はいなかったが、後方からの補給及び第二次攻撃部隊の輸送機のルートを確保すべく戦いが続けられていた。

 アルサレアの領土内の奥深くに進むほど敵の質も量も増して来ている。


 そんな中、時刻は夕暮れ、木が生い茂る森の中でダンの所属するルキア小隊はその最前線に位置する場所でアルサレア軍の対空防衛施設の破壊活動の任務に就いていた。


『前方に敵対空防衛施設発見。レーザー砲が二門、敵PFの存在は不明』

 ルキア小隊の隊長ルキア・サーカムが言った。敵にはまだ発見されていない、遠くからPFに搭載されているカメラの最大望遠で見ているからだ。

 アルサレア軍の対空兵器として使われているレーザー砲は大きいために視界の悪い森の中でも遠くから目立つのだ。

「ルキア、俺が上空から行って囮になる」

 ダン・ロンシュタット軍曹が提案する。鉄砲玉のような彼らしい思いつきだ。

『ダン・・・その役はあなたのロキより私の機体の方が向いているわ』

「おいおい、隊長が突っ込んでどうすんだよ。そう言うのは下っ端に任せておけって」

『そうですよ、ルキア隊長。下っ端に任せれば良いんです』

 サブロウ・ナガレ曹長がダンに同調する。

「おい、サブロウ。この中ではお前が一番下っ端なんだぞ。お前がやるのか?」

『いえ、いえ、とんでも無い。ダンさんに任せますよ。頑張って下さいね』

「まったく、調子のいいやつだなお前は。それじゃあ、お前はしっかりとルキアの重いケツを支えてやれよ」

『了解、任せておいて下さい! きっちり支えて見せます!!』

『二人ともふざけてないで、決まったのならサッサと行きなさい』

「はいはい、わかったよ」

 ルキアに少し言いすぎたかなと思いながらロキをターゲットに向かわせる。


 ロキを上空に飛ばすとすぐに敵に補足され二門のレーザー砲がダンを襲う、はずだったが攻撃は来なかった。

(・・・なんだ、アルサレアの奴ら怖じ気づいて逃げちまったのか? PFすらいないじゃねえか)

 とりあえず動き出したからには目的を遂行するしかない。肩のMLRSを発射、レーザー砲に命中。

 ターゲットは着弾と同時に派手な閃光弾を上空に上げて爆発した。

『ダン! 何やってるの、敵を呼ぶ気なの!!』

「そんなもん、知るか! 勝手に爆発したんだよ!!」

『敵PF補足、機数・・・六機です』

 ルキアが叫び、ダンが叫び返すとサブロウが敵を補足した。

 モーターキャノンの雨がこちらに向かって飛んでくる。

『各機散開!』

「やってやろうじゃねえか!」

 ルキアは散開を命じたが、ダンは2、2、2、に分かれて包囲しようと動きながら攻撃してくる一番手近な敵に突撃する。

『ダン! 誰が突撃しろって言ったのよ!!』

「悪いな、聞き間違えた」

 ルキアの怒声を聞きながらも機体は止めない。

 軽くジャンプさせるとMLRSを発射し滑空しながら敵に近づく、MLRS発射後の硬直を誤魔化すためだ。

『まったく、ダンったら・・・サブロウ曹長、仕掛けるわよ!』

『了解、任せて下さい』

 ルキアとサブロウも攻勢に出る。

 そんな二人の通信を聞きながらダンは敵PFの姿を目視で確認した。カスタムPFとJファーカスタムだ。

 ざっと見た所カスタムPFの武器はバズーカらしき火器とスピア、肩のガトリングにJアームドヘッド、装備からしてそれなりの戦果を上げているパイロットが乗っているようだ。

 真っ直ぐに近づくダンにJファーカスタムがMLRSを撃ち落としカスタムPFが右から回り込もうとする。

 それに対しJファーカスタムをロックし回り込もうとする敵PFとは逆にJファーカスタムの背後に向かってに左から回り込む。

 サブマシンガンの弾が飛んできたが木の陰に隠れてやり過ごす。木の陰からジャンプしながら出ると同時にMLRSを発射する。

 下降しながらMLRSと共にJファーカスタムに近づき右手のサブマシンガンを発射。

 しかし、ロキの性能がダンの反応に追いつかないためその動きは鈍い。Jファーカスタムは後ろに下がりながらサブマシンガンを避け、MLRSを撃ち落とす。

(くそっ、動きが悪い)

 横から回り込んできたカスタムPFのガトリングが火を噴くが木が邪魔をして動き回るダンのPFには当たらない。

(遠距離からのガトリングじゃ、木が多くて当らないだろうな・・・)

 そう考えたがすぐにそれは否定された。

 横から大きな衝撃が加わりダンのPFは吹き飛ばされ木に激突する。

 ダンの視界が暗くなった・・・・





 こ
            っ
                       た
       ?
         だ
                ん
            お
                       が
     に





 ・・・・ダンの意識が戻り視界に入ってきたのは背中を向けて空に攻撃している二機のPFと攻撃を受けている見覚えのあるPFであった。

「ル・・キ・ア?」

 頭がハッキリとしないダンはすぐにルキア機だとわからない。

『ダン! 生きているなら返事ぐらいしなさいよね!!』

「!・・・ルキア」

(吹っ飛ばされて気絶していたのか・・・バズーカじゃないな・・・パンツァーシュレックか!)

 状況を理解したダンは機体状況を確認。動かすには問題がないようだが耐久力は限界に近い。

「俺に止めを刺さなかったのが失敗だったな!」

 ロキを素早く立たせるとJファーカスタムの背中にカタナを突き刺す。

 パイロットを失ったJファーカスタムは停止した。

「よし、次!」

 続いてカタナを引き抜き、カスタムPFの方へと向きを変える。だが、パンツァーシュレックの銃口が既にこちらを向いていた。

 速度は遅いが狙いの正確な弾が撃ち出された。


(直撃)


『ダン!』


 ルキアが機体を間に割り込ませサブマシンガンで弾を撃ち落とす。

 至近距離で迎撃したためルキア機は爆風に巻き込まれて吹き飛ばされダンの機体にぶつかる。二人の機体は重なり合うように倒れてしまった。

「ルキア、早く機体を退かせろ!」

『悪いけど、すぐには動けないわ・・・』

「なにぃ!」



『そこまでだ、投降してくんないかな?』

 カスタムPFがこちらに銃口を向けながらやる気の無さそうな声で話しかけてきた。

「誰が投降するか!」

『ちょっとダン、あなたは喋るんじゃないの!』

「黙ってろルキア、俺は投降しねえぞ」

『この状況で何言ってるのよ!』

『ちょっと、良いかなヴァリムの兵隊さん。お話中悪いんだけどさ・・・投降しないなら撃つよ』

「おうよ、撃てるもんなら撃ってみやがれ!」

『ああ、ちょっと待って投降するわ!』

「おい、ルキア何言ってやがるんだ!」

『あなたこそ、何言ってるのよ。死にたいの?!』

『おいおい、勘弁してくれないかな・・夫婦喧嘩を戦場に持ち込むかね・・・』

『「夫婦じゃない!!!」』

 ダンがロキの右腕だけを動かしこちらに向けられているパンツァーシュレックの大きな銃口に弾を撃ち込むと、パンツァーシュレックの弾が内部で爆発しカスタムPF右腕が吹っ飛んだ。

『やるじゃないの!』

 敵のカスタムPFはそう言いながらもスピアを突き出す。

 ルキアは動けるようになった機体のカタールでそれを払う。

 Jアームドヘッドのアームドマシンガンが放たれたが既に二人の機体は両側に分かれ距離を取っている。



 司令室から緊急通信が入ってきた。

『対空防衛施設攻略の任務に当たっている皆さ〜ん。敵の増援が近づいています。至急撤退を開始して下さい! 逃げ遅れてもきっと助けますから、ネバーギブアップです!!』

(どうせ、助けになんか来ねえくせに・・・よく言うぜ)

 ダンがレーダーを見ると既に周囲には敵影が映っていた。

(敵の増援か・・・ルキアだけでも逃がさないとな)

『ダン、撤退するわよ』

「サブロウは?」

『レーダーに反応がないわ・・・脱出した事を祈りましょ』

 カスタムPFがダンに向かって攻撃を始めた。

「ルキア、先に撤退しろ! 俺は借りを返してからいく!!」

『あなたも撤退しなさい!』

「いいから行けって!・・・・レーダーに反応?」




 高速でこの場に接近する味方のPFがレーダーに映ったかと思うと、上空から飛来した黒いPFが敵カスタムPFの背後に降り立った。

『双方そこまだ!! 武器を引け!!!』

(何だ?)

 ダンの耳にどこかで聞き覚えのある声が聞こえてきた。

『アルサレアのパイロット・・・命が惜しければこの場は引くがいい。引かぬのならこの黒夜叉が相手になろう!』

 黒夜叉、言わずと知れたグリュウ・アインソード大尉である。

 最新式のPFオニに乗っているが、黒夜叉と言えどもこの状況である。敵は増援が近づいており、どう見てもこの状況はこちらに不利である。ダンは敵が素直に引くとは思えなかった。

『それじゃ、遠慮無く引かせてもらうとすっか』

 予想に反して敵はあっさりと撤退をした。黒夜叉と戦ったのでは倒せたとしても割が合わないと思ったのだろう。

『大尉・・・何故、わざわざ来たのですか?』

『ルキア少尉、その話は後だ。早く離脱するぞ。少尉は先に行け』

『はい』

 ルキアは指示通りに撤退を開始した。

『ダン軍曹も早く行け、敵がくるぞ』

「いや・・でも」

『サブロウ曹長の脱出ポッドは回収した。行け!』

「・・・了解」

 ダンも撤退を開始。この戦いに置いてグリュウのおかげで命拾いをする事となった。

(・・・・なんだ、あいつは他の指揮官と違うのか? いや、まだ信用は出来ねえ)

 ダンは過去の苦い経験から、指揮官どもはどいつもこいつも兵士の命なんか駒としか考えてねぇ、と狭い考えに囚われている。

 そして、グリュウの様な指揮官に出会った事は一度もなかった・・・・・

















 

 ダンは基地に到着するとすぐにルキアと共にグリュウの元へ向かった。

「グリュウ大尉」

 ルキアが駆け寄っていく。ダンは複雑な顔をしながら後をついていく。

 グリュウはオペレーターのティナ・マックスウェルと話している所だった。ティナは何かにつけてネバーギブアップと連呼する変わり者である。

「ルキア少尉か」

「大尉、ありがとうございました」

「気にするな、貴重な戦力を失うわけにはいかないからな」

「ほら、ダン!」

「・・・・」

「ダン・ロンシュタット軍曹だったか・・・・助けた事が不満なようだな?」

 ダンの不満そうな顔を見てグリュウがそう言った。ダンは黙ったままグリュウを正面から見ている。

「君はあのまま、死にたかったのか?」

「・・・そんなわけねえだろ! 俺はあの場からも生きて帰れた!!」

「ちょっと、ダン!」

「君一人ならばそれも可能であったろうが、仲間は守れたのかな?」

「ああ、守ってみせるさ! お偉い指揮官なんか信用できねえからな!!」

「ふむ・・・あの噂は本当のようだな」

「あの噂?」

「君の指揮官に対する態度がかなり悪いという噂だよ・・・ほかの指揮官達はほとほと手を焼いているみたいだがな」

「へっ、けっこう有名になってんのか」

 ダンは指揮官に対する態度の悪さから行く先々で問題を起こし部隊を転々としていた。グリュウ大隊に配属される前の隊で問題を起こしたからであった。

「君が何故、指揮官に対して態度が悪いのか分からないが、一つだけ言える事がある」

「へぇ〜」

「君には仲間を守れないという事だ」

「なんだと!」

「今のままでは自分の命さえ守れないだろうな」

「言わせておけば調子に乗りやがって!」

 グリュウに殴りかかろうとするダンをルキアが押さえる。

「ダン! 馬鹿な真似は止めなさい」

「邪魔するな、ルキア!」

「いい加減にしなさい!!!」

 パンッ!

 っと、いい音がする。

 ティナがダンの頬を平手で叩いたのだ。

「てめぇ、何しやがる!」

「グリュウ大尉は撤退の遅れているあなた達の救助をするために御自分から真っ先に出撃なさったんですよ!!」

「・・・・」

「あなたなんかに、大尉に文句を言う資格はありません!」

「ダン・ロンシュタット軍曹!!!!!!!」

 グリュウが大声でダンの名前を呼ぶ。どの場にいる全員の思わず耳をふさぐ。

「なんだい、グリュウ・アインソード大尉殿!!!!!!」

 ダンも負けずに叫び返す。

「力が有り余っているようだな・・・その力はアルサレアの連中のために取っておいた方が良いぞ」

「アルサレアの連中の前にあんたを先に倒してやるよ」

「・・・・君のような男には言葉は無用だな。ティナ、これを預かってくれ」

 グリュウはそう言うとティナに愛刀を預けた。

「面白いじゃねえか!」

「ダン、止めなさいよ!」

「うるせぇー!」

 ダンは止めに入ったルキアを突き飛ばすとグリュウに歩み寄る。

 グリュウもダンに真っ直ぐ近寄ってくる。

 両者の距離が徐々に詰まる。



 蹴りの間合い、まだ動かない。



 拳の間合い、ダンが先に仕掛けた。

 グリュウの顔めがけ拳を振り上げ殴りかかる。

 頭の中が一瞬、白く光ったかと思うとグリュウがこちらを見下ろし立っていた。

(俺が殴られたのか?)

「どうした、こんなものか?」

「まだ、まだこれからよ!」

 鼻の下に何か垂れてくるのを感じ、手で拭ってみると赤い物が付いた。

「おっさんのわりにやるじゃないか・・・」

「まだ、そんなに歳は取っていないのだがな」

「さて、続きをやろうぜ!!」

 ダンが地を蹴り前に出た。





 二人の喧嘩に気が付いた人で周囲には人だかりができ円を描くように二人を囲っていた。

 ルキアは無鉄砲なダンを止めたいと思いながらもその姿を見ている事しかできずにいた。

「ダンの・・・・・・バカ」

「はい、ちょっとごめんなさいよ、ちょっと通してもらいますよ〜」

 人混みをかき分けルキアの隣に意外な人物が現れた。

「サブロウ曹長、怪我はないの?」

「はい、グリュウ大尉のおかげで助かりましたよ。いや〜一時期はやばいと思ったんですがね」

 ルキアはサブロウが機体を撃破されたのを知っていたので怪我ぐらいしているだろうと思っていたのだが、目の前に現れたサブロウは元気そのものの様に見える。

「サブロウ曹長、ダン軍曹を止めなさい!」

「はい? 俺がですか・・・・」

 戦っている二人に目を移すと、倒されては起きあがり相手に飛びかかっていくダン見えた。一方的にやられている様である。

「よし、誰とやり合ってるかは知りませんがルキア隊長の頼みとあらば!」



 二人の所に駆けて行くサブロウ。

「その勝負そこまでだぁーーー!」

 二人の動きが止まった。

「あん・・・サブロウ・・止めんじゃねえよ」

「ダン止めとけ、お前の勝てる相手じゃねえ。だいたい、あんたも・・・・・あっ」

 ダンに一言言った後喧嘩相手にも一言言おうと思って相手の方を向き、サブロウは凍り付いた。

「あら〜グリュウ大尉であらせられましたか・・・どうぞお続けになって下さい。このダンをきつ〜く修正してやって下さいね」

「そんな事言うなら、最初から出てくんな!!」

「あがっ・・・」

 ダンの一撃でサブロウはその場で地に倒れ伏した。

「良いのかダン。せっかくの止めるチャンスだぞ?」

「へ、てめえこそ、良いのかよ・・・・謝るなら今のうちだぞ」

 強がりを言ってみるものの足元はおぼつかない。

 ダンがまた殴り倒された。

(これで何回目だっけな・・・)

「いい加減に諦めたらどうだ・・・君では私の相手をするには未熟すぎる」

「はっ! よく言うぜ」

 ダンがフラフラと起きあがる。

 起きあがる際に地面に手をつきながらこっそりと土をつかみ、立ち上がるとそれをグリュウの顔に投げつける。土を目つぶしに使おうというわけである。

「ぬっ」

 グリュウは手で顔を庇い、目を閉じ土が目に入らない様にする。そのせいで完全に目つぶしの効果は上がらなかったがそれでも動きを止めるには十分であった。

「やられた分はきっちり返してもらうぜ!」

 ダンの渾身の力を込めたアッパーがグリュウの顎に綺麗に決まった。

 さしものグリュウも大きく仰け反りダウンする。

「へへ、調子に乗ってるからだ・・・」

 さらにダンは手頃な石を二、三個つかみ拳に握り込む。グリュウがゆっくりと起きあがった。

「おい、まだ終わりじゃねえぞ、立てよ」

「やれやれ・・・勝負に勝つには手段を選ばんと言うわけか」

「当然だろ、勝たなきゃ意味がねえ」

「お前が言うのももっともだな・・・」

 グリュウがティナの方に歩いて行き愛刀を手にする。

 周囲で見物していたギャラリーも、流石に不味いのでは?、っと思ったが刀を持ったグリュウの出す雰囲気に誰も動けずにいた。

 ダンを心配するルキアも声も出せずに戦いの行方を見守っていた。

「さて・・・・終わりにするかダン」

「そんなもんを持ち出すのかよ・・・・面白いじゃないか」

 グリュウは刀を鞘から抜いてはいない。

 ダンがグリュウに向かって駆けだした。

 グリュウが刀を鞘から抜き放つ。

「キエェェェェェェェェイ!」

 振り下ろした。

 ルキアを含む、周囲のギャラリー達の何人かは見ていられずに目をつぶった。













 

 ルキアが目を開けると、ダンの顔の目の前で刀は寸止めされていた。

 ダンは目が点になっていた。

 グリュウが刀を引く。

 ダンは力無くその場に座り込むと全身から冷や汗が出るのを感じた。

「ダン、お前は何のために戦っているのだ?」

「・・・・」

「恨みか?」

「違う! 俺は・・・(何のために戦っているんだ?)俺は・・・(そんな事、今まで考えた事あったか?)・・・」

「・・・答えられないのか?」

「そんな事はない!! 俺は・・・(何故だ! 何故出てこない?!)・・・」

 そこから先は言葉が詰まってしまい何も言えなかった。

「次の作戦が始まるまでもう一度良く考え直す事だな、答えが分からねば・・・お前ともう一度会う事はあるまい」

 グリュウがダンに背中を向け歩き去る。

 見物人達もちりぢりに散っていく。

 後に残ったのは座り込んだままのダンと未だに気絶をしているサブロウと・・・。

「・・・・・・・・・ダン」

 小さくなったダンの背中を見つめるルキアだけであった

(・・・・俺は・・・俺は・・何故、戦っているんだ?・・・何故・・何故だ・・・)

 ダンは答えも分からず苛つくことしかできなかった。



・・・・心の中に大きな空洞がある事にようやく気が付いた・・・・

(アイリーン・・俺は・・・今までなんで戦っていたんだろうな・・・・・・お前を・・・お前を・・・・お前を・・・はは・・今更、悲しくなってきやがったよ・・・お前を守れなかったのも何となく分かってきたよ・・・そう言う事だったのか・・・・)

 ダンの目から涙がこぼれ落ちていた。










 


 −設定−


・ダン・ロンシュタット 年齢:20歳 性別:男

 ヴァリム軍アルサレア侵攻部隊グリュウ大隊の配下ルキア・サーカム率いるルキア小隊のPFパイロット。階級は軍曹。
 名門ロンシュタット家の跡継ぎだが国で安全に暮らしているのが嫌になりヴァリム軍に志願。
 ダンが寄付をしていた孤児院に遊びに行っている時にアルサレア軍の試作新兵器により町そのものが攻撃を受け子供達はダンの目の前で全員死んでしまった。
 ヴァリム軍へ志願した理由にそれも含まれている。軍隊内ではロンシュタット家の者だとは自分から言ってないので意外と気が付いている人間は少ない。
 軍入隊後ある事件があり上官に対して異常なまでの不信感を持つようになったしまった。



・ルキア・サーカム 年齢:21歳 性別:女

 ダンの所属する小隊の小隊長。階級は少尉、ダンと同時期にヴァリム軍に入隊したがルキアの方が先に昇進していることにダンは不満を持っているがルキアはそのことをからかって楽しんでいる。ダンとともに孤児院を訪問した際にアルサレア軍の新兵器実験で酷い目に遭っているがそれほどアルサレアを恨んでいるわけではない。
 無鉄砲なダンが心配してわざわざ軍隊にまで入隊したが、ただの幼なじみ以上の進展は未だにない。



・サブロウ・ナガレ 年齢:18歳 性別:男

 ルキアの配下のルキア以上に影の薄い男。密かにルキアに惚れてはいるが内気なので何も言えないでいる。階級は曹長、ダンのルキアに対する態度に不満も持っている。



・ティナ・マックスウェル 年齢:19歳 性別:女

 性格はいたって温厚、口調は平凡、芯はしっかりしているので逆境には強い。
味方を見捨てるのが一番嫌いなこと。パイロット志願だったが適正テストに落ちてしまいオペレーターをしている。






 −後書き 原案:ナイトメア−

 この話はゲームの設定で書いていますのでこの設定が違っていたら感想で突っ込んで下さい。

 その場のノリで決まる次回の登場人物は・・・ムラキでは話が作りにくいからランブルに決定。





 −後書き 文:バーニィ−

 ダン編完了。ダンは書きにくいキャラでした・・・そのことが文に出ていないか心配です。無駄を省かないと行けないから短編って本当に難しいです。ナイトメアさん今回は本当に助かりましたありがとうございます。

 皆様の感想や意見などお待ちしております。
 タングラムさん毎回掲載ありがとうございます。

 


 管理人より

 バーニィさんよりご投稿頂きました!!

 フムフム・・・・ダンですか。

 しかし、まだ謎が・・・・・??
 


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